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縫工筋の鍛え方!効果的なストレッチと4種類の筋トレ方法

投稿日: 2018年07月01日

ワイルドスタンスのスクワットをする女性

縫工筋(ホウコウキン)をご存知でしょうか。名前を聞いてどこの筋肉なのかパッと浮かぶ人は少ないと思います。

縫工筋は脚の筋肉の1つです。具体的には太ももの表側、骨盤の外側から膝裏まで斜めに走っています。

そして、あまり有名ではありませんが、実は人体で一番長い筋肉なのです。陸上などのスポーツで縫工筋の肉離れを経験した方もいらっしゃるかもしれません。

この記事ではそんな縫工筋についてまとめてあります。ストレッチや鍛え方についても紹介しているので参考になれば幸いです。

縫工筋という名称・英訳・由来

縫工筋を示した人体構造図

縫工筋という名称にはきちんとした由来があります。
縫工筋のことを英語では『Sartorius』と呼ぶのですが、これはラテン語のSatorが元になっています。

Satorには裁縫師という意味があります。
裁縫職人たちはあぐらをかいて仕事をしていました。縫工筋はあぐらをかくときに働くので、裁縫師たちが語源となったのです。学名では縫匠筋(ホウショウキン)とも呼ばれます。なかなかユニークな由来ですよね。

縫工筋が働く時

先ほど申したように日常生活場面ではあぐらをかいた時に縫工筋が使われます。
他にも、バイクや自転車を降りるときや椅子に座って足を組むときにも使われます。
膝の曲げ伸ばしや、股関節の外転といった動作に不可欠な筋肉です。

下半身全体を使う陸上はもちろんですが、サッカーのサイドキックや、水泳の平泳ぎの際の脚の運びなど、縫工筋が重要なスポーツは多くあります。

縫工筋が関連する怪我

肉離れ

縫工筋は肉離れが起こりやすい筋肉として知られています。このため疲労が蓄積している時は無理をしないように注意する必要があります。

鵞足炎(がそくえん)

内膝の下側に鵞足部(がそくぶ)という部位があります。ここに縫工筋、薄筋、半腱様筋といった筋肉が集まっています。ここに炎症が起きるのが鵞足炎です。

自覚症状として、膝の内側にじわじわと感じる痛みがあります。当然、走ることや、階段の上り下りでも痛みます。

縫工筋を鍛えるメリット

上記のような怪我をしないためにも、縫工筋の柔軟性を保っておくことは重要です。
そこで縫工筋を鍛えるために有効なストレッチトレーニングについてご紹介します。

縫工筋のストレッチ

立ったまま行うストレッチ

準備運動によく行われるストレッチです。

  1. 脚を左右に開いて、膝が90度くらい曲がるようにする(両手は膝の上)
  2. ストレッチしたい太ももを手で外側へ押し、上半身は反対側へねじる
  3. 30秒間キープ

仰向けに寝て行うストレッチ

縫工筋のストレッチをして柔軟性を保つため、太ももの表側の筋肉を伸ばします。

  1. 仰向けになる
  2. ストレッチしたいほうの膝を曲げ、太ももの筋肉を伸ばすようにゆっくりと外側へ動かす
  3. 縫工筋の伸びを感じる位置で30秒間キープ

身体が固いと背中が床についた状態で行うのは難しいです。
その場合は上半身を起こした状態で行っても効果があります。

縫工筋の鍛え方

縫工筋だけピンポイントで鍛えるトレーニング方法はありません。
そのため、内ももの筋肉や、大臀筋や中臀筋といったお尻の筋肉と一緒に鍛えます。
おすすめの筋トレ方法はヒップアブダクション、ワイルドスタンススクワット、レッグレイズなどです。

1. ヒップアブダクション

  1. 床に横向きに寝て、ヒジで上半身を支えます。
  2. 上側の足のヒザは伸ばした状態にし、下側は軽くヒザを曲げます。
  3. 上側の足をゆっくりと上に高く持ち上げます(息を吸う)。
  4. 挙げた足をゆっくり下げ、元の状態に戻します(息を吐く)。
  5. 片側10回行ったら、反対がも同様の手順で行います。

以上を3セット行います。

ヒップアブダクションのポイント

ポイント1:足を後ろに動かさない

縫工筋を鍛えるためには太ももに負荷をかけないといけませんが、足を後ろに動かす動作ではお尻のほうへの負荷が大きくなってしまいます。鍛えたい部分を意識してトレーニングをしましょう。

ポイント2:つま先の方向

つま先が外や上の方を向いてしまうと、やはり負荷がお尻のほうに逃げます。
つま先は真正面を向けることで、正しくトレーニングができます。

ヒップアブダクションのバリエーション

より負荷を高めたトレーニングを希望であれば、チューブを使うのがオススメです。
輪になっているチューブバンドに両足を通してから、ヒップアブダクションを行うと良いでしょう。

また、先に紹介したものは寝た状態で行う方法でしたが、チューブを活用すれば立ったままヒップアブダクションを実施できます。
柱などを利用して、チューブと鍛えたい方の脚を繋ぎ、柱から離れる方向に足を動かしましょう。

