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筋力アップのメカニズムと筋トレの効果を最大限にする食事のタイミング

投稿日: 2018年11月17日

筋トレと食事の関係性を表すイメージ

より美しい身体を作るため、また健康のために筋トレを行っている方も多くいると思います。できれば簡単に筋肉を付けたいが、なかなか筋肉がつかない…。頑張っているが結果が出ないという方!筋肉を作るための食事の内容やタイミング間違っていませんか?

今回は筋トレに効果的な食事のタイミングについて一緒に考えてみましょう。

筋力アップのメカニズム

筋肉ってどうやって動くの?

筋肉トレーニングをする男女

筋トレを行っている時、筋肉の中ではどのような現象が起こっているのでしょうか?

筋肉の最小単位は、アクチンとミオシンといった筋タンパク質です。この筋タンパク質が集まって筋原線維となり、またその筋原線維がたくさん集まり筋繊維を作り、数千から数十万という筋線維が束になって、皆さんのよく知る筋肉と呼ばれる塊となります。この筋肉が収縮するということは、アクチンとミオシンの動きによって引き起こされます。

例えば、私が手を動かそう!と思ったとき、大脳皮質から「手を動かせ!」という運動指令がでます。この運動指令が電気信号として脊髄を下りて、脊髄にある運動ニューロンに伝達されます。
この運動ニューロンにて、動かしたい筋肉に電気信号が伝わり、神経伝達物質としてアセチルコリンを介して筋線維に伝わり、カルシウムイオンが放出され、アクチンフィラメントがミオシンフィラメントの中央へ滑走すると、私の手は動くわけです。つまり筋肉が動くというのは、アクチンとミオシンが滑走するということになります。

また、このアクチンとミオシンが滑走する時、ATP(筋肉を動かす唯一の物質)が必要とされ、それを生成する過程でエネルギーが必要になってきます。

では、人体はいったいどのようにしてATP(アデノシン三リン酸)を体内に作り出しているのでしょうか?

ATP(アデノシン三リン酸)の生成の過程は、人体のエネルギー源である「ブドウ糖」を酸素で解糖することでATPが生み出されます。ブドウ糖が酸素によって解糖され「酸化」されることで、ATPなどのエネルギーを生み出す「代謝」を行います。
これらのことから、筋収縮にはエネルギーと筋タンパク質が必要であることがわかりますね!

どうやって筋肉を大きくするの?

 

人間の体の大半はタンパク質で作られており、役に立たなくなったタンパク質を取り除いたり(分解)、修復したり(合成)、また元々のタンパク質の複製を新しく行っています。

新しく複製した筋肉はより密度が高くなり、ストレス耐性がついたりと、以前の筋肉と比べてレベルアップします。これが筋力アップであり、筋肉を大きくするには、この筋タンパク質の合成が必要です。

筋タンパク質は、24時間、いつも合成と分解を繰り返しており、筋肉の量が維持されているのは、この合成と分解の量がつり合っているからです。そのため、筋肉を大きくするためには、筋タンパク質の合成を促進して、分解を上回るようにしなければなりません。

では、どのようにして合成を促進するのでしょうか?

先でもお話ししたように、筋肉の収縮は運動神経からの司令により、筋線維が収縮することによって起こります。この筋線維の収縮が実は筋タンパク質の合成を高めるスイッチになるのです。

スイッチが入ると、筋タンパク質の合成は主に3つの因子によって促進されます。

筋線維を収縮させる時、筋小胞体から「カルシウムイオン(Ca2+)」が放出されます。また、筋線維の収縮それ自体が刺激(メカニカルストレス)となり、細胞膜を構成する「ホスファチジン酸(PA)」が増加します。さらには、細胞の成長を調整する「インスリン様成長因子(IGF-1)」の分泌が増加します。
このカルシウムイオンの放出・ホスファチジン酸の増加、インスリン様成長因子の分泌増加により「哺乳類ラパマイシン標的タンパク質(mTOR)」が放出されます。
このmTORは細胞の増殖や分化、自食作用などをコントロールする重要な役割を担っており、活性化されたmTORは、筋タンパク質の合成を促進させるp70Slキナーゼ(p70S6K)を活性化させるとともに、合成を抑制する4EBP-1を不活性化させることによって、筋タンパク質の合成を増大させます。

