腰回りを強化する筋トレの方法!コアを鍛える体幹トレーニングが重要
筋トレでは腰回りの安定がトレーニング全般のパフォーマンスアップに欠かせません。
腰回りには大小さまざまな筋肉がありますが、なかでも横隔膜、骨盤底筋群、腹横筋、多裂筋といった体幹部のコアを構成するインナーマッスルが腰回り安定に大きく影響します。
ここでは強い腰回りをつくる体幹トレーニングと呼ばれる筋トレ方法をご紹介します。
筋トレは腰回りの安定が大きく影響する
筋トレのパフォーマンスを向上させるには、強い腰回りをつくることが重要です。
身体に力が入らない、あるいは力が抜けてしまった状態のことを「腰が抜けた」「腰砕けになった」と言うことがありますが、これは筋トレにおいても同じことが言えます。
腰回りが弱いと、その人が本来持っている力を十分に発揮することができないばかりか、身体の軸がブレてしまい正しいフォームで筋トレが行えません。
その結果、いつまでたっても重量が伸びていかず、筋肉の成長も止まってしまうのです。
アスリートは腰が生命線?
プロ野球のスカウトマンは選手のお尻を見て将来有望なプロ野球選手になれるかどうかを判断すると言われています。これは腰回りの筋肉がしっかり発達しているかどうかをチェックしているそうです。これは野球選手に限ったことではなく、すべてのアスリートにも同じことが言えるでしょう。
ハードな練習をおこなうアスリートは腰痛になりやすく、普段から腰回りの筋トレをしたり、試合後は腰のマッサージでケアをしている選手も少なくありません。
腰痛になると選手生命に大きく影響することもあるため、アスリートにとって強い腰回りはまさに生命線なのです。
腰回りの筋トレは腰痛や肩こり改善にも効果的
強い腰回りを手に入れるには、体幹のコアにあるインナーマッスルの筋トレが最適です。
コアが鍛えらると骨盤や胸郭の動きがスムーズになり、身体の軸がしっかりするため重心が安定しします。しかも、インナーマッスルを鍛えることは、トレ―ニングのパフォーマンスの向上がするだけでなく、腰痛や肩こりの予防と改善にも効果的です。
また、猫背の人は腰で身体の重さを支えられない状態なので、腰回りが強くなれば身体の芯で体重を支えられるようになるので正しい姿勢維持にもつながります。
体幹のインナーマッスルが強い腰回りをつくる
体幹の深層部にはコアあるいはコアユニットと呼ばれる深層筋群があり、上部に横隔膜、下部に骨盤底筋群、コルセットのように腹部を囲む腹横筋、背中を支える多裂筋という4つのインナーマッスルで構成されています。
コアという名前が示す通り、まさに体幹の核となる部分です。これらのインナーマッスルは身体の軸を安定させ、ピンと伸びた背筋、強い腰回りには欠かせない筋肉です。
さらに、身体機能の向上、基礎代謝アップ、血行促進といった、さまざまなメリットも生み出します。
コアと体幹の違い
コアと体幹を混同している人も少なくないようです。
まず、体幹とは上肢と下肢、頭を除いた胴体部分全体のことを指します。つまり、胸や背中にあるアウターマッスルも厳密に言えば体幹の筋肉ということになります。
ですが、コアはあくまで体幹の深層部にあるインナーマッスルのことを指します。筋トレのパフォーマンスを上げるためには、コアをしっかり鍛えて身体の軸を安定させることです。それによってアウターマッスルのトレーニングの質も向上するということです。筋トレを効果的に行うためにも、この違いは明確にしておいたほうが良いでしょう。
コアを鍛える筋トレ
体幹を鍛えるには、シットアップやバックエクステンションといった筋トレも含まれます。ですが、これらはアウターマッスルをターゲットにした筋トレメニューです。
体幹のコアを鍛えるにはドローインやプランクといったインナーマッスルをターゲットにした筋トレメニューを行う必要があります。両者とも体幹の筋トレには間違いなのですが、とくにコアを鍛える筋トレのことを一般的に体幹トレーニングと呼んでいることが多いので、このあたりの認識も間違えないようにしましょう。
腰回りの筋トレにおすすめな体幹トレーニング5選
コアを鍛える体幹トレーニングはヨガのポーズをルーツにしている筋トレ方法です。そのため体幹トレーニングとヨガの両者には大きな違いはありません。あえて違いを言えば、ヨガには呼吸法や瞑想といったマインドフルネス的要素に重点を置いているのに対して、体幹トレーニングはスポーツやトレーニングでのパフォーマンスを向上させることが目的としている点です。
