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シシースクワットの正しいやり方とマシンの効果!英語の意味は「女々しい」

投稿日: 2018年10月30日

プレートを持ってシシースクワットをする女性イメージ

シシースクワットは脚の前面の大腿四頭筋を鍛えて形を良くする自重トレーニング法です。慣れるまで技術的に難しい面がありますが、膝頭から大腿部前面を効果的に鍛えられます。大腿四頭筋の仕上げの種目としてもおすすめです。

筋肉を大きく発達させる種目ではなく、レッグエクステンションのように、形を整える種目です。そのため、単独で行なうよりも、スクワットやレッグプレスマシンなどと組み合わせることでより効果的になります。

シシースクワットマシンの特徴

シシースクワットのマシンについて解説しましょう。

販売されているシシースクワットマシン

現在、シシースクワットマシンの名称で販売されているものが増えています。ジムにも設置されています。
シンプルな構造ですが、本来のシシースクワットとは動作がかなり違います。

シシースクワットマシンとして販売されていますが、脚の膝から下を垂直に固定して、動きが自由になっている大腿部でスクワットをする構造になっています。このときの上体はまっすぐ垂直に立てて行ないます。

これは本来のシシースクワットとしての動きではありません。
大腿四頭筋のカットやセパレーションを出すために1970年代に人気があったローマンチェアースクワットと同じ動きです。

本来のシシースクワットの動き

シシースクワットは膝を斜め下に降ろしながら、それに合わせて踵を浮かし、上体も大きく反った形になります。筋肉として鍛えるメインターゲットは膝頭の周辺です。上体を大きく反ったポジションから膝頭で立ち上がりながら上体を起こすため、腹筋もかなり使います。これが本来のシシースクワットです。

これに対して、シシースクワットマシンでは膝から下が完全に固定されているため、膝頭から降りる動作にはなりませんし、シシースクワットの特徴である膝頭を中心に強く刺激する運動になりません。
しかし、皮肉なことにシシースクワットと動きが大きく違うことで、大腿四頭筋を大きくする効果では本来のシシースクワットを上回っています。

最もシシースクワットと呼ぶにふさわしいのは

では、シシースクワットができるマシンがないのかと言えばそうでもありません。最もシシースクワットマシンと呼ぶにふさわしいのが45度のハックスクワットマシンです。

本格的な筋トレができるスポーツクラブに行くと、45度のレッグプレスマシンと並んで、45度のハックマシンが設置されています。
このマシンこそ、最もシシースクワットマシンと呼ぶにふさわしいです。元々、ハックマシンはシシースクワットのために開発されたマシンです。

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シシースクワットマシンの原型にになったもの

現在普及している45度ハックマシンの原型になっているのはゴールジムの創設者であるジョー・ゴールド氏が1970年代末に作った45度ハックマシンです。現在のゴールド・ジムでも他のスポーツクラブでも設置しているマシンはメーカー製ですが、1970年代あたりまでのゴールド・ジムにあったマシン類はジョー・ゴールド氏が直接自分で作っていました。マシン製造用の専門の工場を持っていたほどです。

ジョー・ゴールド氏は45度レッグプレスマシンやカーフマシンなど、現在に通じる画期的なマシンを数多く開発しました。45度ハックマシンもそのひとつです。それまでにもハックマシンは存在しましたが、45度ではなく、垂直に近い角度になっていて、それほど使いやすいとは言い難いものでした。

さらに遡れば1960年代にミスター・ユニバース4回優勝のビル・パール氏が45度のハックマシンを作っていますが、ジョー・ゴールド氏のハックマシンほど本格的なものではありませんでした。ジョー・ゴールド氏の画期的は開発によって、45度ハックマシンは完成形になったと言えます。

45度ハックマシンがシシースクワットマシンとして使われなくなった理由

45度ハックマシンが世に出た当初はシシースクワットマシンとして推奨され、実際に1980年代初期ぐらいまではボディビルダーもそのように使っていましたが、次第に使われ方が変わってきました。
当時の選手たちは膝を大きく突き出して、背もたれから背中を浮かしつつ、踵を大きく上げて、膝から落ちるようにしてハックマシンを使っていました。現在のシシースクワットマシンの使い方よりもはるかにシシースクワットらしい動きになっていました。
シシースクワットと同じ動きをハックマシンで行なっていたわけです。

それが、次第に現在のように足の裏全体を足場のボードにしっかりつける現在のような使い方に変わってきいきました。ハックマシンの形も動きも構造も現在普及しているものとほとんど同じなのに、ボディビルダーが工夫して使い方を変えていった例です。