やや難しい話になりましたが、筋肉を収縮させることで様々な物質が放出され活性化されることにより、分解<合成となることで筋肉が大きくなるということです。

しかし、活性化され、「タンパク質を合成しよう!」と筋肉がやる気をだしても、使えるタンパク質は限られているため、筋力アップには食事からタンパク質合成のための栄養素を補給することが必要となるのです。

このタンパク質ですが、人が食事でタンパク質を摂取し消化されると、アミノ酸として血液に取り込まれ、筋肉へ運ばれてきたアミノ酸が、筋タンパク質を合成するのに利用されます。

筋タンパク質の合成は血液中のアミノ酸の量により刺激されるので、アミノ酸の量が増えれば増えるほど、筋タンパク質の合成が促されます。

この筋タンパク質の合成に使われるアミノ酸は、必須アミノ酸と呼ばれ体内で作ることができないため、食事からタンパク質として取り入れる必要があるのです。

近頃の研究で、特に必須アミノ酸の中でもロイシンが筋タンパク質の合成により関与していると言われています。

では、このタンパク質を摂取するタイミングは決まっているのでしょうか?

筋トレを行うと合成と同時に筋繊維が断裂し分解も進んでしまいます。研究にて筋トレ後1~2時間は合成が優位に働いており、その後48時間も少しだけ合成の方が優位になるという研究結果があり(Dreyer HC, 2006またPhillips SM, 1997)、タンパク質の摂取は筋トレ後1~2時間が一番効果的であることが分かります。

そのため、運動後1~2時間後にタンパク質を多く含む食事を摂取することが重要となります。では、タンパク質が多い食事はどのようなものでしょうか?

一番早いのは、ロイシンを含むサプリメントやプロテインの服用ですが、食事で補う場合はどのような食事を摂取すればよいのでしょうか?

タンパク質が効率的に取れる食べ物

タンパク質を多く含む肉類は、牛ヒレ肉、豚ヒレ肉、豚もも肉、鶏むね肉、ささみ、レバー、砂肝。魚介類であれば、サケ、タラ、マグロ(赤身)、エビ、アジ、イカ、タコ。
上記に挙げた食材たちはどれも高タンパクな食材です。手軽な食材なら、コンビニで販売されている「サラダチキン」や「ゆで卵」もおすすめです。

筋トレ前のエネルギー補給!

タンパク質合成のメカニズムは上記のようになりますが、筋肉を動かすにはエネルギーも必要です。エネルギー消費は、始めに筋肉に蓄えられたグリコーゲン(ブドウ糖)が使われ、次に血液中のグルコース・脂肪酸が使われる。最後に、必要に応じて体内に蓄積された中性脂肪の分解でできた脂肪酸が使われます。

このことから筋トレ時、グリコーゲンを使用しますね!貯蔵しているグリコーゲンを急速に使用するため足りなくなると筋タンパク質を分解し始めます。そのため、筋トレ前の食事によるグリコーゲンとタンパク質の摂取も大切なのです。

プロテインを飲む男性

2~3時間前の食事であれば消化まで時間があるため、高タンパク質な食材やオートミールや玄米を摂取し、直前であればプロテインやバナナのような消化が早く吸収の早い食材を食べることがパフォーマンスの向上につながります!

まとめ

筋トレ時の食事のポイントとして、2~3時間前の栄養バランスの良い食事(または筋トレ前のプロテイン・バナナ)と筋トレ後1~2時間後の高たんぱくな食事を摂取することで、筋トレ時のパフォーマンスを最大限に発揮することができます。

筋トレを行う際はそのような点に気を付けて、是非食事を摂取してみましょう。