腹横筋を鍛えるメリットと効果的な3つの鍛え方
腹横筋というと、どこの筋肉なのかよくわからないという人も多いと思います。腹横筋は、腹筋の横の筋肉でインナーマッスルの1つです。
この腹横筋は、実はダイエットにも、筋肉質な体を作る為にも大切な筋肉なのです。ここでは、腹横筋とはどこかというところから、鍛えるメリット、そして鍛え方について詳しく説明します。
腹横筋とはどこの筋肉なのか?
腹横筋はインナーマッスルの1つ
腹横筋(transversus abdominis)というと、その字のごとく腹筋の横の筋肉です。お腹部分にはいろいろな筋肉がありますがそのなかで1番内側の筋肉になり、肋骨で守られている胸部とは違って、この筋肉が体幹を安定させる役割もしている為に、天然のコルセットとも呼ばれています。
そして腹横筋は、小さめの筋肉で内蔵を守る役割もあるインナーマッスルの1つです。
腹横筋の役割
腹横筋の1番大切な役割と言うと、体を安定させることです。腹部には背骨がありますが、前面には体を安定させるような骨はありません。その為お腹部分には骨がない代わりに腹横筋があり、これがコルセットのようにお腹部分を安定させているのです。
腹横筋を鍛えるのが大切と言われる理由は、腹横筋を鍛えていないと体をしっかりと保つことが出来ないので猫背になってしまったり、座ったりした時も安定が悪いので他の部分に負担がかかって腰痛や肩こりを引きおこしてしまうからです。
その他にも、インナーマッスルを鍛えることで、新陳代謝や脂肪燃焼がアップするので痩せたいという人にも、腹横筋のトレーニングはおすすめです。
腹横筋を鍛えるメリット
腹横筋を鍛えるメリットは、3つあります。
1つは基礎代謝アップと脂肪燃焼、2つ目は体幹が鍛えられる、3つ目は便秘解消です。では1つ1つを見ていきましょう。
腹横筋を鍛えると基礎代謝と脂肪燃焼がアップして痩せやすくなる
基礎代謝というのは、生きていくために最低限必要な消費エネルギーのことで、ただ座っていたり、何もしなくても消費するエネルギーのことです。この基礎代謝は10代後半からだんだんと下がってくるものです。基礎代謝を上げると、何もしなくても消費するエネルギーが増えるということで、痩せやすい状態になります。
腹横筋は、体幹を支える大切な筋肉の1つで、ここを鍛えると基礎代謝が増えます。また腹横筋を鍛えて基礎代謝が増えると、脂肪燃焼もしやすくなるので、いわゆる太りにくい体質にしてくれるわけです。
体幹が鍛えられるので、肩こりや腰痛にも効果的
体幹というのは、腹横筋、横隔膜、多裂筋、骨盤底筋群の4つの筋肉の総称で、体の中心とも言うべき胴体のことを表しています。
つまり腹横筋を鍛えると、体幹も同時に鍛えられるということになります。
体幹というのは、呼吸、姿勢維持などにも関わってくる大切な場所で、この体幹を鍛えると、猫背などにならずしっかりと姿勢を保つことができたり、座っていても安定しているので、肩こりや腰痛改善にも効果的なのです。
腹横筋は腹圧を正常にして便秘解消にも効く
腹横筋というのは、腹部のコルセットのような役割をしていると言いましたが、腹横筋があることで内蔵を正常な位置でしっかりと保つことができるのです。
姿勢が悪い人というのは、腹横筋の筋力が低下している為に、体をまっすぐと安定させることができないので起こることが多く、内臓も正常の位置よりも下がってしまい、排便する時に必要な腹圧も低下してしまうので便秘になりやすくなります。
腹横筋を鍛えると、姿勢もよくなるので内臓を正常の位置に保つことができ、腹圧も正常になるので、排便に必要なぜん動運動を活発にして便秘を解消してくれます。
腹横筋の鍛え方
腹横筋の鍛え方というと、そこだけを集中して鍛えるのかなと思いがちですが、腹横筋自体は小さめの筋肉ですから、そこだけピンポイントで鍛えるトレーニング少ないです。
ですから、ほとんどのトレーニングは、同時に体幹を高めるものだということを覚えておいてください。
ドローイン
