理学療法士が推奨!バストアップに効く大胸筋のトレーニング
年齢を重ねごとに、徐々に胸が垂れているように感じませんか?
実は胸は「大胸筋」という筋肉に支えられており、大胸筋の筋力が弱くなると垂れると言われています。
若い人と比較すると筋肉量は徐々に減っていき、最近の働く女性はジムに行く時間と体力がありません。そんな女性のために、簡単にできるバストアップのための大胸筋トレーニングを、理学療法士の視点からお伝えします。
大胸筋とは?3つの線維について
大胸筋とは胸の位置にある大きな筋肉です。
大胸筋は3つの線維に分かれています。鎖骨についている「鎖骨部線維」、肋骨についている「肋骨部線維」、腹直筋についている「腹部線維」があります。これを上部・中部・下部と分ける場合もあります。
大胸筋は別名「抱きしめる筋」と言われており、抱きしめる時にもっとも働く筋肉です。
なぜ大胸筋がバストアップに効果があるの?
女性の胸は脂肪でできています。そのため、何もせずに年齢を重ねていくと下に垂れてきてしまいます。
大胸筋は脂肪の胸の奥で支えている働きをしています。そのため、大胸筋が弱くなると、徐々に下に垂れてきてしまいます。
一番大事なのは「肋骨部線維」
肋骨部線維は肋骨に付着している筋線維です。そのため、胸のちょうど奥に位置します。
腹部線維も一番下の部分なので大事ですが、肋骨部線維の方が大きいため、一番胸を支える作用があります。
「鎖骨部線維」は鍛えたらいけないのか
鎖骨部線維は鎖骨部に付着する一番上部にある線維です。肋骨部線維と比較すると小さいです。
鎖骨部線維を鍛えることは良いのですが、硬くなってしまうと問題です。硬くなってしまうと、鎖骨を前下方に引き下げてしまいます。鎖骨が前下方に引き下げられると、肩全体が前に移動し、猫背のような姿勢になります。
猫背のような姿勢になると、背中が曲がってしまい、より胸が垂れるような姿勢となってしまいます。そのため、鍛えるなら肋骨部線維と腹部線維が大事です。
鎖骨部線維が硬い人が多い
実際、鎖骨部線維が硬い人がとても多いです。先ほど、大胸筋は抱きしめる筋肉と言いましたが、実際日常で抱きしめることはほとんどありません。
では、いつ大胸筋を使っているのでしょうか?
例えば、デスクワークでパソコンを打っている時、思い荷物を持っている時などに使っています。
この時、手は胸から下に位置した状態が多いです。すると、鎖骨部線維が主に働きます。そのため、働く女性が増えた今、鎖骨部線維が硬い女性が増えています。
「大鋸筋」と「小胸筋」
大胸筋のほかに小胸筋もあります。残念ながら中胸筋はありません。
小胸筋は肋骨と肩甲骨についています。小胸筋が硬くなると、肩甲骨を前に傾ける作用があります。
肩甲骨が前に傾くと猫背の姿勢にもなります。そのため、小胸筋や大胸筋鎖骨部線維が硬い人はストレッチをすることをおすすめします。
どうしても姿勢が悪いと正しい運動はできません。筋力トレーニングとストレッチはセットで行う事が大事です。
大胸筋の筋力トレーニング方法
先ほども述べたように正しい姿勢で行うことが大事です。椅子に座った姿勢で行います。では、実際のトレーニング方法を記載していきます。
- 椅子に座ります。この時、背中が丸くならないように姿勢正しく行います。背中だけでなく少し胸を張るような姿勢にします。
- 自分の顔の前で手のひらと肘を合わせます。この時、肩関節と肘関節が90°になるように手を合わせます。左右差がないようにまっすぐ顔の正面で合わせます。
- 手と肘を合わせたら、今度はゆっくり息を吸いましょう。
- 息を吸ったら、ゆっくりと息を吐きながら、両手と肘が離れないように上にあげていきます。この時、姿勢が丸くならないように注意してください。早く動かさず、ゆっくり動かしてください。
- 上まで手をあげたら、ゆっくりと息を吐きながら戻します。
- これを繰り返し行います。
トレーニングの注意点
