ローテーターカフとは?役割や作用、誰でもできる鍛え方を紹介
皆さんは、よく肩を痛めたり、首から肩にかけて凝りを感じたりする事はありますか?
特に球技スポーツをやっていたり、逆に肩を使う事が少ないデスクワークの人や高齢者などは、痛みを感じやすかったり疲労が溜まりやすいのではないでしょうか?
そこで痛みの元となっているローテーターカフという筋肉について、役割や作用、鍛え方をご紹介します。
まず、「ローテーターカフ」とはどういった筋肉なのか、お話をします。
ローテーターカフとは何か?
ローテーターカフというものは、別名、回旋筋腱板と呼ばれます。読んで字のごとく回旋という肩の運動の1つを支えているもので、腕を上にあげたり、振ったり、肩を回す時にも作用します。
ローテーターカフは、深層部にあるので、インナーマッスルでもあり、棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋、この4つの筋肉が1本の腱となって上腕骨に付いています。
この4つの筋肉がないと、人間は自分の力で腕を支えることができません。なぜでしょうか?
それは、肩甲骨と鎖骨との関係にあります。
人間の鎖骨は胸骨と胸鎖関節を組んでおり、肩甲骨と肩鎖関節を組んでいます。肩甲骨は鎖骨と関節を組み、上腕骨と肩関節を組んでいます。
例えるとしたら、鎖骨に肩甲骨というものと、上腕骨というものがくっついているだけとなります。
人間の腕は足とは違って、二足歩行をする動物なので、腕は地面には着いていないという事になります。
人間の構造上、腕は安定感が非常に少ないです。人間が腕を上げることができたり、回すことができるのは、この4つの筋肉が上腕骨に付着してるおかげで成り立っています。人間にとってこの筋肉は非常に重要な筋肉であることが言えます。
特に、だんだん歳を重ねるにつれて衰えてくる人や、デスクワークなどあまり運動をしない人たちのために、どうすれば筋肉量を維持できるのか、鍛え方をお教えします。
それぞれの筋肉の役割と作用、障害されたらどうなるのか?
それでは、この4つの筋肉がどういった役割をしているのか、運動作用について説明いたします。
棘上筋
棘上筋は、ローテーターカフの中でも浅層にある筋肉です。
棘上筋の主な作用は肩の外転です。外転とは、横にあげる運動のことを言います。
この筋肉が弱い人は、うまく肩だけで上げることができず、肘を曲げて上げようとします。
筋肉の大きさは個人差はありますが、浅層にある筋肉になるので4つの中でも負傷しやすい筋肉となります。
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棘下筋
棘下筋は、筋腹という筋の繊維が大きい筋肉です。
棘下筋の主な作用は、肩の外旋です。外旋とは、肘を90度曲げて、外に開く運動のことを言います。
スポーツに例えるなら、砲丸投げの動作が肩の外旋運動をしています。
この筋肉が弱ったり固くなってしまいますと、野球をしたりバレーボールなど肩を大きく使うスポーツなどは少し肩に違和感や障害が出てきます。
棘上筋と同様に、背中側にある筋肉なので、後ろから殴られたり、何か他動的に力が加わることによって負傷してしまうことがあります。
自分で痛める例としましては、スポーツでの肩の使い過ぎや、筋トレのしすぎなどがあります。
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肩甲下筋
肩甲下筋は、ローテーターカフの中でも最も大きな筋肉であり、肩甲骨の奥に位置してますので、見た目からはわからず触知することも難しい筋肉です。
肩甲下筋の主な作用は、肩の内旋です。内旋は、外旋とは逆の運動になります。
わかりやすい動作の例としては、脇を閉める時に肩が内旋します。
肩甲下筋は、骨の奥にある筋肉なので、あまり負傷する可能性がありませんが、ローテーターカフの中の1つに含まれますので、肩甲下筋の腱が断裂してしまうことが、稀にあります。
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小円筋
小円筋は、4つの中で一番小さい筋肉です。小円筋は、脇の下を通っているので、見た目からは分かりにくいですが、触知は可能です。
小円筋の主な作用は、棘下筋と同じく外旋をします。
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誰でもできるローテーターカフの鍛え方
この4つの筋肉で不安定の肩関節を支えているので、どの筋肉を鍛えた方がいいとかは、特にありません。
肩関節は非常に不安定ですので、4つの筋肉の内、1つでも欠けてしまうと違和感となったり、後々肩関節周囲に支障をきたしてしまうなどの可能性も出てくるので、基本はそれぞれを同じくらい鍛えるのがベストです。
そこで、ジムや激しい運動をせずに、一般の方でもできる方法をまとめてみましたので、ぜひ参考にしてみてください。
腕立て伏せをする
腕立て伏せは、誰でも聞いたことがあると思います。腕立て伏せは、体の体幹を強化したり、大胸筋や、力の入れ方や意識によっては大胸筋なども鍛えることができます。
一般的には、脇を広げた状態で腕立てをすることが多いのではないでしょうか?
