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フロントレイズのやり方を徹底解説【重量・逆手・手の向き・効かせるコツ】

投稿日: 2018年10月23日

ダンベルでフロントレイズを行う男性

前部、側部、後部に分かれている三角筋は上半身のどこの角度から見ても隠すことができません。体の正面から見える三角筋前部が貧弱だと大胸筋や腕が逞しくても物足りない感じになってしまいます。
この三角筋前部を効果的に鍛えるのがフロントレイズです。

フロントレイズで肩を鍛える方法はひとつではありません。フリーウエイトで鍛える方法、マシンやケーブルで鍛える方法など数多くの鍛え方があります。フロントレイズで肩の前面を鍛える効果的な方法を解説いたします。

フロントレイズに効果的な重量

ダンベルを選ぶトレーニー

フロントレイズはどのぐらいの重量で行なうべきかは初心者でなくても迷うところです。効果的な重量の基準を考えてみましょう。

正確なフォームで10回できる重量が基本

フロントレイズは肩の前部をピンポイントで鍛えるものなので、あまり重い重量には向きません。フォームが正確であれば意外なほど軽い重量しか扱えないのが普通です。

回数にしても10回できる重量が基本になります。10回以上が簡単にできるようでは軽過ぎますが、重量を追い求める種目ではありません。

可動域いっぱいにしてできる重量

正確なフォームにはいろいろなポイントがありますが、まず各レップスを可動域いっぱいにしてできることが前提です。

ダンベルでのフロントレイズを例にとれば、太ももに構えたダンベルを肩関節を中心にして大きく弧を描き、肩の高さまで持ち上げることです。肩まで持ち上げられないようでは重過ぎます。

効かせることに集中できる重量が効果的

筋トレに熱心な人ほど重量にこだわってしまいます。できるだけ重いものを使いたいのは筋トレをやっている人間の自然な心情ですが、効かせることに集中すべき種目と重量にも挑戦すべき種目は歴然と違います。肩を鍛える種目でも、バーベルショルダープレスやダンベルショルダープレスならば、効かせると共に重量にも挑戦すべきです。

それに対してフロントレイズは重量は気にせずに効かせることに集中すべき種目です。プレス系の種目で重量を伸ばせばフロントレイズの重量も自然と伸びます。

フロントレイズ単独で重量を伸ばそうとしても、実際にあまり効果的ではありませんし、重量を追いかけると動作が雑になって効きが悪くなる傾向があります。

平均的な筋力の男性の場合

重量にこだわる必要はないと言っても具体的にどれぐらいの重量で行なうべきかの基準がまったくわからないと迷うところですから、男性と女性に分けてフロントレイズをダンベルで行なう場合に使える重量について考えてみましょう。

初心者であれば5キロもあれば十分です。ある程度経験を積んで筋力が伸びている中級レベルになれば10キロ、さらに上級者になれば15キロから20キロといったところでしょう。中には例外的な人がいるとしても、ダンベルでのフロントレイズで40キロも50キロも使っているとしたら、フォームが崩れている可能性が高いです。

平均的な筋力の女性の場合

ダンベルを持つ女性

女性の場合は平均的に男性よりも筋力が弱いのが一般的ですから、初心者であればあ1キロか2キロのダンベルから始めましょう。ジムにある最も軽いダンベルになります。

経験を積んだとしても女性では10キロは難しいでしょう。

チーティングはあまり使わないようにする

上体で反動することでより重い重量を挙げる方法として、チーティング法があります。使い方によってはたしかに効果的ですが、フロントレイズではこのテクニックは使いにくいです。

上体を少々振るぐらいはいいですが、上体を大きく前傾させて振り回すようなチーティングではやり過ぎです。それほどのチーティングをかけてしまうと肩にもかえって効きにくいです。

フロントレイズを逆手で行なう場合

フロントレイズは基本的に順手のグリップでするものですが、逆手でやる方法もあります。

逆手のフロントレイズで効く筋肉の範囲

フロントレイズは本来、肩の前部を鍛えるものであり、順手でダンベルやバーベルを持つのが基本です。しかし、手の向きを逆にして逆手で行なうこともできます。逆手にすることで肩の前部に与える刺激も変わるだけでなく、大胸筋の上部もかなり刺激されるようになります。

逆手で行なうと肩の前部と共に大胸筋の上部も鍛えてしまうので、肩の前部だけを切り離して単独で鍛えたいのであれば、あまり効率のいい方法ではありません。しかし、大胸筋上部と共に鍛えたい場合であればあえて逆手で行なう意味があります。

