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サイドランジの効果と正しいやり方【膝の使い方・つま先の向きに注意!】

投稿日: 2018年11月09日 ,

サイドランジを行う女性たち

下半身の筋肉を鍛える方法として効果的なのがランジですが、ランジにはフロントランジを始めとしていくつかのバリエーションがあります。サイドランジもそのひとつです。

フロントランジが前後の動きなのに対してサイドランジは左右の動きで内転筋群、中臀筋、小臀筋をメインとして鍛える効果があります。

サイドランジは、これらの3つの筋肉を中心として大腿四頭筋やハムストリングも鍛えられますから、スポーツの補強から女性のシェイプアップなども含めて多彩な目的に対応する筋トレ種目です。

サイドランジは野球の補強運動として最適

高校野球試合風景 投げる投手

サイドランジはスポーツ競技の補強運動として効果的ですが、特に野球をやっている人にはおすすめです。

野球に特におすすめなのは、野球という競技の特性と関係があります。

野球は横の動きが多い

日本はアメリカと並ぶ野球大国です。近年ではかつてほどプロ野球の地上波での放送がなくなったとはいえ、観客動員数は依然として他のスポーツ競技を圧倒しています。
プロ野球にはそれほど興味がない人でも、毎年夏の甲子園で繰り広げられている高校野球には注目している人が多いのではないでしょうか。

野球という競技は身体を横に移動させる動きが非常に多いのが特徴です。打席での動きはピッチャーに正対していてもバッターボックスの中では横に動きますし、塁に出てから盗塁を窺う際の横の動き、守備での横の動きなど、横にどれだけ素早く動けるかがカギになります。

サイドランジは横方向に動く筋肉を鍛えるのに効果的

これらの横の動きをつかさどるのがサイドランジで鍛えられる内転筋や中殿筋、小殿筋といった筋肉です。サイドランジはランジの中のバリエーションのひとつです。

通常のランジが大腿四頭筋や大殿筋を主に鍛えるのに対して、サイドランジは内転筋、中殿筋、小殿筋などを主に鍛える種目です。
内転筋を伸ばす意識で動作すると効果的です。

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ケガの防止にも効果的

野球でよく使われる内転筋が弱いとプレーに影響するだけでなく、内転筋をケガをしやすくなります。

野球をしていて大腿四頭筋を痛めることはあまりありませんが、内転筋をケガすることは少なくありません。
ケガの予防のためにもサイドランジで鍛える意味があります。

動画:サイドランジのやり方

サイドランジでの膝の使い方

普通のランジでもそうですが、サイドランジでも膝の使い方が非常に重要です。

膝の柔軟性に合わせて降ろす

サイドランジではスタートポジションとして肩幅の2倍の足幅で立ちます。ここから片方の脚の膝を曲げてできるだけ深くまで降ろします。

膝の柔軟性が許すなら完全に深くまで降ろしたいところですが、無理に深く降ろしたのでは膝を痛めかねませんので、無理のない範囲で降ろすようにしましょう。

膝で反動を使ってはいけない

片方の脚の膝を曲げて深く降ろす際に反動をつけると膝を痛めます。

サイドランジは片方の脚に負荷をかけるので、反動を使うと両脚に負荷を分散できない分、余計に膝を痛めやすくなります。

途中で膝の力を抜かない

膝を痛める原因は上記のように反動を使うことだけではありません。動作中に膝の力を抜くのも危険です。

関節は筋肉と筋肉をつなぐものですが、筋肉以上にケガをしやすいです。
膝を痛めると脚だけでなく、日常生活にも支障が出ます。膝の力を抜かないように意識しながら運動しましょう。

