本ページはプロモーションが含まれています

前脛骨筋とは?鍛える重要性と効果的な鍛え方

投稿日: 2018年06月27日

前脛骨筋の構造図

前脛骨筋(ぜんけいこつきん)は、つま先を引き上げる動作に大きく関わってくる筋肉です。特に歩行動作においては非常に重要な役割を果たし、前脛骨筋がしっかりと機能することで、私たちは年齢を重ねても自分の足で生活することが出来るのです。

そこで、前脛骨筋の働きや前脛骨筋を鍛える重要性、前脛骨筋の効果的な鍛え方について紹介していきます。

前脛骨筋とは?

前脛骨筋とは「足首を引き上げる筋肉」

前脛骨筋の人体構造図

膝下の下腿と呼ばれる部分の、前面にある筋肉です。
脛骨と呼ばれる下腿の大きな骨の上部から、足底の内側にかけて筋肉が走行しています。

前脛骨筋を使った際は、脛の外側に使用感が出たり、痛みが出るでしょう。

主に、足首を曲げつま先を引き上げる動作(背屈)や、足首を内に返す(内反)において働いています。

前脛骨筋は地面と接地する足部をコントロールする、非常に重要な筋肉と成ります。
従って、歩行動作や立位動作において非常に重要な役割を果たしているのです。

前脛骨筋を鍛える重要性

高齢になるにつれて、筋力が低下することで多くなってくるのが転倒事故です。
歩行動作に関わってくる前脛骨筋の弱化が、大きく関わってくるのです 。

若い時は転倒が大きな事故に繋がらなくとも、高齢者が転倒した場合、予後の状態を左右する事態にもなりかねません。

骨密度も老化とともに低下しており、転倒の際に骨折を引きおこしてしまうことも非常に多いのが現状です。

要介護になる原因の約12%が、転倒・骨折が原因と言われています。

転倒し骨折などの大事故になることで、長期間寝たきりになってしまい、一気に筋力が衰えるだけでなく、運動しないことで認知機能なども低下してしまうこともあるのです。

前脛骨筋の働き

前脛骨筋は、足首を引き上げたり(背屈)、足首を内に返す(内反)だけでく、足底に土踏まずと呼ばれるアーチを作る働きをしています。
このアーチは、扁平足や外反母趾を防ぐためにも非常に重要な働きをしているのです。

前脛骨筋が作る足底アーチの重要性

通常、私たちの身体は足底がアーチ状になっていることで、足底にかかる体重を分散し歩行時に加わる衝撃を和らげています。
そのため、アーチがなくなると様々な疾患を引き起こす可能性が高まってしまいます。

アーチがなくなった状態が、「扁平足」と言われる状態です。
扁平足になると、アーチがないため足底が常に地面と接することになり、足底にある足底筋膜と言われる筋膜が傷つけられてしまいます。
そのため、長時間歩いたり、立ったりすると足の裏に痛みが出てしまうのです。

また、アーチがなくなると体重が内側に対して強く加わるようになります。親指に対して過度に体重がかかり続けると、「外反母趾」を引き起こす可能性も高まります 。

外反母趾になると母子の飛び出しを押すと痛みが出たり、靴を履くと痛みが出ます。酷い状態に成ると、何もせずとも痛みが出る場合もあります。

前脛骨筋を鍛えることは、転倒防止などの役割を果たすだけでなく、扁平足や外反母趾など、様々な疾患を防ぐことにも繋がるのです。

前脛骨筋を鍛えるためには?

前脛骨筋とは、足を引き上げる動きにおいて特に働く筋肉になります。
従って前脛骨筋を鍛えるためには、足首を引き上げる動作を多く取り入れていくことが必要となってきます。

それでは、ここから前脛骨筋を鍛える方法について、紹介していきます。

足首の引き上げ動作(背屈運動)

足首の引き上げ動作(背屈運動)で、前脛骨筋を鍛えることが出来ます。

つま先を遠くに伸ばした状態から、大きく引き上げる動きを繰り返します。

筋肉は一番伸ばされた状態から縮むことで、大きな力を発揮することが出来ます。
従って、つま先を可能な限り遠くに伸ばした状態からスタートし、更に引き上げられる限界まで大きく動かすことが重要となります。