立って行う場合は、寝て行う場合とは違う注意点があります。それは「上半身を動かさない」ことです。
上半身がブレてしまうと、反動がついて効果的なトレーニングができないので気を付けてください。

2.ワイルドスタンススクワット

  1. 肩幅の1.5倍から1.8倍ほど、広く両足を開く。
  2. ゆっくりと息を吸いながら腰を下ろす。
  3. ゆっくりと息を吐きながら腰を上げる。
  4. この繰り返しを10回3セット行います。

ワイルドスタンススクワットのポイント

ポイント1:膝を外へ向ける

ワイルドスタンススクワットを行う際は、膝が内側に入らないように注意する必要があります。膝が内に入ってしまうと、筋肉へのトレーニング効果が減ることに加えて、怪我のリスクが高くなります。

ポイント2:背中を丸めない

ワイルドスタンススクワットは通常のスクワットに比べて、背中を伸ばしたまま行いやすいスクワットです。

しかし、背中を丸めて行うと腰を痛める恐れがある点は変わりません。しゃがむ時はけっして腰を丸めないようにしましょう。

3.レッグレイズ

  1. 仰向けに寝転て、両腕を床につける。
  2. 息を大きく吸い込む。
  3. 膝を伸ばしたまま、息を吐きながら地面と垂直になるまでゆっくりと足を上げる。
  4. 息を吸いながらゆっくりと足を下ろす。
  5. 床に着くぎりぎりで足を止める。
  6. 足の上下運動を繰り返す。

10回程度が目安です。3セットからが目安ですが、負荷が大きくセットごとに同じ回数を行うのが困難なので2セット目以降は回数が少なくなっても大丈夫です。

レッグレイズのポイント

ポイント1:息を吐くときはしっかりと腹式呼吸を意識する

下腹部への負荷がかかるトレーニングなので、腹膜を同時に鍛えられます。トレーニング中は必ず呼吸を止めないように気を付けてください。

ポイント2:膝を伸ばしたまま行う

足を上下中は膝を伸ばしておきましょう。
身体が固くてどうしても膝が曲がってしまう場合は、あらかじめ少し曲がった状態でトレーニングしても構いません。

ポイント3:キツイときはお尻の下に手を置く

負荷が大きくて余分な力が入ってしまうようなら、お尻の下に手を置きましょう。
無理をして行うと、筋トレの効果が薄れてしまうばかりか、腰を痛めてしまいます。

充分な筋力がないままレッグレイズを行うと腰を痛めてしまう方が多いので注意してください。

レッグレイズが縫工筋へ与える影響

「レッグレイズは下腹部のトレーニング」というイメージが強い人が多いかもしれません。しかし、縫工筋の主な働きには「脚を前に出す」というものがあります。つまりレッグレイズのように足を上げる(前に出す)運動で刺激を与えることができるのです。

4. ステップアップ(昇降運動)

  1. 膝の高さ程度で、乗り降りしても安定する台を用意する。
  2. 台の前で両足を肩幅程度に開いて立つ。
  3. トレーニングしたい脚から台に乗り、昇降運動を繰り返す

片側の脚で10回連続して行ったら、反対の脚で同じ回数。3セット繰り返す。

ステップアップのポイント

ポイント1:片側の脚を連続して行う

通常のステップアップ自体は負荷の大きな運動ではないため、片側を連続して行うことでトレーニング効果を高める狙いがあります。

ポイント2:背筋を伸ばして行う

ステップアップは下半身だけでなく、お腹や背中にも効果があるエクササイズです。そのためにもっとも効果的な姿勢は背筋を伸ばした状態を維持することです。疲れて前景姿勢にならないように気を付けましょう。

ポイント3:ダンベルを両手に持って行う

より負荷をかけたい場合はダンベルの利用がオススメです。この際も背筋を伸ばしておくよう気を付ける必要があります。加えて、台に上ったあとしっかりと膝を伸ばすように意識しましょう。

縫工筋を鍛えるのに向いている人

先述した『陸上』『サッカー』『水泳』をしている人は怪我防止のためにも、縫工筋の柔軟性を保つようにしておくといいでしょう。

また、特定のスポーツをしていない人にも覚えていただきたいのが、縫工筋とぎっくり腰の関係です。

縫工筋は骨盤とも関連の深い筋肉です。大腿四頭筋など太ももの大きな筋肉が衰えると、縫工筋の負担が大きくなります。縫工筋は膝関節と股関節を繋いで骨盤と脛に付着しているため、無理な緊張を強いるとぎっくり腰を引き起こす要因にもなるのです。

終わりに

縫工筋は、あまり聞きなれない筋肉ではありますが、スポーツだけではなく、あぐらやぎっくり腰などとも関連している筋肉であることがおわかりいただけたと思います。

スポーツをしている方はもちろん、そうでない方でも日常的にストレッチで縫工筋をケアしてあげると良いでしょう。