リバースカールの効果を最大限にするやり方【ハンマーカールとの違いとは?】
夏になれば誰でも必ず半袖になります。街中では袖に隠れた上腕部よりも前腕の方が目立ちます。夏にマッチョで目立とうと思ったら、前腕の筋トレが欠かせません。
前腕全体を鍛え、かつ前腕橈骨筋もリバースカールでしっかり鍛えれば、前腕トレーニングはパーフェクトです。
リバースカールのやり方や重量の選択など、効果を最大限にするために押さえておくべきポイントがあります。
リバースカールとハンマーカールの違い
リバースカールとハンマーカールは共に上腕筋や腕橈骨筋を鍛える効果がある点で共通していますが、効果の点では多少の違いがあります。
動作の違い
まず、動作の違いですが、ハンマーカールでは必ず親指を上に向けて動作するのに対して、リバースカールでは手の甲を上にして動作します。ハンマーカールで親指を上に向けるのは手首の中間位で肘を曲げる動きにすることで、腕を曲げる際の上腕二頭筋の関与を減らして、腕橈骨筋と上腕筋を主動筋とするためです。
リバースカールでは手の甲を上に向けることで、上腕二頭筋の関与を減らし、上腕筋と腕橈骨筋が主動筋として働くようにします。
効果の違い
この動作の違いが効果の違いとなって表れます。リバースカールもハンマーカールのいずれも上腕筋と腕橈骨筋を刺激しますが、ハンマーカールの方が腕橈骨筋を鍛える上では効果的です。ハンマーカールの動作は主動筋となっている上腕筋と腕橈骨筋のうち、特に腕橈骨筋が強く働くからです。
これに対して、リバースカールでは上腕筋と腕橈骨筋の両方を主導筋としつつも、上腕筋をより強く刺激します。
上腕筋をより強く刺激したいなら、リバースカール、腕橈骨筋をより強く刺激したいならばハンマーカールを行なうとよいでしょう。
「ハンマーカール」上腕二頭筋の深層、上腕筋のトレーニング
リバースカールで扱える重量
リバースカールで扱える重量はバーベルカールやEZカールバーでのアームカールで扱える重量の半分から6割程度です。
手のひらの向きが変わることで、扱える重量が劇的に下がります。これを無理にアームカールと同じ重量でやろうとするとフォームが崩れます。
リバースカールで鍛えられる部位
リバースカールで鍛えられるのは主に上腕筋と腕橈骨筋です。
それぞれの機能を見てみましょう。
上腕筋の機能
上腕筋は上腕部前面から見てやや深いところにあり、かなりの部分が上腕二頭筋に覆われていて、外からはあまり見えませんが、実は意外に体積があり、鍛えて発達すると上腕部の厚みをつけてくれます。
外からはよく見えないと言っても、凄く発達した上腕筋は外から見ても独特の迫力があります。ボディビルダー時代のアーノルド・シュワルツェネガーが腕を曲げたところを後ろから見ると、上腕筋が見事に盛り上がっていました。
上腕筋は上腕二頭筋と共に、腕を曲げる際の主導筋として働きますが、上腕筋が機能するのは手首が内旋された状態です。
手首が内旋された状態とは、手の甲が上になった状態です。手の甲を上にして動作するリバースカールは上腕筋を最も強く刺激します。
腕橈骨筋の機能
腕橈骨筋(Brachioradialis)は上腕二頭筋や上腕筋と共に腕を曲げる際の主導筋として機能する筋肉です。ビールジョッキを持つときのように親指を上に向けた状態では上腕二頭筋以上に筋力を発揮します。この筋肉もリバースカールでかなり強く刺激されます。
しかし、リバースカールでは手首が内側に内旋しているため、親指が上を向いているハンマーカールほどには腕橈骨筋を刺激することはできません。
リバースカールの種類
リバースカールは使用する器具によって4種類に分けられます。それぞれの器具でのリバースカールの特徴をご説明します。
バーベルリバースカール
ストレートバーを使うバーベルがリバースカールの最もオーソドックスなやり方です。
ストレートバーのバーベルはバーベルカールのときは手首を外旋させますが、リバースカールのときは逆に内旋させることで、上腕筋と腕橈骨筋を鍛えやすくしています。
ストレートバーは手首が完全に内旋した状態に固定してくれますので、リバースカールの中で上腕筋と腕橈骨筋を鍛えるのに最も効果があります。
EZバーでのリバースカール
リバースカールはストレートバーだけでなくEZバーでも行なえます。
EZバーは手で握る部分がハの字の形になっているので、手首の負担が少ないメリットがあります。
EZバーは手首の回転位置がストレートバーほどではなくても、半回内位にあるため、腕橈骨筋と上腕筋を鍛えることができます。
ただし、効果の点では、手首が完全に内旋状態で固定されるバーベルにはやや負けます。
