本ページはプロモーションが含まれています

長指伸筋の仕組みと鍛え方

投稿日: 2017年08月01日

立つ、歩く、走る、跳ぶ、足は、身体を動かすのに必要不可欠な大切な部位です。足が痛い、筋肉痛、動かしづらい、骨折や何らかの足の怪我または病気、車椅子等の状態は、日常生活を送る上で非常に不便です。

足、特に下腿部での悩みを抱えている方、または、下腿の筋肉を強化したい方におすすめのトレーニング法、ストレッチ法等について紹介していきます。

長指(趾)伸筋とは?どんな筋肉?

長趾伸筋の主な説明

長指伸筋

長指伸筋(ちょうししんきん)とは、簡単に言うと下腿の前の方の少し深い場所にある筋肉です。

下腿部の前面の筋肉は、主に前脛骨筋(ぜんけいこつきん)、長母趾伸筋(ちょうぼししんきん)、長趾伸筋です。

長指(趾)伸筋は、脛骨(けいこつ)の外側顆、腓骨(ひこつ)前面の上部から始まり、親指を除く第2~第5趾の中節骨、末節骨の背側面で終わります。

親指以外の4本の足趾を反らす(第2~第5趾の伸展)動作と足関節の背屈(足の甲の方に曲げる)と外反に関係しています。下部は第三腓骨筋(足関節を外反させる筋肉)と分かれます。長趾伸筋は、歩く時に、踵をつけた後に、脚がそのまま地面に接触するのを防ぎます。

前脛骨筋、長母趾伸筋、長趾伸筋は、足関節背屈筋(そっかんせつはいくつきん)と呼ばれ、歩く時に道路や床に躓かないようにつま先を反らす動きを担います。何もない場所で躓くことが多いようなら、この足関節背屈筋が衰えている可能性があります。足関節背屈筋は、かかとで歩くことで強化することが可能です。

長趾伸筋の主な働きは、上記に書きましたように、足関節の背屈と、外反(体重を足の親指側にかけて、小指側が持ち上がる動き)と、第2~第5趾の伸展です。
深腓骨神経という神経が長趾伸筋を支配しています。

長趾伸筋の特徴

前脛骨筋、長母趾伸筋、長趾伸筋の中で、唯一腓骨頭(ひこつとう)に付いています。

腓骨頭には、長趾伸筋の他に、大腿二頭筋、ヒラメ筋、長腓骨筋といった計4つの筋肉と、外側側副靭帯、弓状膝窩靭帯という靭帯と、脛腓関節包、外側膝蓋支帯、骨間膜が付いています。これらの組織が集まり、固有感覚受容器として働いている、重要な部位です。

腓骨頭に付いている何らかの組織が損傷すると、腓骨筋から影響が広がってしまいます。長趾伸筋が原因なのではなく、腓骨頭についている他の組織が損傷していて痛みを感じる、という可能性もあります。

また、長趾伸筋と前脛骨筋の間を、前脛骨動静脈という血管と、深腓骨神経が通っています。その為、筋スパズム(筋攣縮)、下腿のコンパートメント(筋肉の区画の内部の圧力が上がり、神経、筋肉が圧迫されるようになった状態)などが起きると、この神経と血管は簡単に圧迫してしまいます。それにより、筋力の低下や、足背動脈の脈が弱く感じることがあります。

長趾伸筋は足関節の背屈の働きがある、と上記にありますが、足関節背屈で使われる主な筋肉はほとんどが前脛骨筋です。よって、前脛骨筋が何らかにより働けない、働きづらい場合、長趾伸筋や長母趾伸筋が代償としてより使われるようになります。

そんな時、前脛骨筋で背屈しているか、長母趾伸筋、長趾伸筋で背屈しているか確認できる方法があります。

足趾の動きを見て下さい。足趾の極端な伸展(広がり)がない時は、きちんと前脛骨筋で背屈している状態です。足趾の伸展がある場合は、長母趾伸筋、長趾伸筋で背屈しています。

このように、足関節背屈を確認すれば、どの筋肉が主に使われているのか、長母趾伸筋、長趾伸筋が代償動作を行っているのかがわかります。参考にしてみてください。

長指(趾)伸筋の鍛え方、ストレッチ法等について

前では、長趾伸筋とその周りの足の仕組みなどについて触れていましたが、ここからは、長趾伸筋の鍛え方、トレーニング、ストレッチ方法等についてなるべく細かく紹介していきます。

タオルギャザーを使ったトレーニング

簡単に言うと、足指を屈曲させるエクササイズです。
このトレーニングでは、足趾の筋力をつけることで、躓く、転倒の危険を回避する効果があります。

足関節の骨折、アキレス断裂の手術後は足関節の周りが硬くなるので、足の指を動かすことで関節の可動域をできるだけ広くしておきましょう。

また、足関節骨折、アキレス断裂の手術後は足の裏が感じにくくなるので、その防止のためにもこのトレーニングはおすすめです。

他にも、土踏まずがなくなる偏平足を防止するのにも効果的です。

足の裏は、体重を支える為、足底筋群という20本もの筋肉が入り組んでいます。現代は靴や高いヒールなどの多用で足底筋群が弱くなり、足のアーチ形成(土踏まず等)に影響してしまいます。

