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ショルダープレスマシンを徹底解説【効かせるやり方・重量の選びか・グリップ方法】

投稿日: 2018年10月19日

ショルダープレスマシンを使う男性

肩を大きくするための種目としてバーベルやダンベルでのプレス種目が活躍していますが、ショルダープレスマシンも侮れない効果があります。

フリーウエイトは自分で軌道をコントロールしなくてはならない難しさがあるのに対して、ショルダープレスマシンは軌道が決まっていて、初心者にも使いやすいだけでなく、経験者にとっても肩の発達に大きな効果があります。

ショルダープレスマシンの特徴、効果的な使い方を解説いたします。

ショルダープレスマシンで効果的な重量

マシンでのショルダープレスと重量について解説いたします。

6回から10回で限界になるのが最適重量

6回から10回で限界になるぐらいの重量を選択するようにします。肩は小さな筋肉ですから、3回、4回といった低回数ではあまり反応しません。トップの重量でも最低6回はできる重量が望ましいです。

バーベルショルダープレスの場合は重量を伸ばすために低回数で行なう意味がありますが、ショルダープレスマシンであれば、バーベルほどには筋力を伸ばす効果はありませんから、重量を追いかけるよりも効かせることに集中しましょう。

ショルダープレスマシンで扱える平均的な重量

ダンベルショルダープレスをする男性

ショルダープレスマシンの場合、扱える平均的な重量というのが正確には出しにくいです。バーベルやダンベルであればメーカーの違いがあっても、同じ重量であれば使い勝手に多少の差はあっても本質的には変わりありません。しかし、マシンの場合は動作そのものは似ていてもメーカーやマシンの構造の違いなどで扱える重量がかなり変わってしまうことがあります。

そのため、マシンの場合はウエイトスタックに表記されている数字よりも、正確に扱える重量の最大限を使うというスタンスで適正重量を判断するようにしましょう。

可動範囲いっぱいに扱える重量

ショルダープレスマシンに限ったことではないですが、間違った重量ではいくらトレーニングしても効果はありません。筋トレ初心者で最も多い間違いが重過ぎる重量にしてしまうことです。

本来の筋力に対して重過ぎる重量にするとどんな種目でも正確な運動になりません。可動域が狭くなったり、フォームが崩れたりします。

そうなると、当然ながらターゲットにすべき筋肉の稼働率が大幅に下がります。ショルダープレスマシンでも同じです。

必ず可動域いっぱいで正確に扱える重量で行なうようにしましょう。遠回りなようでもそれが筋肉を発達させる近道です。

ショルダープレスマシンで効果的なグリップ

ショルダープレスマシンで肩を鍛える際のグリップ方法についてご説明します。

水平のグリップ

ショルダープレスマシンのうち、ユニバーサルマシンの場合は水平のグリップになります。水平のグリップはバーベルのように真っ直ぐなバーを持つのと同じ感じになります。

水平のグリップは手のひらの向きなどはバーベルを握るのと同じになりますが、バーベルのように一直線でつながっていないので、使いやすいです。

マシンのハンドルの角度に合わせたグリップ

ショルダープレスマシンにはいろいろなタイプがありますから、肩に効かせやすいように角度がついているものがあります。ハンマーストレングスマシンのショルダープレスマシンなどが良い例です。

バーベルショルダープレスではバーベルシャフトが真っすぐなためにグリップの角度を調節できませんし、ダンベルでも同じ角度を保持するのが簡単ではありません。その点、マシンであらかじめグリップが適正な角度になっていると肩に効かせやすいです。

手のひらを向き合わせたグリップ

ショルダープレスマシンの中には手のひらが向かい合った形のグリップのものもあります。ノーチラスマシンのショルダープレスマシンなどがこのタイプです。

このタイプのグリップだと、肩の前部にはよく効きますが、側部を含めた広範囲に効かせるのは難しいです。しかし、肩の前部に特化して鍛えるためには効果的です。

サムレスグリップ

ショルダープレスには大別してバーベルやダンベルなどのフリーウエイトとマシンで行なう方法がありますが、フリーウエイトとマシンでのショルダープレスで大きく違うのがグリップの方法です。

グリップの方法には親指を巻くサムアラウンドグリップと親指を巻かないサムレスグリップがあります。バーベルやダンベルでのショルダープレスの場合は安全のために親指を巻いた方がいいです。特にダンベルの場合は親指を巻かないと手から外れて落下する危険があります。

バーベルにしてもダンベルよりはサムレスグリップでも危険が少ないとはいえ、やはり安全性を考えるなら親指をしっかり巻いた方がいいでしょう。これらのグリップにする理由はその方が肩に効かせやすいからではなく、単に安全上の理由です。