もちろん、脇を広げた状態でも鍛えることは可能です。
ですが、脇を広げた状態でするか、しめた状態でするかによっても、効果の発揮しやすさや鍛える場所が変わってきます。
脇を広げた状態では、肩を外転している状態であり、なおかつ肩にあまり負荷をかけずにできますので、前腕から下に力がはいります。
脇を閉めた状態にすると、力の分散の仕方が減り、肩の運動は制限されますので、どうしても肩に力が入ります。そこが狙い目です。
難易度はあがりますが、脇を閉めて腕立て伏せをすることによって、脇を広げた状態よりも、力の入れ方が変わりますので、効果も期待できます。
膝を浮かすことが難しい方は、最初は膝をついてしてもらっても結構です。地道ではありますが、ちょっとずつ膝を浮かすよう意識していけば、効果は間違いなくでます。
重たい荷物は自ら運んでみる
これは高齢の方に特におすすめ方法です。
大人になり、歳が経つにつれて筋肉は衰えがちです。スーパーに買い物に行く際に、自転車でいく人が多いのではないでしょうか?
自転車で行くと荷物を、実際にもつ機会減りますよね。
そこで、なるべく自転車を使わずに歩いていくことで、荷物を自分の力で持って帰ることになるので、今まで自転車を使っていた人は、それが面倒であったりするかもしれませんが、それが習慣化されると、自然と重さに慣れたり、さらに重い荷物を持つことが可能になるなど、メリットが多いです。
ですが、デメリットもあります。
どんなデメリットがあるのか?
高齢者は、骨も衰えが早く骨粗鬆症になる人が増えています。
どうしても気持ちだけでは付いていけない所を出てきますので、最初は週に1~2回を目安にして行い、あまり過剰な運動をせず、自分のペースでやることが大切です。
ペットボトルを使って肩関節を鍛える
ペットボトルは、自動販売機でもスーパーでもどこでも売っていますよね?
ペットボトルを使って運動することも可能です。
そのペットボトルをどう使うか説明します。
- まず中身が空っぽのペットボトルと水を用意します。大きさはなんでも大丈夫です。
- ペットボトルに水を入れます。そうすることで水が重りの代わりとなります。ペットボトルの大きさや、入れる水の量によって重さが異なるので調整が可能となります。
- 水を入れたらキャップを閉めて、そのペットボトルを持って腕を上げたり、ウォーキング時にもって移動したりなどが効果的です。
まとめ
ローテーターカフは、4つの筋肉が含まれていて、日常生活にとって大切な筋肉であります。筋肉は、年齢とともに衰えていきがちなので、今回は役割や作用、鍛え方をご紹介しました。
誰にでもできるような方法となってますので、参考程度にして頂けたら嬉しいです。
また、肩関節は不安定な関節です。過剰な運動は、ケガや疲労にも繋がりますので、高齢の方はくれぐれも注意をして、きちんと栄養や休養を摂ることが大切です。