筋トレはヲタクであるほど効果があるという法則
筋トレを熱心に行なっている人に対する世間のイメージはどんなものでしょうか。さわやかなスポーツマンタイプな人ももちろんいますが、意外なことに筋トレの世界で強い人というのはヲタクであることが多いです。
ヲタクと聞けば、一見暗いイメージがあるかもしれませんが、ひとつのことを深く掘り下げて追求するタイプの人は大なり小なりヲタクです。
筋トレというのは筋肉の大きさとか、形とか、筋力に尋常ならざる熱意を燃やす特殊な世界です。そういう意味で筋肉ヲタクほど伸びやすい世界です。筋トレ界ではなぜヲタクが成功しやすいのかを考察したいと思います。
筋トレ界で成功しているのは筋肉ヲタクな人たち
筋トレはヲタクに向いたスポーツであることは間違いありません。なぜそう断言できるかと言えば、過去、筋トレの世界で成功している人たちを見れば明らかだからです。
筋トレ界の主な競技としてボディビル、パワーリフティング、ウエイトリフティングがありますが、これらの競技で成功した過去から現在のチャンピオンたちに共通しているのがヲタクであることです。それぞれの競技との特性と絡めて考えてみましょう。
ボディビルダーとして成功するヲタク
ボディビルダーとしてミスター日本とかミスターユニバース、あるいはボディビル競技の最高峰であるミスター・オリンピアで優勝した歴代のチャンピオンは、皆例外なく筋肉のことばかり考えている筋肉ヲタクです。ヲタクではないボディビルのチャンピオンは存在しなかったと言っても過言ではありません。
本人たちはもしかしたら否定するかもしれませんが、客観的に見ればヲタクしかいなかったと言えます。ミスター・オリンピアで6年連続優勝し、通算で7回も優勝したアーノルド・シュワルツェネガーは現在でこそ、俳優や元カリフォルニア州知事としてのイメージが強いですが、ボディビルダーとして現役選手だった頃はバリバリの筋肉ヲタクでした。
シュワルツェネッガーの選手時代はかなり昔のことですが、現在のチャンピオンたちを見てもやはりヲタクしかいません。四六時中、筋肉のことばかり考えていられるのは立派な才能です。
パワーリフターとして成功するヲタク
パワーリフティングで活躍している選手たちもやはりヲタクばかりです。パワーリフティングはスクワット、ベンチプレス、デットリフトで拳上した記録の合計値で優勝が決まる競技ですが、いかにして重量を伸ばすか、どういうフォームでやれば記録が伸びるのかなどといったことばかり考えている人たちです。
世間の一般人であれば、スクワットやベンチプレスの記録にそこまでこだわり切れるものではありません。記録ヲタクだからこそできることです。
ウエイトリフターとして成功するヲタク
ウエイトリフティングで成功しているのも上記の2つの競技と同様にヲタクな人たちです。ウエイトリフティングは特に頂点がオリンピックですから、メダルを賭けてのヲタクです。
ヲタクであることが筋トレで成功するための法則
筋トレの世界でヲタクほど成功率が高いのは上述の通りですが、ここではなぜヲタクが筋トレで成功するのか、その理由について考えてみたいと思います。
情報収集に強い
ヲタクは情報収集に強いです。現在のようなネット社会になる前から、目ざとく情報収集をしていたのがヲタクという人種です。
もともとアニメやアイドルの世界でどこでどんなイベントがあるかとか、アイドルたちがどんな行動をしているのかについて普通の人間では理解できないような嗅覚で情報を収集していたのがヲタクという人種です。
筋トレには情報収集が不可欠です。筋トレ方法にしても、サプリメントにしても、情報収集に熱心なヲタクほど筋トレに向いています。
情報の分析に強い
情報の収集だけでなく、情報の分析にも強いのがヲタクです。
情報というのは正しい情報もあれば間違っている情報もありますから分析力がないと正しい情報を活用できません。ネットが発達したことで情報の量が飛躍的に増えましたが、間違った情報も比例して増えています。
ネットの情報を鵜呑みにしていると間違った方向に行く危険があります。
筋トレの世界で何が正しくて何が間違いかを考える判断力がないと危険です。その意味で深く情報を分析するヲタクほど成功しやすいです。
ひとつのことに没頭できる
ひとつのことに没頭できるというのもヲタクの大きな才能です。
筋トレというのは同じ種目を何度も繰り返しますが、これは飽きやすい人には少なからず苦痛になってしまいます。筋トレを始めた人の9割が3ヶ月以内にやめてしまうと言われています。
期待したほどの効果がなかったなど、いろいろな理由があるでしょうが、飽きてしまってやめてしまう人も少なからずいるでしょう。同じ種目にずっと飽きず没頭できるのがヲタクです。没頭できるから記録も伸びて、結果的に筋肉も大きくなります。
数字に対するこだわりが強い
ヲタクには数字に対するこだわりが強いという特性があります。これは筋トレの世界に限ったことではありません。世の中のヲタク一般について言える傾向です。経済アナリストなどは数字ヲタクじゃないと務まりません。
筋トレの記録は数字で出ます。スクワットやベンチプレスで何キロ挙がった、前回よりもどれだけ記録が上回ったとか、1年でどれだけ伸びたのかといったことはすべて数字で出ることです。
