リストカールを効かせるコツ!バーベル・ダンベル・ケーブルの効果的なやり方
上腕部がいくら逞しく発達していても、前腕の発達が足りないと腕としてのインパクトが足りません。しかし、前腕を太くするのはなかなか難しいです。
そんな前腕を太くするための専門の種目がリストカールです。前腕を鍛えるための筋トレグッズもいろいろと販売されていますが、現実に前腕を太くする効果で比較すればリストカールに勝る種目はありません。
クールビズが定着した現在、夏になればサラリーマンも半袖になります。そのときに最も目立つのが前腕です。前腕を太くするリストカールについて解説いたします。
リストカールの種類
リストカールには代表的なものとして4種類があります。バーベル、ダンベル、リストカールマシン、ケーブルで行なうものがあります。
これらの4種のリストカールは手のひらを上にして負荷をかけてウエイトを巻き上げるリストカールと手の甲を上にしてウエイトを巻き上げるリバースリストカールがあります。
リストカールは前腕の手のひら側を発達させます。これに対してリバースリストカールは前腕の手の甲側を発達させます。前腕のサイズを増やす比率が高いのは手のひら側の諸筋群ですが、リストカールとリバースリストカールの両方を行なうことで、前腕の発達を最大化できます。
バーベルリストカール
リストカールとして最も代表的なのがバーベルでのリストカールです。使うバーベルは20キロのオリンピックバーでも10キロのエクササイズバーでもかまいません。
使うバーベルのタイプ
バーベルには重さ20キロのオリンピックバーから重さ10キロのエクササイズバーまであります。どのバーベルで行なってもかまいませんが、オリンピックバーは長さが220センチもあるため、バランスを取りにくい面があります。
トライセップスエクステンションやバーベルカールなどでオリンピックバーを使う場合であれば、手幅が狭くないのでバランスの問題はさほど気にする必要がないですが、リストカールの場合、手幅が狭いので、使うバーが長いとその分、バランスが取りにくいです。
バランスの点で言えば短いエクササイズバーの方がやりやすいです。しかし、かなりの高重量でできる場合は、そのバランスの難点を通り越して使いにくさは気にならないでしょう。
フォーム
バーベルでのリストカールはフラットベンチに座って行ないます。手のひらを上に向けた状態で膝の上に手首を乗せてバーベルを手首で巻き上げて行なう方法とベンチの先に手首を置いて行なう方法があります。どちらが良いかは好みや個人差がありますが、膝に手首を置く方法は膝の弾力がある分、安定感に欠けるところがあります。
バーベルの場合はフラットベンチに手首を置いて行なう方が安定感があり、前腕に効かしやすいです。
アーノルド・シュワルツェネガーやルー・フェリーノはリストカールを行なうとき、ベンチに直接手首を置いていました。一方で前腕の発達で有名だったケイシービエターは膝の上に手首を置いたフォームでリストカールを行なっていましたから、世界的なボディビルダーでもどちらか一方に統一されているわけではありません。
バーベルでリバースリストカールを行なう場合は、膝の上に手首を置いたフォームの方がやりやすいです。リバースリストカールは手のひらを下にしますが、その状態でベンチに手首を置くのは不自然なフォームになって動作がしにくいです。
動作スピード
バーベルでのリストカールはあまり早いスピードではなく比較的ゆっくりした丁寧なスピードの方が効かしやすいです。
降ろす際にはできるだけ可動域を広くします。バーが指の第二関節にかかるぎりぎりのところまで降ろして、可動域の最大限まで降ろすようにします。降ろすスピードは丁寧にゆっくり降ろしましょう。そして巻き上げる動作も丁寧に巻き上げる方がよく効きます。巻き上げるポイントはバーを巻き上げられる限界まで巻き上げます。
降ろし切ったポイントから巻き上げ切ったポイントまで、可動域を全開にすることで、前腕の効き方が強くなります。
バーベルでのリストカールをリズミカルに速いスピードで行なうと、手首の負担が大きい割に前腕まで効きません。手首の運動になってしまいます。
リストカールでヒットすべきは手首ではなく、手首周辺の筋肉から手のひら側の前腕の筋肉ですから、丁寧な動きを心掛けましょう。
リバースリストカールの場合も丁寧な動きが必要なのは同じですが、可動域としては手のひらを上に向けたリストカールに比べてかなり狭くなります。無理に可動域を広くしようとするとバーベルを落としてしまうでしょう。
バーベルリストカール バルキー小松式 前腕の筋肉トレーニング
ダンベルリストカール
バーベルリストカールでも膝の上に手首を置いて運動する方法がありますが、ダンベルの場合はこの方法がバーベル以上にやすいです。ダンベルは片手ずつ独立して持つので、自由度が高いからです。ベンチに直接手首を置いて運動する場合、ベンチと体が直交する態勢で、手首をベンチに固定してリストカールを行ないます。片手ずつでも両手でもかまいません。
