筋トレと食事の栄養バランス!体づくりにおける食べ物の重要性とは?
筋トレでは食事の栄養バランスがとても大切です。トレ―ニングの内容もさることながら、筋肉の成長に必要な栄養素をしっかりバランスよく食べないと身体は変わりません。
「筋肉はキッチンでつくられる」という名言があるほどです。
筋トレに必要な栄養素や食事をするタイミングなど、筋トレにおける食事の摂り方をご紹介します。
筋トレと食事の栄養バランス
筋トレで身体を変えるには、トレ―ニングはもちろんですが休養と食事の管理も忘れてはいけません。トレーニングと休養と食事、この3つを意識しながら体づくりを進めていく必要があります。
なかでも食事の栄養バランスはとくに重要です。ボディビルダーのなかには体づくりにおいて食事の占める割合は80%と語る人もいます。
しっかり筋トレをしているのに思うように身体が変わらないという人は、まずは食事の栄養バランスを見直してみることをおすすめします。
五大栄養素とPFCバランス
筋トレにおける食事管理は、五大栄養素(タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル)をバランスよく摂取することです。このうち三大栄養素と呼ばれる、タンパク質(protein)、脂質(fat)、炭水化物(carbohydrate)の栄養バランスのことを、それぞれの頭文字をとって「PFCバランス」と呼んでいます。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」によると、理想のPFCバランスは次のように示されています。
P(タンパク質)13~20
F(脂質)20~30
C(炭水化物)50~65
これは理想的な食事をするうえで欠かすことのできない指針となります。
そして、筋トレの食事メニューを考えるうえでも基本となる指針なので、しっかりと頭の中に入れておきましょう。
筋肉の成長に必要な栄養素
筋トレの食事では、筋肉の材料となるタンパク質をしっかり摂る必要があります。一般的には、体重1kgあたり1kgのタンパク質が毎日必要とされています。
さらに、筋トレをした日はタンパク合成が活発になるため、タンパク質もいつもより多く必要になります。目安としては体重1kgあたり1,4~1,8kgのタンパク質が推奨されています。体重70kgの人なら98~126gのタンパク質が必要になるのです。
また、筋肉の成長には炭水化物も大事な栄養素です。炭水化物を摂ると太ると思っている人も少なくありませんが、筋トレによって破壊された筋繊維の回復には炭水化物が必要不可欠なのです。筋トレをした日はタンパク質と一緒に炭水化物もしっかり摂るようにしましょう。
増量期と減量期の食事バランス
筋トレの食事メニューを組み立てるには、1日あたりのPFCバランスと摂取カロリーを考える必要があります。
習慣的に週2回以上の筋トレをしている人なら、基本的に高タンパクな食事を意識します。PFCバランスでいえば、P:F:C=40:20:40あたりが目安になるでしょう。
ただし、PFCバランスや摂取カロリーは1人ひとりの生活環境や運動習慣によって異なるため、自分のライフスタイルに最も適した食事メニューを把握しておく必要があります。
これをベースにして、増量減量といった目的に合わせてPFCバランスと摂取カロリーを崩していくのです。
増量期の食事バランスと摂取カロリー
筋肉を増やす、いわゆる増量期では摂取カロリーが消費カロリーを上回る食事メニューを組み立てます。
普段よりも炭水化物を多めに、栄養バランス的には、P:F:C=30:20:50あたりを目安にして、全体の食事量も増やしていきます。
ただし、炭水化物が増えるので、当然ながら体脂肪も増えてしまいます。これに抵抗を感じる人も少なくありませんが、原則的に脂肪を増やさずに筋肉だけを大きくすることはできないとされています。
脂肪が増えることで筋肉の断面積そのものが大きくなり、トレーニングで扱える重量も増えて筋肉量が増加するという理由です。
減量期の食事バランスと摂取カロリー
体を絞りたい、いわゆる減量期では摂取カロリーが消費カロリーを下回る食事メニューを組み立てます。
普段よりも炭水化物を減らした食事を意識して、栄養バランス的には、P:F:C=40:25:35あたりを目安に、全体の食事量を減らしていきます。
1日あたりの摂取カロリーが消費カロリーを下回ることで、体脂肪がエネルギーとして使われていきます。