サイドランジはダイエット効果も抜群

筋トレを行なっている女性の多くの目的が体を引き締めるダイエット効果です。サイドランジを行なうことでダイエット効果があります。

太ももの内側を引き締める

太ももの太さをメジャーで測る女性

サイドランジは太ももの内側の内転筋を引き締めます。
女性の場合、男性に比べて太ももの内側に脂肪がつきやすいです。

サイドランジで鍛えることで、内転筋が引き締まり、筋力的に見た目にも魅力的な脚になります。

食事を減らすだけのダイエットでは脚が細くなったとしても、筋肉はむしろ衰えてしまって、マイナス作用が多いです。

脚全体を総合的に鍛えながら引き締める

サイドランジが鍛えるのは主に内転筋、中臀筋、小臀筋ですが、それ以外の大腿四頭筋やハムストリングも鍛えます。

サイドランジを含めて、ランジという種目は下半身を総合的に鍛える効果があります。サイドランジしか行なわないとしても、脚全体を引き締める効果があります。

サイドランジの効果が体全体に波及する

脚には体全体の半分以上に筋肉が集まっていますから、脚を鍛える効果は体全体に波及します。

バーベルを担いでのスクワットが最も効果的な筋トレ種目であるのは、脚を強烈に刺激することで、その効果が体全体に波及するからです。
ダイエット効果を狙うならサイドランジがおすすめです。

サイドランジで使いやすいのがバーベル

筋力が弱い間は自重だけでも十分に負荷になりますが、ある程度筋力が強くなると自重だけでは足りなくなります。その際のウエイトとしてはバーベルが使いやすいです。

バーベルは肩に担ぐ

バーベルは必ず肩に担ぎます。体の前で持つような方法ではサイドランジの動作中に邪魔になりますし、せっかくバーベルを持った割にターゲットにする筋肉に対する負荷になりません。

肩に担げば、内転筋や中殿筋などの筋肉にダイレクトに負荷をかけやすいです。

必ずカラーをつける

バーベルのシャフトにプレートをつける際には必ず留め具であるカラーをつけるようにします。このカラーなしで運動するとバーベルが傾いたりしたときにプレートが滑って外れてしまう危険があります。

特にサイドランジは横方向に動くのでプレートが外れる危険がさらに高いです。

バーベルは短いものが使いやすい

バーベルのシャフトには長さが220センチのオリンピックシャフトと長さが短いエクササイズバーがあります。

スクワットなどのような高重量を扱う種目ではオリンピックシャフトが使いやすいですが、サイドランジでは横方向に動くこともあって、長いバーベルはやや使いにくいです。

筋力がかなり強い人であれば、シャフトが長いことが邪魔になりませんが、女性などであれば、短くて扱いやすいシャフトの方が使いやすいでしょう。

ダンベルを使う場合

サイドレイズをはじめるためにダンベルを持った女性

サイドランジのウエイトとしてはバーベルが使いやすいですが、ダンベルでもできます。前後に動くフロントランジであれば手で握って下方向でぶら下げるダンベルの方がバランスを取りやすいぐらいですが、サイドランジは横方向に動きながら、さらに片方の脚を曲げて深くしゃがみますので、ダンベルでは少々やりにくいです。

ダンベルの持ち方は体の横に持つと、動作の邪魔になりますので、体の前で保持するようにします。ダンベルの向きは親指を前方向にすると、やはり動作の邪魔になります。親指を体の前で向き合わせて、上から見れば2つのダンベルが一直線になる形で持つようにします。そうすることで、ダンベルがサイドランジの動作を邪魔せずに内転筋などの筋肉に負荷をかけやすいです。

肩にバーベルを担ぐのに比べて、ダンベルは位置が安定しにくいので、体から離れたり、横に流れたりしないように注意しましょう。

サイドランジで主に鍛えられる筋肉

サイドランジは下半身の筋肉を広範囲に鍛えますが、主なターゲットになるのは次の3つの筋肉です。

内転筋

内転筋 人体構造図

内転筋は脚を内側に引き寄せたり、股を閉じたりする働きがあります。中学や高校も体力測定で反復横跳びをやったことがあるでしょう。内転筋はあのような横への動きに対応するための筋肉です。
多くのスポーツでは横への速い動きが必要になります。野球やテニスなどの球技でも格闘技でも、内転筋が弱いとパフォーマンス能力に影響します。

「内転筋」とひと口で表記されていますが、単独の筋肉ではなく、正確には「内転筋群」と言います。主に5つの筋肉で構成されています。恥骨筋、大内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋の5つです。これらの筋肉を鍛えるのにサイドランジは極めて効果的です。

中臀筋

中臀筋は大臀筋の上部についている筋肉です。お尻の横に張り出すようについていて、内転筋が果たす脚を内側に閉じること以外の幅広い動作に関わっています。歩く際のバランサーとしての役割もあります。