リバースカールはストレートバーが理想ですが、ストレートバーを使うと手首が痛くなったり、持ちにくくて、本来扱える重量が挙がらないのであればEZバーを使いましょう。
ダンベルでのリバースカール
ダンベルでもリバースカールができます。ダンベルは可動域をバーベルやEZバーよりも広くしやすい、自宅筋トレでダンベルしか持っていない人でもできます。片手づつでもできますからダンベルが片方しかなくても可能です。
このようにメリットが多いダンベルでのリバースカールですが、バーベルやEZバーと違って手首の回転角度が固定されていないので動作にムラが出やすい難点があります。
バーベルとダンベルのどちらも選べる環境であるなら、バーベルの方がおすすめです。
ケーブルでのリバースカール
ケーブルもリバースカールに使えます。運動の始点から終点まで均等に負荷がかかるところがフリーウエイトと違います。
アタッチメントを変えることで、いろいろな鍛え方ができるメリットもあります。
リバースカールのやり方
リバースカールのやり方を解説いたします。
手幅は肩幅ぐらい
バーを持つ手幅は肩幅ぐらいにします。
EZバーであればハの字の形になっている手で握る部分の広い方を持つと丁度いいでしょう。
ダンベルの場合は両手で行なう場合は肩幅に合わせて動作します。ダンベルの場合は片手づつでもできますので自由度が高いです。
ケーブルで行なう場合もストレートバーかEZバーのアタッチメントをつけて、手幅を肩幅に合わせます。
肘を脇に固定する
肘を脇に固定して動作します。脇にガチガチに固定するというより、軽く固定するぐらいで大丈夫です。
サムレスグリップはNG
バーの持ち方は必ず親指を巻いて持つようにします。
親指を巻かないサムレスグリップは運動中に手からバーが外れる危険がありますから、おすすめしません。運動中に疲れてきて、グリップが甘くなったときが特にバーから外れる危険が高くなります。
手首は曲げない
手首は真っすぐに固定して曲げないようにします。
手首を曲げると腕橈骨筋や上腕筋から負荷が逃げてしまいます。
運動中、ポジションによって、手首が真っすぐになったり、曲げたりすることのないように、必ず真っすぐに固定しておきましょう。
手にあまり力を入れない
手にはあまり力を入れないようにします。必要以上に力を入れるとやはり腕橈骨筋や上腕筋にかかっている負荷が逃げてしまいます。
反動を使わない
リバースカールでは反動を使わないようにします。
バーベルカールやダンベルカールではあえて反動を使うチーティング法が効果的な場合もありますが、リバースカールでは反動を使うと効果半減です。肘を脇に固定した状態で挙がらない重量では重過ぎます。
1セットあたりの最適な回数
リバースカールで鍛えられる上腕筋や腕橈骨筋は上腕二頭筋に比べて持久系の筋肉です。そのため、バーベルカールやダンベルカールでは1セットあたり6回から10回ぐらい効果的なのに対して、リバースカールでは10回から15回あたりが効果的です。
必要なセット数
リバースカールで必要なセット数は3セットから5セットぐらいがおすすめです。経験が長くなるほど必要なセット数が増える傾向がありますが、それでも限界があります。
リバースカールを行なうタイミング
リバースカールは上腕二頭筋の終わりの方で行なうようにしましょう。リストカールなど、前腕も単独で鍛えるのであれば前腕の最後でもいいでしょう。
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まとめ
リバースカールは上腕筋と腕橈骨筋を鍛える効果的な筋トレ種目ですが、筋トレメニューに組み込んでいるトレーニーは意外に少ないです。
上腕部のトレーニングはどうしても上腕三頭筋と上腕二頭筋に偏りがちです。上腕筋は上腕二頭筋を鍛える際にも同時に鍛えられていますから、あえてリバースカールを単独でやらなくても問題ない人も多いでしょう。
しかし、上腕筋というのは意外にボリュームがあり、しっかり鍛えると上腕部の厚みがかなり違ってきます。外からあまり見えないと言っても、ミスター日本に出る選手たちやプロのボディビルダーのように凄く発達した上腕筋になるとかなりの迫力になります。それだけに上腕二頭筋とは別にしてあえて単独で鍛える価値があります。
上腕筋は腕を曲げる力にも大きな影響があり、上腕二頭筋と並んで重要な役割があります。筋力が必要なスポーツほど上腕筋の発達が必要です。リバースカールは腕橈骨筋の発達にも効果的です。
前腕のトレーニングとしてはリストカールなどが人気ですが、それだけでは完璧な前腕にはなりません。腕橈骨筋を鍛えてこそインパクトが強くなります。