とはいえ、一畳程度スペースがあれば自宅でも簡単に実践できる筋トレ方法なので、筋トレの休養日などを利用して実践するのがおすすめです。血行が良くなるので疲労回復にも最適です。
1.ドローイン
ドローインはコアの中枢となる腹横筋を鍛える体幹トレーニングです。リラックスした姿勢からお腹のなかの息をすべて吐き切るがことが腹横筋に効かせるポイントです。
- 仰向けに寝た状態で膝を立て、鼻から大きく息を吸い口からゆっくり息を吐く呼吸でリラックスします。
- リラックスできたらお腹のなかの空気を押し出すように、ゆっくりと長く息を吐き出します。
- 最後は腰を床に押し付けるようにお腹の空気を全部吐き切ります。
- 腹横筋に効いている感覚を意識しながら5~6回繰り返します。
ドローインはお腹を凹ませたまま、胸式呼吸で息を吸って腹式呼吸で息を吐くというイメージの呼吸法のため、最初のうちは腹横筋に効いている感覚が掴みずらいと思います。
ですが、ドローインの呼吸法はすべての体幹トレーニングにおいて基本になるので、しっかりとマスターできるようになるまで何度も練習してみましょう。
2.プランク
プランクは体幹トレーニングのなかで最も有名なメニューです。肘とつま先で身体を支え、身体が1枚の板のように静止することで腹横筋を鍛えます。
プランクで身体を支えている間、どうしてもアウターマッスルの腹直筋を使ってしまうことがあるので、最初にドローインで腹横筋に効いている感覚を掴んでからプランクに移行すると良いでしょう。
- うつ伏せに寝て、肩幅に開いた肘を床に付けます。
- つま先をたて身体を持ちあげ、4点で身体を支えます。
- 身体のラインを一直線に保ったまま30秒キープします。
- お尻の位置が上がり過ぎたり、下がり過ぎたりしないように注意しましょう。
見た目は地味ですが、やってみると意外とキツく感じるでしょう。最初は30秒キープするのは難しいかもしれませんが、無理をせず少しづつ時間を伸ばしていき最終的には1分間キープを目標にしてみましょう。
3.サイドプランク
プランクの横向きバージョンがサイドプランクです。腹横筋を鍛えると同時に腹斜筋にも効かせることができます。
サイドプランクで意識するポイントは基本的にはプランクと変わりませんが、腰の位置が下がらないことと、頭の位置が下がって前に出ないように注意しましょう。
- 片方の肘を床に付けます。
- 両足を揃えて下の足を軸に身体を持ち上げ、2点で身体を支えます。足首が痛い時は足を少しずらして両足で身体を支えます。
- 身体のラインを一直線に保ったまま30秒キープします。
- 腰の位置が上がり過ぎたり、下がり過ぎたりしないように注意しましょう。
- 左右を入れ替えて、反対側も同じように行います。
時間の目安は最初は無理なく続けられる範囲で構いませんが、プランクと同じように最終的に1分間を目標にしてみましょう。
4.ヒップリフト(ヒップレイズ)
プランクの仰向けバージョンがヒップリフト(ヒップレイズ)です。腹横筋を鍛えると同時に大臀筋にも効きます。こちらも基本はプランクと同じですが、お尻が上がり過ぎたり下がり過ぎたりしないよう、お尻をしめて身体のラインが一直線になるように意識しましょう。
- 仰向けに寝て膝を立ててリラックスした状態を作ります。
- その状態から肩と膝が一直線になるようにお尻を持ち上げます。
- 姿勢を保ったまま30秒キープします。
- お尻の位置が上がり過ぎたり、下がり過ぎたりしないように注意しましょう。
5.プランク上級者向け
基本のプランクを1分間続けられるようになったら、より強度の高い上級者向けのプランクにもチャレンジしてみましょう。あくまでプランクの基本形を十分にマスターしていることが条件です。
- プランクの基本姿勢をとります。
- 息をゆっくり吐きながら5秒カウントして少しづつ腹横筋に力を入れていきます。
- 次に5秒カウントして少しづつ力を抜いて腰を少しだけ下げます。このとき床に腰が付かないように注意しましょう。
- この動作を5回ほど繰り返す。
腰が少し下がった状態から、少しづつ力を入れて腰を上げていくときにアウターマッスルの腹直筋に頼らないように注意しましょう。
まとめ
筋トレのパフォーマンスを上げるには、身体の軸を安定させ強い腰回りをつくることが大切です。そのためには体幹のコアにあるインナーマッスルを鍛えることがポイントです。
なかなか筋肉がつかないという方は、いったん基本に立ち戻って体幹トレーニングを取り入れてみてはどうでしょうか?
正しいフォームで筋トレを行えば、筋肉もどんどん成長して扱える重量も伸びてくるはずですよ。