ロープクライミングの筋トレ効果と正しいやり方
ロープクライミングでは広背筋を中心として、上腕部、前腕、握力、腹筋なども鍛えられます。バーベルやマシンなどで鍛えるのとは違った鍛え方になります。
消防士やレスキュー隊などのロープクライミングは消防士やレスキュー隊の訓練方法にもなっています。筋肉を発達させるだけでなく、実質的に使える筋肉の鍛え方です。
しかし、このロープクライミングは一般的な筋トレとは違ったきつさがあります。ロープクライミングでの鍛え方をご紹介いたします。
ロープクライミングの効果
ロープクライミングの効果についてご紹介します。
上半身の筋肉が発達する
上半身の筋肉が発達します。それもかなり広範囲で発達します。
天井から垂れ下がった太いロープを両手で掴んで、上半身の力だけでロープのトップまで登って、降りるを繰り返す動作は、かなり上半身の筋肉に負荷をかけます。このオーバーロードが上半身の筋肉を大きく発達させます。
筋力と持久力の向上
筋肉が発達すると共に、筋力も伸びます。
バーベルやマシンでかかる負荷とは違ったタイプの負荷ですが、強い負荷が筋力を向上させます。それだけでなく、持久力も素晴らしく伸びます。
ロープクライミングはかなり疲労度が高い運動です。それが持久力につながります。
体脂肪が減る
個々の筋肉に連続して強い負荷がかかり続けますので、体脂肪を減らす効果もあります。
ロープクライミングを本格的に行なっている人は体脂肪が少ない、見事に引き締まった体をしているのは偶然ではありません。
ロープクライミングで鍛えられる上半身の筋肉
ロープクライミングで鍛えられる筋肉はかなり広範囲に渡ります。鍛えられるのは主に上半身の筋肉です。どのような筋肉が鍛えれるかを検証してみましょう。
広背筋
広背筋はロープクライミングでかなり強く鍛えられます。チンニングやダンベルローイングのような刺激ではありませんから、広背筋に特化したような効き方ではありませんが、広背筋も多角的に鍛えられます。実際、ロープクライミングを本格的に行なえば、広背筋がかなりパンプアップします。
広背筋の動きとしては、プルオーバーに似ています。腕の力でロープを登る動作は、腕の稼働が多いのは間違いないですが、広背筋もかなり使います。腕を交互に動かすという点ではプルオーバーとは違うとはいえ、多角的に広背筋を鍛えます。
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僧帽筋
シュラッグなどとは違った形で僧帽筋が鍛えられます。
僧帽筋を鍛える筋トレ種目では、僧帽筋の上部が鍛えられることが多いです。バーベルシュラッグ、ダンベルシュラッグ、シュラッグマシンなど、いずれも僧帽筋の上部を鍛えます。これに対して、ロープクライミングでは僧帽筋の中部から下部が鍛えられます。
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肩
肩の筋肉である三角筋には前部、中部、後部があります。
ロープクライミングでは、この三角筋のうち、後部が一番よく鍛えられます。後部、側部の順で強く刺激されます。前部についてはそれほど鍛えられません。
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大胸筋
ロープクライミングでは大胸筋はそれほど鍛えられません。
ロープを掴んで腕を交互に動かして登る動作はダンベルプルオーバーに似ていますから、大胸筋にも強く刺激しそうなものですが、広背筋や僧帽筋ほどには刺激されません。
まったく鍛えられないほどではないですが、広背筋や腕に対する刺激に比べれば、かなり少ないです。
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上腕部
上腕部もかなり多角的に鍛えられます。
ロープを登る動作を見れば、上腕部のうち、上腕二頭筋が最も刺激が強そうですが、上腕三頭筋もかなり鍛えられます。
それも、トライセップスエクステンションやアームカールのような直接的な鍛え方ではないですが、かなり多角的に鍛えられます。
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前腕
ロープクライミングでは上腕部以上に前腕が鍛えられます。ロープを掴んで登ることを考えれば納得がいくところです。
太いロープを掴んで体重を持ちあげる動作はかなり前腕に負荷がかかります。それもリストカールなどの種目とは違った形の刺激になります。前腕がかなり疲労します。
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手首
前腕がよく鍛えられることと関連しますが、手首も非常に強く鍛えられます。
手首にかかる負荷の方向にしても、リストカールなどのように、手のひら方向に動くのではなく、小指方向と親指方向の動作になりますので、刺激のタイプとしてはリストカールよりもレバレッジバーに似ています。
