筋トレ前後の豆乳は避けた方がいい?豆乳のデメリットと上手な飲み方

投稿日: 2018年09月22日

豆乳をコップに注ぐ様子

大豆から作られる豆乳は、高タンパク、低脂肪の食品として人気があります。

ダイエットを意識している女性の中には、牛乳の代わりに豆乳を愛用しているという方も多いと思います。
ただし、筋トレ前後のタンパク質補給源として考えたとき、実は豆乳には大きなデメリットがあるのです。

なぜ豆乳を避けた方がいいのか、その理由とデメリットを軽減させる豆乳の摂り方を紹介します。

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そもそも豆乳とは?

豆乳を飲むところ

豆乳は、大豆を水に浸し、水と豆を煮つめて作る飲み物です。
簡単にいうと、大豆の煮汁のようなものですが、白く不透明な見た目や食味などが牛乳とよく似ていることから、豆乳と呼ばれます。

日本豆乳協会によると、豆乳の発祥は中国で今から2000年ほど前になると考えられています。

日本では、寺院などを中心に鎌倉時代から飲用されていたようですが、飲料として一般に親しまれるようになった歴史は浅く、昭和50年代前後のようです。

豆乳の栄養成分

「畑の肉」と称される大豆が原料ですから、まずタンパク質が豊富で、100g中にタンパク質が32g含まれています。
そのほかには、B群、E、Kなどのビタミン、カリウム、鉄などミネラル、食物繊維などが含まれます。特に多いのはビタミンEで、100gで一日の必要量の15%摂取することができます。

筋トレ前後に豆乳を飲まないほうがいいのはなぜ?

タンパク質の吸収を阻害する

タンパク質が効率的に取れる食べ物

タンパク質と一口にいってもいろいろな種類が存在します。
大豆にもいくつかのタンパク質が含まれているのですが、そのなかに、トリプシン・インヒビターというタンパク質があります。
このトリプシン・インヒビターが、タンパク質の吸収を邪魔する働きを持っているのです。

トリプシン・インヒビターは、体内に入ると、すい臓から分泌されるタンパク質分解酵素、トリプシンの働きを阻害するように働きます。
タンパク質はアミノ酸に分解されなくては吸収されません。そのため、せっかく豆乳に含まれているタンパク質も、多くが吸収されないまま、便と一緒に排出されてしまうことになります。

筋トレを行うと筋肉中のタンパク質が消費されます。
そのため、トレーニング前後にタンパク質の補給をおこたると、かえって筋肉がやせてしまうのは、よく知られていますよね。

つまり、トレーニング後に豆乳を飲むと、大切なタンパク質が補給されないため、トレーニングの効果も上がらないことになるのです。プロティンを溶かすとそちらの吸収も阻害されますから、補給の効率が非常に悪くなってしまいます。

トリプシン・インヒビターは大豆そのものに含まれている物質ですから、大豆製品には軒並み含まれています。しかし豆乳に含まれているものは、消化酵素のトリプシンと特に結びつきやすく、その分、タンパク質吸収を阻害する力も強いわけです。

ミネラルの吸収が低下する

ミネラル

トリプシン・インヒビターのように、摂取することでかえって栄養摂取が低下するような物質は、アンチニュートリエント(反栄養素)と呼ばれます。

豆乳には、こうしたアンチニュートリエントがもうひとつ含まれています。それが、フィチン酸で、これはアミノ酸であるイノシトールの有機リン化合物になります。

フィチン酸には、金属イオンと強力に結合するという性質があります。そのため、消化器の中で、鉄、亜鉛、マグネシウムといったミネラル成分と結合してしまいます。

フィチン酸と結びついてしまうと、ミネラルは水分に解けることができなくなるため、体に吸収されず、そのまま排出されてしまいます。
特にフィチン酸と結合しやすいミネラルは、鉄、そして亜鉛です。

鉄は、血液中のヘモグロビンを生成するミネラルで、エネルギーの代謝にかかわっています。
亜鉛も新陳代謝やエネルギー代謝をになっていますが、体内のタンパク質の合成という、筋トレする人にとっては無視できない重要な働きがあります。

フィチン酸の働きで、これらの鉄、亜鉛の吸収が低下すると、筋肉量の増加も低下しますし、女性の場合はダイエット効果も低くなってしまうのです。

アンチニュートリエントを取りのぞくには?

