カーフレイズで鍛えられる筋肉と効果とは?基本的なやり方から応用編まで解説
カーフレイズとは下腿三頭筋を鍛えるために適した運動と言えます。いわゆる踵上げで、どこでも簡単にできるのがカーフレイズの良いところです。
下腿三頭筋を鍛えることで得られる効果は大きいですが、やり方が違うと効果が小さくなり、あまり意味のないものになってしまいます。この記事では下腿三頭筋を鍛えるために効果的なカーフレイズのやり方をご紹介します。
カーフレイズとは?どこの筋肉が鍛えられる?
簡単に言えば踵上げの運動で、ふくらはぎの筋肉を鍛えることができます。
ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)は腓腹筋とヒラメ筋の2つで、この筋肉を鍛えることができます。
腓腹筋とは?
膝裏からアキレス腱にかけて付いている筋肉で、踵を引き上げる動きの他に足にかかった全体重を支えたり、ジャンプ動作で強く働きます。
膝についている筋肉なので、膝が曲がっている時には力が出にくく、踵を引き上げる力が弱くなります。内側の繊維と外側の繊維に分かれます。
ヒラメ筋とは?
腓腹筋の奥でスネの裏からアキレス腱にかけて付いている筋肉です。
腓腹筋よりも力は弱いですが、腓腹筋と違い膝が曲がっていても踵を引き上げる力は変わりません。腓腹筋が踵を引き上げるのに対し、ヒラメ筋はどちらかといえば踵を支えるように働きます。
下腿三頭筋を鍛えることでどんな効果がある?
カーフレイズをする事で下腿三頭筋は引き締められます。では下腿三頭筋が引き締められる事でどんな効果があるのでしょうか?
下半身の血流の改善
人は二足歩行をする以上、どうしても重力がかかります。重力がかかる事で血液をはじめとした体液は重力に押し負け、下半身に溜まっていきます。いわゆる「むくみ」という状態です。多くの人が経験したことがあるかと思います。
下腿三頭筋が引き締められる事でポンプのように働き、下半身の血流が良くなります。血流が良くなれば下半身の循環が良くなりますので、重力によるむくみが起こりにくくなります。下腿三頭筋が「第2の心臓」と呼ばれる理由です。
また、むくみが良くなるだけでなく冷え性にも効果があります。冷え性は下半身の血流が悪くなる事で体温が下がってしまうものですが、下腿三頭筋によって血流が改善されると冷え性にも効果的です。
バランスが良くなる
人はバランスを取る時、足首と股関節でバランスをとります。これを「足関節戦略」と「股関節戦略」と呼びます。
特に高齢者では加齢に伴い下腿三頭筋の力が弱くなってしまいます。こうなると足関節でバランスを取ることができなくなり、股関節への負担が大きくなります。
その結果歩幅が狭くなったり、股関節から腰にかけての痛みが出たりします。
カーフレイズをする事で足関節戦略も同時に鍛えられるため、足首のバランスが良くなります。
疲れにくい体になる
下腿三頭筋の強化によって下半身の血流が良くなれば、下半身の筋肉から放出される老廃物が体内に貯留しにくくなります。そのため、老廃物が排出されやすくなり疲れにくい体になります。
この老廃物の排出によって全身的な筋肉の働きが良くなります。血流改善により筋肉の働きが良くなれば、基礎代謝も良くなります。これも疲れにくくなる理由の一つです。
スポーツパフォーマンスの向上
スポーツにおいて重要なことは「足首の蹴りだし」です。
ダッシュにしてもジャンプにしてもつま先に力を入れてぐっと地面をけりだすことで体を素早く動かせるようになります。
下腿三頭筋はこの蹴りだしに非常に深く関わっており、下腿三頭筋が弱いとこの蹴りだしが弱くなるためパフォーマンスが下がります。
カーフレイズはこの蹴りだしの練習にもなります。
カーフレイズの正しいやり方
冒頭でも少し触れましたがカーフレイズは簡単なようでやり方を少し間違えると効果が弱くなります。注意点も含めて説明していきます。
カーフレイズの基本
- 姿勢を保ち、頭・肩・股関節・くるぶしがまっすぐになるように立ちます。足は肩幅に開きましょう。