ドローインのやり方は、寝てやる方法と立ってやる方法の2つがあります。ここでは寝てやる方法を説明しましょう。
- 仰向けに寝てください。
- お腹の上に手をのせて、そこに意識を集中させます。
- 鼻から息をゆっくりと吸い込んで、お腹を膨らませていきます。
- いっぱい吸い込んだら今度は口から、息をゆっくりとはいていき、お腹を凹ませます。
- 息を出し切ったら、お腹を凹ませたまま20~30秒間キープします。
- 5回繰り返します。1日の目標は5~8セット。慣れてきたら1回の回数を10回に増やすと良いです。
ドローインをするコツ
ドローインは簡単ですが、腹横筋を鍛えるためにとても効果的なトレーニングです。
ドローインのコツは、最初は少し大げさにお腹を膨らませたり、凹ませたりすることです。
鍛える部分は腹横筋やその周辺ですから、姿勢をしっかりと保ちながらしましょう。慣れてきたら、たった状態でしてみるのもおすすめです。
また他の体幹トレーニングの前の準備体操としても、効果的ですからまずはドローインをしてみましょう。
動画:お腹やせのコツ~ドローインのやり方~【コナミメソッドまとめ】
プランク
体幹を鍛えるトレーニングでは、絶対に出てくると言っても良いぐらい有名なトレーニング方法です。
別名フロントブリッジともいって、肘を曲げた腕とつま先で体を支えます。簡単そうですが、やってみると一定時間この体勢を保っているのが辛いので、最初は20秒とか30秒など少しずつ長くしていくことをおすすめします。
- うつ伏せになり、肘を曲げた状態でつけ、つま先もつけます。
- 低めの腕立て伏せのように、体を床から離し、その姿勢をキープします。
- 1回は30秒~60秒程度キープして、その後30秒間のインターバルをおいてまたプランクをします。1セット5回として、1日2~4回ぐらいを目標にしましょう。
プランクのコツ
プランクのコツは、体を真っ直ぐに保つということです。
よくある間違いとして腰が高くなったり、低くなったりしてしまうことがあります。また両肘は肩の下になるようにしないと、腕などに余計な負荷がかかって痛めてしまうこともあります。
初めてする場合は、鏡でフォームをチェックするか、家族に見てもらうと姿勢の間違いを改善することができます。
少し慣れてきたら、姿勢をキープする時に息をゆっくりと吐きながらお腹を凹ませていけば、さらに効果的です。
20~30秒のキープが難しいという場合は、10秒など少しずつ慣れていくようにしましょう。
動画:お腹と背中の贅肉を燃やせ!30日間プランクチャレンジのやり方
ヒップリフト
ヒップリフトは、体幹を鍛えるのと同時におしりや太ももの裏の引き締めにも効果的です。
- 仰向けに寝ます。
- 膝を曲げて、立てます。
- 手は開いて、体の横におきます。
- .息をゆっくりとはきながら、おしりを少しずつ持ち上げていきます。
- 5秒ほどその姿勢をキープしてから、ゆっくりとおしりをおろしていきます。
- 1セット10回、1日3?5セットを目安にしましょう。
ヒップリフトのコツ
ヒップリフトは、早くおしりを上げたり下げたりすると良いという運動ではありませんので、呼吸を意識しながらゆっくりと上げたり下げたりしましょう。慣れてきたら、キープの時間を長くするとさらに効果的です。
動画:ヒップリフト/お尻を鍛える/スロートレーニング実践講座
ここでは3つの腹横筋を鍛えるトレーニングをご紹介しました。腹横筋を鍛えるトレーニングは他にもいろいろとありますが、大切なことは無理をせずに続けていくことです。
筋肉を鍛えるのは1週間や2週間といった、短時間では難しいからです。最低でも1ヶ月ぐらいを目標に、自分でもできるトレーニングの組み合わせを考えましょう。
また、早く鍛えたいからと言って、筋肉痛になるほどたくさんやってしまうと、筋肉をつけるどころか、全くの無意味ということにもなりかねませんから、最初は少しずつ、だんだんと増やしていくようにすることが大切です。