筋トレメニューにランニングを組みこんで効果を上げる方法
近年のランニングブームには目を見張るものがあります。2007年から始まった東京マラソンは年々参加者が増え続け、参加したくてもできないほどの盛況ぶりです。皇居では毎日、ランニングに励む大勢の人たちが走っています。
筋トレをやっている人でランニングもしている人、ランニングもやってみたいと思っている人が少なくないでしょう。そこで、ランニングと筋トレの関係、ランニングが筋トレに与える効果などについて解説します。
ランニングの種類
ランニングにもいろいろな種類があります。主なものをご紹介します。筋トレをやっている人にとってどのタイプのランニングが向いているかも確認してみましょう。
長い距離を走る
長い距離を走るのがランニングとして最も多いパターンです。多くのスポーツで行なわれているランニングは比較的長い距離を走っています。距離にして5キロから10キロぐらいが一般的です。長い距離を走ることで最も効果があるのが持久力がつくことですが、それ以外にも精神力をつけるためといった、日本的な理由もあるでしょう。
筋トレを本格的にやっている人が長い距離を走るランニングをする必要性はあまりありませんが、脚の筋トレでスタミナ不足で息が上がって続けられないような人は週に2回から3回ほどランニングをメニューに採り入れるのも解決策になり得ます。
中距離を早く走る
スポーツのパフォーマンス能力を高めることで言えば、長い距離をゆっくり走るよりも1キロから2キロぐらいの中距離をできるだけ早く走る方が効果的です。運動強度としてもその方がハードです。
短距離を繰り返す
100メートルから200メートルの距離を全力で走るのをインターバルを挟んで繰り返すのがスポーツの補強としては一番効果的です。
野球でもダッシュの練習をしますが、それだけの方がいいぐらいです。
野球は持久力のスポーツではありません。長時間連続して動き続けるわけではありませんから、本来なら長い距離を走るよりも短距離を繰り返す方が効果的でしょう。
ジョギング
無理に早く走るのではなく、自分のペースで走るのがジョギングです。
皇居の周りを走っている皇居ランナーたちの多くはマイペースでジョギングを楽しんでいます。皇居は1周が丁度5キロですので、タイムトライアルみたいにスピードに挑戦している人もいますが、全体のペースとしては決して速くはありません。マイペースで楽しんでいる人が多いです。
ランニングマシンを使う
以上は外で走る場合の話ですが、筋トレのためにジムに行っているのであれば、ランニングマシンを使用するのもひとつの方法です。
スポーツクラブであれば必ずと言っていいほどランニングマシンが置いてあります。外で走るのと比較してメリットもデメリットもあります。
まずはメリットとしては、スピードを調節できること、雨の日でも走れる、安全であるといったことが挙げられます。
デメリットとしては、同じ場所で走り続けるため飽きることでしょう。音楽を聴きながらとか、ジムにあるモニターを見ながら走ることができるとは言え、やはり外で風を感じながら走る爽快感には到底かないません。
ランニングの効果
筋トレとの関連で、ランニングにはどのような効果があるかを考えてみましょう。
減量効果がある
ランニングには減量効果があります。ランニングだけでもかなりの減量効果がありますから、筋トレと組み合わせることで減量効果がさらに上がります。
スタミナがつく
ほとんどのスポーツではランニングが補強運動としてかなりのウエイトを占めます。
日本では特に古くからスタミナや精神力がつくと考えられているので、半ば伝統となっている面もありますが、ランニングをすることでスタミナがつくことはたしかでしょう。ランニングを長い距離を走ることで、走り切ったことに対する達成感もあるでしょう。
脚力の強化にはならない
日本のスポーツ界では昔から足腰を鍛える目的でランニングが奨励されていますが、脚力という点に限定すればさほど効果はありません。
短距離のダッシュを繰り返すことで多少の筋力向上があるとしても、スクワットのような劇的な効果は期待できません。
未だに野球界などでは走り込みがいかに強靭な足腰を作るかみたいに語られることがありますが、それが事実ならマラソンのオリンピック選手はもっと逞しい脚になっているはずです。
ランニングで脚力が強くなると信じている人は、中学や高校での部活動での体験が元になっていることが多いですが、運動部で脚力が強化されるのはランニングよりも専門競技の練習でジャンプの動作などの影響が大きいと考えられます。
