大殿筋の鍛え方8選!道具あり・なしで出来るトレーニング法まとめ
男性なら厚い胸板、大きな肩、太い腕、女性なら引き締まったウエスト、脂肪のないすっきりした腹筋など、ダイエットや筋トレで鍛えたいと思うところはどうしても上半身に集中しがちですね。
でも下半身の強化は筋トレには欠かせない部位で、特に体の中でも大きな筋肉を持つ太ももやお尻の大殿筋などを鍛えることで、筋肉のつき方や速度が変わるって言う事を知らない人は非常に多いのです。
ここでは、お尻の大殿筋の鍛え方にフォーカスして、道具を使わない方法と、道具を使った方法とを紹介していきたいと思います。
大殿筋とは
大殿筋(Gluteus maximus)は体の中でも単体の筋肉としては一番大きなものになります。
お尻には大殿筋のほかに、中臀筋や小臀筋といった筋肉がありますが、大殿筋はそれらを覆うように付いています。
大殿筋は主に股関節の可動域に大きな影響を与える筋肉で、開脚などが出来ない人は、大殿筋を鍛えることでその可動域も広がるので、大殿筋をぜひ鍛えてみてください。
大殿筋を鍛えることで得られるメリット
男女ともに言えることですが、大殿筋などの大きな筋肉を鍛えると代謝が上がります。
代謝が上がると脂肪の燃焼効率が上がりますから、余分な脂肪がつかず、筋肉の成長に必要な成長ホルモンの分泌量が上がり効率よく筋肉が付き、筋トレの成果が出やすくなります。
また、大殿筋を鍛えることで下半身が安定しますので、猫背の改善や、足に変な癖のついた歩き方も改善されて、スマートに姿勢よく歩くことができるようになります。
スポーツ選手などは、大殿筋を鍛えることでパフォーマンスの向上に役立ちますし、成長ホルモンの分泌が促進されることで女性にはうれしいアンチエイジング効果も期待できます。
このように、忘れがちな大殿筋を鍛えることでのメリットは、体全体に影響を与える大切な筋肉の一つだということです。
大殿筋の鍛え方
1.寝ころんだままで簡単にできる『ヒップリフト』
道具なしでできて、寝ころんだままできる簡単だけど効果抜群の「ヒップリフト」という方法です。
- まず、仰向けに寝転んだ姿勢から両手の手のひらを下に向けて付きます。
- 膝を90度に立ててお尻を持ち上げます。この時膝の裏から、肩甲骨の下あたりまでのラインが一直線になるようにするのが、効果を最大限にするポイントです。
- そしてゆっくり戻してお尻を床につきます。
これを繰り返すだけですが、お尻を持ち上げた時にしっかりお尻に力が入って筋肉がピクピクするのを感じましょう。
2.正しい姿勢で『スクワット』
道具なしでできるトレーニングの代表格「スクワット」ですが、意外と正しい姿勢でできている人は少ないです。
「スクワット」は正しい姿勢が非常に大事で、この姿勢が正しくないと効果は3分の1程度と著しく低下してしまいますので、正しい姿勢を保つことに意識を集中して実践してください。
- 肩幅に足を開いて、つま先をまっすぐより少し外側に向けて立ちます。
- 両手をまっすぐ前に突き出し背筋を伸ばして、息を吸いながらゆっくりと腰を落としていきます。この時後ろへバランスが崩れて倒れるようであれば、壁近くに立った状態から背中が壁につかないようにゆっくり腰を落としていきます。
- 太ももが地面と平行になるまで腰を落としたら1~2秒程度静止して、ゆっくり息を吐きながら立ち上がります。ここで最大のポイントは、立ち上がる時は膝が完全に伸び切らない位置まで戻すことです。
つまり、立ち上がった時も膝と太もも、お尻に負荷がかかったままの状態にすることで、少ない回数の「スクワット」でも最大限の効果をあげることができます。
この方法の「スクワット」なら、10回で30回程度のトレーニング効果を出すことができます。
もし、この方法が出来ないという方は、壁に背をつけて壁に沿わせて実践して、バランス感覚を養ってからされることをお勧めします。
3.スクワットより簡単だけど大殿筋に効果大『ランジ』
スクワットより辛くありませんが、太ももよりも大殿筋に効果が期待できる「ランジ」というトレーニングです。
- まっすぐに立った姿勢から始めます。
- 背筋を伸ばしたまま、片足を大きく前へ出します。通常歩く歩幅の2倍程度まで足を投げ出します。
- その位置で、背筋を伸ばしたまま後ろの足の脛が地面と平行になるまでまっすぐ腰を落としていきます。
- 腰を落とし切った姿勢で1~2秒静止させてから、背筋を伸ばした姿勢でゆっくり元の位置に戻していきます。
- 片足ごと交互に繰り返していきます。
腰を落とした時に、前後左右に上体が振れやすいので、姿勢を保つことを意識するのがポイントです。
この動作は、じれったいほどゆっくり行うことでトレーニング効果が上がります。
4.太ももよりも大殿筋に重点を置いた『バックキック』
大殿筋を鍛えるトレーニングには、同時に太ももにも効果のあるトレーニングが多い中、この「バックキック」は大殿筋に直接効果のあるトレーニングです。
- 背筋を伸ばして四つん這いになります。
- 片方の足の膝を浮かせてつま先をゆっくり後方へ伸ばせるところまで伸ばします。この時、背筋がエビのような状態にならないように、背中を緊張させてお尻にグッと力を入れて、顔は床を見ずにまっすぐ前を向くようにします。
