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指立て伏せの効果と鍛え方!できない理由やレベル別セット数も紹介

投稿日: 2018年07月28日

指立て伏せをする人

空手をやっている人なら指立て伏せという鍛錬法をご存じでしょう。普通の腕立て伏せでは手のひらで体を支えますが、指立て伏せでは指先で体を支えます。

指先だけで体全体を支えるわけですから、その分、ハードルが各段に高くなります。

指立て伏せは腕立て伏せの中で最もハードな鍛え方であり、誰にでもできるものではありません。できない人、不向きな人もいます。指の形によっては、指立て伏せをしてはいけない人もいます。

指立て伏せで指の力が強化されることで、指で全体重を支えた倒立や倒立したまま歩行することまでも可能になります。指立て伏せについて解説いたします。

指立て伏せができない!できる条件とは?

問題を指摘するイメージ

指立て伏せは指の力で体を支えて行なう運動ですから、強くなれるかどうかは指の形によってかなり左右されます。指の形によって向き不向きがあるわけです。

単に向き不向きのレベルにとどまらず、指立て伏せをやってはいけないタイプの指もあります。指立て伏せで強くなるための条件についてご紹介します。

指が反っていないこと

指の第二関節が反っている人は指立て伏せには向きません。程度にもますが、反り方が大きいほど指立て伏せを行なうと指を痛める危険があります。

第一関節は誰でも大なり小なり反っていますが、第二関節については、反らない人はまったく反っていません。そういう人が指立て伏せでは有利です。

指の第二関節が大きく反ってしまうタイプの人は無理に指立て伏せをすると指を骨折する危険があります。指が真っすぐで反らないことがまずは指立て伏せの第一条件です。

指が細過ぎないこと

指が細過ぎる人も要注意です。指の第二関節が反っていないとしても、体重の割に指がかなり細いようなら、徐々に慣らしていくようにしましょう。

ただ、指が細くても骨が強くて大丈夫な場合もありますから、かなり個人差があります。

手の大きさについて

大きい手のビジネスマン

手の大きさそのものは直接的にはそれほど影響がありません。手が大きければ指が負荷に耐えやすい傾向はありますが、それ以上に指の形の方が問題です。

手の大きさというのは身長や前腕骨の長さに比例していることが多いです。例外はあります。身長の割に手が大きい人、逆に小さい人など、いろいろなタイプの人がいますが、ある程度は比例しています。

指立て伏せの理想としては手が大きくて、骨が太く、かつ指の第二関節が真っすぐなことであると言えますが、これらの条件をすべて満たしている人はそう多くはありません。

実際に指立て伏せを行なっている人でも、それほどの条件を満たしてはいないことの方が多いです。

指立て伏せの効果

指立て伏せの効果として第一に挙げられるのが、指が負荷に強くなることです。

指だけで体を支えての腕立て伏せですから、たしかに指が強くはなります。指が強くなることで、以下のようなことが可能になります。

空手の抜き手が強くなる

指が負荷に強くなっても、一般的にはそれほど役に立つことはありませんが、空手をやっている人などにとっては意味があります。

空手には指を伸ばした状態で攻撃する「抜き手」という技があります。空手の高段者の中には、この「抜き手」で畳をぶち抜くような人もいます。

現在の空手界では「抜き手」を特化して鍛えている人は少ないですが、かつての極真空手の初期の時代には本当に抜き手で畳をぶち抜ける人がいました。

畳みを素手でぶち抜くというのは大変はことです。畳は貫通力に対して非常に強く、戦争のときなどには、2枚重ねて敵国のライフル弾を阻止できるほどでした。それを素手でぶち抜くなどというのは超人技です。しかし、現代の空手家はそのような技にはあまり熱心ではありません。直接打撃制の空手を普及させた極真空手の創始者である大山倍達先生の初期のお弟子さんたちの中にはこの畳ぶち抜きの荒業ができる人がいました。

