筋トレによるダイエットが健康的かつ効果的な理由と実践方法の紹介
ダイエットを始める際、多くの人はウォーキングやジョギング、食事は制限をすることにより体重を減らすことを考えるかと思います。
ダイエットの本来の意味は食事管理ですが、日本では減量の意味で使われているようですので、体重を減らすという目的でダイエットをすることは当然かと思います。
ですが、実はこの様な体重を減らすことしか考えないダイエットには大きな落とし穴があるのです。今回は人間の消費エネルギーの仕組み、また筋トレを行い筋肉を増量するダイエット方法を紹介します。
ダイエットと基礎代謝の関係について
ダイエットを行うにあたり、消費エネルギーを増加させる必要が有ることはご存知かと思います。それゆえに、ウォーキングやジョギングなどを行うダイエット方法は有名ですし、実際に体重が減少したという話はよく聞きます。
ですが、このような体重を落とすことを最優先としたダイエット方法には先程も述べた通り大きな落とし穴が存在します。
それは”基礎代謝の低下”です。
私たち人間の消費エネルギーは大きく分けて3つに分類することが可能です。
1つ目が活動代謝といい、私たちが体を動かすことで消費されるエネルギーを指します。ジョギングなどを行うダイエット方法はこの活動代謝が増えることにより体重が減少しますが、実はこの活動代謝は総消費カロリーの約3割ほどしか消費していないのです。
個人差はありますが1時間ジョギングを行った際の消費カロリーは約300~500kcalと言われています。これはメロンパン1つ分にしか相当しないのです。
2つ目が食事誘導性体熱産生によるエネルギー消費です。これは私達が食事を摂取した際に行われる咀嚼、消化、吸収などにより消費されるエネルギーのことで全体の1割ほどがこれにより消費されます。
残りの6割を消費するのが基礎代謝です。成人男性で平均1500kcal、女性で1200kcal消費すると言われているこのエネルギー消費ですが、これは私たち人間が生命を維持するために必要なエネルギーです。
呼吸、心臓の鼓動など不随意な活動により消費されるエネルギーは活動代謝ではなく、この基礎代謝に含まれます。
この基礎代謝の大部分を占めるのが筋肉による体温の維持です。私たちの筋肉には体を動かす働きの他に、エネルギーを消費し体温の低下を防ぐ働きがあるのです。
ですので、基礎代謝量は筋肉量に依存し、筋肉量が多ければそれに比例して基礎代謝も増えるという仕組みになっています。
筋肉は脂肪を燃やすボイラーであると言ってもいいでしょう。
食事制限のような体重減少にのみフォーカスしたダイエット方法では、体脂肪と共に筋肉も痩せてしまい、基礎代謝が低下してしまうのです。
”リバウンド“という現象をご存知でしょうか。ダイエットで体重を減らすことに成功した後、食事制限を解除した途端に体重がもとに戻ってしまう、またはそれ以上にまで増えてしまうことを言います。
このリバウンドは基礎代謝の低下が大きな原因となります。
食事制限のようなダイエットにより体重が8kg減ったとします。ですが、食事を上手にコントロールできなかったせいか、このうち5kgは筋肉が減ってしまったとしましょう。
その場合、基礎代謝は100kcal以上も低下してしまうのです。
このように基礎代謝が低下していることを知らずに食事をもとに戻してしまうと、以前と同じような量を食べているはずなのに太りやすくなってしまうのです。
これがリバウンドの仕組みです。
ここまでで基礎代謝の重要性は理解していただけたことかと思います。
運動を行い活動代謝を高めつつも、筋肉を増加させ基礎代謝も高めることが出来るのが筋トレによるダイエットです。
以下、トレーニングの方法、食事の管理について紹介します。
効果的な筋トレダイエット法
ジムに通っていただくのが最善ですが、自宅で行うトレーニングでもやり方次第では効果的ですので同時に紹介します。
ジムに通うことが可能な方は、様々な器具を使い全身を1時間程トレーニングしてください。腹筋などの小さく薄い筋肉より、脚や胸などの大きな筋群を鍛えることにより消費カロリーが多くなる他、筋肉量の増加にも繋がります。
また、インストラクターに相談することも可能ですので難しいことを考える必要はあまりないかと思います。
