棘下筋の働きや鍛える重要性とトレーニングでの簡単な鍛え方

投稿日: 2018年07月12日

棘下筋を示したCT画像

棘下筋とは、肩にあるインナーマッスルと言われる筋肉の一つです。

腕を動かすだけでなく様々な働きをしてくれている筋肉で、大きな力を発揮することは出来ませんが、非常に重要な役割を果たしてくれます。

その棘下筋の働き鍛える重要性、そして鍛え方についても説明していきます。また、棘下筋が関与する怪我についても知って頂き、肩の痛みとは無縁の生活を送りましょう!

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棘下筋とは?

棘下筋とは「肩の安定性を保つ筋肉」

肩周辺の筋肉を示した構造図

棘下筋(infraspinatus)とは、肩甲骨の下側から脇にかけて伸びる、肩周りの筋肉の中でも表層にある筋肉です。

肩甲骨を触ると背骨のそばから肩にかけて、斜めに走る突起している部分があります。
この部分は、専門用語では肩甲棘と言われている部分になります。
その肩甲棘の下に棘下筋はついているので、棘下筋と言われているんです。

棘下筋の主な働きは、肩関節を外旋、水平伸展させる動きに関与します。
外旋とは、気をつけをした姿勢から掌を外に捻ろうとする動き、水平伸展とは、肩の高さまで真っ直ぐ正面に上げた腕を、外に向かってそのまま水平に開いていく動きのことを指します。

また棘下筋は周りにある複数の筋肉と一緒に、肩関節を安定させる役割も果たしており、非常に重要な筋肉です。

肩を酷使する野球選手などはこの筋肉をしっかりと鍛えることが非常に重要で、肩を痛めた際はこの棘下筋を鍛えて、再び痛めることがないようリハビリを行っていきます。
この肩の安定性に関する内容は、この後詳しく説明していきます。

棘下筋を鍛える重要性

ここからは、棘下筋を鍛える重要性についてお伝えしていきます。

棘下筋を鍛える重要性、一つ目としてあげられるは肩こりの改善に繋がることです。

肩こりで悩む女性

普段、私たちはどうしても楽な姿勢を取ろうとして、猫背の姿勢を取ってしまうかたは多いですよね。

デスクワークをしているかたは、特に姿勢が悪いと感じている人も多いのではないでしょうか。そういったかたは、この棘下筋非常に硬くなっていて、少し押すだけで痛みが出るかたも多いのです。

肩周りをしっかりと動かしたり、マッサージをしてほぐしてあげたり、この棘下筋の柔軟性を保つことで、肩こりの軽減にも繋がってきますよ!

棘下筋を鍛える重要性、二つ目としてあげられるのは、肩の安定性向上に関わっていることです。

先ほども少しお伝えしましたが、棘下筋は肩の安定性を保つために、重要な役割を果たしています。

棘下筋は大きな筋肉ではありませんが、肩関節を内部からしっかりと支える、インナーマッスルとしての役割を果たす重要な働きを担っています。

スポーツをしていた時、肩を脱臼した経験があるというかたは案外多いのではないでしょうか。

脱臼した際はこのインナーマッスルを鍛えるトレーニングを行うことで、肩を支える筋肉を強くし、肩の安定性を取り戻すのです。

一見聞き馴染みのない、棘下筋という小さい筋肉ですが、私たちの体において非常に重要な役割を果たしてくれていることがわかります。

棘下筋が関連するローテーターカフの重要性

肩関節の安定性を高める役割を棘下筋が担っていると説明しましたが、棘下筋が単独でこの役割を果たしているわけではありません。

みなさん、「ローテーターカフ」という言葉を聞いたことはありますか?

ローテーターカフとは、棘下筋を含む4つの筋肉の総称を指します。
棘下筋以外の筋肉は、棘上筋、肩甲下筋、小円筋という筋肉で、すべて肩関節の周囲のインナーマッスルです。

ローテーターカフ(回旋筋腱板)の筋肉構造図

インナーマッスルとは、アウターマッスルと呼ばれる皮膚に近い、大きな筋力を発揮する筋肉とは異なりますが、 関節の安定性を高めるなど、非常に重要な役割を果たします。

ですので、このローテーターカフはアウターマッスルが機能し、大きな筋力を発揮するためにも鍛える必要があるのです。

このローテーターカフの筋肉は、皆同じ役割を果たすわけではありません。それぞれ別の役割を持ち、様々な角度から肩の安定性を高めているのです。

ちなみに、棘上筋は肩や腕を持ち上げる力(外転)、肩甲下筋は腕を内に捻る力(内旋)、小円筋は腕を外に捻る力(外旋)を持ち、小円筋が一番棘下筋に近い働きをしています。