また、抜き手では飛んできた西瓜を破壊するということもできる人もいました。置いてある西瓜をパンチで砕くなるならわかりますが、飛んでくる西瓜となると難易度がはるかに高いです。飛んでいる物体に力を加えるというのはタイミングがちょっとでもズレたら無意味になってしまうからです。しかし、この西瓜割以上に畳を抜く方が難しいです。

指だけで支えて逆立ちができるようになる

逆立ちをする女性

指立て伏て伏せで指が強くなれば、両手の人差し指と親指だけで全体重を支えて逆立ちをすることも夢ではありません。

逆立ちしたまま、さらに歩行することもできる人もいます。逆立ちして歩くというのはバランスの問題もあって、指の力だけではできませんが、指立て伏せで指の力が強くなれば、壁に足をかけた状態の逆立ちができるようになります。これならばバランス能力はそれほど問題になりません。

ブルース・リーもこの指立て伏せがかなり強く、エキシビジョンで人差し指と親指だけで支えて腕立て伏せをやってみせたことがあります。しかもこのときの腕立て伏せは片手でしたから、ブルース・リーの実力はやはり本物だったのでしょう。

具体的にどのぐらいで逆立ちができるかですが、両手の親指だけで100回、親指と人差し指の2本で支えて150回きっちりできれば両手の親指と人差し指での逆立ちが可能です。

上記のように何もないところでの逆立ちはバランスの問題で難しい人でも、壁に足をかければバランスの問題は解消します。

若き日の大山先生を描いた梶原一騎氏原作の漫画「空手バカ一代」の中で、大山先生が両手の親指だけで100回の指立て伏せを達成した後に両手の親指だけで逆立ち歩行する場面が出てきますが、これはさすがに誇張しているでしょう。
親指の2本だけでは支点が2つしかないわけですから、どんなにバランス感覚が優れた人でも逆立ち歩行はできません。しかし、親指と人差し指での逆立ちだけなら現実にできた人が少なからずいます。

握力はそれほど強くならない

握力の計測器

指立て伏せで鍛えると握力が強くなるという説がありますが、あまりアテになりません。上記の大山倍達先生は全盛期には握力が100キロ以上あったそうです。握力が100以上というのは、どの分野のアスリートでも滅多にいませんから凄い筋力です。
大山先生は親指と人差し指と中指の3本の指で10円玉を曲げることもできました。これは単に握力が強いだけではできない芸当です。

その大山先生が指立て伏せで鍛えることを著書などでも強く推奨していました。指立て伏せを親指だけで100回できれば10円玉が曲げられると仰っていましたが、仮に親指で100回、親指と人差し指で150回ぐらいできれば逆立ちはできるようになります。しかし、10円玉を曲げるような握力にはなりません。

指立て伏せで鍛えた結果、畳を抜くほどではなくても、抜き手が強くなった人や、指だけで支えて逆立ちができるようになった人は少なからずいますが、10円玉を曲げたのは大山先生だけです。かつて1979年にアントニオ猪木と戦った格闘家で力技師のマイク・デイトンも手錠を切ったり、10円玉を3本指で曲げることができましたが、指立て伏せで鍛えたのではなく、筋トレで鍛えています。

指立て伏せの鍛え方

次に、具体的に指立て伏せで鍛える方法をご紹介します。前提条件としては、ある程度は指立て伏せに向いている指の形と手の条件を備えていることです。

両手5本の指で体を支えてみる

まずは両手の5本指で体を支える練習から始めます。やったことがない人は5本指でも指が震えて安定しなかもしれません。フォーム自体は普通の腕立て伏せと同じですが、それでは自信がなければ、膝をついた状態から始めてみれば、やりやすいでしょう。