なぜに、使い方が変わったかと言えば、ハックマシンでシシースクワットを行なうのが技術的に難しいことと、膝を痛めることが多かったからです。

45度ハックマシンでシシースクワットをするには膝関節と足首が非常に柔らかくないとケガをしやすいです。

1970年代から1980年代にかけて驚異的な脚を作り上げたトム・プラッツ氏のようにハックマシンをシシースクワット的に使った成功例もありますが、多くの選手にはあまり合わなかったようです。それで、次第に現在のようなフォームが普及しました。

シシースクワットを45度ハックマシンで行なうことの是非

このように、本当の意味でシシースクワットマシンと呼べるのは45度ハックマシンです。現在では45度ハックマシンをシシースクワットマシンとして使う人は現在ではほとんどいませんから意外に思われるかもしれません。

そこで、ハックマシンでシシースクワットを行なうことの是非ですが、やはり先人たちの多くがその使い方で失敗したことを考えると、あまりおすすめしません。トム・プラッツ氏のようにフルスクワット272キロで20回以上という驚異的な脚力と柔軟性があったからこそできたことです。

シシースクワットマシンは大腿部を発達させるのに効果的

シシースクワットマシンは本来のシシースクワットとは動作も効果もかなり違いますが、大腿部を発達させる効果では本来のシシースクワット以上に期待できます。

安全性も確保されていますし、初心者やシェイプアップを狙う女性にも安心です。

シシースクワットと膝の関係

シシースクワットは膝との関係が非常に深い種目です。シシースクワットと膝との関係性について解説します。

シシースクワットのメインターゲット

シシースクワットが鍛えるメインターゲットは膝頭周辺の大腿四頭筋です。大腿四頭筋は大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋で構成されています。

シシースクワットはこれらの筋肉全体に影響しますが、直接的に鍛えるべきは膝頭にある部分です。この膝頭を中心にして、大腿四頭筋のカットをつける効果があります。

膝頭の筋肉を鍛えて形をくっきりさせると迫力が段違いになります。この迫力を出すのがシシースクワットの大きな効果です。

膝の降ろし方

シシースクワットでの膝の降ろし方は慣れないとなかなか難しいです。

普通、脚を鍛える種目はスクワットでもレッグプレスなどでも、膝を曲げて大腿四頭筋を伸ばす動きになります。

ランジのように足を踏み出す種目もありますが、基本的にはそのような動きが圧倒的に多いです。

これに対して、シシースクワットでは膝から下に落とす形で大腿四頭筋を進展させます。他の種目には見られないタイプの筋肉の伸展方法が特徴です。

膝への負担が大きい

膝が痛い女性

シシースクワットはこのような動きであることから、膝への負担が大きいです。そのため、膝を痛める危険があることになりますから、動作中に膝に違和感を感じたときはすぐに中止するようにしましょう。

筋肉に効いている感覚と違和感は別物ですので、注意が必要です。

シシースクワットはバーベルを担ぐスクワットなどと比べて本来的にはケガの危険が少ない種目ですが、膝に負荷を集中させるため、大腿四頭筋を痛めにくい反面、膝を痛める危険が高いです。

シシースクワットの筋肥大効果

シシースクワットの筋肥大効果についてご説明しましょう。

筋肥大効果は限定的

筋肉を大きくする筋肥大効果は限定的です。筋肉を大きくすることよりも形を良くする種目だと考えた方がいいでしょう。

膝頭周辺を鍛えるので、その部分の筋肥大があるとかと言えば、それほどでもありません。もちろん、まったく筋肥大効果がないわけではありませんが、筋肉がすでにある程度大きくなっているなら、その上さらに筋肥大させる効果はあまり期待できません。

前記のように45度ハックマシンでシシースクワットができるのであれば、膝頭を中心とした部分を大きく肥大させることは可能です。
実際、その方法で驚異的な大腿部を作り上げたトム・プラッツ氏を見れば納得するところですが、膝関節や足首の柔軟性がよほど優れていないとできない芸当ですから、一般的にはおすすめしません。

他の種目と比較した筋肥大効果

筋肥大効果をシシースクワット単独で考えるよりも、他の種目と比較してみるとどのぐらいの効果があるかがわかりやすいでしょう。

例えばスクワットと比べれば、大腿部全体を大きくする点ではるかに負けます。

高重量のバーベルスクワット

レッグプレスやハックマシンの普通の使い方、あるいはフロントスクワットやランジなどと比べてもやはり、筋肥大効果では遠く及びません。

シシースクワットは膝頭を中心として、大腿四頭筋の形を良くする種目だと考えた方がいいでしょう。

シシースクワットで加重する方法

シシースクワットで加重する方法はかなり限定されます。バーベルプレートを片手で持つのが一般的です。動きの性質上、ダンベルを持つのが難しいです。シシースクワットはバランスを取るために片手は柱やマシンを掴むために塞がってしまいますので、加重するのにウエイトを支えられるのが片手に限られるのが加重方法をさらに限定しています。

