ワンハンドローイングで広背筋にMAX効かせるやり方のコツ【重量選定に注意!】
背中の広背筋を鍛える、非常に効果的な筋トレ種目のひとつがワンハンドローイングです。この種目は非常に効果的である一方で、平均的な初心者にとっては効かすのが難しいところがあります。
扱う重量にしてもどのぐらいの重量が適性なのかに迷うトレーニーが少なくありません。
しかし、この種目を上手く使いこなすことができると、広背筋を発達させるだけでなく、背中の筋トレメニューも組みやすくなります。
ワンハンドローイングで扱える平均的な重量
ワンハンドローイングでは効果的な繰り返し回数としておすすめなのが6回から10回で限界がくるぐらいの重量です。この範囲で平均的な筋力の初心者や女性などが扱える重量について検証してみたいと思います。
初心者の場合
初心者の場合、筋力が弱いのもさることながら、ワンハンドローイングの動作にも慣れていませんから、軽い重量から始めるのがおすすめです。
平均的な筋力であれば15㎏から20㎏は扱えるでしょう。これ以上の重量でも引けないことはないですが、初心者の場合、重量が重過ぎるとワンハンドローイングで効かせるのが余計に難しくなります。
まずは15㎏あたりから始めて徐々に重量を増やすようにしましょう。
中級者の場合
1年から2年ほどトレーニングを続けた中級者レベルであれば、6回から10回を30㎏ほどの重量で無理なく引けるようになっているでしょう。
筋力の伸び率はかなり個人差がありますから、これはあくまでも目安です。スタート時点が平均的な筋力だとした場合の例です。
女性の場合
女性の場合は初心者男性よりもさらに筋力が弱いのが一般的ですから10㎏でもちょっと重いかもしれません。
10㎏で試しにやってみて、フォームが崩れるようなら、重量を減らして5kgあたりからスタートしてみましょう。
女性の場合、個人差もありますが、上半身の筋力を伸ばす方が下半身よりも時間がかかりますから、重量に意識が振り回されないようにじっくり動作に慣れるようにしましょう。
経験者の場合
経験者であれば、ワンハンドローイングでもかなりの重量が扱えるようになります。これも個人差がありますから一概には言えませんが、40㎏から50㎏ぐらいなら扱えるようになることが多いです。ただし、ワンハンドローイングの重量でも注意すべきはフォームが正確にできることが前提であることです。
フォームを崩せばそれだけでかなり扱える重量が増えます。よくある例が可動域が狭くなることです。
ワンハンドローイングは完全に引き切れないとあまり効きません。
しかし、もの凄い重量を扱っている人は往々にして可動域が非常に狭いです。
フォームが崩れるとベテランほど矯正が難しくなります。一度扱うようになった重量を減らすのはプライドが邪魔したりして、なかなかフォームの矯正ができなくなるのが難しいところです。
ワンハンドローイングで鍛えられる部位
ワンハンドローイングで鍛えられるのは主に広背筋の中部から下部にかけてと大円筋です。片手づつで行なうので、広背筋の伸展と収縮に集中しやすく、高重量も扱いやすいので初心者からベテランまで広背筋の発達にかなりの効果があります。
鍛えられる主動筋としては広背筋と大円筋ですが、間接的には僧帽筋、三角筋後部、菱形筋、前腕、握力も鍛えられます。しかし、ターゲットはあくまでも広背筋と大円筋です。
前腕や握力は副次的な効果だと考えた方がいいでしょう。ただし、パワーグリップやストラップを使用した場合は前腕や握力の強化にはあまり効果がなくなります。
主に鍛えるべきは広背筋と大円筋ですから、負荷がこれらの筋肉に集中するように鍛えましょう。
三角筋後部も間接的に鍛えれると言っても、できるだけこの筋肉を使わないようにすべきです。あくまでも間接的に刺激するぐらいの気持ちで十分です。
ワンハンドローイングのやり方
ワンハンドローイングの正しいやり方について解説します。効かせるポイントを押さえておかないとなかなか効かすのが難しい種目です。
特に初心者は広背筋を意識しにくいので余計にその傾向が強くなります。
フラットベンチがない場合の対処法
