上腕三頭筋を鍛える効果的な筋トレ5つとトレーニングメニューの組み方
「逞しい腕が欲しい」このような願望を持つ男性は多くいるのではないでしょうか。
腕(つまり上腕)は大きく分類して上腕二頭筋(力こぶ部分)と上腕三頭筋(二の腕部分)の2つの部位から構成されているのですが、上腕三頭筋が占める割合の方が大きいため、効率よく腕を太くした場合は上腕三頭筋を重点的に鍛えることが逞しい腕への近道になります。
そこでこの記事では上腕三頭筋を効率よく鍛えるための筋トレメニューと正しいやり方を紹介していきます。
ディップス
上腕三頭筋を効率よく鍛える種目としてまず第一に挙げられるのがディップスです。ディップスは本来大胸筋を鍛えるための種目なのですが、やり方を少々工夫することにより上腕三頭筋をメインで鍛えることが出来ます。
具体的なフォームは以下の通りです。
- ディップススタンドに体重をあずける
- このとき軽く胸を張り、肩がすくまないように注意する。また、足を少し後ろに引き上体を地面に対して垂直に保つようにする
- ゆっくりと肘を曲げて身体を降ろしていく(脇が開かないように注意)
- 肘の角度が90度よりすこし深くなったところ力強く身体を押し上げてく
- 肘が伸びきるまで身体を押し上げる
注意点は「上体を垂直に保つ」ということと「必要以上に肘を曲げない」「肘が伸びきるまで身体を押し上げる」ということです。このようにすることで刺激を大胸筋ではなく上腕三頭筋に集中させることが出来ます。
ディップスは高重量を扱える種目です。6~8回が限界の重量で2~3セットを目安に行うようにします。
クロースグリップベンチプレス
クロースグリップベンチプレスはその名の通り狭めのグリップ(手幅)で行うベンチプレスのことです。
狭めのグリップでベンチプレスを行うことにより、ディップスと同じく刺激を大胸筋ではなく上腕三頭筋に集中させることが出来ます。
クロースグリップベンチプレスの具体的なフォームは以下の通りです。
- ベンチに仰向けになり、肩幅程度の広さでバーべルを握る
- このとき軽く胸を張り、背中に自然なアーチを作る(ベンチプレスほど大きなアーチを作る必要はありません)。
- バーベルを乳首あたりに向かって降ろしていく
- 肘の角度が90度より少し深くなったところで力強くバーベルを押し上げる
- 肘が伸びきるまでバーベルを押し上げる
注意点はしっかりと肘を伸ばしきるということです。肘が伸びきる際に上腕三頭筋が強く働くので、1回1回しっかりと肘を伸ばしきるようにしましょう。
クロースグリップベンチプレスはディップス同様高重量を扱える種目ですが、あまり重すぎると大胸筋や三角筋前部を使いがちになり上腕三頭筋を効率よく鍛えることが出来ません。8~10回程度が限界の重量で2~3セットを目安に行うようにします。
フレンチプレス
上腕三頭筋はその名の通り3つの部位から構成されています。その内、最も肩に近いところにあり、横から見た時の腕の太さに貢献してくれるのが「長頭」と言われる部位です。
フレンチプレスはこの上腕三頭筋長頭を効率よく鍛えることが出来る筋トレ種目です。ですので、効率よく腕を太くしたい場合は積極的にフレンチプレスなどの長頭を鍛える種目を取り入れるようにしたいところです。
フレンチプレスの具体的なフォームは以下の通りです。
- ベンチに仰向けになりバーベルを額の真上で保持する(ストレートバーよりもWバーあるいはEZバーと言われる曲がりくねったバーベルの方が手首や肘に余計なストレスがかからないのでオススメ)
- バーベルが額~脳天に軽く触れるまでバーベルをゆっくりと降ろしていく
- 上腕三頭筋が引き伸ばされている感覚を感じたら、肘が伸びきるまでバーベルを押し上げていく
注意点は「動作中は常に肘を動かさない」ということです。肘が上下左右に動いてしまうと上腕三頭筋への負荷が弱まってしまうので、肘の位置は常に固定して行うようにしましょう。
フレンチプレスは特に肘関節に強いストレスがかかります。そのためあまり重い重量を扱うことはオススメ出来ません。8~12回が限界の重量を丁寧な動作で2~3セット行うようにします。
オーバーヘッドダンベルエクステンション
オーバーヘッドダンベルエクステンションはその名の通りダンベルを頭の上に挙げて行う筋トレ種目です。