手首の形や角度によってはプレス系の種目はサムレスグリップの方が効かしやすい人が少なくありません。

ショルダープレスマシンであればその点、サムレスグリップで大丈夫です。軌道が決まっているので、よほどのことがないかぎりグリップが外れることはないでしょう。

ショルダープレスマシンを逆向きの使い方

ショルダープレスマシンを逆向きに使うとどうなるかについて解説します。

違った刺激になるのが効果的

ショルダープレスマシンを逆向きに使うことは本来の使い方とは違った刺激を与えることができる点でメリットがあります。

いつも同じ刺激を与えるよりも変わった刺激を与えることで、筋肉の発達を促進する可能性があります。

逆向きには使えない場合が多い

しかし、ショルダープレスマシンは逆向きに使えない構造になっていることが少なくありません。

ユニバーサルマシンのショルダープレスマシンのように、逆向きに簡単に使えるものもありますが、安全上の理由などから逆向きに使えないものがあります。

最も効果的なのは設計通りの使い方

逆向きに使うことで変わった刺激が与えられる可能性があるとしても、最も効果があるのは設計通りの使い方です。グリップの角度やテコの使い方など、ショルダープレスマシンは最適な効果が出せるように各部が計算されて設計されています。

そのため、逆向きに使うよりも、設計通りに使うのが多くのトレーニーにとっては最も効果的です。

逆向きに使えるマシンであるなら、たまに逆向きで使うにしても基本的には設計通りの使い方をするのが効果的です。

ショルダープレスマシンとダンベルプレスの違い

ショルダープレスマシンとダンベルプレスの違いについて解説します。

ダンベルショルダープレスのやり方!三角筋に効くフォームのコツを解説

セットポジションに入るのが簡単

ショルダープレスマシンはセットポジションに入るのがダンベルプレスに比べてはるかに簡単です。

ダンベルでは床に置いたダンベルをセットのたびに肩の位置まで持ち上げなくてはなりません。
それに対してショルダープレスマシンは最初からセットポジションになっていますから、セットポジションの簡単さではマシンの方がはるかに楽です。

重量を変えるのが簡単

ダンベルでのプレス運動ではセットごとに重量を変えるとなるとなかなかに大変です。1セット終わるごとにダンベルラックに使ったダンベルを戻し、別の重量のダンベルを持ってくることになります。これはなかなかに大変です。
同じ重量ですべてのセットを行なう方法もありますが、ダンベルプレスはかなり高重量を使いますので、ウォームアップのためのセットも数セット行ないますから、すべてを同じ重量とはいきません。

それに対してショルダープレスマシンの多くは差しピン式ですから重量を変えるのが簡単です。ハンマーストレングスマシンのようにバーベルプレートをつけるディスクロード式のものもありますが、それにしてもダンベルプレスよりは重量の交換が簡単です。

安全性が高い

安全性で比較すればショルダープレスマシンの方が圧倒的に安全です。

ダンベルは間違って落としたらケガする危険がありますが、ショルダープレスマシンであればウエイトを落とすということは事実上あり得ません。
安全性の観点では特に初心者にとってショルダープレスマシンは価値があります。

軌道の違い

ショルダープレスマシンはダンベルでのプレスと違って軌道が決まっています。
これは長所でもあり短所でもあります。軌道が決まっている分、初心者でもフォームを崩さずにトレーニングできます。

ショルダープレスマシンの正しい使い方

ショルダープレスマシンの正しい使い方についてご説明します。

シートの高さを調節する

座るシート部分の高さを調節できるものはまず、自分の体格に合わせてシートの高さを調節します。シートは高過ぎても低過ぎても運動しにくいです。
ショルダープレスのハンドル部分の高さは固定されていますから、シートが低過ぎれば可動域が足りなくなりますし、逆に高過ぎれば窮屈になってしまいます。

ショルダープレスマシンにしても、ジムに置いてあるものの多くはアメリカを中心とした外国製です。外国製のマシンは欧米人の平均的な体格を基準に作られているため、小柄な女性の場合にはマシンが大き過ぎて使いにくい場合もあります。

シート部分の高さを調節できないモデルもありますから、その場合はシート部分にパッドを置くなどして調節しましょう。

背もたれパッドに背中をしっかりつける

ショルダープレスマシンにはユニバーサルマシンのように背もたれパッドがないタイプもありますが、背もたれパッドがあるものの方が多いです。

ハンマーストレングスマシンのショルダープレスマシンのように背もたれがやや斜めになっているものであれば、自然と背もたれに背中を預けやすいですが、背もたれが垂直式のものでも、しっかりと背もたれに背中をつけるようにします。そうすることで、動作が安定します。

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適正重量で運動する

ショルダープレスマシンでも扱う重量が適正でないと効果半減です。

適正な重量とは上記でご説明したように、可動域いっぱいで扱える重量です。

ひとつの目安として、完全に降ろしたポジションで止めていられるかどうかで重過ぎるかどうかがわかります。筋肉は挙げる動作よりも止めておく力の方が強いので、静止させられないようなら重過ぎます。