そして、体を支えるのに慣れてきたら、次はそこから下まで降ろして指立て伏せを開始します。

腕力自体は耐えられても指の方が負けてしまって、多くの回数はこなせないでしょう。そこから徐々に回数を増やすようにします。

普通の腕立て伏せで50回ぐらいできるなら、5本指で30回ぐらいまではすぐに追いつきます。

徐々に指の本数を減らしていく

両手5本の指である程度の回数ができるようになったら、徐々に指の本数を減らしていきます。両手5本の次は小指をやめて4本、その次が薬指もやめて3本、さらにその次は親指、人差し指、中指の2本で行なうようにします。そして親指1本での挑戦になります。

個々の指の組み合わせで鍛える

指立て伏せの指の本数を減らしていくだけでは、減らされた方の指は鍛えられませんから、それらの指も鍛えられるように組み合わせます。仮に両手の親指と人差し指だけでできるなら、他の指との組み合わせでもやってみましょう。親指と中指、薬指の組み合わせ、親指と薬指、小指との組み合わせなどがあります。

さらに指が強くなって、親指だけでできるようになったら、親指だけ、人差し指と中指の2本の組み合わせなどにも挑戦してみるといいでしょう。親指1本よりも人差し指と中指の組み合わせの方が回数をこなすのが難しいです。

親指はその太さ、手首との位置関係などで、支える力が他の指に比べて各段に強いです。両手の親指だけで100回できるとしても、人差し指と中指の組み合わせだと20回ぐらいしかできません。

セットの組み方

トレーニング スケジュール

指立て伏せの具体的なセットの組み方をご紹介します。

初心者の場合

両手5本ずつでやっとできるぐらいのレベルであれば、単純にその5本指づつで限界まで行なって、1セットで十分です。

余力があるなら5本ずつのままで2セットから3セット行なってもいいでしょう。ただし、指の力がない間はあまり無理をしないようにしましょう。

中級レベルの場合

親指と人差し指、中指の3本でできるのであれば、1セット目を両手5本で限界まで行ない、次のセットで小指を除いた4本で限界まで、そして最後のセットで親指、人差し指、中指の3本で限界まで行なうというのがいいでしょう。

上級レベルの場合

親指だけとか、親指と人差し指の2本で繰り返せるぐらいになったら指立て伏せの上級レベルです。このレベルまできたら、1セット目は親指だけで限界まで、あるいは親指と人差し指の2本で限界まで行ない、次のセットからは上記でご紹介したいろいろな指の組み合わせで鍛えるようにします。

可能性としては親指と人差し指の2本で150回か、親指1本だけで100回というのが現実的な目標です。そのレベルまでなら過去にも達成者が少なくありません。そこからさらに上となると、さすがに少ないです。人差し指1本で繰り返せる人はかなり稀です。

まとめ

指立て伏せについてご紹介しました。指立て伏せで握力が強くなるという説には期待できませんが、指の力が強くなることは間違いありません。ここで、指立て伏せの副作用についてですが、本当に親指だけで100回とか親指と人差し指で150回できるまで鍛えたら、指先にタコができます。筋トレを本格的に行なっている人は手のひらにタコができるでしょう。空手家なら巻き藁打ちやサンドバッグ打ちで拳骨にタコができます。

それと似たような感じで指先にタコができるのが指立て伏せです。そこまで鍛えたら、特に役に立つわけではないですが、地味に凄いことです。指立て伏せでできる回数と普通の腕立て伏せではできる回数がかなり違います。腕の力よりも指の方が先に負けてしまうからです。そのため、大胸筋や上腕三頭筋を鍛えることで言うなら、指立て伏せは普通の腕立て伏せに効果で負けます。

よほど指の耐久力がない限りは、指立て伏せで普通の腕立て伏せほどには回数をこなせません。そのため、指立て伏せは指の力を強くするのが主な目的だと考えた方がいいです。大胸筋や上腕三頭筋を鍛えるのが主な目的であるならば、普通の腕立て伏せを併用する方法もありますが、指立て伏せができるようになると、指立て伏せだけで十分という気持ちになるでしょう。

ここでご紹介したレベルまで指立て伏せで鍛える人はなかなかいませんが、現実にできるようになったら、普通の筋トレはまた違った達成感を味わえるでしょう。