バスケットボール選手のための2種類の筋トレメニュー
バスケに筋トレは必要ないと思っている人もいるかもしれませんが、どこのポジションだろうとどのカテゴリーでもバスケに筋トレは必要不可欠です。
筋トレで得られるメリットとしては、単純なフィジカルコンタクトが強くなるだけでなく、ジャンプ力の向上、ドライブのキレが増す、シュートの安定等バスケにおけるすべての能力が向上します。
しかし、筋トレといっても間違った方法や適当に行うだけでは十分な効果を得ることはできません。場合によってはバスケの能力が低下してしまったり、怪我をしてしまったりといった事態につながってしまいます。
多くのバスケットボールプレイヤーの能力向上のため、バスケに活きる筋トレメニューを紹介していきます。
1.なぜバスケに筋トレが必要なのか
バスケはポジション問わずフィジカルコンタクトが激しいスポーツです。センタープレイヤーであればその重要性はわかっている人が多いと思いますが、ガードやフォワードプレイヤーであってもフィジカルがあるということは大切なことです。
筋トレを行うことでそれぞれのポジションで次のような効果が得られます。
1-1.ガード
ガードはセンターと比べるとフィジカルコンタクトが起こりづらいポジションですが、ガードポジションの選手にも筋トレはとても大切です。
筋トレをしてフィジカルが強化されればまず、ガードの強みであるドライブに強さと鋭さと速さを手に入れることができます。ディフェンスをしていて強い体をぶつけてドライブしてくる選手は非常に厄介ですよね。
さらには体全体が安定するためジャンプショットの安定性やボール運びの際ディフェンスに強いプレッシャーをかけられてもボールを失いにくくなります。
結果としては筋トレをすることで得点力、キープ力、ディフェンスといったあたりが強化され選手としてのパフォーマンスが向上します。
アウトサイドプレイヤーであるガードにとっても筋トレは効果的であり行うべきなのです。
1-2.フォワード
フォワードは基本的に何でも行うポジションですが、筋トレの効果が一番出るポジションという見方もあります。
長身でアウトサイドプレイがうまい選手をとめるのは難しいですが、それと同様にフィジカルが強いアウトサイドプレイヤーも止めるのは非常に困難です。
筋トレで得た安定した身体や空中での安定性、ジャンプ力などを生かして得点を量産することができます。
スキルを身につけて得点力をあげるよりも筋トレで身体を強化し得点力をあげるほうが効果的でありフォワードプレイヤーにとって筋トレは非常に重要なのです。
1-3.センター
センターは言わずもがな、筋トレが不可欠なポジションです。
センタープレイヤーは技術ももちろん大切ですが、まず身長とパワーがあることが大前提となっているポジションです。
身体が弱い選手であれば、オフェンスでは外に押し出されてしまいゴールから遠い位置でしかプレーができず、ディフェンスでも相手に良いポジションを取られて得点を許してしまう可能性が高くなります。
体格差を技術でカバーするうまい選手もいますが、体格差で有利をとっていたほうが良いということに変わりはありません。
相手と比較して明らかにフィジカルで勝っていれば相手は止めるすべがないためチームは圧倒的に有利になります。
アウトサイドプレイヤー同様センタープレイヤーにも筋トレは非常に重要です。
2.筋トレの種類
筋トレといってもいろんな種類がありますが、大きく分けて筋トレには2種類あります。
器具を使わない筋トレと器具を使うウエイトトレーニングです。単純な効果が大きいのは当然ウエイトトレーニングですがそれぞれに特徴があります。
2-1.体幹トレーニング
まずは、器具を使わないトレーニングですが、このほとんどは体幹を鍛えることが目的となっています。
体幹トレーニングには種類がたくさんあり、詳しい方法は後ほど説明します。この体幹トレーニングのメリットは誰でもできるということです。というのも、後で紹介するウエイトトレーニングはまだ身体のできていない中学生にはおすすめできないからです。
ですが、体幹トレーニングであればミニバスや中学生のプレイヤーでも行うことができます。それに加えて特別な器具も必要としないため家でも簡単にトレーニングを行うことができるということです。
体幹トレーニングを行うことで、バスケにおける多くの能力が向上します。一番大きいのはプレー中に身体が安定するということです。
体幹とは文字通り体の核となる部分を鍛えるため体全体が安定するようになります。
例えば体幹が弱い選手だとドリブルをしている最中強く当たられると体がよろけてしまいミスをしてしまったり、シュートモーション中に少し接触があるとフォームがぶれてはずしてしまったりということがあります。
これが体幹を鍛えると相手のファウルや接触をものともせずプレーをすることや、うまくいけばバスケットカウントを取ることもできるようになります。
