ラットマシンの特徴と広背筋に効かせる効果的な使い方

更新日: 2018年05月27日

ラットマシンでラットプルダウンを行う男性

背中の筋肉の中で上体のシルエットに最も影響を与えるのが広背筋です。広背筋を大きく広くする定番の筋トレ器具がラットマシンです。広背筋をどれだけ広くできるかがマッチョでカッコいいシルエットになるかが決まると言っても過言ではありません。

逆三角形のシルエットにするには肩幅が広い骨格を持っているなどの素質的な部分が重要ですが、広背筋をいかに鍛えるかで、結果が大きく違います。ラットマシンの効果や正しい使い方について解説します。

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広背筋を鍛えるための定番の筋トレ器具

ラットマシンは背中の筋肉で一番大きな広背筋を鍛えるための定番の筋トレ器具です。定番であるとともに人気も効果も高いです。

なぜ定番になっているのか、理由を探ってみましょう。

チンニングができない人でもできる

チンニング(懸垂)をする男性

ラットマシンがまだなかった時代、広背筋を鍛えるための代表的な筋トレ種目はチンニングでした。チンニングとは懸垂のことです。男性であれば中学や高校の体力測定でやったのを覚えているでしょう。女子の場合は普通の懸垂ではなく、筋力に合わせて斜め懸垂をやっていました。

このチンニングですが、体重全体を背中と腕の力で引き上げるわけですから、できない人はほとんどできません。男性でも1回もできない人が珍しくありません。平均的に筋力が男性よりも弱い女性であればなおさらできません。

そういう、チンニングができない人でもラットマシンならできます。チンニングも広背筋を鍛える効果的な種目ですが、ある程度の回数がこなせないようでは効果も何もありません。ラットマシンで鍛えることで筋力が伸びれば無理なくチンニングもできるようになるでしょう。

ただ、女性に関してはいくらラットマシンで鍛えてもチンニングで回数をこなせるようになるのは難しいです。実際、かなり本格的に筋トレを行なっている女性でも、チンニングを楽に繰り返せる女性は滅多にいません。

重量を細かく調節できる

ラットマシンが使いやすいのは使用重量を細かく調節できることと、差しピン1本で重量を簡単に変えることができるのが大きいです。

差しピン式のマシンが普及する以前のラットマシンはパーベルのプレートを重ねてウエイトにする構造だったため、重量を変更するのが結構面倒でしたが、現在はよほど古い設備のジムでもない限り、差しピン1本で簡単に重量を変えることができて、非常に便利になっています。

多角的な鍛え方ができる

ラットマシンは広背筋を多角的に鍛えることができます。上からバーを下に引き降ろすという構造は同じでも、バーやハンドルを変えることで多角的に広背筋を鍛えることができます。

基本的には広背筋の上部を強く収縮させますが、ナローグリップのハンドルを使ったり、上体を後ろに反る姿勢でハンドルを引けば、上部だけでなく、中部から下部までにも効果的に効かせることが可能です。そういう意味でラットマシンは広背筋をかなり多角的に鍛えることができます。

上腕三頭筋も鍛えられる

上腕三頭筋 筋肉のイメージ

ラットマシンで鍛えられるのは背中だけではありません。ラットマシンプレスダウンという種目があるように、上腕三頭筋を鍛える上でも定番の筋トレ器具になっています。

上腕三頭筋を鍛えるために使用する際には、ストレートバーでもいいですし、もっと短いアームカール用のハンドルを使ってもいいでしょう。

ケーブルクロスオーバーマシンで使う片手用のハンドルを使えば、ラットマシンプレスダウンを片手で行なうこともできます。工夫次第でいろいろな使い方ができるのがラットマシンのメリットです。

ラットマシンで広背筋に効かせる使い方

広背筋 人体構造図

ラットマシンで広背筋に効かせる使い方を解説します。バーを引くだけの単純な動きのようでも、効果を引き出すには、以下のようなポイントがあります。

バーを降ろす位置

ラットマシンのバーの降ろす位置は頭の前と後ろがあります。どちらが効くかは個人差があります。どちらに引いても同じぐらい効く人もいれば、どちらかの方がより効くなど、ラットマシンの効き方にも個人差があります。実際にやってみて、自分に合っている位置を確認してみましょう。

ラットマシンの多くはもともと頭の前に降ろして胸のあたりまでバーを引くことを想定して作られています。これは安全上の理由もあるでしょう。

頭の後ろにバーを引くとなると、胸の上部に引くのに比べて見えにくいので、初心者がケガする可能性を考慮していると考えられます。

ハンドルの選び方

ラットマシンはバーやハンドルをつけ替えて使用します。基本的なバーをストレートバーに変えたり、ナローグリップのハンドルに替えることで広背筋を多角的に鍛えることができます。