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手のひらの筋肉
ロープを強く握りって体重を支えますから、手のひらの筋肉そのものも鍛えられます。
普通の筋トレでは、手のひらにはあまり力を入れないことが多いですから、手のひらを鍛えるレベルとしては、かなり強度があります。ロープクライミングを何往復かしたら、手のひらもパンパンに張ります。
腹筋
ロープクライミングではシットアップのような動作を繰り返すわけではありませんが、レッグレイズのような姿勢のままで動き続けますから、腹筋もかなり多角的に鍛えられます。
腹筋の動きも一方向ではなく、左右斜めにも動きますから、直腹筋だけでなく腹斜筋も鍛えられます。
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握力
ここまでの説明で、握力がかなり鍛えられるのがわかると思います。掴んで離す動作というのはかなり握力が強くなるのは、鉄棒競技で鍛えられている体操選手たちの例が参考になります。体操選手は握力が80キロ以上あるのが普通だと言われています。体格や体重の比率で考えても非常に強いです。
鉄棒や吊り輪を握ったり離したりする動作を繰り返すことが握力を強くしています。ロープクライミングの動作とよく似ています。
ロープクライミングのやり方
ロープクライミングのやり方をご紹介しましょう。ロープクライミングは普通の筋トレとはかなり趣が違いますから、安全に注意して行なうようにしましょう。
上半身の力だけで登る
スタートポジションは座って、足を開いて、両手でロープを握ります。これがスタートポジションです。
ここから、上半身の力だけで、ロープのトップまで登り、そこからまた上半身の力で下まで戻ります。これで1往復です。この動作を繰り返します。
必ず素手で登る
ロープクライミングで使われているロープはかなり太いです。直径にして40ミリほどあります。バーベルのシャフトの直系が28ミリですから、握った感触はかなり太いです。
ロープを登るときは必ず素手で登るようにしましょう。手のひらを保護するために何かグローブをつけるとすると、途中で外れたときに危険です。
素手でロープを握ることで、手のひら皮も厚くなります。最初は手のひらが痛くなるかもしれませんが、繰り返すことで適応します。バーベルを握るのにしても、最初は手のひらが最初は痛くなるのものの、すぐに適応するのと同じです。
いきなり高いところまで登らない
ロープクライミングのロープはかなり高いところからぶら下がっていることがあります。場所にもよりますが、トップの位置が数メートル近くのこともあります。そのような場合に、トップまでいきなり登ってしまうと、戻って来る筋力が残っておらず、途中で落下してしまわないとも限りません。
最初はあまり高いとこまでは登らずに、途中まで登ったら、戻って来る、というパターンを繰り返して練習しましょう。慣れれば、トップまで登っても安全に運動できるようになります。
スピーディーに動くようにする
ロープクライミングはゆっくり動く運動ではありません。消防士やレスキュー隊が訓練で使うのを見てもわかるように、いかに速く動くかが重要です。
ロープのトップまで最速のスピードで登って、速く降りて、また登っての繰り返しです。そのスピードが結果的に筋肉をより強くします。
まとめ
ロープクライミングではかなり多角的に上半身の筋肉が鍛えられます。上半身の筋肉の中でも刺激が強く受ける程度の違いはありますが、かなり広範囲に鍛えられます。ロープクライミングを週に数回行なうとしたら、他の筋トレをまったくしないとしても、上半身がかなり鍛えられます。下半身の筋肉はほとんど使いませんから、体重そのものはそれほど増えないとしても、引き締まった鋼のような体にできる可能性があります。
上記で検証したように、ロープクライミングでは、上半身の筋肉のうち、大胸筋と肩の前面を除いて、かなり広い範囲で鍛えます。大きな筋肉だけでなく、前腕や手そのものみたいな細かい筋肉まで良く鍛えます。特に握力が強くなります。
プロレスラーの初代タイガーマスクとして活躍した格闘家の佐山聡氏は現役時代にロープクライミングで鍛えていて、握力が105キロにまでになったそうです。佐山氏のロープクライミングは両手ではなく、片手で行なっていました。片手でロープのトップまで登って、降りて、また登って、という動作を何度も繰り返したそうです。これだけ見ても非常に筋力が強かったことがわかります。
佐山氏は握力がそれだけ強かっただけでなく、腕相撲でも非常に強かったです。プロレスラーとしては小柄でしたが、隆盛を極めた新日本プロレスにあって、腕相撲の強さが最強クラスでした。当時の豪華な顔ぶれを考えたら、ロープクライミングという鍛え方は腕力をつける上でもかなり効果があるのがわかります。
ロープクライミングは上半身の筋肉を発達させ、筋力と持久力の向上、シェイプアップ効果もあります。下半身はほとんど使わないので、全身運動とは言えませんが、ロープクライミングだけでもかなりの上半身になれるでしょう。