ランニングをしない方がいい人
筋トレを本格的に行なっている人の中にはランニングを避けた方がいい場合があります。どのような人が該当するかを見てみましょう。
体重が重い人
体重が重い人はあまりランニングをしない方がいいです。体重が重いということはそれだけで膝に負担になっています。わざわざランニングで膝に負担をかけるのはおすすめしません。
プロレスラーや力士などはほとんど走りません。走るメリットがないからですが、仮に走ったとしてもやはりケガをする可能性が高いでしょう。
体重を増やしている人
体重を増やしている人もランニングはおすすめしません。体重を増やすのも、筋肉を大きくすることもそうですが、「増やす」ことを目的にしている段階であればランニングは逆効果です。
体重を減らす減量にプラスになるということは体重増量にはマイナスであることを意味しています。
膝を痛めやすい人
関節の強さには個人差があります。膝を痛めやすい人はランニングは避けた方が無難です。特に体重が重い場合はなおさらです。
体重が軽ければそれほど負担にならないとしても、膝を痛めやすい人がさらに体重が重いとなるとランニングはケガをする危険が高くなります。
筋トレメニューにランニングを入れる
筋トレメニューのどこにランニングを入れるかで筋トレに与える影響が変わってきます。どのタイミングでランニングをすべきかを考えてみましょう。
筋トレ前のランニング
筋トレの直前にランニングをするとしたら、走り過ぎると体力を消耗してしまって、肝心の筋トレでのパフォーマンス能力が下がるのが問題です。
減量目的であれば、ウォーミングアップを兼ねて、代謝レベルを上げた状態で筋トレメニューをこなせるメリットがあります。
実際問題として筋トレの直前にランニングをするパターンとしてはランニングマシンを使うことが多いでしょう。マシンであれば外で走るよりも調節が利きやすいですから、走り過ぎないように注意しましょう。
筋トレ後のランニング
筋トレ後にランニングをするのであれば、クールダウンの効果もあります。筋トレ自体が終わった後なのでその後の疲労のことはあまり気にしないでも大丈夫ですが、筋トレでかなり疲労しているのであればセーブした方がいいでしょう。
時間を空ける
以上は、筋肉を直接鍛えるメニューとランニングが前後して近い場合のことです。
筋トレの前でも後でも、本格的に走るのには適していません。
学校の部活動やスポーツの補強であれば、本格的なランニングの直後に筋トレで追い込むというパターンもありがちですが、本格的に走るのであれば筋トレメニューとは時間をかなり空けるのが理想的です。
朝にランニングをして、夜に筋トレメニューをしっかり行なうとか、逆に昼間に筋トレをして夜にランニング、あるいはランニングをする日と筋トレをする日を別にする方法もあります。
どのように筋トレメニューとランニングを調整するかは体力やライフスタイルに合わせるようにしましょう。
まとめ
近年のランニングブームは筋トレブームに負けないぐらいです。皇居ランナーと呼ばれる人たちが毎日大勢皇居の周りを走っています。
毎日、何かのイベントでもやっているのかと錯覚するほどに大勢のランナーが走っているのを見ても、ランニングブームがかなりのものであることがわかります。
皇居というのは1周が約5キロで、丁度走るのに良い距離であることと、信号がないので、途中で止まる必要がないことがランナーに人気の理由です。夜でもお巡りさんがいるので女性も安心して走れることも人気の理由でしょう。
皇居を例にしましたが、東京であれば神宮外苑もランニングのメッカです。皇居や神宮外苑のあたりはかなり以前からランニング愛好者がよく走っていましたが、全国的にランニング人口の増加で街中で走っている人をよく見かけるようになっています。
ランニングと筋トレメニューについて解説しましたが、筋トレの目的が減量であればランニングはメリットになります。もともとランニングだけでも減量効果があるところを筋トレと組み合わせることで、両者の相乗効果でさらに減量効果があります。減量であれば明らかにランニングは筋トレにとってメリットですが、これが増量しているのであればメリットよりもデメリットの方が目立ちます。
しかし、これはあくまでも理屈です。走ること自体が好きで、さらに筋トレで筋肉もつけたいのであれば、筋トレとランニングを両立させるように工夫しましょう。ランニングも筋トレも本格的にやるのは十分に可能です。