たとえば、肩の前部と大胸筋上部を同時に鍛えて両者のキレやセパレーションをつけたいような場合です。

ボディビルのコンテストを目指すような人であれば、肩と大胸筋の上部の間の溝を深くして見せる必要がありますし、大胸筋上部のキレもつけたいところです。コンテストに出ない人でも同じような目的があれば、逆手で行なうメリットがあります。

逆手でのフロントレイズの効かし方

逆手でウエイトを持つ際は手に力を入れずに乗せるような感じにします。手に力が入るほどに効かしたい筋肉から負荷が逃げやすいです。

挙げ方としては肩関節を中心にしてウエイトをすくい上げるようにします。腕は少し曲げるようにします。完全に真っすぐにすると、肩や肘に不要な負担がかかります。

逆手で使えるウエイト

逆手で使えるウエイトとしてはダンベル、バーベル、ケーブルが代表的なものです。

ダンベルが他の2つと違うのが、片手づつ交互にもできることです。交互にダンベルを挙げるやり方は片方が挙げているときにもう片方が休んでいることになるため、刺激が分断される難点があります。その意味ではダンベルでも両手同時に動作する方が効きやすいと言えます。

ダンベルであれば、片方の腕で1セットの回数をこなしてから、もう片方の回数をこなす方法もあります。片方ずつ必要な回数をこなして1セットと数えますが、片方の腕ずつ交互に行なうことで、実質的にインターバルを短くして連続して鍛えられます。

バーベルの場合は1本のバーでつながっているので、力が左右に分断されることなく筋力を発揮しやすいです。逆手での動きでは大胸筋の上部も動員されるため、バーベルの方が肩と大胸筋上部をまとめて効かしやすいでしょう。ケーブルの場合は片手用のハンドルを使うかラットマシンのバーを使って両手でもできます。

フロントレイズの手の向き

フロントレイズは基本的に手のひらを下に向ける順手で行ないます。その理由を考えてみましょう。

肩の前部だけを単独で鍛えられる

三角筋 人体構造

フロントレイズは上記のように逆手でもできますが、逆手では上腕二頭筋などの関与があることと、大胸筋の上部が連動してしまうため、肩の前部だけを単独で鍛えることができません。両方を同時に鍛えたい場合はメリットになりますが、肩前部だけを切り離して鍛えるにはマイナスです。

逆手ではなく、親指を上に向けてのフロントレイズでも、逆手の場合ほどではないものの、やはり上腕二頭筋の関与率が順手に比べて高くなります。

他の筋肉の関与率が高いほど、負荷がそれらの刺激が分散されて肩前部に与える刺激が弱くなります。その意味でも手のひらを下に向けるのがフロントレイズで肩前部を鍛えるために最も効果的です。

肩の前部を広範囲で鍛えられる

手のひらを下に向けることで、肩前部を最も広範囲に鍛えやすいです。

逆手でも親指を上に向ける場合でも、上腕二頭筋と大胸筋上部が関与してくることで、その分の刺激が減ります。肩前面に対する刺激を範囲と強度の両面から見て、手のひらを下に向けるのが効果的です。

フロントレイズの定番はダンベル

フロントレイズで三角筋の前部を鍛える様子

フロントレイズで最も使われるのがダンベルです。ダンベルがフロントレイズに向いているポイントを考えてみましょう。

軽い重量でもできる

フロントレイズはバーベルでもできますが、バーベルの場合はプレートをつけないシャフトだけでも重さが最低でも8キロから10キロはあります。
オリンピックシャフトであれば20キロですし、エクササイズバーであっても、基本的な長さであれば10キロ、短いものでも8キロです。そのため、筋力が弱い人にはフロントレイズのためには使いにくいです。

一方、ダンベルの場合は軽いものは1キロからありますから、どんなに筋力が弱い人でもフロントレイズができるでしょう。

片手づつでもできる

バーベルであれば両手でバーを持つので、フロントレイズでも必ず両手で行なうことになります。これに対して、ダンベルは両手に分かれているので、片手づつでもできます。

片手づつのフロントレイズにも2種類あって、片方で連続して回数をこなしてからもう片方で必要な回数をこなす方法と、1回づつ交互に行なう方法とがあります。
いずれにしてもバーベルではできません。フリーウエイトとしてはダンベルかケトルベルでしかできない方法です。

