本ページはプロモーションが含まれています

ハックスクワットマシンの特徴と正しい使い方【足の位置・回数・注意点は?】

投稿日: 2018年06月05日

ハックスクワットマシンを利用する女性

大腿四頭筋を鍛えるための筋トレ器具は数多く開発されていますが、レッグプレスマシンと並んで効果が高く人気があるのがハックスクワットマシンです。

レッグプレスマシンでは深く降ろせない人でもハックスクワットマシンなら可動域を広く取れることが多いため、大腿四頭筋を大きくするのに極めて効果的です。しかし、非常に優秀な筋トレ器具であるにも関わらず、間違った使い方をしているトレーニーも少なくありません。ハックスクワットマシンの特徴と正しい使い方を解説します。

ハックスクワットマシンの変遷

現在我々が当たり前のように使っている筋トレ器具は、当然ながらもともと存在したものではありません。どこかの時点で誰かが作ってくれたからこそ存在しています。

ハックスクワットマシンがどのような変遷を経て作られたのかを見てみましょう。

ハックスクワットマシンがなかった時代

初期のハックスクワットマシンですらまだなかった時代には、ハックスクワットマシンのような種目としてバーベルを膝の後ろで持って行なうハックリフトが行なわれていました。これもなかなか効果的でしたが、肩に担ぐスクワットに比べて動作がやりにくい難点がありました。

1960年代にすでに存在した45度ハックスクワットマシン

現在の45度ハックスクワットマシンほどのものではなかったですが、1960年代にすでにアメリカのビル・パール氏のジムに、パール氏が自作した45度ハックスクワットマシンが存在していました。

現在普及しているハックスクワットマシンに比べるとかなりこじんまりした感じのマシンでした。ビル・パール氏のジムが1軒だけだったこともあって、大きく普及するところまではいきませんでした。

ビル・パール氏はボディビルのNABBAユニバースという、権威ある世界大会で4回優勝した実績を持つ偉大な先駆者のひとりです。パール氏のジムには1960年代としては非常にユニークな筋トレ器具があり、パール氏の非凡な才能を見せていました。

初期のハックスクワットマシンの角度は急だった

ビル・パール氏のジムにあったハックスクワットマシンは45度で現在普及しているものの片鱗を見せていましたが、初期のハックスクワットマシンは角度が45度よりもはるかに急でした。ほとんど垂直に近かったです。

使いやすさや大腿四頭筋への効きについては現代のハックスクワットマシンとは比較にならないものでした。そういう事情もあって、現在に通じる本格的な45度ハックスクワットマシンが開発されたのは画期的なことでした。

本格的なハックスクワットマシンが完成したのは1970年代後半

現在、スポーツクラブで見られる45度の本格的なハックスクワットマシンが完成したのは1970年代の後半のことです。45度レッグプレスマシンが出来るちょっと前です。

作ったのはゴールドジムの創業者であるジョー・ゴールド氏です。「ゴールド・ジム」と表記されていますが、実際には「GOLD’S GYM」です。ゴールドさんのジムという意味です。

ゴールド氏が自分のジムで会員が使うためにと作った筋トレ器具がボディビル界の歴史に大きな影響を与えたものが多いですが、45度ハックスクワットマシンもそのひとつです。それまで、脚の発達にそれほど効果がなかったハックスクワットマシンでしたが、この45度ハックスクワットマシンの登場でボディビルダーの脚の発達が各段に良くなりました。

その後、1980年代から現在にかけて、45度ハックスクワットマシンは大腿部を鍛える定番の筋トレ器具として不動の地位を確立しています。

ジョー・ゴールド氏がハックスクワットマシンを開発してから40年ほど経ったわけですが、ハックスクワットマシンとしてはその後大きな変化はありません。進歩がないというよりも、ゴールド氏が作ったハックスクワットマシンがそれだけ完成度が高かったということでしょう。

ハックスクワットマシンの正しいフォーム

ハックスクワットマシンを使う際の正しいフォームをご説明します。ハックスクワットマシンに限らず、正しい使い方ができていないトレーニーを数多く見かけます。

足の位置

まずは足の位置です。ボードのどの位置に足を置くかで効き方が変わってきます。高過ぎても低過ぎてもしっくりきません。

左右の真ん中に体の中心線がありますから、左右の足場については問題なくわかると思います。

ボードを基準にして、脚をどの高さに置くかですが、ボードの上下の真ん中よりもやや下、ぐらいの位置で始めてみましょう。ある程度繰り返してみると、自分に合った足の位置がわかるようになります。

足幅

次に足幅です。肩幅ぐらいを基準にしましょう。このぐらいの足幅が大腿四頭筋に効かしやすいです。しかし、この足幅が絶対なわけではありません。適正な足幅には個人差もあります。

