チンニングバー・スタンドの種類まとめ!自宅用のおすすめはコレだ
背中の広背筋を鍛えるための最も効果的な種目のひとつがチンニングです。
チンニングはジムでも自宅でもできますが、チンニングバーにはいろいろなタイプがあります。
ジムにあるものであれば業務用ですから強度など何も問題ありませんが、自宅で使うとなると、どのようにして使うのか、目的や強度などを含めて考える必要があります。ジムで使うチンニンバーと自宅で使えるチンニングバーについて解説してみたいと思います。
チンニングバーの種類
チンニングバーは大きく分けて、次の3タイプがあります。
1.ストレートバータイプ
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もともとはチンニングバーと言えば真っ直ぐなストレートバータイプのものが一般的でした。最も汎用性が高いのがストレートバータイプです。
ジムの壁に据え付けてあるのはほぼこのタイプです。全体を長く作りやすいメリットもあります。
2.両端が曲がっているタイプ
広背筋に効かしやすいように両端が曲がっているタイプのチンニングバーです。ラットマシンのバーだと、両端が曲がっているものの方が多いぐらいですが、それのチンニング版といったところです。
両端を曲げるため、長さとしてはラットマシンのバーと同じぐらいの長さになっています。両端が曲がっていることで、広背筋に効かしやすいとも言えますが、曲げの角度や幅によっては効きにくいこともあります。これはラットマシンのバーを見るとよくわかると思います。
3.両端にゴムの滑り止めがついているタイプ
両端にゴムの滑り止めがついているタイプのものです。
チンニングバーと言えば「バー」ですから、両方のハンドル部分がつながっていないと変なわけですが、このタイプはチンニングスタンドや複合型マシンに組み込まれていて、1本の棒としてつながっているとは限りません。
上記の2タイプにしても滑り止めとして、バーにギザキザのローレット加工がしてありますから、手が滑る心配はありません。ただし、パワーラックに組み込まれているストレートバーには、このローレット加工がしていない場合もあります。
ジムにあるチンニングバー
ジムにあるチンニングバーには多くの種類があります。それぞれの特徴を見てみましょう。
パワーラック兼用タイプ
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パワーラック兼用タイプのチンニングバーです。
パワーラックの外側にチンニングバーを設置してあるものと、パワーラックの一部としてストレートバーのチンニングバーになっているものがあります。どちらのタイプもパワーラックの上部に設置されているので、かなり高い位置にあります。そのため、チンニンバーを握るところまでが少々大変です。
普通に立ったままで、手を伸ばせば届く人はかなり背が高い人です。普通の身長の人は台を持ってくるか、パワーラックのセーフティーバーに足をかけて登ってチンニングバーを握ることになります。台を持ってきた方がやりやすいです。特にチンニングベルトを使って、腰に重りをつけてのチンニングだと、余計に足場が重要になります。
パワーラックを使ってチンニング(パワーテックのパワーラック使用)
複合型チンニングバー
チンニングバーだけでなく、ディップスやレッグレイズもできる複合型マシンに組み込まれたチンニングバーです。
ひとつの器具で広背筋だけでなく、大胸筋や上腕三頭筋、腹筋まで鍛えられる便利な筋トレ器具です。
ジムに置いてある複合型チンニングバーは高さがかなりあります。自宅用であれば、一般住宅の天井の高さを考慮していますが、ジムにある業務用タイプは、商業ビルのテナントで使うことから、そのような制限がないからです。
チンニングバーの位置が高くても、足場がありますから、チンニングバーにはちゃんと手が届きます。
ケーブルクロスオーバーマシン兼用タイプ
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ケーブルクロスオーバーマシンは大胸筋のためだけでなく、プレスダウンやケーブルカールなどにも使えて、かなり汎用性があります。
さらにチンニングバーが設置してあるものがあります。パワーラックと同様、立ったままでは手が届きませんので、踏み台が必要です。こういう場合に備えて、ジムには専用の踏み台が用意されています。
アシストチンニングマシン
チンニングを繰り返すにはそれなりに筋力が必要です。男性でも1回もできない人は珍しくありません。女性であればさらにできない人が多いです。そういう人のために開発されたのがアシストチンニングマシンです。動作としては普通のチンニングと同じですが、ウエイトスタックにつながっているボードに膝を乗せて使います。
差しピン式のウエイトスタックで負荷を調節することで、筋力の不足分を補ってくれます。このマシンを使えば、筋力がない女性でもチンニングと同じ感覚で広背筋を鍛えられます。筋力が伸びたら、その分、アシストを減らしていきます。
自宅筋トレ用チンニングバー
自宅筋トレ用のチンニングバーをご紹介します。
