各種のリアレイズで三角筋後部を最大限に発達させるやり方
肩の筋肉である三角筋の後部を発達させるにはリアレイズが必要不可欠です。
三角筋の後部は背中の種目などでも間接的にある程度は刺激されますが、最大限に発達させるにはやはりリアレイズで直接的に鍛える必要があります。
リアレイズにはダンベルで行なうもの、マシンやケーブルで行なうものなどがあります。それぞれの筋トレ器具には特徴がありますが、肩甲骨の使い方など、効かせるためのポイントを押さえておけば応用が利きます。リアレイズの正しいやり方を解説します。
リアレイズの適正重量
筋トレを行なう以上、どんな種目でもできるだけ重い重量を扱いたくなるものですが、リアレイズではそれほどの重量は扱えません。
フォームを崩したり、振り回すように挙げても大して効きません。個々の筋トレ器具でのリアレイズでの適正重量について解説します。
ダンベルリアレイズの適正重量
ダンベルでのリアレイズの特徴は、トップポジションで最大負荷になるピークコントラクション系の種目であることです。
トップポジションに至るまでに振り回すようにしてダンベルを挙げてもそれほど効きません。正確なフォームでは思ったほどの重量を扱えないとしても、その方がよく効きます。
ケーブルリアレイズの適正重量
ケーブルにしても高重量が扱えない点では同じです。三角筋後部は非常に小さい筋肉ですから、周りの筋肉を使わなければさほどの重量は使えません。
正確なフォームが大事だと言っても、必要以上にゆっくり動かしてもかえって効きません。降ろすときはコントロールしながら、挙げるときは軌道を崩さずにスピーディーに挙げるようにします。
マシンリアレイズの適正重量
リアレイズマシンは体が固定される分、フォームが崩れにくいはずですが、可動域を狭くして必要以上の重量で行なっている例がよくあります。それではほとんど効きませんし、効果も限りなくゼロに近いです。三角筋後部のような小さい筋肉ほど可動域をしっかり使わないと効果がありません。
リアレイズでの適正重量はダンベルやケーブルと同様、フルレンジの可動域で行なった場合です。可動域いっぱいで確実に10回できる重量が適正重量です。
三角筋後部(リアデルト)のトレーニング、効果的なやり方について解説
リアレイズは片手でもできる
リアレイズは片手でもできます。やり方はそれぞれの筋トレ器具によって違います。
ダンベルの場合
ダンベルでのリヤレイズを片手で行なうにはフラットベンチに横向きになって寝て行ないます。横向きであることから、始点から終点までの可動域も非常に広くなります。
この態勢では上体を前傾させる基本的なパターンと違って、トップポジションで最大収縮にはなりません。可動域としては最大収縮点を超えて上腕骨が垂直になるポイントです。
ケーブルの場合
ケーブルの場合、両手でやるよりも片手の方がやりやすいです。
両手でもできますが、ケーブルが交差してやりにくいです。ケーブルが交差すると間違って手を離したときにも危険です。ケーブルでのリアレイズが最も片手で行なうのに向いています。
マシンの場合
リアレイズマシンは片手よりも両手で行なう方がやりやすいです。
片手でもできないことはないですが、バランスを取るのも、片方の負荷に引っ張られてやりにくいです。マシンでのリアレイズは両手で行なうのを基本だと考えた方がいいでしょう。
シーテッドリアレイズ
ベンチに座った状態でのリアレイズです。立って行なうよりも腰への負担が少ないことと、上体がぶれにくい点で立って行なうよりも安定感があります。ただし、脚がベンチの前にくるため、人によっては上体が窮屈に感じるかもしれません。
また、座った状態で行なうと、上体を前傾させる角度が足りなくなることがあります。トレーニングベルトを着けていると上体を前傾させにくくなりますから、外しておきましょう。
リアレイズマシン
リアレイズのためのマシンがいろいろと開発されています。代表的なものとして次のものがあります。
手でハンドルを持つタイプ
最も多く普及しているのが手でハンドルを持って動作するタイプです。背もたれパッドに上体が向き合った形で動作します。背もたれパッドに背を向ければ大胸筋のフライ運動としても使えます。
スタートポジションで三角筋後部が十分にストレッチできるようにハンドルの角度を調節します。運動中は肘が下がらないように注意します。肘が下がると三角筋後部から負荷が逃げます。
肘パッドを押すタイプ
肘でパッドを押すタイプも最近普及するようになりました。肘で押す方がハンドルを持つよりも力が出るメリットがあります。
しかし、手でハンドルを持つタイプの方が効かしやすい人も少なくありません。どちらのタイプも使える環境にあるなら、両方試してみましょう。
ケーブルで行なうリアレイズの特徴
ケーブルでのリアレイズには上記の片手で行ないやすいという以外に次のような特徴があります。
立った状態でもできる
