筋トレに多大な影響がある時間との関係について徹底検証
筋トレはある意味時間との戦いです。毎日、矢のように過ぎていく日常の中で、トレーニング時間を捻出して、ハードなトレーニングを続けることは、筋トレをやっていない人には理解できない苦労があります。
筋トレはトレーニングだけでなく、食事や休息など、効果を上げるために工夫しなければならないことが多いです。それらはすべて必ず時間との勝負です。筋トレに多大な影響を与える時間との関係性を検証してみましょう。
筋トレは時間との戦い
忙しい現代人にとって、筋トレを行なうことはある意味、時間との戦いです。ジムに行ってトレーニングする時間を確保するのは決して簡単ではありません。
自宅で筋トレをしているなら、比較的時間が自由になりますが1日が24時間であることには変わりありません。
無尽蔵に時間があるわけではないですから、時間を有効に使わないといけません。筋トレに関わる時間について考えてみましょう。
ここでは自宅での筋トレではなく、ジムに通っている場合を想定して検証してみたいと思います。
ジムに行くまでの時間
まず、ジムに行くまでの時間がかかります。
家から近いか遠いかによって、かかる時間が変わります。近ければ歩いても行けるでしょうが、ちょっと遠ければ、電車やバス、車、自転車などの交通手段を使うことになるでしょう。
会社での仕事が終わってから行く場合でも、30分から1時間ぐらいかかるのが普通だと思います。
いずれにしても、よほど近い場合を除き、ある程度の時間がかかります。
ジムで実際にトレーニングする時間
ジムでのトレーニングはかなりの時間がかかります。
初心者であれば短時間でも終われますが、経験者であれば、1回の筋トレが2時間から3時間ぐらいはかかることが多いです。
ウォームアップのためのストレッチやクールダウン、シャワーや着替えの時間もありますから、結構な時間がかかります。
残業との戦い
サラリーマンであれば残業時間との戦いもあります。
仕事が終わったら飲みに行くぐらいしかやることがない人なら残業時間をそれほど気にしなくても済むかもしれませんが、筋トレのために時間を確保しなくてはならないトレーニーにとっては、残業はできるだけ避けたいところです。
ジムの営業時間
残業とも関連しますが、会社から帰る時間が遅くなればその分、筋トレを開始する時間が遅くなります。
24時間営業しているジムであれば、遅くスタートしても、メニューをしっかり消化できますが、23時あたりに閉店になるジムが多いですから、スタート時間が遅れると十分なトレーニングができなくて消化不良になってしまいます。
筋トレ時間を短縮する方法
筋トレはジムで行なう場合でも自宅で行なう場合でも、ある程度時間がかかります。
忙しい現代人としては筋トレ時間をできるだけ短縮したいと考える人が少なくありません。筋トレにかかる時間を短縮する方法をご紹介しましょう。
インターバルを短くする
インターバルを短くするだけでかなり筋トレ時間を短縮できます。
極端な話、インターバルを完全にゼロにしてしまえば、筋トレにかかる時間は数分の1にできるでしょう。
実際に筋肉を鍛えるために動いている時間だけを合計してみれば、それほど長くはありません。たとえばスクワットを10セットやるとした場合を考えてみましょう。
1セットあたりで10回繰り返すとしたら、実際にスクワットとして動いている時間は1分程度でしょう。降ろす動作が3秒、挙げる動作で2秒として、1回が5秒です。これを10回で50秒になります。実際には誤差もありますが、それでも1セットあたりの時間は1分ぐらいと考えられます。
1セット1分だとすれば、それを10セットでも10分しかかからないことになります。しかし、実際には高重量でスクワットを行なっている人が10セットのスクワットをするには1時間ぐらいはかかるでしょう。インターバルやプレートの付け替えの時間などでどうしても時間がかかります。
スクワットのように疲労度が強い種目であれば、長いインターバルの時間が必要であることも実際の筋トレ時間を長くします。しかし、ここで検証したように、インターバルの時間を抜いて、単純に動いている時間だけをつなぎ合わせれば、筋トレの時間というのは意外に短くできることがわかります。その意味でインターバルをできるだけ短くするだけでかなり筋トレ時間を短縮できます。
セットあたりの強度を高めることで全体の筋トレ時間を短縮できる
1セットあたりの強度を高めることで筋トレにかかる時間を全体的に短縮する方法もあります。
長い時間トレーニングしていられる理由は、体力があるからばかりとは限りません。
1セットあたりの強度が低いためにいつまでも続けられる場合もあります。実際、強度が強いトレーニングであればそんなに長い時間やっていられるものではありません。
ヘビーデューティー法が良い例です。ヘビーデューティー法は1セットあたりの強度を最大化する一方でトレーニング時間を大幅に短縮する方法です。短時間で追い込めて、体質的に少ないセット数のトレーニングに反応する人には効果的です。ヘビーデューティー法が根強く人気があるのは1回あたりの筋トレ時間が短いことも大きな理由でしょう。
筋トレメニューを分割する
もうひとつ、筋トレにかかる時間を短縮する方法が筋トレメニューをいくつかに分割することです。1回のトレーニングで全身の筋肉全部を鍛えるとなったら、かなりの時間がかかります。ひとつの筋肉あたりの種目数もセット数も多くなっている経験者なら5時間ぐらいはかかるでしょう。