肘を伸ばし切らない

ショルダープレス系の種目では肘を伸ばし切らないようにします。肘を伸ばし切ってしまうと、そのポジションでロックアウトしてしまって、肩の緊張が抜けてしまうからです。

肘を伸ばし切ると、肘に負荷がかかって痛めやすくもなりますので、少し余裕を残した位置で止めるようにしましょう。

ウエイトは静かに降ろす

ウエイトは必ず静かに降ろすようにしましょう。乱暴にウエイトを降ろしたりすると、器具が痛みますし、周りにも迷惑です。
筋トレ技術が高い人ほど筋トレ器具を丁寧に扱います。

プロボディビルダーのDVDなどを見るとセットの後でダンベルを落とすような場面がありますが、絶対に真似しないようにしましょう。

ダンベルは落とせば壊れますし、ショルダープレスマシンは精密機械の一種ですからぞんざいに扱ってプラスになることは何もありません。

ショルダープレスマシンで鍛えられる部位

三角筋の筋肉を表すCT画像

ショルダープレスマシンで鍛えられる部位は肩の筋肉である三角筋の主に前部です。それに次いで側部です。後部についてはあまり刺激されません。

間接的に鍛えられる部分としては上腕三頭筋などもありますが、主導筋として鍛えられるのは肩の前部と側部です。肩の後部についてはショルダープレスマシン以外のダンベルリヤレイズやリヤレイズ系のマシンなどで別に鍛える必要があります。

バーベルショルダープレスとの優先順位

マシンでのショルダープレスとバーベルショルダープレスを同じ筋トレメニューに入れるなら、バーベルショルダープレスを最優先にするのがおすすめです。

バーベルでの基本種目とマシン種目があった場合、バーベル種目を優先すべきは肩に限りません。脚ならスクワット、大胸筋ならベンチプレスといった具合に揺るぎない基本種目が存在します。肩についてはバーベルショルダープレスが基本種目として揺るぎない存在です。

基本種目を最優先にすべきなのは、エネルギーが最高の最初の種目として基本種目の使用重量を伸ばして追い込むのが筋肉の発達を最も促進するからです。

マシンでのショルダープレスは優秀な筋トレ器具ですが、肩の筋肉を大きくしたり、筋力を伸ばす効果ではやはりバーベルには敵いません。

ショルダープレスマシンの販売価格

ショルダープレスマシンを自宅筋トレ用に購入を検討している人もいるでしょう。自宅用のものとなると、単独でのショルダープレスマシンではなく、ラットマシンやベンチプレスやシットアップなどもできる複合型のマシンの中にショルダープレスマシンが組み込まれたタイプになるでしょう。

複合型のマシンはいろいろな種目ができて、場所をあまり取らないようにコンパクトに作られているのはいいですが、個々のマシンとして見れば重量や動きにしても少々貧弱になる傾向があります。ショルダープレスマシンの部分にしてもウエイトスタックはさほど重くないですから、筋力が強くなると重量的にも物足りなくなる可能性があります。

このようなタイプの複合型のマシンであれば販売価格としては10万円ぐらいからあります。ネット通販でもっと安いものもありますが、安いほど内容が落ちますから、あまり販売価格が安いものはおすすめしません。

一方、ジムにあるような業務用のショルダープレスマシンとなると販売価格は段違いに高くなります。50万円から200万円ぐらいしますから、自宅筋トレ用としてはさすがに高過ぎるでしょう。

ショルダープレスマシンは肩を鍛える以外の使い道がほとんどありませんので、そのお金があるならバーベルやダンベルなどを購入した方が全体的な筋トレ効果としてもはるかに期待できます。

まとめ

ショルダープレスマシンには軌道が決まっていて、初心者にも扱いやすいことや、安全性が高いなど、バーベルやダンベルにはないメリットがあります。高齢者のリハビリなどに使う場合にもマシンの方がおおすめです。
バーベルやダンベルは肩の筋肉を大きくする点ではマシンよりも効果がありますが、ウエイトを自分で保持してコントロールしなくてはならないため、初心者には難しい面があります。

ショルダープレスマシンはメーカーやタイプによってそれぞれ効き方や特徴に違いがありますので、目的によって使い分けるといいでしょう。

ハンマーストレングスマシンのショルダープレスマシンのように肩の前面から側面にかけて比較的に広い範囲で鍛えやすいマシンもあれば、ノーチラスマシンのショルダープレスマシンのように、前面だけをピンポイントに鍛えやすいマシンもあります。

初心者であればショルダープレスマシンから入って、筋トレにある程度慣れてからフリーウエイトでのショルダープレスに移行していく方法もあります。

経験者であれば、肩の基本種目としてはバーベルでのショルダープレスを中心にしてショルダープレスマシンは肩の筋トレメニューの2種目以降に入れるのがおすすめです。