内転筋を発達させる5つの正しい鍛え方!最も効果的な方法とは?
内転筋は大腿部の内側にある大小5つの筋肉で構成されています。股関節を閉じたり、股関節を曲げたり伸ばしたりするための筋肉です。
非常に重要な役割がある割に大腿四頭筋やハムストリングほどに目立たないためかトレーニングされている比率が低い傾向があります。
内転筋が弱いと大腿部の他の筋肉との筋力バランスが悪くなってケガの原因にもなります。女性であれば脂肪がつきやすい部分ですし、しっかり鍛える必要があります。内転筋の正しい鍛え方を解説します。
内転筋を鍛えるための代表的な筋トレ種目
内転筋を鍛える種目として代表的なものとして、5つの方法があります。
- ワイドスタンスのスクワット
- 補助者に負荷をかけてもらう方法
- ケーブルで鍛える方法
- 内転筋マシンを使う方法
- ゴムボールで鍛える方法
以下、それぞれの鍛え方について解説いたします。
ワイドスタンスでの内転筋スクワット
内転筋を鍛えるための種目としてボディビルダーがよく行なっているのがワイドスタンスでのスクワットです。
普通のスクワットであれば大腿四頭筋を鍛えるのが目的ですが、ワイドスタンスのスクワットでは内転筋を鍛えるのが目的になります。
スミスマシンで行なう
普通のスクワットであればバーベルを肩に担いで行ないます。ワイドスタンスのスクワットでもバーベルでもできないことはありませんが、足の位置との関係上、どうしても上体が少し前傾します。そのため、大腿四頭筋の関与をなくして内転筋に効かし切るのが難しい欠点があります。
ワイドスタンスで内転筋に効かせるにはスミスマシンを使うのがおすすめです。スミスマシンはウエイトの軌道が固定されているので、足の位置を前に出せます。そのため、足幅をワイドスタンスにすれば、内転筋に直接効かせられます。
スミスマシンにはウエイトが垂直に上下するものとやや斜めに上下するものがあります。垂直タイプよりも斜めに動くタイプの方が内転筋のスクワットに使いやすいです。
斜めに動くスミスマシンはもともとスクワット用に作られていますから、脚のトレーニングに使いやすいです。ワイドスタンスのスクワットにしても動きが自然で内転筋によく効きます。
しかし、斜めに動くスミスマシンがジムにない場合は垂直のものでもかまいません。いずれにしてもスミスマシンであればバーベルよりもはるかに内転筋に効かせやすいです。
足の位置
バーベルを担いでのスクワットであれば、バーの真下に足がきます。重力は真下に重心がきますから、必然的にそうなります。しかし、スミスマシンのスクワットであれば、バーの軌道が固定されているので、足を前に出すことができます。ワイドスタンスのスクワットでは普通のスクワットほど足を前に出す必要はありません。
股関節の柔軟度の高さによって足の位置が変わってきます。股関節が柔らかい人ほど開脚度が大きい状態でスクワットができます。開脚度が180度に近くなるほど、上体の位置の真下に足がくるようになりますが、開脚度が狭いほどに、足の位置が前になります。自然に動かせる位置を確認するようにしましょう。
足幅は肩幅の2倍
足幅は肩幅の2倍ぐらいにします。これが理想ですが、股関節が硬くてそこまで開けないのであれば、できる範囲で足幅を広くしましょう。
足幅を広くすることで大腿四頭筋の関与を減らす一方で内転筋が運動に関与する比率を格段に高くなります。
つま先の向き
普通のスクワットであればつま先の角度は外側に30度ぐらいの向きになりますが、ワイドスタンスの場合、足幅に合わせて外に向く角度が大きくなります。
足幅に合わせて自然な向きにすれば外側に60度ぐらいになるでしょう。
内転筋が床と平行になるまで降ろす
降ろす位置は内転筋が床と平行になるぐらいが目安になります。その位置まで降ろしてみて、内転筋のストレッチ感がどれほどであるかを確認しましょう。内転筋を最大限ストレッチさせるようにします。
股関節の柔軟性によってはそこまで降ろさない方が効きやすいですし、逆に床と平行よりもさらに深く降ろした方が効く可能性もあります。実際にやってみて確認してみましょう。
普通のスクワットであれば、深く降ろせるかどうかは腰や足首の柔軟性次第ですが、ワイドスタンスの場合は股関節の柔軟性次第です。
降ろせる深さを確認する際には必ず軽い重量でウォームアップをしながらにするようにしましょう。軽い重量で無理なく降ろせる範囲内で運動するようにします。
