バーベルショルダープレスで最高の肩を作るやり方【重量や手幅に注意!】
肩の筋肉を鍛えるための筋トレ種目は数多くありますが、基本種目として行なうべき種目は限られます。そのひとつがバーベルショルダープレスです。
正確なフォームでバーベルショルダープレスの記録を伸ばせば嫌でも肩が大きくなります。しかし、このバーベルショルダープレスは決して簡単な種目ではありません。
肩甲骨の使い方やバーベルのコントロールの仕方など、腰を痛めないで効果を上げる方法など、試行錯誤するだけではわからないことが少なくありません。
バーベルショルダープレスの効果的なやり方を解説いたします。
バーベルショルダープレスで扱う重量
バーベルショルダープレスは肩のトレーニングで行なう最も高重量を狙える種目です。バーベルショルダープレスと重量について解説します。
バーベルショルダープレスと30kg
バーベルショルダープレスを30kgで正確なフォームで繰り返せるとしたら、初心者としたら悪くない数字です。
正確なフォームというのは完全に下まで降ろして反動も何もなしで6回から10回できる重量です。
バーベルショルダープレスと50kg
バーベルショルダープレスで50kgを正確なフォームで上記の30kgと同様に6回から10回でできるとしたら、なかなかの強さです。中級者レベルと言えるでしょう。
初心者がバーベルショルダープレスで扱える平均的な重量
バーベルショルダープレスで扱える平均的な重量としては、女性であれば、10キロ、男性であれば20キロあたりが目安になるでしょう。
これも6回から10回を正確なフォームでできることが前提です。
バーベルショルダープレスのやり方
バーベルショルダープレスのやり方をご説明します。
最適な手幅
バーベルショルダープレスの最適な手幅は肩幅よりもやや広いぐらいにします。降ろし切った状態で前腕骨が垂直になるぐらいが丁度いいです。
手幅は広過ぎても狭過ぎても肩を正しくヒットしません。最適な手幅は個人差がありますが、降ろし切ったポジションで前腕が垂直になるぐらいが目安になります。
グリップの方法
バーベルの握り方は親指をバーに回すサムアラウンドグリップにします。
マシンやスミスマシンの場合は親指を外すサムレスグリップでもいいですが、バーベルやダンベルの場合は手から外れたときの危険がありますから、かならずサムアラウンドグリップにします。
また、バーが前腕骨に垂直に乗るように握ります。手首が反るようにしてバーを握ると、手首を痛めます。
前腕骨に垂直に乗せれば、手首にかかる負担が大幅に減ります。
バーを降ろす位置
バーを降ろす位置は鎖骨のあたりです。鎖骨にぶつけるのではなく、鎖骨の上に静かに置くようにして降ろします。
バーを降ろしたポジションで一拍止めて、バーベルを肩の力で持ち上げます。
降ろすときの注意
バーベルショルダープレスは鎖骨の上から頭上にバーベルを持ち上げます。
バーが描く軌道上に顔がありますから、バーが鼻に当たる可能性がありますので注意しないといけません。
また、首の後ろに降ろす場合に僧帽筋の上で弾ませないように注意しましょう。僧帽筋に強くぶつけると頸椎を痛める可能性もありますし、弾ませると、その分肩から負荷が逃げてしまいます。
バックで行なうバーベルショルダープレス
バーベルショルダープレスは基本的にはバーを顔の前で動作しますが、バーを首の後ろに降ろすパックプレスと呼ばれる方法もあります。
筋トレを本格的に行なっているトレーニーの間では、フロントで行なうバーベルショルダープレスよりも、このバックで行なうものの方が普及しています。
より広範囲に効かせやすい
ボディビルダーの多くがフロントプレスよりもバックプレスを好んで行なうのはバーを首の後ろに降ろすことで、三角筋の前部と側部のより広範囲に効かせやすいからです。
フロントプレスにしても三角筋の前部と側部を刺激する点でバックプレスと共通していますが、前部により刺激が集中しやすい傾向があります。
そのため、バーベルショルダープレスでできるだけ広範囲の刺激を目指すボディビルダーにはバックプレスの方が人気があります。
肩を痛めやすい
しかし、バックで行なうバーベルショルダープレスはフロントで行なうよりも肩を痛めやすい欠点があります。バックで行なうとケガをしやすいのはバーを首の後ろに降ろすため、肩関節が後ろに引っ張られるからです。
肩関節が硬い場合、高重量のバーベルでこの動作を行なうとケガしやすいです。
シャフト1本から軽い重量で僧帽筋につくぐらいまで降ろしてみて、違和感があるようなら、フロントでのバーベルショルダープレスにした方が良いでしょう。
ショルダープレス専用のベンチ
バーベルショルダープレス用の専用のベンチはショルダープレスをバックプレスとして行なうことを想定して作られているものが多いです。それだけバーベルショルダープレスはバーを首の後ろに降ろすことが一般的になっていることがわかります。
最近ではフロントでも行なえるように工夫されたラックも作られていますが、バーベルを乗せるラックが後ろについているパターンが圧倒的に多いです。ラックが後ろにあることで、トレーニーは首の後ろにバーを降ろしやすくなっています。
スミスマシンでのショルダープレス
ショルダープレスはスミスマシンでもできます。バーベルでのショルダープレスとの違いを見てみましょう。
軌道が決まっている
スミスマシンはバーベルと動きが似ていますが、軌道が決まっているので肩の筋肉をヒットしやすいメリットがあります。
軌道が決まっていると扱いやすいのは特に初心者の場合です。
