瞬発力を鍛える「クリーン&ジャーク」の効果とやり方
クリーン&ジャークというトレーニングがあり、これは瞬発力を主に鍛えることができるものです。ジャンプ力を上げたかったり脚が速くなりたい人はぜひやってみてほしいトレーニングです。
フォームが難しいので覚えることが少し大変ですが、できるようになるとパフォーマンスも上がるでしょう。筋肉をたくさん使いますから栄養補給も大事になってくるので忘れないようにしましょう。
クリーン&ジャークとは?
クリーン&ジャークとはウエイトリフティング(重量挙げ)の種目です。ほぼ全身(脚、腰、背中、僧帽筋、肩、腕)の筋肉の強化をすることができます。
クリーン&ジャークの効果
全身の筋肉を使って爆発的な力を出すことにより瞬発力が鍛えられます。筋力やスピードの向上を目指すトップアスリートが行っているトレーニングです。飛ぶ、走るの競技にお勧めになります。
また、よく言われるのがウエイトリフティングの選手はジャンプ力がどのスポーツの選手よりも高いといわれています。クリーン&ジャークは筋力やスピード強化ですから速筋線維を狙ってトレーニングすることができます。速筋は太い速く動かす筋肉で、遅筋というものもあってそれはマラソン選手のような細く弱い力を長く使える筋肉です。
クリーン&ジャークは体幹の筋肉である脊柱起立筋や腹筋などのトレーニングにもなります。体幹が強いと重いウェイトを扱えます。
例えばスクワットは脚を鍛えるものですが重量が上がってくるとそれを支える腹筋や背筋も使います。体感が弱いと強い力を発揮しにくくなります。
クリーン&ジャークのやり方
どのようなトレーニングなのかというと、動作は二つの動作に分かれています。
クリーンの動作
スタートはデッドリフトの態勢で床に置いたシャフト(バーベル)を握ります。
デッドリフトとは床に置いたシャフトを肩幅(もしくはそれより広め)くらいで順手で握り、膝を曲げ、胸を張り、顔は前を向いた状態がセットポジションです。
そしてなるべく腰を曲げないで腹筋に力をいれ脚の近くをシャフトが通るように持ち上げていきます。これがデットリフトのやり方です。
動作は僧帽筋と肩の筋肉を使って肩を引き上げ、それによってバーを上げます。肩を完全に引き上げた状態から、肘とシャフトの持った手をさらに引き上げます。このときはつま先立ちになるか、ジャンプをします。どちらでもよいです。
次はキャッチです。キャッチの動作では、シャフトを肩の近くまで上げ、膝は完全に伸びきった状態になります。
ここから膝を曲げ、手のひらが上に向き、指でバランスを取り支え、三角筋と大胸筋上部でシャフトを持ちます。
手のひら(指)、三角筋前部、大胸筋上部で支えている感じです。このとき膝を少しだけ曲げてもいいですし大腿四頭筋などにより効かせたい場合はお尻が床から10cmのところくらいまで下げてもいいです。
シャフトを肩で担ぐのではなく前に持ってきているのでフロントスクワットのフルスクワットという種類もやっていることになります。
この時のポイントは、肘を前に突き出し、腰を落とした(膝を曲げた)姿勢でシャフトをキャッチすることです。シャフトの持つ幅が狭いと手首を痛めることがあるので痛い場合は何度か軽い重量で幅の広さを確認しましょう。ここまでがクリーンの動作です。
ジャークの動作
次が二つ目の動作のジャークです。
立った状態でシャフトを持っている状態からシャフトを三角筋の上に乗せたまま膝を少し曲げ、手はシャフトの下に残して、真上に押し上げる動作に備えます。
ジャンプの要領で膝を伸ばしていくのと同時に持っているシャフトを真上に押し上げます。ジャンプをしたと同時に前後に足を開きます。
脚はランジに近い状態になります。ランジとは左右どっちかの脚が前に、どちらかが後ろにきて前の膝は少し曲がっている状態です。
この下半身を連動させて押し上げることを、プッシュプレスといいます。下半身を連動させない場合、つまり腕と方のみで持ち上げることをショルダープレスといいます。
