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筋トレメニューとしてのライザップの特徴と効果とは?

更新日: 2021年07月04日

パーソナルジムのイメージ

※画像はイメージです。実際のライザップの施設ではありません。

タレントや著名人などが短期間に大幅な減量に成功したことで話題になっているのがライザップです。テレビで大々的にCMを流していますから見たことがある人も多いでしょう。

糖質を制限する以外は食事も自由であることから無理がない感じがするのも人気の理由でしょう。確かに減量効果がありますが、筋トレとして考えた場合、手放しで称賛していいかは疑問です。ライザップの特徴、問題点、などを解説します。

ライザップの特徴

  AとBを比較する女性

ライザップは会員数9万人以上を誇るだけあって、注目すべき特徴がいくつかあります。まずはライザップの特筆すべき特徴を見てみましょう。

減量効果が高い

ライザップの筋トレメニューは食事法と相まって、減量効果が大きいことは間違いありません。テレビに流れるCMを見てもわかりますが、著名人でも減量で成功した人がかなりいます。ライザップでの筋トレメニューを終了した後でも、そこで学んだ方法を続ければ減量効果を維持しやすいでしょう。

筋肉はそもそもどのような組成になっているかを考えれば、ライザップの筋トレメニューが効果的なのかがわかります。筋肉の主成分はタンパク質ではありません。筋肉で最も大きな成分は「水」です。筋肉は70%の水分と25%のタンパク質、5%の無機質で構成されています。

水分として糖質が筋肉に蓄積されます。糖質は筋トレ中のエネルギー源としても使われます。ライザップの筋トレメニューが減量効果が高いのは糖質を大きく制限するからです。筋肉の組成の内の70%に相当する部分の栄養素を制限すれば確かに減量効果があるでしょう。

きめ細かなサポートシステム

運動を始めるイメージ

ライザップは実に至れり尽くせりのシステムです。トレーニングから食事まで何でも面倒見てくれます。専任のトレーナーが最初から最後までつきっきりで筋トレから何から何まで見てくれるのは一般的なパーソナルトレーニング以上と言えるでしょう。

一般的なパーソナルジムでもかなり細かいところまでサポートしてくれますが、やはり組織力などのこともあって限界があります。そこがライザップはさすがに組織力があるためもあって、普通のパーソナルジムでは手が回らないようなことまでしっかりとサポートしてくれるところが凄いです。

ライザップでは150以上もの医療・研究機関と提携していて、医師、研究者、管理栄養士による監修で作られたシステムで利用者をサポートしています。このような科学的な見地からのサポートだけでなく、モチベーションが続くようにカウンセラーが心理的な面からもサポートしてくれます。

ライザップの筋トレメニューは糖質を大幅にカットするのが特徴ですが、2ヶ月間のサイクル中の食事180食分のメニューをすべてアドバイスしてくれます。何を食べていいのかダメなのか、迷ったときには24時間体制でアドバイスしてくれるという徹底ぶりです。組織力があるとは言え、徹底したサポートシステムは大したものです。

トレーナーの実力が高い

ライザップのトレーナーはかなりレベルが高いです。どこのスポーツクラブでもトレーナーの教育をやってはいますが、ライザップはかなり徹底しています。ライザップのトレーナーの実力が高いのは厳しい研修システムの効果が大きいです。ライザップに入社すると147時間にわたる徹底した研修を受けることになります。

この研修でメンタルケア、トレーニング、栄養学、生理学といったことを徹底的に身に着けているのがライザップのトレーナーです。

しかもこの147時間の研修をくぐり抜けても実際にトレーナーとして採用されるのは全体の3.2%に過ぎませんからかなり狭き門です。

ライザップのトレーナーは人体の仕組みから、栄養学、メンタルケアなど筋トレに必要なかなり幅広い知識を備えています。

ライザップの筋トレメニュー

筋トレメニュー トレーニングスケジュール

ライザップの筋トレメニューは完全個室でのマンツーマンでのトレーニングであることと、1回あたり50分で週2回というメニューなのが大きな特徴です。忙しい現代人なら短時間で終わる筋トレメニューであることは大きな魅力でしょう。

完全個室でのマンツーマン・トレーニング

完全個室でのマンツーマンでの筋トレメニューなので、ジムに行って他人と関わりたくない人にはやりやすいでしょう。

トレーニングをしているところを他人に見られたくない人もいますし、マンツーマンシステムの需要は少なくありません。

週2回1回50分の筋トレメニュー

ライザップの筋トレメニューは週2回と設定されていますが、その根拠になっているのが筋トレ効果の肝である「超回復現象」です。

個々の筋肉はハードな筋トレの後に48時間から72時間で超回復が起きると言われています。その理論を応用して、筋トレメニューを週2回で組んでいるわけです。

1回あたり50分にしてあるのは効果という点では疑問がありますが、短時間で筋トレが終わるのは忙しい現代人にとって魅力でしょう。

ライザップの問題点

問題を指摘するイメージ

ライザップには上記のように特筆すべきメリットが多々ありますが、筋トレメニューとしては問題もあります。ライザップにどのような問題があるかを考えてみましょう。

費用が高い

ライザップの筋トレメニューは2ヶ月16回で30万円近くかかります。入会金が5万円ですから合計して35万円ほどかかることになります。この金額が高いか安いかは人によって評価が違うでしょうが、一般的に言えばかなり高額な金額です。