- ゆっくりと踵を持ち上げます。つま先に体重を乗せましょう。
- 踵を上げきったら、ゆっくりと踵を下していきます。
- 踵を下していき、床につく手前で止めます。
- 2~4を繰り返します。
これがカーフレイズの基本になります。これが難しければ壁に手を当てて行っても下腿三頭筋への負荷をかけることはできます。
逆に、負荷を強めたい場合はダンベルを持てば簡単に負荷を強めることができますし、バランスがとれるようであれば片足で行っても効果的です。
カーフレイズを行う上での注意点
- 踵を持ち上げる前の基本姿勢が崩れてしまうと、下腿三頭筋にかかる負荷が小さくなるため効果が弱くなります。姿勢を保ちましょう。
- 踵を持ち上げるときに腰を反ったり、腰が引けたりすることが多くなります。踵を持ち上げたときも基本姿勢が崩れないようにしましょう。
- つま先に体重を乗せることで踵を上げる人がいます。踵を床から浮かすのではなく、アキレス腱側に引き上げるイメージを持ち、体の上下動を意識することでより下腿三頭筋への負荷が大きくなるため効果的です。
- つま先に体重を乗せるとき、母趾球と小趾球均等に体重を乗せましょう。どちらかに偏ると、腓腹筋の内側と外側にかかる負荷が偏ってしまいます。
カーフレイズの応用
カーフレイズの基本的なやり方を説明しました。これからカーフレイズの応用のやり方をご説明します。
シ―テッドカーフレイズ
下腿三頭筋のうち、ヒラメ筋への負荷を強めるやり方です。
- 椅子に深く座り、背筋を伸ばす。
- 踵を引き上げるように踵を持ちあげる。
- 踵を持ち上げた後、床につく手前までゆっくりと踵を下していく
- 1~3を繰り返す。
踵が付くような椅子に座るようにしましょう。また、慣れてきたら太ももの上にダンベルなどの重りを乗せることでよりヒラメ筋への負荷を強めることができます。
ダンベルがなければ、両手で両膝を押さえつけても負荷を強めることができます。
ドンキーカーフレイズ
下腿三頭筋への負荷をより強めるやり方です。普通のカーフレイズより負荷が大きい分、血流の促進効果も大きくなります。
- 少し高めのいすや机に四つ這いになるように上半身を預けます。
- お尻を真上に持ち上げるようなイメージで踵を持ち上げていきます。
- 踵を持ち上げきったら、ゆっくりと下ろしていきます。
- 踵が床につく前に止め、また持ち上げます。
- 1~4を繰り返します。
四つ這いのような前かがみの姿勢になる分、下腿三頭筋が引き延ばされるため筋肉にかかる負荷が大きくなります。
前かがみになっている分、踵を持ち上げるのでなく腕に体重を乗せることで踵が浮いてしまうことがあります。その場合、下腿三頭筋へ負荷をかけているわけではないため効果が弱くなってしまいます。しっかりとお尻の上下動を意識しましょう。
カーフプレス
レッグプレスのマシンを使ってカーフレイズを行う方法です。
ダンベルなどの間接的な負荷でなく、重りを使って直接負荷をかけることができるため筋トレ効果は大きくなります。
- レッグプレスマシンの下のほうにつま先を付けます。マシンのシートはつま先をつけた状態で膝が伸び切る位置に調整します。
- つま先を押し付け、マシンを動かします。
- 動かしきったらゆっくりと踵を元の位置に戻します。
- 1~3を繰り返します。
通常のカーフレイズでは踵を持ち上げるイメージですが、カーフプレスではつま先を押し付けることで踵が動くイメージになります。そのため、スポーツの際の蹴りだしのための下腿三頭筋の動かし方の練習にもなります。
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まとめ
カーフレイズは簡単に、どこでもできるお手軽な自重トレーニングですが、しっかりと行えば血流改善や代謝の向上など、健康的になるための効果もたくさんあります。
ダイエット目的でも、美脚目的でも、パフォーマンス向上目的でも押さえておきたいトレーニングの一つです。自分のレベルに合わせて、ぜひ試してみてください。