ダンベルでリバースリストカールを行なう場合にも、膝の上に手首を置くパターンの方がやりやすいです。リバースリストカールでは扱える重量がリストカールに比べてかなり軽くなります。半分ぐらいになるでしょう。
リストカール/前腕屈筋群/筋トレ実践講座
リストカールマシン
リストカールマシンは前腕を鍛えるための専用の筋トレ器具です。
バーベルやダンベルでのリストカールとの大きな違いは手首を固定して運動する際のバランスの良さです。
バーベルであればリストカールの際に左右のバランスを取りながら運動することになりますが、リストカールマシンはウエイトの軸を基準に軌道が決まっているので、バランスを気にすることなく前腕の運動に専念できます。
リストカールマシンなら、リバースリストカールを行なう際にも、やりやすいです。リストカールマシンは4つのリストカールの中で最も安全性が高いです。
リストカールマシン(Forearm Machine)参考動画
ケーブルリストカール
リストカールはケーブルでもできます。ケーブルを使う場合、緊張が持続させやすいので前腕にかなり効きます。
上記の3タイプのリストカールでは、ゆっくり降ろして、丁寧に巻き上げる動作が効きやすいですが、ケーブルリストカールの場合は速い動きの方が前腕に効きます。
可動域は広くすべきなのは他のリストカールと同様だとしても、動作はスピードィーにテンポよく行なうようにしましょう。ケーブルカールマシンかケーブルクロスオーバーマシンを活用するとやりやすいです。
前腕の鍛え方 | 前腕を太くするための筋トレをご紹介
リストカールの注意点
リストカールには上記のように4種類あります。これらのリストカールに共通する注意点をご紹介します。
1セットあたりの回数
1セットあたりの繰り返し回数は10回から15回が目安になります。
前腕はカーフと同様、低回数よりも、やや高回数ぐらいの方が反応します。
グリップの方法
リストカールとリバースリストカールでは、手のひらを上に向けているのと下に向けている違いだけでなく、バーの握り方も違います。リストカールではバーを巻き上げる際、親指でバーを巻かないサムレスグリップで握ります。親指を巻いてしまうとバーを巻き上げ切って前腕を収縮させたときに邪魔になるからです。これはバーベルでもダンベルでも同じです。
一方、リバースリストカールの場合はバーに親指を巻いた状態で運動します。リバースリストカールであれば、親指を巻いていても前腕を収縮させるのに邪魔にならないだけでなく、バーを巻き上げる最後の部分で親指の力が必要になります。リストカールマシンでも同じです。
インターバルは最小限
リストカールでもリバースリストカールでもインターバルは最小限にします。時間を測る必要はないですが、セット間に30秒も休めば十分です。実際には数字で出る時間に捉われずに体感的に必要なインターバルを取るようにしましょう。
ミスター・オリンピアで2回優勝したフランコ・コロンブ選手が日本にゲストで来日したときに、リストカールのインターバルについて、「手をぶらぶら振る時間だけで十分」と語っていました。
経験者でトレーニングに慣れている人であれば、限りなくゼロに近いインターバルでもできるでしょう。1セット終わって、一呼吸置いたらすぐに次のセットを行なうぐらいの感じです。経験が浅い人は多少休みを入れるぐらいにするといいでしょう。
まとめ
4種類のリストカールをご紹介しましたが、これらをすべて1回のトレーニングで行なうのではなく、1種目か多くても2種目で十分です。リストカールとリバースリストカールを交互に行なう方法もありますが、リストカールを数セット続けて行った後にリバースリストカールという流れの方がやりやすいでしょう。
特に高重量を扱える場合であれば、ストレートセットの方がやりやすいですし、前腕に効かし切れます。ただし、インターバルを最小限にすることが前提条件です。インターバルを長く取ってしまうと、前腕の場合、折角のパンプアップが抜けてしまいます。
短時間で効かし切るのが前腕を太くするコツです。
リストカールとリバースリストカールでは発達させられる前腕諸筋群のボリュームがかなり違いますので、両方行なうのが理想ですが、時間がないような場合にはリストカールの方を優先しましょう。
リストカールを行なうタイミングとしては上腕二頭筋と組み合わせるのがおすすめです。上腕二頭筋のトレーニングで前腕も間接的にかなり使っていますから、そのタイミングが最も効きますし、疲労回復の点でも効率がいいです。リストカールを行なう頻度にしても、上腕二頭筋に合わせると丁度よい頻度になります。
リストカールとリバースリストカールだけでなく、前腕橈骨筋を鍛えるためのリバースカールも加えると、さらに前腕を多角的に鍛えることができます。