高重量にした状態で確認しようとしても、コントロールが難しいです。
補助者に負荷をかけてもらう方法
仰向けに寝て、膝の内側を補助者に押してもらって内転筋を鍛える方法です。効果の点で言えば上記のワイドスタンスのスクワットに匹敵します。人によっては、この方法が最も効果があります。
しかし、この方法で難しいのは補助者の技術レベルで効果が大きく左右されてしまうことです。マシンでもフリーウエイトでも、決まった負荷がかかるものをトレーニーの側がコントロールしますが、補助者が手で加える負荷は性質が違います。
内転筋で股を閉じるときと、開くときでは、補助者が加えるべき負荷が違います。股を内転筋で閉じる力よりも開くときのネガティブの動きの方が強いです。その筋力の差に合わせて補助者が負荷を加えるわけですが、これが熟練していないとなかなか難しいです。
補助者とひと口で言ってもレベルは千差万別です。補助者の技術レベルが高ければ最高の効果が期待出来ますが、下手な補助者ではほとんど効果がなかったりします。
効果がないだけでなく、負荷のかけ方が悪いと内転筋や股関節を痛める危険もあります。トレーニーとの相性もありますし、優秀な補助者が身近にいないとできないのが難点ですが、条件が揃えば非常に効果が高い内転筋の鍛え方です。
ケーブルで内転筋を鍛える方法
ケーブルクロスオーバーマシンを使って、内転筋を鍛える方法です。
ケーブルの滑車の位置を足首の高さに合わせて一番下の位置にセットします。そして足首に巻く特殊なバンドを装着して、ケーブルの先のウエイトを内転筋の力で動かします。内転筋の形を良くするだけでなく、脂肪を燃焼させる効果があります。女性がよく行なっている内転筋の種目です。
ゆっくり動かしても効果がありません。ケーブルは緊張が持続しますので、内転筋の力が抜ける瞬間がありません。回数としては15回から20回をテンポよくスピーディーに行なうのが効果的です。
内転筋マシンを使う
内転筋を鍛えるための専門の筋トレマシンが内転筋マシンです。
動きとしては上記の補助者に負荷をかけてもらう方法を座った状態で行ないます。
補助者の場合は技術の上下がありますので、効果にムラがあります。その点、内転筋マシンは負荷が一定していて、動く軌道が固定されているため、ケガの可能性が低いです。
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ゴムボールで内転筋を鍛える方法
ゴムボールがあればいいので、自宅でもできるメリットがあります。
椅子に座って、ゴムボールを股に挟み、内側に押し込んだ状態で10秒間、股関節の力で圧縮し続けます。これを1セットとして、3セットほど繰り返します。
ゴムボールがない場合はクッションや枕でも代用できます。内転筋の鍛え方としては最も手軽な方法です。
まとめ
内転筋は大腿四頭筋やハムストリングほどには熱心に鍛えられていない筋肉です。そのため、スポーツ選手でもケガをしやすい部位です。鍛え方が足りなくてケガをするパターンが多いですが、鍛え過ぎると、これもケガにつながるので注意が必要です。
大腿四頭筋を鍛える目的で行なっているスクワットやハックスクワットなどでも内転筋はある程度鍛えられています。特にフルスクワットができる人はなおさらです。
スクワットやハックスクワットを行なった翌日に内転筋にも筋肉痛があるようなら、内転筋を直接鍛える種目は多く行なう必要はありません。この場合は1種目か、人によっては必要ないと言えます。
逆に、大腿四頭筋を鍛えた翌日に内転筋に何の筋肉痛も疲労も感じないようなら、内転筋を直接鍛える必要があります。
女性の場合であれば、大腿部の内側ほど脂肪がつきやすいですから、積極的に内転筋の運動をすべきです。
内転筋を鍛える種目を5種類ご紹介しましたが、内転筋を特に強化する鍛え方としては、ワイドスタンスの内転筋スクワットを中心にするのが効果的です。大腿四頭筋を鍛えた直後にスミスマシンで内転筋スクワットを行ない、その後に補助者に負荷をかけてもらうか、内転筋マシンを使えば十分です。
女性の方で内転筋のあたりに脂肪がつきやすい場合は、内転筋マシンとケーブルを中心にするのも効果的です。
内転筋は運動不足が続くと硬くなりやすい筋肉ですので、筋トレで鍛えるだけでなく、トレーニング前のストレッチで十分に伸ばし、トレーニングが終わった後にもしっかりとクールダウンするようにしましょう。