サプリの摂り方にしても、何のサプリを何ミリグラム摂取する、という考え方をしないといけないのが筋トレですから、数字にこだわりが強いヲタクほど向いています。大雑把な性格よりも数字に細かいという性格が筋トレの世界では活きてきます。
例えば、「2メートルを超える大男」とか「丸太のように太い腕」といった表現が許せない人ほど筋トレ向きの性格と言えます。「2メートルを超える大男」だと2メートルをどこまで超えているのかがわかりません。2メートル1センチから2メートル99センチまであるわけですから、その中のどの数字なのかがはっきりしないと許せないと考えるのがヲタク的な思考回路です。
「丸太のように太い腕」という表現にしても、これだけでは上腕部や前腕が何センチなのかがわかりませんから、ヲタク的には許せない表現です。こういう細かい数字にこだわれるヲタクな人ほど筋トレで成功します。
計画的に動くことができる
筋トレは計画性がかなり重要です。ボディビルのコンテストを目指すにしてもパワーリフティングの試合に出るにしても、試合当日にピークが来るように調整しないといけません。何となく計画を立てているようではとても試合では勝てません。
実際、ボディビルのコンテストに向けての調整はちょっとしたことで狂ってしまいます。アーノルド・シュワルツェネガーのようにコンテストで勝ち続けた選手というのは試合当日までの計画で失敗しなかったという意味でも偉大だったと言えます。
いつまでも筋肉にこだわっていられる
いつまでも筋肉にこだわっていられるというのも筋トレヲタクの特徴です。
筋トレヲタクにとっては当たり前のことであっても、世間一般とはかなりかけ離れた感覚です。筋トレで効果を引き出すにはけっこうな時間がかかります。筋肉を極限まで発達させるには10年以上かかります。
それが長いと感じるか短く感じるかは個人差がありますが、いつまでも筋肉にこだわっていられるヲタクじゃないとテンションが維持できません。筋トレよりも気になることがたくさんあるのが普通の感覚です。仕事だったり、家族だったり、いろいろある中で最優先なのが筋肉というのがヲタクの強さです。
ヲタクであることの弱点
ヲタクであることは筋トレで成功するための大きな武器になりますが、同時にヲタクであることが弱点になることもあります。ヲタクの弱点を見てみましょう。
考え過ぎてしまう
ヲタクの弱点のひとつが考え過ぎてしまうことです。
筋トレやサプリのことを考えるのは良いことですが、考え過ぎて悩むようでは考え過ぎです。
ヲタクな人というのは何の世界でも考え過ぎて失敗する傾向があります。それが過ぎると筋トレでも逆効果です。
理論的に説明がつかないことに弱い
ヲタクな人は筋トレの理論を追求するのは得意ですが、理論的に説明がつかない問題にぶち当たってときに弱いです。
筋トレメニューをエクセルに入力して分析したりするのは強くても、いざ、理論的に説明がつかないことにぶち当たったときに弱いです。
筋肉をどうすれば大きく強くできるのかといったノウハウはいくらでも出回っていますが、根本的になぜ筋肉が大きくなるのかはわかっていません。
筋肉学の最高権威である東京大学の石井直方教授によれば、筋肉が大きくなるための5つの条件までは解明されているものの、それがどのように関連し合って実際に筋肉が大きくなるかはまだまだわからないそうです。
筋トレの世界ではまだまだ理論的に解明されていないものが多いです。筋肉を大きくする方法はかなりのところまでわかっていても、根本的になぜ大きくなるのか自体がかなりのところ謎なわけですから、理論だけで解決しようと思っても限界があります。
スランプが長い
ヲタクの人が考え過ぎてしまうことと関係していますが、ヲタクはスランプに陥ったときになかなか克服できません。頭で考える癖が逆効果になるパターンです。
ヲタクは理論的に物事を考えるので、スランプのように、なぜそうなったのかがわからないタイプの壁に当たったときになかなか対処できずに苦しむ傾向が強いです。
まとめ
世の中で「ヲタク」と言うときは、あまりプラスのイメージで語られないことが多いですが、筋トレの世界ではヲタクであるほど大物になる可能性が高いです。ボディビルダーとして世界レベルから国内レベルまで見れば、歴代のチャンピオンはほぼ全員ヲタクであると考えても間違いありません。
筋トレでヲタクが強いのは、数字や理論が先行することとも関係しているでしょう。筋トレには数字で見えるものが多いですから、この部分とヲタクの思考回路がよくマッチしています。しかし、ヲタクは理詰めで物事を考え過ぎるゆえの欠点があるのも事実です。
理論だけで考えるタイプのヲタクは不測の事態になったときに弱いです。理論家タイプの人間全般に言えることですが、考えるだけでは解決できないことが少なくないのが筋トレです。しかし、現実に筋トレで成功しているのはヲタクであるのは厳然たる事実です。
筋トレで本当の意味で成功するヲタクとただの筋肉ヲタクとはどこが違うのかと言えば、成功するヲタクは理論だけでなく直感にも優れていることです。
理論に強いだけでなく、理論で説明できない問題が出てきたときには直感で突破できるタイプのヲタクです。究極のヲタクと呼べるタイプのヲタクです。
理論にも直感にも強い究極のヲタクは筋トレの世界で最強ですが、生まれつきそうなっているというよりも、経験値の蓄積でそうなっていることが多いです。
もともとヲタクな素質を持っている人が経験を積むことで直感も磨かれて、究極の筋肉ヲタクが完成します。