体の正面に対して動作する

片手で行なう場合も両手で行なう場合でも、ダンベルを動かす方向は体の正面です。これを斜め方向に動かしたりすると、肩の前部から負荷が肩の側部の方に逃げてしまいます。

バーベルであれば手幅を肩幅ぐらいで固定しておけば、必ず正面に向かっての動作になりますが、ダンベルの場合は意識して正面に向かって動作する必要があります。

フロントレイズとサイドレイズの違い

サイドレイズで三角筋の外側を鍛える男性

フロントレイズ以上に肩のレイズ運動として行なわれているのがサイドレイズです。両者の違いを見てみましょう。

鍛える部分の違い

フロントレイズが肩の前部を鍛えるのに対してサイドレイズが肩の側部を鍛えます。

肩の筋肉である三角筋は名前が示すように前部、側部、後部の3つの部分に分かれています。

フロントレイズはこのうち、前部を鍛え、サイドレイズは側部を鍛えます。

バーベルが使えるかの違い

フロントレイズはバーベルでもできますが、サイドレイズはできません。サイドレイズで鍛えられる肩の側部をバーベルで効かせるにはバーベルショルダープレスか手幅を広くしてのアップライトローになります。

バーベルでもフロントレイズができる点で、肩の前部を鍛えるバリエーションが多いと言えます。

両者を組み合わせる

フロントレイズとサイドレイズを組み合わせることもできます。ダンベルを両手に持ち、フロントレイズとサイドレイズを交互に繰り返す方法です。
肩の前部と側部を同時に鍛えることができることと、フロントレイズとサイドレイズを個別に行なうとは違った刺激になります。

これらの種目を組み合わせる際に注意すべきはレップスごとに態勢が少し変わることです。

フロントレイズは上体を垂直に立てるのに対して、サイドレイズは上体をやや前傾させます。

これをレップスごとに間違えないようにしないと目的の筋肉に効かしにくくなります。

関連記事

サイドレイズで効かせるコツ【効果的な重量・回数・小指の使い方】

フロントレイズで効かせるコツ

フロントレイズで効かせるコツをご紹介します。

グリップを水平に保つ

ダンベルを持つ場合でもグリップは水平に保ちます。

バーベルであればバーがつながっていて、真っすぐなので自然とグリップが水平になりますが、ダンベルやケーブルを片手で行なう場合は手首の回転角度を意識して水平に保たないとぶれてしまいます。

トップポジションは肩よりもやや上ぐらいまで

ウエイトを挙げ切るトップポジションは肩よりもやや上ぐらいまでです。それ以上の高さまで挙げてしまうと次第に肩の緊張が抜けてしまいます。

ダンベルやバーベルは収縮点を超えてさらに挙げていくと最終的に負荷がゼロになります。ケーブルであれば斜め上まで挙げても緊張は抜けませんが、実際の動作としてはダンベルなどの場合とさほど変わらないです。

手に力を入れない

ウエイトの種類が何であれ、手に力を入れないようにします。完全に手の力を抜いたらウエイトが手から落ちてしまいますから、落ちない程度に引っ掛ける感じです。

手に力が入っているとターゲットの筋肉に効きにくいです。さらに、手首を曲げずに真っすぐに保持するようにします。

動作スピード

動作スピードとしては速からず遅からずといったぐらいが効かしやすいです。降ろす際に効かせるために必要以上にゆっくりにしてしまうと、かえって効きません。

フロントレイズでプレートを使う際のポイント

バーベルのプレート

フロントレイズはバーベルのプレートを使ってもできます。その際のポイントをご紹介します。

使えるプレートの種類

プレートであればどれでも使えるわけではありません。
バーベルのプレートもメーカーや作られた時期によってデザインが違いますから、フロントレイズに使えるものと使いにくいものが混在しています。

手でしっかりと持てるものでないと滑って落ちやすく危険です。最も安全なのがプレートに丁度いい具合に穴が空いていて、手でしっかり握れるタイプのプレートです。

プレートの大きさとの関係

プレートを両手で持った場合の幅との関係で、直径の大きさもフロントレイズのやりやすさに影響します。軽い重量のプレートは直径も当然小さいですが、それでは手で持ちにくいです。両手で持つには幅が狭過ぎます。
この場合は片手で使うことになりますが、小さいプレートは手でしっかり握る穴がないか、あってもその穴が小さいために、使いにくいのが難点です。

