クレアチンとは?筋肉への効果や摂取方法、副作用を徹底解説
筋力トレーニングをしている上で大切になってくるのが、筋肉を付けるための栄養素の補給です。食事に気を使えば摂取できますが、食事だけではまかなえない栄養素を補給したり効率よく補給するために、サプリメントは欠かせません。
筋肉を付けるために必要とされているサプリメントは、プロテイン・BCAA・クレアチンです。この中で、クレアチンについて取り上げます。
クレアチンとはどんな栄養素?
クレアチンは、必須アミノ酸で構成されていて筋肉内の組織に存在している物質で、主に肝臓や腎臓で合成されています。
クレアチンは、筋肉内に取り込まれると多くがクレアチンリン酸に変化し、ATP(アデノシン三リン酸)というエネルギー源を生産します。このATPはトレーニングを行う際に分解されて、ADP(アデノシン二リン酸)という物質に変化します。
クレアチンを摂取すると、このADPを再びATPに戻してくれる働きをするため、持久力向上や疲労回復効果によりパフォーマンスを上げることができるのです。
また、水分を蓄える性質があり、クレアチンが水分を蓄えることにより筋肉が引き伸ばされ、より多くのタンパク質を取り込むので筋力が増加します。
体内で生成されるクレアチンは、1日で必要とされる量の約半分程度です。また、肉や魚にも含まれていますが非常に含有量が少ないため、サプリメントで補う必要があります。
クレアチンの効果
摂取後の効果が早く出る
摂取後に高いパフォーマンス向上効果を発揮するサプリメントのことを、エルゴジェニックエイドといいます。
上記で述べたとおり、クレアチンはADPをASPに再生する働きを持っています。その効果は飲んで20~30分ほどで現れるため、クレアチンはエルゴジェニック効果が高いことで有名です。
疲労物質や乳酸を抑えて疲れにくくする
クレアチンは、筋肉のグリコーゲンとタンパク質の分解を抑える働きがあります。
また、激しい運動をしていると蓄積しやすい疲労物質を抑制してくれるため、持久力を必要とするトレーニングやランニングにも効果的です。
効果的に筋肥大を狙える
クレアチンが直接素早い効果を発揮しトレーニング中の疲労を抑えるため、より長く高負荷のトレーニングを持続することができます。
そのため、摂取しない時と比べてより最大限のトレーニング効果を発揮できることにより筋肥大を狙うことができます。
脳機能の回復、疲労軽減
クレアチンは脳にも存在しています。クレアチンを摂取することによりエネルギーが産生されると、筋肉だけでなく脳や神経系にもエネルギーが行き渡ります。
そのため、酸素の運搬が活発に行われ、脳の疲労が軽減されます。記憶力の改善や学習能力の向上にも効果があると言われています。
また、近年ではうつ病にも効果があると言う研究成果が発表されています。
クレアチンの効果を十分に発揮するための摂取方法
ローディングは必要?
クレアチンの摂取方法でまず挙がるのが、クレアチンローディングという摂取方法です。これは、まず体内のクレアチン濃度を最大値まで一気に引き上げてから通常の摂取量を摂取する方法です。
やり方は、1日20gのクレアチンを5g×4回に分けて摂取するのを1週間続けます。
これにより、体内のクレアチン濃度が最大値にまで達します。これをローディング期といいます。
その後は、ローディングで蓄えたクレアチン濃度を維持するために1日3~5gを摂取していきます。この期間が最も長いメンテナンス期で、2ヶ月から3ヶ月ほど続けます。
クレアチンを毎日摂取し続けると、内臓に負担が掛かります。また、摂取を続けていると身体がクレアチンを生成しなくてもいいと判断してしまうため、休止期を設けます。休止する期間は3週間から4週間程度です。これを繰り返しながら摂取を続けていきます。
ただ、最近はローディング期は不要との声も上がってきています。
ローディングを行わなくても、毎日3~5gの摂取を続けていけば1ヶ月で体内のクレアチン濃度が最大になるからです。
ローディング期間を設けるのは、あくまでも短期間で最大値に引き上げるための摂取方法なので、トレーニングのためであれば、ローディング期間を設けなくても問題はありません。
効果的な摂取方法
クレアチンは、トレーニング中のエネルギー源になるためトレーニング前後に摂取するのがおすすめです。
インスリンとともに細胞内へ取り込まれるため、糖質とともに摂取するのが効果的です。ですから、スポーツドリンクと一緒に摂取するといいでしょう。
ただ、クレアチンはさらさらとした顆粒状で非常に溶けにくい性質を持っています。スポーツドリンクに混ぜて飲んでも、口の中でざらざら感を感じるほどです。溶かして飲むというよりは、粉薬のように口の中に入れて流しこむという方法が一番飲みやすいです。
また、体内では水分と結びつきやすい働きをしていますので、摂取後は十分に水分を補給してください。
クレアチンに副作用はある?
クレアチンを摂取する上で、必ずと言って言われているのが腎臓と肝臓への影響です。
クレアチンが体内で消費されると、クレアチニンという老廃物が発生します。この老廃物は腎臓によってろ過されて体外へと排出されます。
また、肝臓においてもサプリメントを服用した場合には必ず肝臓を通過していきます。そして、老廃物を十二指腸へと運ぶ働きをしています。そのため、クレアチンを摂取していると通常よりも肝臓や腎臓に負担がかかるという理由で、クレアチン=腎臓・肝臓に悪いという説が広まりました。
しかし、今までクレアチンに関しての研究が多く行われており、長期に渡ってクレアチンを摂取することが人体に影響をおよぼすという結論には至っていません。
もう一つ、クレアチンの副作用として挙げられるのが、腹痛や下痢を引き起こすということです。
クレアチンを摂取すると、人によっては下痢を引き起こすことがあります。これは大量に摂取すると、胃で吸収しきれなかったクレアチンが腸まで到達し、浸透圧によって引き起こされるのが原因です。
一度に大量の摂取をした時や空腹時に摂取したときに起きやすいので、どうしても下痢や腹痛を起こしてしまう場合は、2gのクレアチンをぬるま湯に溶かして毎食後に服用することをおすすめします。
女性や高齢者のクレアチン摂取
筋肉を付けるサプリメントといえば、どうしても筋肉ムキムキの男性が摂取するものと思われがちですが、クレアチンの摂取は女性や高齢者にも適しています。
クレアチンを摂取すると、効率よく質のいい筋肉を付けることができるため、代謝も上がり脂肪のつきにくい身体になります。
また、トレーニングにより肝臓や身体全体の熱量を上げるため、冷え性や更年期特有の症状の冷えにも効果があります。
ただ、クレアチンを摂取したときの効果は十分な運動をしてこそ発揮されます。逆に、運動をしていないときに摂取すると体重増加につながるので、運動していない時の摂取は控えましょう。
高齢者においては、低強度での筋力トレーニングを行う際のクレアチンの摂取により、筋力と筋持久力が上がったという結果が報告されています。
また、脳機能にも効果があり、摂取により脳内のクレアチンが増加し、知能が改善しています。脳機能についてはさらなる研究が期待されますが、クレアチン摂取により高齢者の筋力低下や日常動作の衰えを軽減してくれることは間違いありません。
まとめ
クレアチンは、単体で筋肉を付けるサプリメントではありませんが、筋力トレーニング上級者に限らず誰でも摂取できて効果を実感することのできるサプリメントです。
正しい用法、容量を守りながら理想の体型を目指す身体づくりのサポートのために是非取り入れてみてはいかがでしょうか。