筋トレが終わった後に可能であれば30分以上の有酸素運動を行うとより効果的です。
筋トレにより体の中では様々なホルモンが分泌されています。これらは脂肪細胞を分解、燃焼するのにとても効果的ですので、このタイミングでジョギングなどを行うと体脂肪を優先的にエネルギーとして消費します。
筋トレは毎日行ってはいけません。トレーニングを行い疲労した筋肉を休息させ回復させることで筋肉量の増加につながります。1日以上の間隔を空け、週3日程度行ってください。
自宅でのみのトレーニングになる方も基本は同じですが、トレーニングの種類が限られてしまいます。
腕立て伏せ、懸垂、スクワットや踏み台昇降などの種目は大きな筋群を使い、自体重でも比較的強度が高いことから効果的と言えます。これらのトレーニングを10回3セットのように、少ない回数1セットとし、3~5セットほど行ってください。
一種目3セットとし、3種目ほど行った後、上記と同様の理由でジョギングやウォーキングなど軽度の有酸素運動を30分以上行うとより効果的です。
このようなトレーニングを行ったとしても、食事を管理しなければ筋肉量は増加せず基礎代謝が低下してしまいます。
同様に、ジョギングなどによるダイエットを行ったとしても食事管理により筋肉量、基礎代謝の低下を防ぐことが可能ですので是非参考にしてください。
低脂肪高タンパクダイエット法
今回は脂肪の量を減らし、タンパク質の量を増やす最も基本的な低脂肪高タンパクダイエットを紹介します。
タンパク質は唯一筋肉の材料となれる栄養素ですので、これを沢山摂取することで筋肉を合成することができます。そのタンパク質を増やす代わりに体脂肪の材料となってしまう脂質を減らす、というのが今回のダイエットです。
タンパク質の摂取量は 自分の体重kg×2g が理想です。
例えば体重が60kgの場合は120gが理想のタンパク質摂取量です。
ちなみに日本人の1日のタンパク質摂取量の平均は80g程と言われています。自分のタンパク質摂取量を把握するのが一番ですが、難しいという方は参考にしてみてください。
体重が60gの場合は基本のタンパク質摂取量が80gとすると40g不足になります。これは鶏胸肉で約200g程の量ですが、値段や摂取の手軽さからプロテインシェイクを飲むことをおすすめします。
プロテインシェイク1杯に含まれるタンパク質は約20gですので、これを1日に2杯摂取することで理想の120gを達成することが可能です。
タイミングとしてはトレーニング後に1杯、就寝前に1杯摂取することをおすすめします。これらのタイミングで摂取することで、筋肉の合成を促す事が可能です。
ジョギングのみ行われている方も摂取することで筋肉の分解を防ぐことが可能ですのでお試しください。
プロテインはボディビルダーのための筋肉増強剤と思われている方が多いかと思いますが、これは日本人に不足しがちなタンパク質を手軽に摂取することが可能な健康補助食品です。欧米ではフィットネスのために女性も当然のように摂取します。是非、お試しください。
タンパク質の摂取量を増やすことで消費カロリーが増加しますので、脂質の摂取量を減らして調節する必要があります。
タンパク質を40g増やすと摂取カロリーは160kcal増加します。これを脂質に換算すると約18gです。
肉を食べる時になるべく脂身が少ないものを選択する、牛乳は低脂肪のものに変更するなどで簡単にコントロールすることが可能です。脂質の総摂取量はタンパク質摂取量の半分以下を目指してください。
食事管理については以上の2点、タンパク質、脂質の摂取に気をつけることで改善することが可能です。これを是非、筋トレと同時に実践し筋肉量、基礎代謝を増やすことによるダイエットに挑戦してみてください。この方法はその他の生活習慣病の予防や改善にもつながり、とても健康的です。
まとめ
最後に、私たちの身体は環境に適応するのに最低3ヶ月かかります。この適応により私たちの身体は変化しますが、これは筋トレ、食事管理を3ヶ月継続する必要が有ることを意味します。
実践し始めは体重が増加する傾向になるかと思いますが、これは筋肉量が増加している証拠です。体重計の数値に惑わされず、見た目の変化を感じ、長い目でダイエットを行ってください。