また、片手で持てるウエイトに限られるということはそれほど重い重量を保持できないことを意味しています。片手で持ちやすいのがバーベルプレートですが、ジムにあるプレートは重いものでも20キロか25キロぐらいですから、このぐらいまでがシシースクワットで加重できる限界と言えるでしょう。

しかし、このぐらいの加重であってもシシースクワットには十分足ります。ほとんどの人は加重することなく、自重で十分です。シシースクワットはスクワットなどのように高重量を狙う種目ではありませんから、加重についてはプレートを持てば足ります。

シシースクワットの英語での語源

シシースクワットの語源は英語の「シシー」です。意味としては「弱々しい」とか「女々しい」ですから、あまりポジティブな意味ではありません。
高重量のバーベルを担いだりするわけではなく、主に自分の体重だけで行なうためにそのような名称になったそうです。

アメリカ人は大きいもの、強いものを評価します。大統領になるには背が高いことも大きな条件になるようなお国柄です。スポーツでもバスケットボールやアメリカンフットボール、大リーグ野球のように豪快なものが人気なのも大きいものや豪快なものを好む国民性と関係しているでしょう。

アメリカ人の多くが筋トレをしているのも、できるだけ大きく強くなりたい願望の表れです。そういう国民性ですから、たしかにウエイトを持たずに自重だけで行なうシシースクワットが女々しく見えるのも無理もないかもしれません。しかし、実際の動作はなかなかにきつい運動ですから決して女々しい運動ではありません。

シシースクワットは意外にきつい

疲労をとるためにインターバルをとる人

シシースクワットは上記のように語源が「弱々しい」とか「女々しい」などと言われるぐらいですから、運動として楽なもののイメージがありますが、実際にはなかなかにきついです。主動筋としては、膝頭を中心とした大腿四頭筋ですが、動きが限定されている分、独特なきつさがあります。

シシースクワットがきついのは大腿四頭筋に効かしながらバランスを取るのが難しいところにもあります。片手で柱やマシンを掴んでいるとはいえ、膝から下に降ろしていくので、集中しないとバランスが崩れやすいです。

また、効いてくると、膝頭から大腿四頭筋の上部まで引っ張られて、バーンズと呼ばれる焼かれるような感覚の効き方をするのもきついと感じる理由でしょう。

この種目は脚の筋トレの最後の方で仕上げとして行なうこともあって、すでに疲労しているところにさらに追い込むきつさもあります。

慣れないうちは翌日、強い筋肉痛が出ることがあります。膝頭の場合、翌日に筋肉痛だけでなく、つりやすくもなりますから、その場合はストレッチで対処しましょう。

シシースクワットと腹筋の関係

割れた腹筋、シックスパックの男性

シシースクワットは基本的に大腿四頭筋を鍛える運動ですが、腹筋も少なからず使います。上体を後ろに大きく反らした体勢から起き上がるので、上体を支えるために腹筋がかなり使われます。
直腹筋が最も使われますが、外腹斜筋や内腹斜筋も補助的に使われます。

シットアップのような直接的な腹筋の鍛え方ではないですが、上体を支えるための腹筋に対する刺激は決して小さいものではありません。

シシースクワットを数セット繰り返した後に腹筋に少なからず効いているのが実感できるでしょう。特に体脂肪率が低い人ほどシシースクワットで腹筋に効きやすいです。

まとめ

シシースクワットは決して初心者向きな種目ではありません。技術的に難しいこともありますが、初心者ほどスクワットなどの基本種目で大腿部を太くするのを優先すべきだからです。シシースクワットを単独で行なってもそれほど脚を太くならないでしょう。
この種目はある程度筋肉が発達していて、脚を太くするだけでなく、形を良くするのを狙う段階になって初めて必要になる種目です。

これに対して、シシースクワットマシンであれば、筋量増加の効果が見込めます。上述したように現在シシースクワットマシンと呼ばれているものはシシースクワットとは動きも違いますし、効果の点でも違います。しかし、皮肉なことに、シシースクワットの動きではないがために、大腿四頭筋を中心とした筋肉を大きくするにはなかなか効果的なマシンになっています。

シシースクワットでは重量が足りない場合にはバーベルのプレートを片手で保持するぐらいしか方法がありませんが、シシースクワットマシンであれば足がしっかりマシンに固定されているので、ダンベルを両手に持つこともできるのも大きなメリットです。

シシースクワットはかなりの筋トレ経験者におすすめの種目です。ボディビルのコンテストに出ているような本格的なボディビルダーが脚のカットやセパレーションをはっきりさせるために行なうには効果的です。
その場合でも、シシースクワットだけを単独で行なうのではなく、スクワットやレッグプレスなどでしっかり鍛えた後で仕上げ的に行なうようにしましょう。