シャフトを頭上に上げたところからクリーン終了時のセットに持っていき床に向けて下ろします。この繰り返しです。
コツはまずフォームを覚えることです。
腰が曲がっていたりなどフォームが悪いと体を痛めますし、重量も上がりにくいです。
これまでの文章とプラスして動画を見るとおおよそがわかると思います。そして慣れてきたら重量を上げていきます。
このクリーン&ジャークは瞬発力を鍛えるものですからスピードが遅くなる重量(自分のMax)ではやらないようにしましょう。ゆっくりになってしまうと少し効果は薄れてしまいます。Maxを測るときかクリーン&ジャークをやった日に一度やっておくという感じでいいです。
頻度は週に多くて2回、基本的に一度でいいと思います。全身運動ですしデッドリフトの要素を使いますからやりすぎると腰を悪くします。人によってはデッドリフトは一度やってから2週間ほど空ける人もいます。負担が大きい種目なためです。
主に筋肉というのは一度筋トレをすると48~72時間は修復に充てるため2日連続に同じ部位をトレーニングをするという行為はNGです。なのでクリーン&ジャークをやった次の日は筋トレのできる種類は限られてくるので考えて行うようにしましょう。
回数と負荷はMax重量の85~90%ほどの重さで3~5回を4セットくらいでいいでしょう。
例えば、Max重量が50kgの人は42.5kg~45kgの重さってことです。
比較的Max重量に近い重さでトレーニングするわけですから、油断をせずに気を付けて行いましょう。
毎セット、ベストを尽くした方がいい種目なので1セット終わるごとに4~5分は空けてもいいかもしれませんね。
ではベストを尽くさない種目はあるのか?となると思います。ベストを尽くさないとは少し語弊がありますが、ベンチプレスやスクワットで筋肉を大きくしたい時は1セット終わってから1~2分しかレスト(休憩)を入れません。これは短い間隔でやった方が疲労もたまりやすく筋肥大しやすいためです。
クリーン&ジャーク筋肥大よりパワー(最大出力)を上げるものですから使い分けも重要です。
終わりに
食事も大切な要素です。クリーン&ジャークやビッグ3(ベンチプレス、スクワット、デッドリフト)は大きい筋肉を使うので体内のエネルギーを多く消費することと筋トレをしていることで筋肉が破壊されますから筋肉の元になっているたんぱく質を多めに摂る必要があるということです。
筋トレをしない人は1日体重×1(g)のたんぱく質が必要と言われています。
例えば、60キロの人は60gのたんぱく質を摂取しなければいけないということになります。
しかし筋トレをしている人は筋肉を使いますから、体重×1.5~2(g)、つまり90~120gのたんぱく質が必要となります。ちなみに鳥のささみは100gで約20gのたんぱく質が含まれでいますので、ささみでいうと毎日500gのささみを食べる必要があります(もちろん卵や魚でもたんぱく質は摂れるので肉だけでこんなに食べる必要はないですが)。
また、植物性のたんぱく質(大豆類等)は栄養価自体は物凄いものがありますが、体内に吸収されにくいこともあったとのデータもあるそうです。なので動物性たんぱく質の肉や魚、卵、牛乳などからとると確実性が高いといえます。
効率よく筋肉をつけるために可能なら1日の食事回数を増やすことも効果的です。4~6回くらいです。理由として食事間隔を空けると筋肉を分解してしまうカタボリックという状態になります。
筋肉をエネルギーとして使うのはもったいないです。カロリーを計算して毎食を食べ過ぎずこまめに食べるというイメージです。
食事と関連してプロテインの摂取はした方がいいでしょう。プロテインは持ち運びも便利ですからあった方がいいです。
トレーニング後は筋肉に傷がついていて早く栄養を送って回復させてあげたいのでトレーニング後すぐにプロテインを飲むと効率的になります。