また、ハムストリングと言われる太腿の裏側が硬いかた(前屈をした時につま先に手が届かないかた)は、立って膝が伸びた状態でなく、座って膝を曲げた状態で行った方がより足首を大きく動かすことが出来ます。

負荷がない状態では簡単すぎる、という方はつま先にゴムチューブのようなものを引っ掛けて、負荷を加えることも可能です。
ご自身の身体の柔軟性や、筋力の状態を見て、実施する姿勢や負荷を調節してください。

また足首を伸ばす・引き上げるという動作だけでなく、引き上げた状態で5~10秒程度保持することも効果的です。
足首を動かすトレーニングと、保持するトレーニング、それぞれ実施してみて下さい。

動画:トウ・レイズ/前脛骨筋(すねの外側)

蹲踞座り

蹲踞座り 杖道の稽古着

蹲踞座りを行うことで、前脛骨筋を鍛えることが出来ます。

蹲踞座りとは、膝を折り、身体を丸めて座った状態です。体育座りでお尻は地面についていない状態をイメージしてもらうと、分かり易いかもしれません。

蹲踞座りをする際、重心が後方にあるため後ろに倒れそうになります。
その際に前方へ身体を戻すために前脛骨筋が働き、姿勢を保とうとしてくれるのです。

一見簡単そうに見えますが、この姿勢実はかなり難しいんです。
特に身体の柔軟性が低く、足首や骨盤周りの柔軟性が低いかたは、蹲踞座りになることがまず大変でしょう。

蹲踞座りの状態で、姿勢を保持するだけでもトレーニングになりますが、重心を後方へずらし、足首を引き上げる動きを意識して前方へ姿勢を戻すという動きを繰り返すことで更に効果的なトレーニングとなります。

難易度を上げるとすれば、蹲踞座りの姿勢をとった後、前方へ進む動きを行うとより前脛骨筋が使われます。
進むという動きが加わるため、更につま先を引き上げる必要があり、より前脛骨筋の働きが活発になるのです。

階段昇降

踏み台昇降

階段昇降を行うことで、前脛骨筋を鍛えることが出来ます。

階段昇降は、日常生活でも意識出来るトレーニングです。

歩行動作は無意識の動きとなるため、日常生活の中で「足首を引きあげて歩こう!」とはほとんど意識していませんよね。
足首の引きあげを意識して階段を上るだけでも、十分なトレーニングとなります。

踵歩き

踵歩きを行うことで、前脛骨筋を鍛えることが出来ます。

足首を常に引き上げた状態を保ち、踵だけ接地させ歩行します。

一見簡単そうに見えますが、バランスの保持も難しく、非常に難易度が高いことがやってみるとわかるかと思います。

まずはバランスが取れる程度につま先を引き上げ、動作を実施してみましょう。

坂道ランニング

坂道ランニングする小学生

坂道をランニングすることでも、前脛骨筋を鍛えることが出来ます。

坂道ランニング、これは特に何も意識せずとも、かなり前脛骨筋が使われます。

大半のかたが翌日、脛が筋肉痛になると思いますよ!

傾斜を走るため、無意識によりつま先を引き上げる必要があるのと、引きあげていない後方の足についても、傾斜に足を接地させているため、常に前傾骨筋を働かせて姿勢を支えなくてはいけません。

坂道の傾斜によっては、かなりの負荷が加わること間違いなしです。

まとめ

前脛骨筋の働き、鍛える重要性、そして鍛え方について説明してきました。

歩行や立位、私たちの日常生活の中では非常に重要な役割を果たす筋肉が、この前脛骨筋だったんですね。

また足のアラインメントを整える上でも、前脛骨筋は重要な働きを果たします。

足底からラインが整うことで、下肢のボディラインも良い変化が出てくることが期待出来ます。
女性は特にうれしい効果なのではないでしょうか。

更に、私たちが年を取っても元気に生活していくためには、前脛骨筋を鍛えていくことは非常に重要です。

歩行動作、階段昇降など日常生活の中でも、前脛骨筋を鍛えるために意識出来ることはたくさんあります。
日々の生活の中からまずは意識してみてはいかがでしょうか。