鍛えにくいお尻~太ももの裏側を鍛える筋トレのやり方
2足歩行動物である人間は、全身の筋肉の大部分が、下半身に集中していると言われています。美しい立ち姿の原点かつ最終到達点であるのは、やはり引き締まったお尻~太もものバックラインと言えるでしょう。
有名なトレーニング方法はいくつかあるものの、自力で器具を使わずに鍛えるのはなかなか難しいもの。そこで今回は、筋トレの基本的な前提から、具体的で簡単・シンプルにできるお尻~太ももの裏側を鍛える方法について述べてみます。
鍛えにくい場所を鍛えるには
下半身トレーニングといえば、有名なのは「スクワット」。手っ取り早く簡潔なのは「ジョキング・ウォーキング」ですね。しかし、これだけではなかなか「足の後ろ側の筋肉」を鍛えることが出来ません。
器具なしのトレーニング方法はあまり周知されていない
人間が立ち歩きしたり、意識的に繰り返し運動を行うとしても、どうしても重心は前に傾きます。このとき主に使っている筋肉は、
・太ももの前部分
・ふくらはぎの後ろ部分
この二つです。そう、今回お題として挙げた「ヒップ周りの筋肉」というのは、ピンポイントで鍛えるには相当の工夫が必要になるのです。
まずは立ち姿を意識してみよう
筋トレの前後・あるいは通勤・帰宅の車内などで、下記の方法で意識して立ってみましょう。
- 頭~お尻~かかとまで、一直線になるようにする
- 肛門を閉めるようにお尻に力をいれ、足は肩幅程度に開くようにする
- この状態でゆっくりと腹式呼吸をする。
実はこれ、下半身に限らず全体のバランスを鍛えるための「体幹トレーニング」と呼ばれるもの。あらゆるアスリートの基礎的な肉体バランスを作っている基本の姿勢です。
これを踏まえて、「下半身全体の筋肉は全身の筋力を支えている」ということを意識しましょう。
下半身の筋トレだけしていても効果は表れにくい
前述のように、下半身の筋肉は全身とつながっています。特に、太もも裏側~お尻から脊椎周りを支える筋肉とは互いに連動する関係にあり、単純に「鍛えたい部分だけを鍛える」トレーニングでは効果は表れにくいのです。
身体の裏側を鍛えるには、裏側全体を鍛える。そのために、体幹トレーニングのご紹介をさせていただきました。
トレーニングのタイミングはいつがいいの?
基本的に、筋トレは血行がよくなっているタイミングがいいと言われています。
下半身、特にデスクワークの人の場合などは、本題に上がっているお尻~太ももの筋肉は交感神経を刺激するための重要な箇所となっており、効率よく引き締めるにはタイミングが重要と言われています。
そこで、一体いつトレーニングを行えばいいのか?という時間帯のご紹介をします。
ストレスを感じやすい人
起床直後から、軽い柔軟体操とセットで行うといいでしょう。交感神経が刺激され、徒歩通勤の人などはその後の脂肪燃焼効果を期待できます。
昼間にだるさを感じる人、眠くなってしまう人
日中勤務している人にとっては厳しい時間帯ですが、人間の体内リズムから見て、お昼の3時~4時にトレーニングすると効果が絶大です。
交感神経を刺激して眠さやだるさを吹き飛ばすだけではなく、自律神経を整えて体の燃焼サイクルを最適化させる効果があります。
トレーニングできない環境の人は、前述の体幹トレーニングで立ち姿の確認だけでもしてみましょう。
全ての人に~入浴の習慣の見直しとセットで
普段からシャワーだけで済ませている人も、効果的に筋トレを行うために、「足湯」だけでもしてみましょう。水道代が気になる・バスタブが使えない人でも、洗面器などで足裏を温めても構いません。
温まった箇所は、それよりも上の箇所へと温度を伝えるので、ちょうど本題に上がっているお尻~太もも裏の部分にもほぐす効果が期待できます。
バスタブに入る週間がある人は、できればへそくらいの水位で、5分くらいで入浴を切り上げましょう。