フロントレイズは肩の正面に向かってウエイトを動かすのが筋肉の軌道に最も合いますから、プレートで行なうとしても大きさが合うのが20キロのプレートになります。これでは重量として重過ぎる場合が少なくないでしょう。

手の向き

プレートを両手で持つと、手の向きとしては親指が上に向くのと同じになります。手の甲が上になる順手でのフロントレイズよりも上腕二頭筋などの関与率が高くなります。

逆手でのフロントレイズほどではないですが、大胸筋の上部も連動します。順手と逆手の中間ぐらいの筋肉の稼働率になります。

フロントレイズをバーベルで行なう際のポイント

ダンベルと並んで、フロントレイズに使いやすいのがバーベルです。

手幅は肩幅ぐらい

バーベルを持つ手幅は肩幅ぐらいが丁度いいです。手幅が広過ぎても狭過ぎても肩の前部から負荷が逃げます。

ダンベルの場合は肩の正面に動作が保持されるように意識しないとフォームが簡単に崩れてしまいますが、バーベルは1本の鉄棒になっているので、一度手幅を決めてしまえば軌道を保持しやすいメリットがあります。

腕は伸ばし切らない

腕は完全に伸ばし切るのではなく、肘に少し余裕を持たせるようにします。肩幅のグリップにして自然に動かせるぐらいが一番効かしやすいです。

肘を伸ばし切ると肘が一直線になるのを超えて反ってしまうタイプの人はなおさらです。肘を完全に伸ばすと肩の前部に負荷を集中させにくくなります。

使いやすいシャフトの長さ

シャフトはあまり長いものより短めのものの方がフロントレイズには使いやすいです。

オリンピックシャフトは長さが220センチもあるので長過ぎるでしょう。10キロのエクササイズバーか、重量が固定式になっているさらに短いものがより使いやすいです。

フロントレイズをケーブルで行なう場合のポイント

フロントレイズはケーブルでもできます。ケーブルでのフロントレイズの特徴とポイントをご紹介しましょう。

片手と両手

ケーブルでのフロントレイズは片手でも両手でもできます。

片手の場合はケーブルクロスオーバーマシンで使う片手用のハンドルを使います。
両手の場合はラットマシンのバーか、もっと短いハンドルなどが使えます。肩幅の手幅にできる長さのものを使いましょう。両手で行なう場合はケーブルをまたいで運動します。

ケーブルスタックの位置

ケーブルでのフロントレイズをするにはケーブルスタックの位置を低くする必要性があります。その位置を調節しやすいのがケーブルクロスオーバーマシンです。

そして、このケーブルスタックを一番低い位置に設定します。下からすくい上げるようにして肩の前部に効かします。

緊張を持続できるメリット

ケーブルにはフロントレイズをするにあたり、ダンベルやバーベルよりも緊張を持続させやすいメリットがあります。

ダンベルやバーベルは最高収縮点を超えると負荷が軽くなっていきますが、ケーブルは可動域のどの時点でも負荷が変わらないです。その意味で、ダンベルなどよりも可動域をいっぱいに使えます。

まとめ

フロントレイズは肩の前部を集中的に鍛える方法です。プレス系の種目とは違った筋肉が引っ張られる効き方で、肩の前部の形を良くする効果があります。
しかし、実際に筋トレメニューに入れるにあたっては注意が必要です。それは肩の前部というのはオーバーワークしやすいことです。

オーバーワークで肩を痛めた人

肩の筋肉である三角筋には上記のように前部、側部、後部に分かれていますが、この中で直接的あるいは間接的に最も刺激されるのがフロントレイズで鍛える前部です。
肩を鍛える基本種目であるバーベルショルダープレスやダンベルショルダープレスなどで最も刺激されるだけでなく、ベンチプレスやインクラインプレスなどの大胸筋の種目でも間接的にかなり使われるのが肩の前部です。

このように、ただでさえ、使い過ぎになりがちなのが肩の前部ですから、その上にフロントレイズで鍛えるとなると、簡単にオーバーワークになってしまいます。肩の側部や後部に比べて各段に刺激される場面が多いので、その上にフロントレイズで鍛えることのマイナス面も考える必要があります。

マイナス面の最たるものがケガです。肩を痛めると他の種目や筋肉に多大な影響が出ますから、極力避けなければなりません。フロントレイズは肩の前部を鍛えて形を良くする効果がありますが、やり過ぎにならないように注意が必要です。

バーベルショルダープレスなどの基本種目を優先した上で、必要であるかを判断しながら筋トレメニューに入れるようにしましょう。