それぞれが異なる役割を果たすことで、肩関節に加わる様々な衝撃に対して守る働きをしているんです。

棘下筋が損傷すると引き起こるインピンジメント・シンドローム

ローテーターカフの役割を説明してきましたが、棘下筋を含むローテーターカフが損傷した状態を、「インピンジメント・シンドローム」と言います。

ローテーターカフが損傷した状態(インピンジメント・シンドローム)

インピンジメント・シンドロームと聞くと、あまり身近なものではないと感じる方もいるかもしれませんが、実はとても身近なものなんです。

五十肩なんて、肩の痛みを年齢のせいにしているかたもいるかもしれません。
でもその痛み、もしかしたらインピンジメント・シンドロームかもしれないんです。

インピンジメント・シンドロームになると、ローテーターカフが損傷したことで、腕の骨が正しい位置に保てなくなってしまいます。
そのために、骨同士がぶつかり痛みが出てしまう状態がこのインピンジメント・シンドロームなのです。

腕を肩よりも腕に持ち上げようとする際に、痛みが出るのが特徴です。

肩の痛みは、年齢を重ねるとともに症状として訴えるかたも多く、けっして他人事ではありません。
しっかりとローテーターカフを鍛え、肩の安定性を維持していきましょう。

棘下筋を鍛えるためには?

棘下筋は、腕を外に向かって捻る外旋という動作において特に働く筋肉になります。
従って棘下筋を鍛えるためには、腕を外に向かって捻る動作を多く取り入れていくことが必要となってきます。

それでは、ここから棘下筋を鍛える方法について、紹介していきます。

棘下筋の鍛え方

ケーブルを使った棘下筋のトレーニング図

基本的な動作について、まずは説明していきます。

棘下筋を鍛える際、基本的なトレーニングは腕を外に向かって捻る外旋動作になります。
なので、基本動作はこの外旋動作になってきます。

  1. まずは、肘を90度に曲げて拳を作ります。
  2. その拳が体の正面、肩の延長線上に来る位置にセットしましょう。
  3. そこから拳を体の真横に向かって開いていきます。
    この時のポイントは、これ以上腕を後ろにひねれない!というところまで大きく動かすことです。脇の裏にぎゅっと力が入るような感覚があれば、正しく動かせている証拠です。

この動きが基本動作になります。開いた腕を元に戻し、この動作を繰り返していきましょう。

注意点ですが、動かす際に首をすくめないようにしましょう。
首をすくめてしまうと、僧帽筋や肩甲挙筋と言った 筋肉にも過度に力が入ってしまいます。正しく棘下筋が使えないだけでなく、肩こりを引き起こす原因にもなりますので、注意しましょう。

この基本動作を元に、強度を高めたいかたはチューブなどを使用して負荷を強めていくことも可能です。

肩に痛みを感じるかたは最初からいきなり負荷を加えずに、徐々に負荷量をあげていくようにして下さい。

非常に簡単な動きになりますので、筋力の低下しやすい年配からご高齢のかたは特に積極的にトレーニングをして頂ければと思います。

まとめ

棘下筋の働き、鍛える重要性、そして鍛え方について説明してきました。
また、棘下筋を含むローテーターカフの重要性や、その損傷によって引き起こされるインピンジメント・シンドロームについてもお伝えしてきました。

私たちの日常生活において、腕を使うという動作は日常生活動作全てに関与してくる重要な動作であり、生涯に渡って重要な役割を果たしてくれます。

他人事とはおもわず、しっかりと棘下筋を含む肩周りの筋肉を鍛えることで、肩の痛みに悩まされるリスクを少しでも減らしていきましょう。

また、特に野球やバレーなど、大きく腕を動かすスポーツをされているかたにとっては、棘下筋を鍛えていくことはコンディションを維持していく上でも、非常に重要です。

ご自身のスポーツの特性を今一度見直し、棘下筋を鍛えるトレーニングもメニューにも組み込んでみてはいかがでしょうか。

棘下筋を鍛えるのに、難しいトレーニングは必要ありません。
ちょっとした時間に、気軽にトレーニングを行ってみましょう。