よほど体力がある人ならこなせるでしょうが、時間的に体力的にも苦しい人の方が多いでしょう。そこで、筋トレメニューを分割すればそれだけで1回あたりの筋トレ時間を大幅に短縮できます。2分割なら半分、3分割なら3分の1になります。実際にはそんなに単純なものではありませんが、かなり時間を短縮できることは間違いありません。
筋トレに最適な時間帯
筋トレを行なうのに最適な時間帯はいつかという議論があります。筋トレ効果という点では、ホルモンの分泌が旺盛な時間帯として、14時頃に筋トレを行なうのが最適であるという説もあります。しかし、それが本当だとしても、その時間に合わせて筋トレができる人はかなり限られるでしょう。
実際には筋トレに最適な時間帯がいつかというよりも生活スタイルや慣れの問題です。生活パターンに合わせて都合がいい時間にトレーニングすればいいわけです。それが朝の人もいれば昼の人も、夜の人もいます。
いつも朝トレーニングしている人であれば、朝トレーニングしてから仕事をするというライフスタイルが合ってきます。たまに夜トレーニングすると調子が出なかったりします。逆にいつも仕事の後にトレーニングすることに慣れている人にとっては仕事の前に筋トレなんてできないと思うかもしれません。毎回トレーニングできる時間が流動的で決まってなくても大丈夫な人もいますし、個々人の状況によって変わってきます。
どの時間帯であっても、必要に応じて人間の体は適応しますから、筋トレに最適な時間帯がいつかをそれほど気にする必要はありません。
筋肉の発達と時間の関係
筋肉の発達と時間との関係について見てみましょう。
ハードな筋トレを行なった後に筋肉繊維が破壊されて、その後の修復と超回復を繰り返すことで筋肉は大きく強くなります。このプロセスには時間がかかります。筋肉の発達にかかわる現象にかかる時間を見てみましょう。
タンパク合成に必要な時間
筋肉の発達のために不可欠なタンパク合成には筋トレ後に48時間から72時間かかると言われています。ひとつの筋肉を鍛えるのに週に2回から3回が良いと昔から言われている根拠のひとつがこのタンパク合成にかかる時間です。
タンパク合成が完了する前に次のトレーニングをして筋繊維を破壊しても意味がないと考えられます。
筋肉の回復にかかる時間
タンパク合成にかかる時間の48時間から72時間というのは筋トレ後に筋肉が回復するまでの時間も想定していますが、筋肉が回復するまでの時間はかなり個人差があります。単純に48時間から72時間で決められないことは筋トレ経験者なら体感的にわかると思います。
回復力には個人差がありますから、ひとつの筋肉を鍛えるべき頻度に個人差があるわけです。48時間で回復する人というのはかなり早い方です。
ひとつの筋肉を週に1回ずつ鍛える人が多いことを考えると、理論上言われているよりも時間がかかる人が多いと考えられます。
筋肉痛が出るまでの時間
筋トレ後に筋肉痛が出るまでの時間にも個人差があります。翌日に筋肉痛が出る人が多いですが、翌々日になってから出る人もいます。
傾向としては高齢になるほと筋肉痛が出るまでの時間が遅くなるようです。
回復力が早い人ほど筋肉痛が出るまでの時間が早いです。トレーニングが終わってから数時間後には筋肉痛が出る場合もあります。
筋肉痛が抜けるまでの時間
筋肉痛が出た後は、今度は筋肉痛が抜けるまでにまた時間がかかります。この時間がどれぐらいかかるかも、やはりかなり個人差があります。タンパク合成の48時間から72時間というのは、筋繊維の修復にかかる時間も想定されていますが、筋肉痛の抜ける時間の個人差を考えると、実際はもっと幅があると思われます。
ハードに筋肉を追い込むほど筋肉痛も強くなりますが、その筋肉痛が抜けるまでの時間があまりにも長いようなら、追い込み過ぎです。筋肉痛が抜けるまでに1週間も時間がかかるとしたら長過ぎだと言えるでしょう。2日から3日ぐらいで抜けるぐらいが丁度いいです。
睡眠時間
筋トレと関係が深い時間として挙げておくべきもののひとつが「睡眠時間」です。筋トレ効果を上げるには食事とともに睡眠時間がかなり重要です。必要な睡眠時間というのは個人差がありますが、6時間から8時間は確保したいところです。平日だと8時間は難しいかもしれません。サラリーマンが筋トレをする場合、仕事の後にトレーニングになりますから、トレーニングが終わるのがなかなかに遅い時間になるでしょう。
ジムから帰宅して食事したり、用事を済ませてから就寝となると、やはり遅い時間になってしまいます。翌朝また早く起きて会社に行くわけですから、睡眠時間をいかに確保するかも筋トレ効果を左右します。
睡眠で大事なのは時間だけでなく、睡眠の質です。熟睡できていれば、睡眠時間そのものは短くても疲労回復効果があるという研究結果もあります。
まとめ
筋トレというのは単にトレーニングさえすれば良いというものではありません。1日24時間は誰にでも公平に与えられていますが、この限られた時間をいかに有効に使うかで筋トレ効果が大きく違ってきます。1日1日ではあまり気がつきませんが、これが半年、1年と積み重なると大きな差になって現れます。
毎日、筋トレのために時間を捻出することで苦労しているトレーニーが少なくないでしょう。多忙な現代人にとっては毎日が矢のようなスピードで過ぎていきますから、時間を意識して有効に使わないと1年がすぐに終わってしまいます。
筋トレは特に時間との戦いが多いです。トレーニングのための時間、食事や休養のために睡眠時間の確保など、筋トレとは何の関係もない人ならしなくてもいい苦労がたくさんあります。しかし、それらを克服してこそ筋トレ効果が上がります。時間の使い方を工夫して筋トレ効果を最大化しましょう。