この大胸筋の筋力トレーニングもいくつか注意点があります。
まず、トレーニングを行う時に、大胸筋を意識して行うことが大事です。筋力トレーニングでは、筋肉に対して意識するだけで筋力アップに効果的と言われています。
説明でも記載しましたがゆっくり行う事が大事です。このトレーニングではバストアップを目的としているため、決してパワーをつけているものではありません。
パワーをつけるのであれば、ダンベルなどを用いて負荷をかけて早く動かして行うのが最適です。
しかし、これは胸を支えるための大胸筋のトレーニングです。そのため、早く動かして負荷をかけた方が筋トレのように感じますが、バストアップの効果とは別です。
早く動かすよりもゆっくり動かす方が筋出力はアップします。そのため、このトレーニングでは、ダンベルなどの負荷を行わない分、ゆっくり行って筋出力を上げて鍛えます。
また、このトレーニングを行うにあたって、顏の前で両手はくっつくけど、肘はくっつかないという人もいると思います。この原因として広背筋の硬さがあります。
広背筋は上腕骨から背部についている筋肉なのですが、このトレーニングの姿勢で広背筋は伸張されます。そのため、広背筋が硬い人はストレッチをしてから行うと効果的でしょう。
しかし、肘がつかないからと言って、肘が胸より下の位置で行うと、鎖骨部線維優位で鍛えられるので、効果的ではありません。
筋力トレーニングを行うのに効果的な時間帯
筋力トレーニングを行う時間を気にしたことはありますか?
行う時間によって効果が変わります。最適な時間帯は「入浴後」です。
入浴によって身体が暖められ血流が良くなっている状態です。そのため、筋肉は柔らかくなっています。
筋肉は働く時に、その筋肉に対して血液が流れ酸素供給などしています。そのため、血流が良い入浴後の方が筋力を発揮しやすい状態となっています。
筋力トレーニングの頻度
筋肉のパワーをつけるなら、何回も行った方が良いです。しかし、今回のバストアップを目的とした大胸筋のトレーニングは回数よりも、丁寧に意識して行う事が大事です。
5回を3セットで、一気に15回するのではなく、間に休憩を入れると良いです。
このセットの間に、胸を張るようにして大胸筋を伸ばしてください。筋肉が柔らかくなることで、血流が良くなり筋肉が硬くならずに鍛えることができます。
その他の大胸筋のトレーニング
有名なトレーニングとして、「腕立て伏せ」があります。これは大胸筋を鍛える効果的なトレーニング方法です。
上記で述べたトレーニングよりも負荷が強いため無理せずに行いましょう。
腕立て伏せも同様に大胸筋を意識しながら行います。
まず、意気を吸いながらゆっくりと肘を曲げて、身体を床の方に下げます。そして、ゆっくり息を吐きながら、大胸筋を意識しながら身体を押し上げます。
腕立て伏せは全身を使うトレーニングなので、バストアップのほかに、お腹や二の腕を鍛えるのにも効果的です。
腰が反った状態で行うと、腹筋に力が入っていない状態なので、必ずまっすぐ姿勢を保ちながら行って下さい。
腕立て伏せが苦手な人は、足の指で支えるのではなく膝で支えて行うと楽にできます。また、肩幅よりも広い位置に手を置くと負荷量は増え、大胸筋の外側を鍛えれます。逆に、肩幅よりも狭い位置に手を置くと、大胸筋の中心部を鍛える事ができます。
筋肉のボリュームを出したい人には腕立て伏せをおすすめします。
まとめ
今回は2つのトレーニング方法をご紹介させていただきました。
1つ目のトレーニングの方が負荷は少なく、テレビを見ながらやお風呂に入りながらでもできます。
鍛えるには継続的にやることが大事なので、忙しい女性にとっては簡単に行えるトレーニングが適していると思います。
どちらのトレーニングも、姿勢正しく、ゆっくりやることが特徴です。
日常生活にこれらのトレーニングを取り入れて、バストアップして綺麗なスタイルをゲットしてください。