ワンハンドローイングは片腕づつで行なうことで広背筋の伸展と収縮が意識しやすいメリットがありますが、運動している片腕以外のもう一方の腕で体を支えるとバランスが取りやすいです。
そのためにワンハンドローイングで最もよく使われているのがフラットベンチです。フラットベンチに片脚の膝を乗せて、片腕で上体を支えてバランスを取ります。
これが最もオーソドックスなやり方です。
あるいは片膝をベンチに乗せるのではなく、片腕だけをベンチに乗せてバランスを取る方法もあります。
しかし、自宅筋トレをしている人で、フラットベンチがない人もいるでしょう。その場合は椅子なども活用できます。それもない場合は片手で支えることなく片手だけでワンハンドローイングを行なうことになります。
これは理想的な方法ではないですが、無理な方法というわけでもありません。
バーベルでのベントオーバーローイングや両手にダンベルを持ってのローイング運動であれば、何も支えがなくてもできるからです。
この場合、重過ぎる重量ですと、重量に引っ張られて体のバランスを取れませんから、かならずストリクトなフォームが維持できる重量を使用しましょう。
理想的な上体の角度
ワンハンドローイングの運動中、上体の角度が立ち過ぎると広背筋や大円筋の収縮と伸展が小さくなりますから、上体は床から平行に近い角度を維持するようにします。フラットベンチに片手をついた状態で運動すれば自然にその態勢になります。
ダンベルを引き切ったときの肘の角度はあまり気にしなくてかまいません。90度以上を維持するように指導しているトレーナーなどもいますが、ダンベルを引き切った際の肘の角度というのは、腕の長さなどにも影響されるので個人差があります。
それよりも広背筋をしっかりと伸展、収縮させることに意識を集中しましょう。
ダンベルを引く位置
ダンベルは腕を伸ばし切ったポジションから真っすぐに引くのではなく、肩関節を基準にして弧を描くようにして引きます。
引き切ったポジションとしては脇腹あたりの位置になるでしょう。
上腕骨の長さによってもフィニッシュポジションが微妙に変わりますが、肩関節を中心にして弧を描いて引くということを覚えておきましょう。
ワンハンドローイングの呼吸法
ワンハンドローイングの呼吸法はダンベルを引きながら大きく息を吸い、降ろしながら息を吐きます。
ダンベルを引く際に吸い始め、引き切るタイミングで吸い切ります。
そして、降ろしはじめると同時に息を吐き始め、広背筋を伸ばし切ったタイミングに合わせて吐き切るようにします。
ベンチプレスなどのプッシュ系の種目では息を止める場面がありますが、ワンハンドローイングではそれがありません。息を吸っているか吐いているかの場面しかありません。
呼吸を止めて上下するように指導している書籍もありますが、努責作用の危険性を考えるとおすすめしません。
まとめ
ワンハンドローイングは広背筋を大きく広くする効果が最大級の筋トレ種目のひとつです。いくらマシンが開発されても人気が衰えることがないのはそのためです。
広背筋や大円筋を発達させるだけでなく引く力も強化しますから、ワンハンドローイングで強くなれば他のローイング系の種目も強くなります。
難点としてはフォームが崩れやすいことです。高重量にこだわるあまり、フォームが崩れているトレーニーが非常に多いです。フォームが崩れるとなかなか直せません。重量にこだわってフォームが崩れた場合、特にそれが言えます。
この場合、フォームを直すためには重量を大幅に減らすしかありません。
フォームの崩れで多いのが可動域が狭くなることです。
ワンハンドローイングで一番難しいのがダンベルを引き切る場面ですから、重過ぎるとこれができなくなります。
自分のフォームが合っているかをチェックする最も簡単な方法がダンベルを脇腹まで引き切れているかを確認することです。
ダンベルを引き切ってから一瞬止めておけないのであれば重量が重過ぎます。
ワンハンドローイングの際にトレーニングベルトを着用すべきかは微妙なところです。
体に垂直に負荷がかかるわけではないので、それほど必要はないですが、上体を前傾させていても腹圧がかかりますから、実際にやってみて腰に不安を感じるなら着用するといいでしょう。