そのほかにも単純な空中姿勢も安定するためジャンプシュートが安定したり、ぶつかりあいに強くなったりもします。
家でも簡単にできる体幹トレーニングですが、継続して行うとものすごい効果があるトレーニングです。
2-2.ウエイトトレーニング
こちらは器具を使わない体幹トレーニングと異なり、器具を使うトレーニングですので、まずある程度の設備が必要です。また、体幹トレーニングでも説明したとおり、中学生以下のプレーヤーやまだ身体ができていない高校生プレーヤーは行ってはいけません。
主にウエイトルームで行うことが多くなりますが、ウエイトルームは高校や大学では設備としてある場合が多いですが、ない場合は各自でジムに通う必要があります。
ウエイトルームの規模によっては後ほど説明するメニューすべて行うことができない場合もありますが、できる範囲でも十分に効果を得ることができます。
ウエイトトレーニングは重りを使って身体に負荷をかけるため簡単ではないですが、その分大きな効果を得ることができます。
体幹の強化に加え単純な筋肉量アップができるため、ジャンプ力や瞬発力という目に見えてわかる能力を向上させることができます。
継続して行えばジャンプ力が20cmや30cm伸びたという選手もいるため、正しい方法で行えばかなり効果があります。
3.体幹トレーニングのメニュー
バスケに必要な体幹トレーニングというのはたくさんあります。全部を紹介することは難しいので簡単で効果的なものをいくつか紹介します。
また、説明だけで完璧に理解をすることは困難であるので動画を見つけてやってみることをおすすめします。
3-1.フロントブリッジ
最も有名な体幹トレーニングであり、体幹トレーニングの基本となります。
フロントブリッジで鍛えられるのは腹直筋と肩甲骨、股関節回りです。
両肘を床につき、脚を伸ばしてつま先と両肘で身体を支えます。この体勢を維持するのですが、その際に身体を一直線にすることを意識してください。
また、身体を安定させている際にドローインといいお腹をへこませて体幹に効いているということを意識しながらやると効果的です。
体勢を維持するだけですが、時間は1分程度が基本となります。個人の能力により時間を短くしたり長くしたりすると良いです。
3-2.サイドブリッジ
フロントブリッジ同様、姿勢を維持するトレーニングです。鍛えられるのは腹斜筋となります。
やり方は横向きで片肘を床につき足と片肘で身体を支えます。逆の手は真上に伸ばしてその状態で維持します。
これもフロントブリッジと同様で身体をまっすぐにすることと体幹を意識することがポイントです。
3-3.ヒップリフト
ヒップリフトはフロントブリッジで表面を鍛えた逆で身体の裏側を鍛えるトレーニングです。これで鍛えられる部位は大腿筋と肩甲骨回りと背中になります。
方法は、仰向けになってひざを立てるような姿勢で腰を浮かせて維持します。これもブリッジ同様身体を一直線に維持することがポイントです。慣れたら片足をあげてやるとより効果的です。
3-4.スクワット
スクワットは足腰に効くトレーニングでもありますが意識して行うことで体幹を鍛えることもできます。
大腿筋のトレーニングはもちろん、腹直筋から腰回りにかけて鍛えることができます。
方法は足を肩幅より少し開き両手を前に伸ばします。そこから膝が前に出ないように床と大腿部が水平になるまで腰を落とします。一瞬とまり、元の姿勢に戻してください。
この際もお腹をへこまして体幹を意識しながら行うと体幹と足腰を鍛えることができます。必ずゆっくりと意識しながら行うことがポイントです。
4.ウエイトトレーニングのメニュー
ウエイトトレーニングにはたくさんの種類がありますが、バスケに必要なもののみ紹介していきます。
正しい方法で行えば絶大な効果が得られますが、間違ったやり方をしてしまうと怪我をしてしまう恐れもあるため、どのメニューでも必ず正しいフォームを意識して行いましょう。
行う頻度は周に3日程度がベストとされています。1日に紹介するメニューをすべて行うのではなく、1日4メニュー程度で日によって分ける方法がおすすめです。たくさんトレーニングをしたいからといって休養をせずやりすぎてしまうのは逆効果です。
4-1.ベンチプレス
ベンチプレスは主に大胸筋と上腕三頭筋を鍛えるトレーニングです。
ベンチプレスの台に寝てバーベルを上下するのですが、手の幅は肩幅より少し広げておろした際に肩甲骨を寄せることを意識してください。
間違ったやり方だと大胸筋に効かないため、腕ではなく胸に効かせるイメージを持って行ってください。
ベンチプレスだけではないですが、正しいフォームを理解するために身近な詳しい人に教わるか動画を探してみてみることをおすすめします。
4-2.バックスクワット
体幹トレーニングで説明したスクワットではなくバーベルを背負って行うスクワットです。
負荷がかかるため大腿部回りだけでなく腹直筋にもかなり効くメニューです。
