お酒を飲むと筋トレへの影響はあるのか徹底解説
夏に向けてハリのある腹筋を手に入れたい、かっこいいソフトマッチョを目指したいなど様々な目標を持って日々筋トレをやられている方も少なくないでしょう。せっかく鍛えるのだから効率的であり、効果が目に見えるほど実感したいものです。
トレーニングの効果を高めるためには、筋トレの内容やトレーニング時間だけではなく、自身の食事メニューを見直す必要が出てきます。健康的に筋肉をつけるためには栄養バランスや食事をとるタイミングが重要になってくるのです。
しかし、筋トレで汗を流した後には自分へのご褒美にビールを一杯飲みたくなるものです。その一杯はカラダに影響はないのでしょうか?
そして、筋トレでせっかく励んで体を鍛えたつもりが、アルコールを摂取したせいで効果半減してしまってはもったいないではありませんか。
そこでアルコールと筋肉の関係について知りたくなりました。また、もしどうしてもアルコールを飲みたくなった場合、どのくらいの量をどのタイミングで飲めば筋トレに影響が少ないかも調べてみようと思います。
アルコールを飲むと起こる症状
- 脱水症状
- 栄養バランスが乱れがちになり、体力低下の原因になる
- 睡眠障害をきたす
- トレーニング後の筋肉の合成を妨げる
1.脱水症状
アルコールは血中の抗利尿ホルモンの分泌を抑制するため、利尿作用があります。そのため、運動後大量に汗をかいた後にアルコールを摂取すると、摂取した水分以上の水分が体から奪われて脱水症状を引き起こします。
軽い脱水とはいえ、頭痛やめまい、のどの渇き、湿疹や震え、筋肉の痙攣を起こしてしまうケースもあります。
脱水によって電解質が適正にバランスを保つことができず、体が正常に機能しなくなります。運動直後のアルコールは危険だということですね。
水分補給のタイミングはのどが渇く前に飲むことです。のどが渇いている時点ではもうすでに水分が不足しているという脳からの警告です。
筋トレを始める前からトレーニングの合間にも水分補給は必要です。
一度に多量の水分を飲むと運動時にわき腹が痛くなってしまったり、お腹が重苦しくトレーニングに集中できなくなってしまうこともあるので、こまめに飲むのがオススメです。
2.栄養バランスが乱れがちになり、体力低下の原因になる
冒頭でも述べたように筋力をつけるためにはバランスの良い食事が理想的です。
同じトレーニングメニューをこなしていても、食事の質や栄養バランスでトレーニング効果は何倍にも変化します。
ですが、お酒を飲むとどうしても味付けの濃いおつまみや高カロリーなものが食べたくなってしまうものです。
実際、アルコールには食欲増進作用があります。ただし、アルコール自体は栄養素は非常に乏しく、カロリーは体に蓄えられることのないカロリー(エンプティカロリー)と言われています。
アルコールを摂取すると顔が赤くなったり、体が火照ったりするのはアルコールに含まれるカロリーが優先的に代謝されているからです。
すなわち、アルコールは肝臓で直ちに分解されて直ちにエネルギー消費されるため、身体に脂肪として蓄積されにくいカロリーというわけです。
ですが、お酒を飲むときに必要以上の食事量になったり、高カロリーのつまみを食べるとあっという間に運動量を上回るカロリーを摂取してしまうことになります。
さらに、アルコールは脂っぽい食事や味の濃い食事と相性が良い上に、”アルコールを優先的に消費する”ことで”アルコール以外のカロリー”の消費は後回しにされてしまいます。そのため、後回しになり消費しきれなかった栄養は脂肪として体に残ってしまうのです。
では、どんな食事が筋力をつけるために良いのでしょうか。
まず、筋肉をつけるために重要なのがタンパク質です。筋肉はタンパク質から構築されており、筋肉を維持したりつけたりするには必須の栄養素なのです。
よくトレーニング後にプロテインを飲むという方がいますが、プロテインはこのタンパク質を摂取するためなのです。
次に筋肉を動かす際に使うエネルギーがブドウ糖です。そのエネルギーとして適量の炭水化物の摂取も欠かせません。炭水化物を摂取せずトレーニングを行うとめまいをおこしたり、ふらついたり、場合によっては倒れてしまうなんてことも起こりかねません。
ただ、炭水化物は取り過ぎてしまうと脂肪に代わってしまう栄養素でもあります。あくまで”適量”に留め、取り過ぎには注意しなければいけません。
タンパク質や炭水化物以外にも、ビタミンBやビタミンCをはじめとした栄養素をバランスよく摂取していくことが健康的に筋力を高める効率的な方法です。
お酒のお供のおつまみにもそういった栄養バランスの整ったものを取れば筋トレ効果を高めることができるということです。
3.睡眠障害をきたす
筋肉をつける上で、食事と並んで重要な要素のひとつが睡眠です。
筋トレは筋肉を破壊し、タンパク質や糖質を摂ることで筋肉を形成していくのですが、その筋肉を発達させるのはいつかというと眠っている間なのです。
睡眠時には成長ホルモンがたくさん分泌されて、筋肉の回復や成長を促します。
成長ホルモンの主な働きは、
・組織の成長を促す
体の成長(骨や身長を伸ばす、筋肉の強化)
・代謝のコントロール
脳の疲労回復、脂肪の燃焼、病気への抵抗力、肌や筋肉など体組織の修復、再生
入眠後3時間はノンレム睡眠の割合が多く、成長ホルモンが多く分泌されます。それ以降は90分サイクルでノンレム睡眠からレム睡眠にシフトしていきます。
筋トレしている人にとって睡眠は、成長ホルモンの分泌と筋肉の回復という意味で重要になってきます。
浅い眠りと深い眠りが交互に繰り返されるのが良質な睡眠です。
ですが、深酒をして眠りについたり、寝る前に晩酌してしまうとアルコールを分解する為、体が活動状態になってしまい、深い眠りが減少してしまいます。
脳や体もしっかり休息をとることが出来ず、筋肉の回復にはよくありません。
また、アルコールを飲むとトイレが近くなるので、夜中に尿意によって目が覚めてしまったり、のどが渇いて水を飲みに起きてしまうなど、余計に眠りが浅いものになってしまうおそれがあるのです。
4.トレーニング後の筋肉の合成を妨げる
成長ホルモンは、筋肉の合成と修復プロセスの一部も担っています。その分泌が妨げられることで、筋肉の損傷やケガの回復が妨害されるだけではなく、筋肉の増強も妨げられてしまいます。
筋トレをしても、アルコールのせいでその効果が打ち消されてしまうのです。
筋力増加に欠かせないホルモンの中に「テストステロン」という男性ホルモンがあります。これは、タンパク質の合成を促進し、筋肉の成長を促す効果があります。
しかし、アルコールはこのテストステロンの分泌を抑制してしまう働きがあるのです。
つまり、筋トレ後にお酒を飲むと、筋肉を大きくしてくれるはずのテストステロンの分泌を抑制してしまい、筋肉強化に悪影響を与えてしまうことになるのです。
まとめ
- 筋トレする日はなるべくお酒は飲まない
- 飲む場合は糖質、油分は控える
- 筋トレした日は深酒をしない、就寝前の飲酒は控える
もし、筋トレ後にお酒を飲むという場合、理想は筋肉の回復、合成が完了する24~48時間がベストとなります。
ですが、現実問題として、筋トレ後にお酒を飲む機会も多いでしょうし、お酒が好きな方はそんなに節制はできないと思うかもしれません。
その場合は、時間でコントロールするよりは、お酒の摂取量を抑えてコントロールするのが賢い方法ではないでしょうか。