上腕を頭の上に挙げ、上腕と上半身を引き離すことで上腕三頭筋がより強く引き伸ばされます。
筋肉を発達させるにはこの「強いストレッチ」が非常に重要になるので、オーバーヘッドダンベルエクステンションもフレンチプレス同様、積極的に取り入れたい筋トレ種目と言えます。
オーバーヘッドダンベルエクステンションの具体的なフォームは以下の通りです。
- 片手にダンベルを保持し、上腕が地面に対して垂直になるように腕を頭上に挙げる(腕が耳に軽く触れるくらい)
- 肘の位置を固定したままゆっくりとダンベルを後頭部に降ろしていく
- 上腕三頭筋が引き伸ばされている感覚を感じたら、同じ軌道で肘が伸びきるまでダンベルを押し上げていく
注意点はフレンチプレス同様「動作中は常に肘の位置を固定する」ということです。また、この種目は肘や肩関節に負荷がかかりやすいですので、軽めの重量でゆっくりとした動作で行うということが重要になります。
先程も言ったように強いストレッチが非常に重要となるので、1回1回ボトムポジション(ダンベルを降ろしきったところ)で筋肉が引き伸ばされている感覚を感じ取るようにしましょう。
肘・肩関節を痛めないためにも軽めの重量で行うようにします。10~12回が限界の重量で2~3セット行うようにします。
プレスダウン
プレスダウンはフォーム習得が非常に簡単で特に筋トレ初心者に適した種目と言えます。また、肘や肩関節に余計なストレスをかけずに上腕三頭筋を限界まで追い込めるのも大きなメリットでしょう。
プレスダウンの具体的なフォームは以下の通りです。
- プレスダウン専用のバー、あるいはロープを握る。このとき脇を少し閉じ気味にし、肘は身体の側面に固定する
- 肘が伸びきるまで重りを引き下げる
- 上腕三頭筋に収縮感を感じたらゆっくりと肘を曲げていく(肘の角度が90度程度になるまででOK)
注意点は他の種目同様「肘の位置を常に固定しておく」ということです。
肘が前後に振られてしまうと刺激が背中に移行します。その際は少し重量を落とし、肘が動かない範囲内で行うようにしましょう。
プレスダウンはあまり高重量が扱えないため「筋肉に効かすための種目」と割り切って行うのが良いでしょう。そのため、軽めの重量で高回数行うようにします。だいたい12~15回が限界の重量で2~3セット行えば十分でしょう。
具体的なトレーニングメニューの組み方
基本的な上腕三頭筋を鍛える種目は上記の5つになります。あとはこれらを組み合わせて上腕三頭筋のための筋トレメニューを組んでいきます。
一般的に筋トレメニューを組む際に重要となる考え方には以下の2つがあります。
- 高重量を扱える種目を第一種目とする
- ミッドレンジ種目・ストレッチ種目・コントラクト種目の3種類を取り入れる
1に関しては補足説明する必要はないでしょう。ディップスあるいはクロースグリップベンチプレスを最初に行えば良いのです。
2のミッドレンジ種目・ストレッチ種目・コントラクト種目に関しては筋トレ初心者にとっては聞きなれない言葉かもしれないので解説しておきます。
ミッドレンジ種目:動作の中盤で最も強い負荷のかかる筋トレ種目(ディップス、クロースグリップベンチプレスなど)
ストレッチ種目:筋肉が完全に引き伸ばされているときに最も強い負荷のかかる種目(フレンチプレス、オーバーヘッドダンベルエクステンションなど)
コントラクト種目:筋肉が収縮したときに最も強い負荷のかかる種目(プレスダウン、キックバックなど)
これらの3種類の種目を1回の筋トレで行うようにするのです。
では、これらのルールに則りながら筋トレメニューの具体例を挙げていきましょう。
<具体例1>
1種目目:ディップス 2~3セット
2種目目:フレンチプレス 2~3セット
3種目目:プレスダウン 2~3セット
<具体例2>
1種目目:クロースグリップベンチプレス 2~3セット
2種目目:オーバーヘッドダンベルエクステンション 2~3セット
3種目目:プレスダウン 2~3セット
<具体例3>
1種目目:プレスダウン 2~3セット
2種目目:ディップス 2~3セット
3種目目:フレンチプレス 2~3セット
基本的な筋トレメニューを具体例1と具体例2とし、肘を痛めている場合や痛めたくない場合は具体例3のようにプレスダウンを1種目目に持ってきます。