加熱する

トリプシン・インヒビターはタンパク質であることは、前述したとおりです。
タンパク質はそれぞれさまざまな機能を持っていますが、共通した性質として、加熱すると変性し、持っていた機能を失います。

卵を茹でると雛がかえることができなくなるのを想像してください。
トリプシン・インヒビターも同様で、熱を加えることによって、アンチニュートリエントとしての働きは失われます。

富山短期大学の研究によると、90度以上で10分間加熱すると、トリプシン・インヒビターは10分の1程に減少します。
ただ、豆乳の量が少ないと蒸発してしまうかもしれませんね。

発酵させる

発酵させてヨーグルトにしたもの

加熱法は、トリプシン・インヒビターを減少させるには効果的ですが、もう一方のフィチン酸には効果がないという弱点があります。

発酵は、トリプシン・インヒビターと、フィチン酸、両方を減少させることができます。
方法としては、豆乳でヨーグルトを作って、それを摂取するのが簡単です。

豆乳500mlに、市販のプレーンヨーグルトを大さじ3杯ほどまぜ、常温で発酵させます。
夏は6時間、春・秋は24時間、冬は48時間ほどかかります。

ヨーグルトメーカーがある方は、そちらを使うともっと早く発酵させることができます。
ヨーグルトの酸っぱい香りがしたら、完成です。

注意点は、容器を消毒してから作ることと、種ヨーグルトは必ず糖分の入っていないプレーンタイプを使うことです。糖分があると発酵に時間がかかってしまいます。

豆乳以外から大豆プロティンを摂る(番外編)

ここまで読んで面倒なので豆乳はあきらめようという方も多いかもしれませんね。
でも、動物性タンパク質のアレルギーなどがあるので、タンパク質は大豆を活用したい、もっと手軽に大豆を摂りたい、という方もあると思います。
そうした場合は、納豆がおすすめです。

水戸納豆

納豆は発酵食品ですから、発酵の段階でトリプシン・インヒビターも、フィチン酸も失われており、安心して食べることができます。

パックを開ければすぐに食べることができますし、ひきわり納豆に大根おろしなどをまぜておくと、つるりとのどを通るので、筋トレのあとでも抵抗なく食べることができるのではないでしょうか。

豆乳にはメリットもたくさんあります

これまで解説してきたように、タンパク質の補給源としては、豆乳には大きなデメリットがあります。
ですが、デメリットであるアンチニュートリエントを取りのぞけば、豆乳にはメリットも多いです。

豆乳のメリットも紹介しておきましょう。

ローカロリーである

カロリーを調べるお医者さん

豆乳は比較的脂質の少ない食品で、たとえば100g中の資質を比べると、牛肉や豚肉の約半分しかありません。

ダイエットしている方やコレステロールを気にしている方には、カロリーをあまり気にせずにタンパク質を摂ることができる心強いアイテムです。

イソフラボンで美容と健康効果

イソフラボンは大豆ポリフェノールの一種。女性ホルモンのエストロゲンと構造が似ているため、エストロゲンの代替ホルモンとしての役割が知られています。

エストロゲンは、肌や髪をやわらかくしなやかに保つ機能があるため、女性の美容をサポートします。
骨を丈夫にする機能や血液中のコレステロール、中性脂肪を排出させる機能もあるため、男性の健康維持にも役立ちます。

サポニンでダイエット効果

サポニンは「シャボン」の語源になったといわれる成分で、文字どおり、シャボンと同じように油脂を溶かして除去する機能があります。

サポニンを摂ると、血中のコレステロール、中性脂肪が減少するだけでなく、小腸から脂肪が吸収されるのを抑制するため、ダイエット効果、動脈硬化などの生活習慣病の予防といった効果も期待できますよ。