バーベルでのショルダープレスでは軌道を完全に自分でコントロールしないといけないので、慣れていない初心者では左右のバランスが取れなかったりすることもあります。
それに対してスミスマシンであれば、軌道に合わせてバーを押したり降ろしたりするだけなので、筋トレ経験が少ない人でも比較的効かしやすいです。
座った状態で動作しやすい
スミスマシンでのショルダープレスは立った状態でもできますが、ベンチに座った方が安定します。
立った状態で行なうことのメリットは限界まで追い込んだ後にチーティング法を使ってさらに追い込めることです。
フロントプレスにもバックプレスにも対応しやすい
バーベルショルダープレス用のベンチの場合、バックプレスの方がやりやすいのに対して、スミスマシンはフロントプレスにもバックプレスにも対応しやすいです。
ベンチの角度を調節して背もたれとして使えばさらに動作が安定します。
上下垂直に動くタイプを使う
スミスマシンでショルダープレスを行なう場合に注意していただきたいのが、スミスマシンには2種類あるということです。
上下垂直にバーが動くタイプと脚トレ用にやや斜めに動くタイプがあります。この斜めに動くタイプは脚のスクワットなどにはいいですが、プレス系の種目では効きません。垂直に負荷がかかるべきところを斜め方向に負荷が逃げてしまうからです。
上下垂直にバーが動くタイプであれば、肩の筋肉にダイレクトに効かせられます。
ダンベルショルダープレスとの違い
バーベルショルダープレスとダンベルショルダープレスを比較すると次のような点でバーベルショルダープレスにメリットがあります。
高重量が扱える
ダンベルショルダープレスとバーベルショルダープレスを比べた場合、高重量を扱えるという点では明らかにバーベルショルダープレスに軍配が上がります。
高重量が挙がるので運動強度も高いのがバーベルショルダープレスです。
重量交換が簡単
ダンベルショルダープレスの場合、重量を交換するのが少々大変です。ジムでトレーニングする場合、重量を交換するためにはわざわざダンベルラックからダンベルを持ってこなくてはいけません。高重量のダンベルになるほどこれがなかなか大変です。
これに対してバーベルショルダープレスは専用のラックを使うにしても、パワーラックなどを使うにしても、必要な高さにバーベルをセットできるので、重量交換が簡単です。
スタートポジションに入りやすい
ダンベルショルダープレスの場合、スタートポジションのために床に置いてあるダンベルをセットごとに肩の位置まで持ち上げなくてはなりません。重量交換の場合と同様に高重量になるほど大変なのがダンベルのデメリットです。
これに対して、バーベルショルダープレスの場合はスタートポジションにセットするのがはるかに簡単です。
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ショルダープレスマシンとの違い
ショルダプレスマシンとバーベルショルダープレスの違いも見てみましょう。
軌道の違い
ショルダープレスマシンは動く軌道が決まっているので、初心者でも安全です。
それに対してバーベルショルダープレスでは自分で軌道をコントロールしなくてはならないので、初心者には少々難しいところがあります。
ピンポイントで鍛える効果の違い
ショルダープレスマシンの種類やモデルにもよりますが、肩の中の部位をピンポイントで鍛えるという点ではショルダープレスマシンの方がやりやすいです。
バーベルショルダープレスの場合、肩の前面から側面までの広い範囲で発達させやすいです。
バーベルの方が技術が必要
効かせる技術という点で比較すると、ウエイトや軌道を自分でコントロールしなくてはならないバーベルショルダープレスの方がかなり難しいです。ショルダープレスマシンはその点で見れば、初心者にも扱いやすいメリットがあります。
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まとめ
近年の筋トレ器具の充実ぶりは目を見張るものがあります。肩を鍛えるためのマシンにしても、実に多種多様な製品が市場に投入されています。
しかし、それでも肩を鍛えるための基本種目がバーベルショルダープレスであることには変わりありません。過去も現在も肩が大きくて怪力のボディビルダーやパワーリフターはバーベルショルダープレスで鍛えています。
怪力のトレーニーほどバーベルショルダープレスで鍛えているかの大きな理由のひとつが扱える重量です。ベンチプレスで300キロが挙がるような人ならフロントのバーベルショルダープレスで180キロから200キロぐらいで繰り返すことができます。
バーベルショルダープレスで180キロで繰り返せるような超怪力の人間は現在もいますが、1950年代や1960年代にもすでに存在していました。長い間、人類最強の男として知られたポール・アンダーソン氏もこの時期に182キロでフロントプレスを繰り返すことができました。まだマシンなどほとんどない時代にもの凄い肩を作り上げた人たちは例外なくバーベルショルダープレスで鍛えています。
ショルダープレスのためのマシンの場合、非常に筋力が強いトレーニーには対応し切れない欠点があります。差しピン式のマシンだと特に最高重量にしてもさほど重くありません。ハンマーストレングスマシンのようなディスクロード式のマシンにしても、やはりつけられる重量には限界があります。
これに対してバーベルの場合はどんなに強い人でもショルダープレスで重量が足りなくなるなどということは事実上あり得ません。その意味でも、肩を大きく強くしたければバーベルショルダープレスで鍛えるのが一番の近道だと言えるでしょう。