本来は、踵、つま先、指のつけ根が地面についているはずですが、足の指が地面から浮いている(浮き指)状態の場合は、足底筋群が衰えている証拠です。

このトレーニングでは、長趾伸筋の他にも、足底筋、虫様筋、短拇趾屈筋、長拇趾屈筋、短指屈筋、長指屈筋の強化が期待されます。

動作の説明

  1. 床の上にタオルをひきます。靴下を脱いで、椅子に座ります。タオルの上に足をのせます。
  2. 足指の開閉を意識して、タオルを手前にたぐりよせます。指先だけを使うのではなく、足裏全体を使って引き寄せます。
  3. これを必要な回数だけ繰り返します。

行っている間、呼吸は特に意識せず、普通に、自然に呼吸して下さい。
足の指、指の付け根の関節をゆっくり大きく、よく動かして下さい。

すごく単純で地味な動きなので、飽きてしまう人もいるかもしれませんが、このタオルギャザーは思っているより重要な動きです。続けていれば、上記に書いたような効果が得られますので、ぜひ参考にして頑張ってみましょう。

ゴムを使ったトレーニング

トゥレイズと呼ばれるトレーニング方法です。

前脛骨筋、長母趾伸筋、長指伸筋が強化されます。
簡単にいうと、足関節の背屈動作です。

動作の説明

  1. セラバンド(ゴムチューブ)を、柱やトレーニングマシンなどに固定します。ゴムのもう一部を足部に巻き固定します。
  2. 長座位の姿勢をとり、つま先を柱側に向けます。(足関節の底屈)
  3. ゴムの弾力に逆らってつま先を反ります。(足関節の背屈)
  4. ゴムの弾力に逆らいながら足をゆっくり元の姿勢に戻します。
  5. この動作を必要な分だけ繰り返します。

つま先が柱側に向いた状態で息を吸い、吐きながらつま先を反っていきます。吸いながら足の姿勢を戻していきます。

このトレーニングは、シンスプリント(脛の内側の痛み)などや、アキレス腱炎の防止に効果的です。

トレーニング中に、セラバンドが外れないようにしっかりと固定して下さい。

前脛骨筋は持久性が高いので、このトレーニングではあまり負荷はかけず、回数を多めに行うと効果的です。

長指伸筋のスタティックストレッチ

スタティックストレッチとは:身体を動かさず、反動を使わずに関節の可動域をだんだん広げていき、痛くならない程度に筋肉を伸ばした状態を少しの間保持し、それを何セットか繰り返す方法です。

ちょっとした時間の合間に行う時は、いきなり伸ばすのではなく、少しずつ身体を慣らすように行うのをおすすめします。

目的の伸ばそうとする筋肉が緩んでいる状態でストレッチできているとベストです。

身体をできるだけリラックスさせて、目的の筋肉を意識して下さい。息を止めずにゆっくりと吐くと、心拍数が下がってよりリラックスして行うことができます。

ストレッチする際に注意しておきたいこと

  • 痛みを感じないぐらいでストレッチして下さい。徐々に負荷をかけ、自分の最大限で伸ばされているという状態を保つのがベストです。
  • 反動は使わないようにして下さい。
  • 正しい姿勢、やり方で行って下さい。筋肉の流れ、作用を理解すれば、正しいストレッチのフォームを習得できます。初めての人が正しいフォームを理解するには、習熟しているトレーナーや専門家の指導を受けたり、参考本を見ながら行うのがおすすめです。

今回ストレッチできる筋肉は、長指伸筋の他に、前脛骨筋、長母趾伸筋の3つがあります。

関節の動きを少し専門学的に説明すると、股関節での屈曲、膝関節での屈曲、足関節では底屈、足の指で屈曲が行われます。

ストレッチの説明

  1. 床の上で正座します。身体の後ろに両手を置き、ストレッチする方の膝を床から少し持ち上げます。
  2. 膝からくるぶしまでの前面が伸びきっている感じになったら、そのまま20~30秒保って下さい。
  3. 片方が終わったら、反対も同じように行って下さい。
  4. 必要な分だけ、3~4セット繰り返します。

両手を後ろに置いて、膝を床から持ち上げる時、より上に持ち上げれば前脛骨筋を伸ばしきる(ストレッチする)ことができます。この筋肉が硬くなると、足の裏の横アーチが消えやすくなります。

以上、長指伸筋の鍛え方(トレーニング)と、ストレッチについて主なものを紹介していきました。

足の筋肉で悩んでいる方等、よろしかったら参考にしてみて下さい。