ランジよりきつい!ブルガリアンスクワットの効果と正確なやり方【台の高さ・頻度・回数】
大腿部をカッコよく発達させるランジによく似た動きで、さらに大殿筋や大腿四頭筋を強烈に刺激するのがブルガリアンスクワットです。
女性にとってはヒップアップ効果が高いことで人気の筋トレ種目です。
片脚を台やベンチに乗せることで、可動域を広くし、大腿四頭筋の発達にも効果的です。普通のバーベルスクワットと組み合わせることで、下半身トレーニングの効果が飛躍的に高まります。
ブルガリアンスクワットがきつい理由
ブルガリアンスクワットは脚を鍛える種目の中でもかなりきついと言われています。
脚を鍛える種目は総じてきついものが多いものですが、その中でもかなりきついと言われているのには次のような理由があります。
前方の脚に負荷を集中させている
下半身全体を鍛える種目としてブルガリアンスクワットとよく似ているのがランジですが、両者は似ているようでいてかなり違った運動です。
ランジでは前後に開いた脚の両方が床についているのに対して、ブルガリアンスクワットでは後ろ足を台に乗せて、前にある脚の方に負荷を集中させます。そのため、ランジ以上に大腿四頭筋がストレッチされて強い刺激を与えることができます。
筋肉の可動範囲が広い
ブルガリアンスクワットの動作を正しく行なうと、大腿四頭筋、ハムストリング、大殿筋などが強くストレッチされて鍛えられます。
筋肉の可動域が広いからストレッチされるわけですが、この可動域の広さがブルガリアンスクワットという種目の運動としてのきつさを物語っています。
ウエイトを持つことでさらにきつくなる
自重だけでもかなりの負荷になりますが、筋力が強くて自重だけでは足りなければ、ダンベルを持つなどして、いくらでも負荷を強くすることができます。
ウエイトを持つことで、さらにきつい運動になります。
ブルガリアンスクワットで扱える重量
ブルガリアンスクワットで扱える重量についてご説明します。自重では足りない場合に使えるウエイトとして次のものが考えられます。
ダンベル
最も使いやすいのがダンベルです。ダンベルは非常に軽いもので1キロからありますし、筋力の伸びに合わせて細かい調整も可能です。
ブルガリアンスクワットのウエイトとしてダンベルが良いのは、手で持つ位置が低いので、体のバランスを崩しても対処しやすいからです。
仮に非常に重いダンベルを使えるぐらいに筋力が強かったとしても、安全に運動しやすいです。
男性であれば、かなり高重量のダンベルを持ってブルガリアンスクワットができる場合があります。
その場合はパワーグリップやストラップを使用してダンベルが落ちないようにしておくとさらに安全です。
バーベル
バーベルもウエイトとして使えますが、バランスを崩した場合を考えるとやや不安です。
ブルガリアンスクワットでは片脚を後ろの台に乗せているので、事実上、前に出している方の片脚だけでバランスを取ることになるため、ランジに比べてかなり不安定です。
そのため、ウエイトとしてバーベルを使うと不測の事態に対処しにくい難点があります。
スミスマシン
安全性の点で最も優れているのがスミスマシンです。
バーが動く軌道が決まっているので、安全な上に、ブルガリアンスクワットでも脚に効かせやすいです。しかし、自宅筋トレでは使えないのが難点です。
自宅で筋トレをしている人でかなりの装備を備えている人もいますが、ジムにあるような本格的なスミスマシンを持っている人はそうそういないでしょう。
ジムでブルガリアンスクワットを行なっている人はスミスマシンを利用していることが多いです。
スミスマシンを使用する場合は、バーが垂直に動くタイプのものよりも脚のトレーニング用に作られているバーがやや斜め上に上下するタイプがおすすめです。
ケトルベル
ケトルベルもダンベル同様、ブルガリアンスクワットのウエイトとして安全性が高いです。
しかし、ケトルベルはその構造上、手で握るハンドル部分が上についているため、天地方向で高さがあり、腕が長い人がブルガリアンスクワットで使うと、ボトムポジションで床についてしまう可能性があります。
ブルガリアンスクワットと膝の関係
ブルガリアンスクワットは膝にかかる負担がかなりあります。膝を痛めている人は行なわない方がいいでしょう。
ブルガリアンスクワットが膝に負担がかかる理由を考えてみましょう。
マシンのように固定されていない
ブルガリアンスクワットはレッグプレスやレッグエクステンションのようにマシンに体が固定されていないので、膝に直接負荷がかかります。
スクワットであれば両脚に負荷が分散されますが、ブルガリアンスクワットでは前方に出した脚に負荷を集中させるため、余計に膝に負担がかかります。
片脚だけでバランスを取らなくてはならない
事実上、前方に出した片脚だけで体全体を支え、片足でバランスも取らなくてはいけません。
さらにダンベルなどのウエイトを両手に持っているとしたら、さらに膝に負担がかかります。
ブルガリアンスクワットのやり方
ブルガリアンスクワットの動作
後ろ脚を乗せる台やベンチの前に立ち、片足を後ろの台に乗せます。この台との距離は大股で1歩分ぐらいが丁度いいです。そして、上体を真っすぐに保ったまま、前脚に負荷をかけながら降ろします。前脚の膝角度が90度になるまで降ろします。
そこから大腿四頭筋の力で立ち上がります。降ろすときはゆっくり大腿四頭筋を意識しながら降ろします。時間にすれば2秒から3秒ぐらいのものでしょう。立ち上がるときは1秒ぐらいです。