誰かに姿勢を見てもらうか、鏡に姿を映してやるとまっすぐになっていることが確認できるのでいいでしょう。 - 伸ばした状態で1~2秒静止させてから、ゆっくり元の位置に戻して四つん這いに戻しますが膝はつかないようにして、続けて10回ほど繰り返します。
- 10回ワンセットとして、左右交互に行います。
伸ばし切った姿勢で背中が反り返らないことが一番重要で、ここを間違えると効果は全く期待できませんので注意が必要です。
5.リズミカルに『ステップアップ』
この方法も非常に簡単で誰にでも出来るトレーニングですが、大殿筋にはものすごく効果があります。
- 最初は段差があまり高くない方がいいので、脛から膝あたりまでの安定した箱か、階段の段差を利用するといいでしょう。
- 体重が左右に移動しないように、体の真ん中に重心を置いて片足を段差に乗せます。
- 背筋をまっすぐ保ったままお尻に力を入れて、もう一方の足を引き上げるようにして段差の上に立ちます。
- 段差の上に立った姿勢から、今度は逆の手順で段差の下に戻ります。
この動作を、行進のテンポより少し遅めに「イチ、ニ、イチ、ニ」と声にだして繰り返しましょう。
背筋を伸ばした姿勢を崩さず、足を上げ下げする際にお尻に力を入れてトレーニングするのがポイントです。
この段差を高くすればそれだけ負荷をあげることができるので、慣れてきたら箱から椅子などに高さを徐々に上げていくのもいいと思います。
6.バランス感覚も鍛える『ブルガリアンスクワット』
このトレーニングは、大殿筋と太ももと合わせてバランス感覚も養えます。
どちらの筋肉も代謝アップの効果が大きく期待できる部位なので、時間がない時などはこのトレーニングだけでも十分鍛えることができます。
- 椅子か階段を背にして、足の長さにもよりますが50~60㎝離れて立ちます。
- 足を後ろに伸ばして、完全に伸び切らない状態で足の甲が椅子か階段に乗せられる位置がベストです。
- 片方の足を段差に乗せた状態から始めます。
- 体がふらつかないように、お尻に力を入れてまっすぐ立った状態から、段差に乗せていない方の足をゆっくり曲げていき、膝が90度になるまで体を沈めます。
- そこで1~2秒静止してから、ゆっくり元の位置に戻していきます。
- 片足で10~20回、交互に繰り返して行います。
体が左右に振れやすいので、頭のてっぺんからまっすぐ地面まで杭で打たれていることをイメージすると、体重が左右にぶれにくくなります。
最初はかなり辛いですが慣れてきたら、両手に均等に重りになるようなものを持ってトレーニングすると負荷が増して、より効果が上がります。
比較的軽めのダンベルか、水の入ったペットボトルなどがおすすめです。
7.体の前面も背面鍛えられる『プランク』
「プランク」は主に体幹トレーニングで用いられる方法で、全身の筋肉を鍛えられるマルチな方法です。
特に、腹筋のトレーニングで紹介されることの多い方法ですが、体を板のようにまっすぐ緊張させるので、大殿筋にも効果を発揮します。
- うつ伏せになって、肘を肩の真下か肩幅より少し狭くなる位置に置きます。
- 肘の位置を決めたら、両肘とつま先で体を支えるように持ち上げます。
- 腕立ての肘をついた状態が、2の状態になります。その状態で最初は20秒程キープします。
慣れれば秒数を伸ばしていきますが、力を入れるとどうしても呼吸が止まりがちになります。
この「プランク」では普通に呼吸しながらすることで効果がありますので、呼吸を意識すようにしましょう。
キープする態勢は、肩から足の踵までが一直線になっていることが重要です。
背中に板を張り付けてそれに沿わせているイメージをすると、態勢を作りやすくキープもしやすくなります。
お尻の穴をすぼめるようにお尻に力を入れるのもポイントです。
8.鍛える部位を自由に変えられる『ワイドスクワット』
「スクワット」は、大殿筋よりも太ももに負荷がかかりやすいトレーニングでしたが、「ワイドスクワット」は足の開き方で大殿筋、太もも、ふくらはぎと鍛える位置が変えられる自由度の高いトレーニングになります。
- 足を肩幅の2倍程度に大きく開きます。
- 背筋を伸ばしてつま先を外側に向けた状態で、腰をゆっくり落としていきます。
- 太ももが床と平行になるまで落としたら1~2秒キープ後、ゆっくり元の姿勢に戻していきます。
腰を落とした時は膝を内側に寄せていくと意味がないので、大きく膝を開いていくことを意識して、お尻に力を入れることがポイントです。
足の開きを小さくしていくと太もも、ふくらはぎと鍛える位置を変えていくこともできます。また「スクワット」と同じで、背筋を伸ばすことも忘れずに意識することも大切なので気をつけましょう。
まとめ
大殿筋を鍛えるために紹介した8つのトレーニングを1日で一気にする必要もなく、毎日する必要もありません。
1日に一つか二つを集中的にやり、次の日は別のメニューをして、大殿筋が筋肉痛になったら痛みが取れるまで休ませるというのが正しい鍛え方です。
どの部位の筋トレでもこのサイクルは一緒なので、ゆっくり徐々に鍛えていくことを心がけましょう。