負荷が強くつらいメニューですが継続すれば効果を実感できるメニューです。
バーベルを背負ってスクワットをするのですが、大腿部が水平になるまで下げることとその際にひざがつま先より前にでないことを意識してください。間違ったフォームで行うと膝や腰の故障につながります。
4-3.ショルダープレス
バーベルを肩の後ろに担ぎ上げ下げするトレーニングです。広背筋から肩回りにかけて効果があります。
意識するポイントはおろした際に肩甲骨で引き寄せるようなイメージで下ろして肩に効かせることです。
手の幅が狭いと腕で持ち上げてしまうので肩で動かしているというイメージを常にもって取り組みましょう。
4-4.アップライトロー
ショルダープレスの逆で肩の前の部分である三角筋を鍛えるトレーニングです。
体の前でバーベルを持ち腕を伸ばした状態から首のあたりまでバーベルを引き上げます。両肘を引き上げて三角筋に効かせることがポイントです。
このメニューは手の幅をこぶし1個分と狭くして行うとより三角筋に効かせることができます。
4-5.アームカール
上腕二頭筋を鍛えるトレーニングです。
バーベルを逆手で両手に持ちひじの位置を動かさないようにしながら自分の体のほうへ持ち上げます。
体の反動を使うと腕の力を使わずに持ち上げられてしまうので上体とひじを固定することを意識して行いましょう。
上腕二頭筋はバスケでそこまで重要な筋肉ではないですが、コンタクトに強くなるので行うべきトレーニングの1つです。
4-6.トライセプスエクステンション
アームカールの反対側であり上腕三頭筋を鍛えるトレーニングです。
ベンチプレスの台に寝てひじを曲げてバーベルを持ちます。おでこの上くらいからスタートして腕を伸ばします。アームカールの逆のようなイメージです。
これもひじの位置を動かさず三頭筋に効かせるイメージで行うと効果的です。
上腕三頭筋もそこまでバスケで重要な筋肉ではないですが、シュートを打つ筋肉のひとつでもあり鍛える必要がある部位です。
4-7.レッグプレス
ここまで紹介したトレーニングはバーベルと重りで行えたのですが、レッグプレスは専用の器具が必要になります。
ある程度の規模であればレッグプレスと次に紹介するレッグカール、レッグエクステンションの器具はある場合が多いです。
レッグプレスは大腿部全体を鍛えるトレーニングです。使用する際に膝を伸ばしきらないことがポイントです。
4-8.レッグカール
太ももの裏側である大腿二頭筋を鍛えるトレーニングです。この部分は日常生活ではあまり使われないがバスケではよく使う部位なので鍛えることがとても大切です。
これも専用のマシンが必要なのですが、ポイントとしては、器具の音がならないくらいゆっくり上げ下げすることです。つらいメニューですが筋肉痛になりやすく効果を実感しやすいトレーニングです。
4-9.レッグエクステンション
レッグカールの逆側で太ももの前部分である大腿直筋を鍛えるトレーニングです。
これも専用のマシンが必要ですが、レッグカール同様に器具の音がならないくらいゆっくり行うことがポイントです。
スクワットを含めて脚の筋肉を鍛えるトレーニングはつらいメニューが多いですが筋肉が大きい部分であるため、効果がでやすいトレーニングですので頑張って行いましょう。
4-10.その他
ここまで9個のメニューを紹介しましたが、ほかにもデッドリフトやパワークリーンといったメニューなどバスケで活かせる筋トレはたくさんあります。
しかし、今あげたデッドリフトやパワークリーンといったメニューは効果があるが筋トレ初心者には難しくリスクのあるメニューであるためお勧めはできません。
上にあげた9個も簡単に行えるというわけではないですが、筋トレの基本となるものがおおいので正しいフォームを身につけて継続して行っていきましょう。
ある程度の筋力が身についたと実感できたらより応用的なメニューを盛り込むとさらに効果を得ることができます。
まとめ
器具を使わない体幹トレーニングと器具を利用したウエイトトレーニングのメニューを紹介しました。
基本的なものを中心に紹介しましたが、これらを正しく継続しただけでバスケット選手としての能力は飛躍的に向上します。
筋トレもバスケのシュートやドリブルと同様にすぐに伸びるものではありません。継続して行うことで効果を発揮するものですので、長期的な視点を持って取り組んでください。
筋トレをしている選手としていない選手では必ず差が生まれます。
また、練習や筋トレをすることも大事ですが、それと同じくらい食事と休養も大事です。特に筋トレ後に食事をしっかりと取らなければ体が修復されないため、筋トレの効果がなくなってしまいます。必ず栄養のある食事を取ることを心がけてください。
最後に、たくさんのメニューを紹介しましたが、この説明だけで理解することは難しいと思います。筋トレは正しいフォームで行うことが一番大切ですので、動画で勉強するなり、詳しい身近な人に教えてもらうなりといったことをおすすめします。