大腿四頭筋などの大きな筋肉が強くても中臀筋が弱いとバランス能力が足りません。この筋肉もスクワットなどの大きな種目だけでは十分に鍛え切れません。サイドランジでぜひ鍛えたい筋肉です。

小臀筋

大臀筋、中臀筋があるということは、小臀筋もあります。小臀筋は中臀筋の奥にある筋肉で、中臀筋と同じように下半身のバランサーとしての役割があります。

内転筋が足を内側に振るときに働くのに対して、小臀筋は脚を外側に開くときに働き、股関節の動きを安定させます。この筋肉も中臀筋と同じく、サイドランジで鍛えられます。

サイドランジでのつま先の向き

サイドランジのスタートポジションでは肩幅の2倍ほどのスタンスで立ちます。このときのつま先の向きは外側に15度から30度ぐらい開くようにします。スクワットのときと同じぐらいが丁度動きやすいです。つま先を正面に向けてしまうと、動きが窮屈になりますし、不自然な負荷がかかって、膝などを痛めやすくなります。

特にバーベルを担いでサイドランジを行なうときは特に危険です。筋肉は耐えられても、関節が負けると、結局ケガの元です。

つま先の向きと共に気をつけなくてはいけないのが足の滑りです。室内でトレーニングしていればあまりないことですが、足幅が広過ぎたりすると、動作中に足が滑って危険な場合があります。

サイドランジで効果的な回数

サイドランジでの効果的な回数は、目的によって変わってきます。

シェイプアップ目的の場合

サイドランジでシェイプアップされた様子

内転筋を中心として脚を引き締めるシェイプアップが目的の場合は1セットあたり15回から20回が効果的です。回数を多目にすることで、体脂肪を燃焼させると共に筋肉を引き締めます。回数が多目がいいとは言え、20回以上が簡単にできるようでは負荷に軽過ぎて筋トレ効果が落ちてきます。

シェイプアップ目的であっても20回以上が楽にできるようならバーベルなどのウエイトを持った方がいいでしょう。その際、重いウエイトから始めるのではなく、一番軽いシャフト1本からで十分です。

筋肥大や筋力強化が目的の場合

筋肥大や筋力強化が目的であれば、1セットあたり8回から12回ぐらいが効果的です。

8回から12回で限界になるということは、経験者であればほとんどの場合、ウエイトを持つ必要があるでしょう。

バーベルを担ぐとどうしても重い重量を持ちたくなるものですが、最低でも8回はできる重量にしましょう。

サイドランジは他のランジと同様に低回数に向く種目ではありません。中回数ぐらいが最も筋肥大と筋力強化に効果を発揮します。

まとめ

内転筋は普段の日常生活では痛める可能性はそれほど高くありませんが、野球などのスポーツでは痛めやすい筋肉群です。

野球のように横への瞬発的な動きが多い競技ほど内転筋を痛めやすいです。この内転筋と中臀筋、小臀筋を効果的に鍛えるのがサイドランジです。

内転筋が脚を内側に動かし、中臀筋と小臀筋が脚を外側に動かす役割があります。野球やテニスのような球技を始めとして、柔道などの格闘技など、左右の横への動きをに瞬間的に対応しなくてはならないスポーツ競技は非常に多いです。むしろ、前後の動きだけで足りるものの方が珍しいでしょう。

スポーツほど激しい使い方はしないまでも、これらの筋肉が弱いと日常生活でも支障が出ます。片足で立ってみてふらつくようであれば、中臀筋や小臀筋が弱くなっている証拠です。しかし、これらの内転筋、中臀筋、小臀筋を効果的に鍛える筋トレ種目というのはそれほどありません。

内転筋を単独で鍛えるマシンならありますし、中臀筋と小臀筋を鍛えるためのマシンも単独で存在しますが、これら3つの筋肉を同時に鍛えるものとなるとほとんどありません。マシンは一方向にしか負荷がかからない特性にも原因があるでしょう。

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サイドランジは内転筋、中臀筋、小臀筋を同時に鍛える点でも優秀です。また、メインになる3つの筋肉以外にも大腿四頭筋やハムストリングも鍛えられますから、下半身を総合的に鍛える効果もあります。

女性のシェイプアップとして、スポーツの補強運動として、またボディビルダーが完成度の高い脚を作るためにも効果的な筋トレ種目です。