普通のスポーツクラブの会費は月に1万円程度ですから、これと比較すればかなりの金額であると思われます。ただ、あれだけ至れり尽くせりのシステムであることを考えれば、サービスの対価としては決して高いとは言えないでしょう。

筋肉を大きくするのには向かない

ライザップのシステムは筋肉を大きくするのには向いていません。減量以外にもマッチョを目指すコースもありますが、やはり効果は限定的です。筋肉の70%は水分なわけですから糖質を大幅にカットしてしまえば、筋肉を小さくする分にはいいですが、大きくするにはマイナスです。筋力もなかなか伸びません。

ライザップで体脂肪を減らしながら筋肉がついたという話は2ヶ月というサイクルに限定した話だと思った方がいいです。短期的に筋力が伸びたとしても、伸ばし続けるのは難しいです。

経験者にはあまり効果がない

2ヶ月のサイクルで考えられたシステムであることとも関連していますが、ライザップのシステムは筋トレ経験が長くてある程度筋肉が大きくなっている人や筋力が強くなっている人にはそれほど効果が期待できません。

筋トレ初心者にとっての最初の2ヶ月というのは一番筋トレ効果が出るときですから、初心者で見ても必ずしも効果があるとは言えません。

筋トレ経験が長い人でもトレーニング方法が間違っているなどの理由で効果が上がらないのであればライザップを試してみる価値がありますが、それなりの体になっているなら、さほど期待できないでしょう。

週2回1回50分では足りない

ライザップの筋トレメニューは週2回で1回あたり50分となっています。これは初心者であれば丁度いいですが、筋力が強くなっていて、種目数が多くなっている経験者にとってはいかにも足りません。経験者であればスクワットやベンチプレスだけでも1時間近くかかることが多いです。

ライザップが筋トレメニューを週2回としている根拠は筋肉が超回復する時間から計算しているのでそれは問題ないですが、1回あたりを50分と限定してしまうとどうしても足りません。

筋トレに必要な頻度や時間はかなり個人差があります。週2回でも1回あたり5時間ぐらい必要な人もいますから、一律に50分と決められている時点で経験者向きの方法ではありません。

設備の問題

設備の点でも問題があります。完全個室のマンツーマンなのはいいですが、本格的な筋トレを行なうには少々設備が足りません。

ここでも、筋力もまだ弱くて、種目数もそれほど必要ない初心者であればいいですが、筋力が強い経験者にとってはもの足りない問題点が露呈します。

糖質を制限し過ぎると長くはできない

ライザップの糖質を極端に制限した食事法は短期的には良いとしても、長期間続けるとなるとかなり厳しいです。健康上も良くありません。筋トレとして見ても、エネルギーが足りなくなってしまいます。

ボディビルダーの中にはコンテストに向けてタンパク質の摂取量を増やして糖質を大幅にカットすることがありますが、試合に向けて期間を限定しているから出来ることです。1年中そのやり方でやっているわけではありません。仮に1年中そのやり方で通したとしたら、オフシーズンに筋肉を大きくできません。

リバウンドの問題

ライザップの筋トレメニューで問題だとよく指摘されているのがいわゆるリバウンドの問題です。2ヶ月で1サイクルになっていますから、2ヶ月でせっかく減量に成功しても、その後、体重が戻ってしまうことが少なくありません。

糖質をずっと制限し続けて自分で筋トレを続けられればいいですが、これがなかなか難しいということでしょう。

2ヶ月で減量したことの達成感に満足してしまって、糖質をどんどん食べてしまえば、筋肉中にグリコーゲンが貯蔵されて本来の太さに戻ってしまいます。ライザップでの減量効果はかなりのところ一時的なものだと割り切った方がいいでしょう。

長いスパンでの検証が足りない

ライザップのCMなどを見ると、効果があった部分だけが強調されている傾向があります。ビジネスなわけですから、それはそれで仕方がないですが、利用者としては冷静に判断すべきです。

ライザップで気になるのが長いスパンでの検証が足りないことです。2ヶ月16回の筋トレメニューになっているため、これを何年も続けた場合にどうなるのかの検証結果がありません。

まとめ

ライザップで痩せた芸能人や著名人がたくさんいるのを見ても、短期間に痩せることで言えばかなり効果があるのはたしかでしょう。しかし、一時的に痩せるにはよいとしても、長期間、続けられる方法かと言えば疑問です。

糖質を大幅にカットする一方で糖質を大幅にカットして代謝を上げれば、減量に効果があるのはたしかでしょう。ライザップの実績もそれを証明しています。しかし、それでライザップを手放しで称賛していいかと言えばそうでもありません。

ライザップのCMを見ても太っている人がいかに引き締まった体になれるかを強調しています。元々痩せている人がマッチョになったことを強調しているわけではありません。

2ヶ月でマッチョになどなれないですが、ライザップの目的点として見ると、やはり痩せることに特化したシステムだと思った方がいいでしょう。