肩幅よりも狭い方が効かせやすいのであれば、自分の体に合わせて調節しましょう。

つま先の向き

つま先を踵と平行にしている人もいますが、それではやや窮屈です。

股関節から膝にかけての角度からすると、踵に対してつま先が15度から30度ぐらい外向きにするのが自然です。自然に立ってみると、やはりこのぐらいの角度になります。

踵はつけたまま

ハックスクワットマシンの動作中、踵を浮かさずにつけたままにします。もしも踵が浮いてしまうなら、足の位置が低過ぎます。足の位置をもっと上にするようにして、調整しましょう。

45度ハックスクワットマシンが開発された当初はシシースクワットの変形としての動きが想定されていました。そのため、1980年代初頭の頃のアメリカの筋トレ教本にはハックスクワットマシンの使い方として、シシースクワットのような使い方が紹介されていました。

しかし、そのやり方では膝を痛めるボディビルダーが少なからず出たことと、踵を付けたままの方が力が出やすくて効果が高いということで、現在では踵をつけたままの使い方が圧倒的に主流になっています。

降ろす深さ

軽い重量でどこまで自然に降ろせるかをまずは確認してください。

軽い重量というのはプレートをまったくつけない状態です。

それでも重さとしては20キロから30キロぐらいにはなります。その状態で踵が浮かず、腰に違和感がない範囲で降ろすようにします。

レッグプレスでは腰が硬い人はあまり深く降ろすことができません。無理に降ろすと腰を伸ばし過ぎて痛める危険が高いですが、そういう人でもハックスクワットマシンならレッグプレスマシンよりもかなり深く降ろせることが多いです。

動画:ハックスクワットマシンの効果について!足の位置やフォームなどを解説

ハックスクワットマシンの注意点

ハックスクワットマシンを使う際の注意点です。ハックスクワットマシンも他の筋トレ器具と同様、使い方が悪ければ効果半減です。

下で弾ませない

ハックスクワットマシンでは深く降ろしやすいのが可動域を広くできるのでメリットである反面、下で弾ませてしまうことがあります。

下で弾ませると、マシンが痛みやすいだけでなく、膝を痛める原因にもなります。決して弾ませないように注意しましょう。

低回数より中回数

1セットあたりの繰り返し回数ですが、低回数よりも中回数を基本にしましょう。

低回数というのは、3回から5回あたりの回数のことです。中回数というのが6回から10回あたりの回数です。

ベンチプレスやスクワットのような基本種目であれば低回数でのセットも入れると効果的ですが、ハックスクワットマシンでは中回数を基本にしましょう。

必ずトレーニングベルトを着用する

ハックスクワットマシンを使う際には必ずトレーニングベルトを着用しましょう。

トレーニングベルトを着けることで、腹圧がかかり、腰痛防止と体幹が安定して力が出やすくなります。

トレーニングベルトにはナイロン製のものもありますが、軽い筋トレではなく、本格的に高重量に挑戦する筋トレを行なうのであれば、革製のがっしりしたものがおすすめです。

革製のトレーニングベルトの方がナイロン製のものより高価ですが、一度買えば10年以上は軽くもちます。

革製のベルトには体の前部分が狭くなっている一般的なトレーニングベルトと、幅が全部同じであるパワーベルトがあります。前傾するベントオーバーローのような種目でも動きやすい点では一般的なトレーニングベルトが使いやすいですが、スクワットやデットリフトで体幹がより安定するのはパワーベルトです。

まとめ

45度ハックスクワットマシンは45度レッグプレスマシンと並ぶ、画期的な筋トレ器具です。仮にこれらのマシンがなかったら、現在のボディビルダーのような大腿部の発達は実現しなかったでしょう。これらのマシンがなかった時代の選手たちと現在の選手の一番の違いが脚の発達であることからもわかります。

腕や大胸筋などは1970年代にも現在のレベルに負けない選手がたくさんいましたが、脚に関しては全体的に見ても、現在の方が圧倒しています。その大きな理由のひとつが大腿四頭筋を鍛えるための筋トレ器具が進化したことです。45度ハックスクワットマシンと45度レッグプレスマシンがその双璧です。

45度ハックスクワットマシンは腰が硬い人でも深く降ろしやすい点で、45度レッグプレスマシンに勝ります。

ハックスクワットマシンとレッグプレスマシンのどちらかを選べと聞かれたら、ハックスクワットマシンを選ぶトレーニーが多いでしょう。

しかし、いくら優秀だとは言っても、ハックスクワットマシン単独で脚を太くできるかと言えばそうでもありません。ミスター・オリンピアで6連覇したドリアン・イエーツ選手のように、バーベルでのスクワットが合わず、レッグプレスマシンやハックスクワットマシンで驚異的な脚を作り上げた選手もいますが、比率にすれば少数派です。

筋トレの王道としてはやはり、バーベルでのスクワットから始めて、スクワットで追い込んだ後にレッグプレスマシンやハックスクワットマシンで鍛えるのが一番効果的です。基本種目であるスクワットの後の第2種目ないしは第3種目としてハックスクワットマシンを使うのが最も効果的です。