ダンベルの場合は座っていても立っていても上体を床と平行になるぐらいまで前傾させる必要がありますが、ケーブルであれば立った状態でも運動できます。上体を前傾させてもできますから、やりやすい方法を選択しましょう。
負荷が均等にかかる
ケーブルでのリアレイズの良いところは三角筋後部に始点から終点まで均等に負荷がかかることです。
ダンベルの場合、収縮したポイントでの負荷は強いですが、ダンベルを降ろすほどに負荷が軽くなる欠点があります。
動きが直線的
ケーブルはマシンの動きとしては直線的になりますから、三角筋後部に効かせるためには使う側が弧を描くようにコントロールする必要があります。
ダンベルであれば器具の軌道そのものを自分でコントロールできますが、ケーブルの場合は始点から終点まで動きとしては弧を描くことなく直線で動きます。
これはケーブル系マシンの構造上仕方ないことです。そのマイナスを使う側のトレーニーが工夫して直線の動きを円弧に変えるようにします。
ハンドルの平滑度も意外に重要
ケーブルでのリアレイズは必ず片手用のハンドルを使います。このハンドルは手で握る部分がローラーになっていて回転するように出来ています。
このローラーが滑らかに回転しないと三角筋後部に効かしにくくなりますので、ハンドルを使う前にローラー部分が滑らかに回転するかを確認しましょう。
ライイングリアレイズ
フラットベンチにうつ伏せになって行なうリアレイズです。三角筋後部をフリーウエイトで鍛えるのに理想的なフォームになります。
ベンチの高さが重要
フラットベンチにうつ伏せになるため、ベンチの高さが重要です。
座って丁度良い高さだとすると、ライイングリアレイズ用にはちょっと低過ぎるかもしれません。高さが低いとダンベルを下げたポイントで床に当たってしまって、必要な可動域を確保できない可能性があります。腕が長い人ほどそうなります。
そのため、実際にやってみてベンチの高さが明らかに足りない場合は、ベンチの脚の下にブロックを置くかバーベルのプレートを敷くなどして高さを高くする必要があります。
フラットベンチは角度は変えられるモデルはジムに普通にありますが、高さを調節できるタイプはあまり置いていません。
使用できる筋トレ器具
ライイングリアレイズで重りとして使用するのはダンベルが一般的ですが、ケトルベルも使えます。
しかし、ケトルベルは手の甲が上向き状態になりますので、親指を下に向けられるダンベルの方が三角筋後部に効かしやすいです。
頭を上げない
うつ伏せになって動作する際に、頭を上げないように気をつけましょう。
顔は必ず下に向けたまま維持します。頭を上げると三角筋後部にかかる負荷が逃げてしまいます。
インクラインリアレイズ
上記のライイングリアレイズと同様に、三角筋後部を鍛えやすいやり方です。インクラインリアレイズには次のようなメリットと注意点を見ておきましょう。
腰への負担が少ない
上体をベンチに預けることができるので、腰への負担を大幅に減らせます。
ダンベルを持ってのリアレイズは決して高重量を扱うわけではないので、ベントオーバーローイングやデッドリフトのような負担にはなりませんが、腰が弱いとか痛めている場合にはやはり負担になります。
インクラインベンチを使えば、そのような場合の解決策になります。
三角筋後部を直撃する
インクラインベンチを使用することで三角筋後部を直撃します。角度が固定されていて、上体の位置が固定されるので、三角筋後部にかかる負荷が一定します。
角度を浅くする
インクラインベンチの角度は浅くします。45度ぐらいまでが最大限です。これ以上の角度にすると、三角筋後部からの負荷が逃げます。角度が急過ぎると、刺激が三角筋後部から側部の方に移ってしまいます。
どの角度までが後部に効くかは個人差がありますから、45度以下の中でいろいろと試してみましょう。
ベルトは外す
トレーニングベルトを必ず外しておきます。
上体に対して垂直に負荷がかかる運動ではないので腹圧をかける必要もありませんし、ベルトを着けているとベンチのレザーが痛むからです。
まとめ
各種のリアレイズをご紹介しました。リアレイズはダンベル、ケーブル、マシンなどいろいろなやり方がありますが、注意すべきは決してやり過ぎないことです。リアレイズで鍛えられる三角筋後部というのは非常に小さな筋肉ですから、やり過ぎれば容易にオーバーワークになります。
1種目か多くても2種目で十分です。三角筋後部は肩の運動だけでなく、広背筋を鍛える際にもかなり間接的に使っていますから、直接的なリアレイズをやり過ぎるとオーバーワークなだけでなく他の筋肉を鍛える際のケガの原因にもなります。
重量にしても正確なフォームであれば大した重量は扱えません。
フォームを崩したりして無理に高重量を扱ってもさほど利きません。
確実に扱える重量で必要最小限に鍛えるぐらいの感覚で十分です。
重量にこだわらずに効かせることに集中しましょう。