ですが、基礎代謝量を下回るように極端な食事制限をすると、筋肉が分解されてエネルギーとして使われてしまい、上手く脂肪を減らすことができなくなってしまいます。
最近では身体をケトン体に誘導し、体脂肪をエネルギーとして使えるようにするダイエット方法が人気ですが、これはボディビルダーが大会前に短期間で体を絞る方法です。
まずは摂取カロリーを意識して時間をかけてじっくり脂肪を減らしていくのが良いでしょう。
食事をするタイミング
食事の回数は朝昼晩の1日3食が一般的ですが、筋トレで体づくりをする期間は1日5回の食事回数がおすすめです。
ちょうど午前と午後に、おやつの時間を設けるというイメージです。
ただし、これは1日あたりの摂取カロリーを増やすことが目的ではありません。あくまで1日あたりの摂取カロリーはそのままで、1回の食事量を少なくして、細かく5回に分けて食べるということです。
これは、空腹感を感じると糖質不足を補うため、筋肉が分解されてエネルギーとして使われてしまうメカニズムを防ぐためです。また、内臓に負担をかけないように食事の間隔は少なくとも3時間は空けてるようにしましょう。
筋トレ前の食事について
筋トレの1~2時間前には、おにぎり1個やバナナ1本などの軽い食事をするのが良いとされています。これは、空腹による筋肉の分解を抑えるためと考えられています。ですが、これにはさまざまな説があります。
まず、ジョギングやスイミングといった長時間おこなう有酸素運動は体脂肪をエネルギーとして使うため、スタミナ維持のためにも運動前の栄養補給が必要になります。ですが、無酸素運動である筋トレは、筋肉のなかになる筋グリコーゲンなどを短時間の間にエネルギーとして使う必要があるため、極端にお腹が空いていなければ無理に筋トレ前に食事をする必要は無いという説です。
また、アスリートのなかにも集中力が下がりパフォーマンスが低下するという理由で、競技の前は食事を控える人も少なくありません。こうした理由から、食事をするなら筋トレ後のタンパク合成が高まっている状態のときに、栄養バランスを考えた食事をすることをおすすめします。
プロテインでタンパク質不足を補う
筋トレに欠かせないサプリメントといえば、やはりプロテインです。
筋肉の材料となるタンパク質を食事から摂る場合、脂質や炭水化物といったタンパク質以外の栄養も含まれるためカロリー過多になりがちです。その点、プロテインならカロリーを抑え必要なタンパク質を手軽に摂取することができます。
筋トレ初心者のなかには、プロテインを飲むだけで筋肉がつくと思っている人がいるかもしれませんが、筋トレによるタンパク質不足を補うサプリメントというが正しい認識です。
また、ひと口にプロテインといっても、原料が異なるさまざまなプロテインがあります。筋トレ後30分以内のゴールデンタイムには吸収の速いホエイプロテイン、休養中のタンパク質補給ならガゼインプロテイン、就寝前のタンパク質補給ならソイプロテインといったように、目的や用途に合わせて使い分けるのが良いでしょう。
アミノ酸のサプリメントもおすすめ
筋トレの栄養補給にはプロテインの代わりにアミノ酸のサプリメントもおすすめです。
プロテインは体内でアミノ酸に分解されてから体の各部に運ばれますが、アミノ酸サプリメントなら分解の過程をカットできるため、体への吸収スピードが速くなるというメリットがあります。
人気のアミノ酸サプリメントにはBCAA(バリン・ロイシン・イソロイシン)やクレアチンなどがありますが、アミノ酸には「桶理論」というものがあり、何かひとつのアミノ酸だけを摂っても、他のアミノ酸が不足していると有効に使われないというメカニズムがあります。
そのため、アミノ酸サプリメントを選ぶなら、体内では合成できない9つの必須アミノ酸をバランスよく含んだEAA(essential amino acids)がおすすめです。
テキサス大学の研究者によれば、筋トレの前後でEAAと炭水化物を同時に摂取したところ、何も摂らないグループと比較してタンパク質合成率が751%も増大したという実験結果もあるほどです。
まとめ
筋トレで効率的に体づくりを進めるなら、トレーニング、休養、食事の3つがポイントです。なかでも栄養バランスや摂取カロリーといった食事管理がとくに重要です。
極端な食事制限などで栄養が偏ると筋肉の成長も低下し、体脂肪も落としづらくなってしまいます。
基本は五大栄養素の必要量をバランスよく食べ、サプリメントを上手に活用しながら筋トレを継続していくことが大切です。