チンニングスタンド
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自宅筋トレでチンニングを行なう際に最も役に立つのがチンニングスタンドです。
チンニングだけに特化したものから、ディップスやレッグレイズもできる複合型タイプがあります。複合型が他の種目にも使えるので便利です。チンニングスタンドを購入する際に気をつけるべきは、高さと耐荷重量です。
ジムにある業務用のチンニングスタンドであれば、必要以上なぐらいに頑丈に出来ていますが、自宅用となると、耐荷重量として設定してあるのが90キロから150キロあたりまでです。自分の体重と、筋力が伸びて、チンニングベルトを使ってウエイトを腰からぶら下げて使う場合も想定しておきましょう。
その意味で、できるだけ耐荷重量が重いものがおすすめです。
もうひとつ注意すべきが、チンニングスタンドの高さです。200センチから高いもので220センチぐらいのものまであります。どの高さが良いかは自分の身長と天井までの高さを考える必要があります。一般住宅の天井は220センチぐらいですから、購入する際には天井までの高さをチェックしましょう。
壁に据え付け型
自宅筋トレ用のチンニングバーとして販売されているもので、壁に据え付けるタイプのものがあります。かつては個人のボディビルジムでもよく見られましたが、自宅筋トレ用としてはおすすめしません。
チンニングバーを支えるための金具をつけるためにボルト用の穴を壁に空けることになりますから、賃貸住宅では使えません。
それだけでなく、強度の不安もあります。チンニングというのは体重が全部まともにチンニングバーにかかりますから、かなりの負荷です。壁に据え付けるにはバーを支える金具やボルトの強度がかなり必要です。不十分な強度だと、運動中にボルトが抜けて金具ごと外れてしまう危険があります。
かつては壁に据え付け型のチンニングバーがボディビルジムでよく見られましたが、かなり大掛かりなものでした。コンクリートの壁に大きなボルトと金具でチンニングバーを支える構造でした。ジムだからあのような装備が可能ですが、自宅に設置するとなると現実的ではありません。
ドア枠に引っ掛けるタイプ
ドア枠の上部に引っ掛けて使うタイプのチンニングバーも販売されています。制限重量として80キロぐらいを想定していますが、80キロまでなら絶対安全とは言えません。ドア枠の強度にもよりますし、使い方が乱暴だと、振動で重量以上の負荷になることもあります。
1回や2回では痛まなくても、何度も使用しているうちにドア枠が弱くなって、事故につながらないとも限りません。安全が保障されているならいいですが、現実にはかなり危険です。
ドア枠に引っ掛けるタイプでチンニングをする動画
チンニングバーで鍛えられる筋肉
チンニングバーで鍛えられる筋肉についてです。チンニングバーがあれば、以下の筋肉を鍛えることができます。
広背筋
チンニングバーで最も効果的に鍛えられるのが広背筋です。
ラットマシンと比べても、広背筋にかかる負荷が強く深いです。ラットマシンで限界まで追い込むのとチンニングで限界まで追い込むのでは、疲労度がかなり違います。
上腕二頭筋
リバースグリップで手幅を狭くしてチンニングをすれば、上腕二頭筋もかなり鍛えられます。アームカールのような直接的な効き方ではありませんが、かなり効かせることが可能です。
ただし、普通のチンニングよりもさらに筋力が必要ですから、かなり筋力がないと、必要なだけの回数を繰り返すのが難しいです。
前腕
チンニングは前腕にもかなりの負荷がかかります。
最低でも自分の体重分がかかるわけですから、ラットマシンなどよりも前腕が疲労します。パワーグリップやストラップなどのギアを使えば、前腕にかかる負担を減らせますが、その分、前腕が鍛えられなくなってしまいます。
腹筋
チンニングバーにぶら下がってレッグレイズを行なえば下腹部を鍛えられます。この場合、腹筋よりも先に腕や握力が負けてしまうかもしれません。
レッグレイズもできる複合型のチンニングバーであれば、レッグレイズのために肘を置ける台とハンドルがあるので使いやすいです。
まとめ
背中を鍛えるための筋トレマシンは数え切れないほど開発されている昨今ですが、チンニングが広背筋を鍛える代表的な種目であることは変わりありません。チンニングに対して達成感を感じるトレーニーは少なくありません。
何回、チンニングを繰り返せたかとか、何キロつけてチンニングができたかといったことは、ベンチプレスやスクワットの重量にこだわるのと同様に、筋トレ愛好者の本能のようなものです。
チンニングに対するこだわりの強さという点では女性の中にも強い人が少なくありません。女性の場合、体重だけでもチンニングを繰り返すのはかなり大変ですが、それだけに出来たときの達成感が大きいのでしょう。
上記のように、自宅筋トレ用にチンニングバーとして、壁に据え付けるタイプや、ドア枠に取り付けるタイプのチンニングバーも販売されていますが、強度や安全性を考えるとかなり不安です。チンニング用の筋トレ器具を購入するのであれば、チンニングスタンドがおすすめです。