両端が曲がっている基本的なタイプのバーやストレートバーが広背筋の上部を鍛えて広さをつけるのに効果的です。

これに対して、ナローグリップのハンドルを使うと広背筋の下部に効かせることができます。広背筋のどの部分をターゲットにするかで、ハンドルを選ぶようにしましょう。

バーを下まで引き切る

ラットマシンで広背筋に強く効かせるにはバーやハンドルを下まで引き切ることです。下まで引き切れないとしたら、重量が重過ぎます。その場合は重量を減らしましょう。

重量にこだわるあまり、一度増やした重量を減らすのに抵抗があるかもしれませんが、筋トレで成功している人は、そういう場面で修正ができるタイプの人です。

重量にこだわって、可動域が狭い動きを続けていれば、どれだけラットマシンを使おうとも、効果らしい効果は上がりません。

十分にストレッチさせる

広背筋を伸ばし切ったポイントでしっかりとストレッチさせることです。このストレッチがラットマシンで効果を上げるために極めて重要です。

ここでいうストレッチは広背筋を伸ばし切ることであって、肘を伸ばすことではありません。

肘を伸ばし切っているのに、広背筋の方は十分に伸びていないという例がよく見られます。肘を伸ばすことよりも広背筋を伸ばすことを意識してください。

手に力を入れない

ラットマシンで背筋を鍛える女性

ラットマシンの効かし方の大きなコツが手に力を入れないことです。高重量を扱う以上、手に本当に力を入れないというのはわかりにくい表現ですが、バーを握るためのグリップではなく、バーが手から外れないようにするためのグリップをすることが広背筋に効かせるコツです。

握力というのは、握るための力よりも、離さないための方が力があります。デットリフトで300キロ以上を引ける人でも握力としてはそれほど強くない場合が多いのを見ても、握る力よりも離さない力の方が強いことがわかります。

パワーグリップは本当に必要か

ラットマシンを使う際に手からバーが外れないようにパワーグリップやストラップを使うトレーニーが多いですが、本当に必要なのかを検証することなく、何となく使っている場合が少なくありません。

握力が弱いなどの理由で明らかに重量に負けるのであれば、ぜひ使うべきですが、考えられているほど必要なものではありません。これらのギアが本当に必要かを検証してからでも遅くありません。

トレーニングベルトは必要ない

ラットマシンを使う際にトレーニングベルトは必要ありません。

トレーニングベルトは体幹に対して上から負荷がかかる際に腹圧を高めて、体幹を安定させるための筋トレギアです。

ラットマシンでは腹圧が強くかかる種目ではありませんから、トレーニングベルトは必要ありません。

参考動画:ラットプルダウンのフォーム|広背筋を効果的に効かせるやり方

ラットマシンを使う際の注意点

ジムに設置されているラットマシンの多くは最高重量が250ポンドか300ポンドに設定されています。250ポンドは113キロ、300ポンドは136キロです。ジムにある筋トレ器具のほとんどが外国製なのでポンド表示になっています。113キロや136キロもあれば十分な重量ですが、筋力が非常に強い人であればそれでも足りなくなることがあります。

その場合、特殊な器具を使って、ラットマシンにバーベルのプレートを足して加重することができますが、本来はNGです。個々のジムで自主基準でどこまで重量を足しても大丈夫なのかを決めていたりしますが、作っているメーカーからは禁止されています。

ラットマシンには、「ウエイトスタックを決して改変してはいけない」とメーカーからの注意書きが貼ってあります。メーカーとしては安全率を考慮してある程度は加重されても大丈夫なように作ってはいても、基本的には設定されている以上の重量に加重するのを認めていません。メーカー推奨の重量の範囲で使用するようにしましょう。

まとめ

ラットマシンは広背筋の主に上部に効くものとされていますが、厳密にはどの範囲まで効くかはかなり個人差があります。広背筋の機能は共通していても、筋肉の形は個人差があるからです。広背筋の上部の方に筋量が多いタイプの人もいれば、逆に広背筋の下部の方の筋量が目立つタイプの人もいます。

上部から下部にかけて全部の部分で筋量が多くてV字になっているのが理想ですが、日本人でそういうタイプの広背筋の人は稀です。日本人の場合、背中などの背面の筋肉よりも大胸筋など、体の前面にある筋肉の方が発達しやすい傾向があります。それだけに余計、背中を鍛える必要があります。

ラットマシンは基本的な使用方法であれば、広背筋の上部に効きやすく、背中を広くする効果が大きいですが、ナローグリップのハンドルにして、上体を反らしてハンドルを降ろす位置を大胸筋の下あたりにすることで、中部から下部までも効かせることができます。そうすることで背中の幅だけでなく厚みもついてきます。

また、背中だけでなく、ラットマシンプレスダウンで上腕三頭筋も鍛えることができるのもラットマシンの便利なところです。

さらに応用すれば上腕二頭筋のカールにも使えます。工夫次第でかなり多角的に筋肉を鍛えることができるのがラットマシンです。