これらの時間は厳密なものではなく、あくまでも目安です。きっちりと筋肉を伸ばして、よく効かせるようにすれば自然と適正な時間になるでしょう。
ブルガリアンスクワットのやり方!フォームやバリエーションを解説
片脚を乗せる台の高さ
後ろの足を乗せる台の高さが高いほど運動強度が強くなります。
身長によっても適正な高さが違いますが、ジムにあるフラットベンチが丁度いい高さでしょう。自宅で行なっていて、ベンチがない場合は普段座っている椅子で代用しましょう。
台が高いほど運動強度が高くなるとは言っても、無限に高くはできませんから、運動強度は手に持つダンベルなどで調節します。
トレーニングの量
トレーニングの量としては、片脚づつ10回から15回行ない、両脚が終わって1セットとして数えます。これを3セットから4セット繰り返しましょう。
スタミナや回復力が優れている人はもっとできる場合もありますが。多くても5セットで十分です。
上体が前傾しないように注意する
ブルガリアンスクワットを行なっていると、途中で上体が前傾してくることがあります。
運動の始めでは上体が真っすぐに立っていても、疲れてくると垂直に保つのが難しくなります。その場合の対処法として、胸を張って前傾しないようにしましょう。手にダンベルを持っていることで、その重さに負けて上体が前傾してくる場合もあります。
ブルガリアンスクワットを行なうべき頻度
ブルガリアンスクワットを行なうべき頻度ですが、これはブルガリアンスクワットしか行なわない場合と脚のトレーニングメニューに組み込む場合とで違ってくるでしょう。
自宅などでブルガリアンスクワットしかやらないのであれば、いくらきつい運動だとしても、それほど疲労は残りませんから週に3回はできるでしょう。筋肉痛が残らないのであれば毎日行なっても問題ありません。
しかし、ジムでも自宅でも脚のトレーニングメニューの中にブルガリアンスクワットを組み込んでいる場合は状況がかなり違ってきます。
脚の筋トレメニューの最初にスクワットで追い込んで、レッグプレスなどのマシンでも鍛えているメニューの中でブルガリアンスクワットを行なうとなると、それほど多くの頻度にはできません。
脚のトレーニングは最も疲労が残りやすいですから、週に2回ぐらいが限界でしょう。
回復力が早い人なら週に3回可能な場合もありますが、多くの場合は週に2回かそれ以下の頻度になるでしょう。2週間に3回あたりが合う人も多いです。
ブルガリアンスクワットの効果
ブルガリアンスクワットにどのような効果があるかを見てみましょう。
体全体がシェイプアップされてビフォーアフターに差が出る
大腿四頭筋という体中で最も大きくて強い筋肉を中心にして脚全体を鍛えるので、体全体のシェイプアップ効果も大きいです。
大きな筋肉を鍛えると小さい筋肉や体全体に間接的に負荷がかかり、全身運動としての効果があります。
ブルガリアンスクワットで鍛えた前後を比較すればビフォーアフターで差が出たことを実感できるでしょう。
ブルガリアンスクワットで変わる脚の太さ
ブルガリアンスクワットの効果のひとつが脚の太さが変わることです。太くなるか細くなるかは本人の状況とやり方次第です。
もともと太っていて、体脂肪が多いタイプの人がブルガリアンスクワットで鍛えれば、大腿四頭筋やハムストリングなどが引き締まると共に無駄な体脂肪が落ちます。そうなると、脚の筋量が増えたとしても脚の太さそのものは細くなることがあります。
逆に、もともと脚が細い人であればブルガリアンスクワットで鍛えることで脚が太くなります。
女性の場合は脚を細くしたい場合が多いでしょうが、男性であれば逆に太くしたい人の方が多いでしょう。ブルガリアンスクワットで脚を太くするには自重だけでなくウエイトを加えて負荷を強くするのが効果的です。
お尻の形が良くなる
脚を前後に開いて、お尻の筋肉の可動域がひろくなりますから、お尻の形が良くなります。
普通のスクワットでもヒップアップ効果がありますが、大殿筋の可動域としてはブルガリアンスクワットに比べるとかなり狭いので、お尻の形を良くする効果ではブルガリアンスクワットに軍配が上がります。
腹筋はそれほど発達しない
体幹部も鍛えられますから間接的には腹筋も多少は鍛えれますが、シットアップなどのように直接的に腹筋が鍛えられるわけではないので、効果は限定的です。
ブルガリアンスクワットで腹筋を発達させることについてはあまり期待できません。
まとめ
ブルガリアンスクワットは大腿四頭筋、お尻の筋肉、ハムストリングなどを鍛える非常に効果的な筋トレ種目です。自重だけでも、かなりの運動強度になりますから、自宅でこのブルガリアンスクワットだけ行なったとしても効果的です。シェイプアップが目的ならこれだけでもかなりの効果があります。
しかし、あくまでも筋肉を発達させて大腿部を大きくすることが目的なら、ジムでも自宅でも本格的な筋トレ器具と組み合わせて鍛えることです。スクワットやレッグプレスマシンやハックマシンなどと組み合わせることで、より大きな効果が期待できます。
他の筋トレ種目と組み合わせることでさらに効果が大きくなるのは、他の種目で追い込んで疲労させた後に行なうことで、より効かしやすくなるからです。
バーベルでのスクワットやベンチプレスのような基本種目の場合は最初に行なうのが一番効果的なのに対して、ブルガリアンスクワットは基本種目のスクワットなどで鍛えた後にさらに追い込むときに効果がより発揮されます。
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