筋トレの効果を最大限に引き上げるポイントは、交感神経を活発化させすぎない事です。特に下半身の筋肉は、眠る時に全身をリラックスさせる役割もあるので、入浴を長引かせて血行・神経のめぐりを活発化させるのも考えもの。
お風呂上りはすぐに身体を冷やさないように衣服を着て、立ち姿の確認から柔軟、トレーニングに着手しましょう。
具体的なトレーニング方法について
柔軟の基本的なやりかた
故障や不調を防ぐために、まずは柔軟から開始しましょう。
おしりの筋肉を伸ばす
- まずは座った姿勢で両手の手のひらを身体の後ろ側に着け、両足の膝を肩幅程度にひらいて足を立てましょう。
- その状態で、片足のふくらはぎをもう一方の太ももにのせます。
- 両手から体を押し出して、お尻の筋肉が伸びているを感じたら、その状態で10秒キープ。
ふともも裏の筋肉を伸ばす
- 両足を地面に投げ出し、背筋はピンと張ります。
- 片足をまげてもう一方の足のふとももあたりに足裏をつけてます。
- この状態で、伸ばしている足のつま先を両手で抱え、顔は地面に伏せるようにして10秒キープ。
これらを基礎ストレッチに加えて、本格的なトレーニングの方法を見ていきましょう。
正しいスクワットの仕方
前述の基本姿勢を日常から意識・トレーニングの前後にこころがけるようにした後は、早速トレーニングに入ってみましょう。
まずは、下半身トレーニングで有名な「スクワット」から。
基本的には太もも前部分を鍛えるトレーニング方法ですが、正しいフォームで・ゆっくりとやることを心がければ、お尻もしっかりと鍛えることができます。
そこで、手順をご紹介いたします。
- 両足は肩幅よりも若干広く、肛門を引き締めて立つ
- 膝の頭をつま先と同じ方向に向けるように、ややガニ股の状態で腰を下ろす(このとき背筋はまっすぐと)
- 太ももが床と平行の状態になったら、ゆっくりと立ち合がる
注意すべきポイントは、このとき膝が内側に入らないようにすることです。
これを20回1セットとして、1~2セットから始めましょう。最終的には3セットを1日に2回程度実施できるようになることが目標です。
膝を大きく出すスクワットの方法
前述の基本的なスクワットに慣れてきたら、もう少しきつめのトレーニングに入りましょう。
手順は以下の通りです。
- 体幹トレーニングとして紹介した立ち姿をキープする。
- 肩から腰と膝を一直線にした状態で、ゆっくりと膝を曲げていく。(このとき、足首は曲がってかかとが地面を離れている状態)
- 両手を後方に下げ、かかとにつけるようにする。
これらスクワットが出来るようになれば、体幹の基本は完成してくるので、あとはお尻~太もも裏を重点的にトレーニングする方法を実践するだけです。
お尻から背筋までの筋肉をまずは鍛える
太もも裏の筋肉を鍛えるために、お尻から上までをしっかりとささえられるようにしましょう。
方法は以下の通りです。
- 四つん這いの状態で、膝と手は肩幅程度に開いておく。
- 片足を後ろに蹴り上げ、そのまま足を内側から外側に回転させる。
これで股関節も柔らかくなり、いよいよ実践的なトレーニングが可能となります。
その場で歩く運動
大前提として、床に対して頭の先まで垂直にまっすぐに立っていられるようにしなければなりません。
- 背筋を伸ばしたまま、片足をあげる。
- 片足をできるだけ前に大きく踏み出す。
- 踏み出した姿勢のまま、もう一方の足の膝をつま先と一直線になるように落とし、床につける。
- 最初に踏み出した足で反動をつけて、1の姿勢に戻る。
- その勢いで、最初に踏み出した足を後ろへ降る。
- 最後に、最初に踏み出した足の膝を地面につける。
これを両方の足で実践していきます。
おすすめの器具~シンプルな負荷でも簡単に鍛えられる
スポーツ用品店に行くと、足に巻き付けるタイプのダンベルが販売されています、実はこれが至極優秀で、自重トレーニングだけではトレーニング効果が薄いと感じたら、是非導入してみましょう。
このダンベルを装着した状態で、その場で足ふみ運動をするだけでも、十分に目的の箇所を鍛えることができます。