正しい筋トレメニューでガリガリな体から脱却する方法
ガリガリな体を何とかしたくてたくさん食べたとしても、なかなか太ることはできません。ガリガリな人が体格をよくするために必要なのは筋肉をつけることです。
筋トレはガリガリな体から脱却するための一番効果的な方法です。ガリガリからマッチョになる方法をご紹介しましょう。
ガリガリとはどれぐらいを言うか
どれぐらい痩せているとガリガリと言うかのはっきりとした定義はありませんが、標準体重よりもかなり軽ければガリガリと考えていいでしょう。
男性の場合、身長が170センチで計算すると標準体重が63.6キロ、175センチなら67.4キロ、180センチなら71.3キロになります。身長だけで考えればこれらのような数字になりますが、実際には骨格などによって増減します。骨格が細い人であればこれらの数字よりも軽くなりますし、骨格が太い人であればもっと重くなります。
標準体重というのはあくまでも目安でしかありませんが、標準体重よりも大幅に軽いようであれば、ガリガリと言えるでしょう。
身長が170センチであれば50キロ、175センチで55キロ、180センチであれば60キロぐらいであるならガリガリと言えるでしょう。
ガリガリにもいろいろなタイプがある
ガリガリとひと口で言ってもいろいろなタイプがあります。代表的な3タイプを見てましょう。これらのどのタイプのガリガリであるかによって、筋トレでの反応がかなり違ってきます。
1.なかなか筋肉がつかないガリガリ
一生懸命筋トレしてもなかなか筋肉がつかないタイプのガリガリです。ガリガリの中でかなりの比率で該当しますから、このタイプのガリガリがマッチョになるのは簡単ではありません。ガリガリのまま、なかなか筋肉がつかないタイプの人は、筋肉のタイプの比率が原因であることがあります。
筋肉には速筋と遅筋がありますが、筋トレで目に見えて大きくなるのは主に速筋の方です。遅筋は発達しても筋肉の大きさにはさほど影響しません。速筋は瞬発力に優れた筋肉で、遅筋は持久力に優れた筋肉です。
この速筋と遅筋の比率は個々人によって違います。速筋の比率が多い人は陸上短距離走とか重量挙げのような瞬発系の種目に向いています。
筋トレでマッチョになれるのは、この速筋の比率が高く、かつ筋肉細胞の数が多い人です。
遅筋の比率が高い人はマラソンのような持久系の種目に向いていますが、筋肉を大きくしてマッチョになるのは難しいです。何もしていない状態では同じガリガリのようでも、速筋と遅筋の比率の違いからマッチョになれるかどうかがかなり左右されます。
筋トレの場合、速筋の比率が高い人ほど有利です。ボディビルダーとして成功しているのは圧倒的に速筋が多いタイプの人です。ガリガリの人は遅筋の比率が多いために痩せている可能性があります。この比率は生まれつきですから変えることができません。
2.努力次第で少しずつ筋肉がつくガリガリ
努力次第で少しずつ筋肉がつくガリガリというのがガリガリの中で最も多いパターンです。このタイプのガリガリにしてもなかなか筋肉がつきませんが、コツコツ筋トレを続けることでそこそこのマッチョになれます。
しかし、時間がかかります。数年間筋トレを続けてみたら、けっこう体が変わったな、というぐらいの感じになるでしょう。
3.驚異的に筋肉がつくガリガリ
筋トレを始めた時はガリガリでも、本格的に筋トレをやってみたら自分も周囲も驚くほどに筋肉がつくパターンです。
筋トレを始めた時には身長が175センチで55キロだったものが5年後には体重が90キロとか100キロになって別人のようになったりします。中には体重が倍以上になった例もあります。このタイプのガリガリが上記2タイプのガリガリと大きく違うのが生まれつきの筋肉細胞の数です。
筋トレを始める時には他の2タイプと同じようなガリガリの体型でも、眠っている筋肉細胞の数が格段に多いために、筋トレに反応して驚異的に大きくなります。
ガリガリ全体の中での比率にすれば少ないですが、実例としてはけっこうある話です。初めはガリガリでも筋トレと食事法で骨格まで太くなることがあります。特に成長期に筋トレを始めると骨格までもが成長する可能性が高くなります。
プロのボディビルダーでも、筋トレを始める前はガリガリであることが意外なほど多いです。ミスター日本に出るような選手たちにしても、もともとはガリガリなパターンが少なくありません。
ガリガリな人が皆、努力次第ではマッチョになれるというものでもないですが、人間の体は常識で考えられている以上に変えられる可能性があるのは現実が証明しています。
ガリガリな人が筋肉がつかない理由とは
筋トレで頑張ってもなかなか筋肉がつかないのは、上記のような筋肉がつきにくい体質だからということもありますが、それ以外にも、いろいろと理由が考えられます。ガリガリの人が筋肉がつかない理由を考えてみましょう。
正しい筋トレをしていない
まず第一に挙がる理由が正しい筋トレをしていないことです。ガリガリからマッチョになろうとしたら、自己流のちょっとした筋トレ程度では劇的な効果など期待できません。
ガリガリの人はもともとが平均値よりもかなり細い状態からのスタートですから、平均的な体重やサイズにするまでがまず壁になります。その壁を突破するにはそれなりに本格的な正しい筋トレメニューが必要です。
食事量が足りない
ガリガリな人は食事量が少ないことが多いです。いくら一生懸命トレーニングしても食事量が足りなければ筋肉がつくどころかさらにガリガリになってしまいます。
せっかくトレーニングで筋肉細胞を破壊しても、タンパク質を始めとした栄養補給をしなければ、筋トレ効果は限定的です。ガリガリな人は食が細い傾向が強いですから、意識して食事量を増やさないとガリガリから脱却できません。
トレーニング強度が足りない
筋肉を大きくするためには筋繊維を破壊して超回復現象を起こす程度の強度のトレーニングが必要です。
強度が強過ると回復することすら難しくなって超回復にまで届きませんが、強度が足りなければ、超回復現象が起きません。ここが筋トレの難しいところです。
継続性がない
ガリガリな体に筋肉をつけて太くするには当然ながら筋トレを続けることが最低条件ですが、続けること自体がそれなりに壁になります。
ジムに入会する筋トレ初心者で3ヶ月以上トレーニングが続くのはわずか1割に過ぎません。せっかく始めた筋トレをすぐにやめてしまう理由はいろいろありますが、やはり一番多いのが期待したほどの効果がなかったからでしょう。
筋トレ効果が目に見えてわかるのは筋トレを始めてから3ヶ月ぐらい経ってからです。一般的に言っての話が3ヶ月ぐらいのものですから、ガリガリな人ならもっと時間がかかります。
続けないことには効果がないのが筋トレです。ある程度の効果が出たところでやめてしまえばすぐに元の木阿弥です。
ガリガリを克服するための筋トレメニュー
ガリガリを克服するための筋トレメニューをご紹介します。
ガリガリな人は筋トレを始めた当初は筋肉量が非常に少ないですから、その点を踏まえた筋トレメニューにする必要があります。
全身をしっかり鍛える
ガリガリを克服するためには全身をしっかり鍛えるように筋トレメニューを組む必要があります。
筋トレ初心者にありがちなのが、上半身だけとか、腕だけを鍛えるようなメニューを組んでしまうことです。それだとガリガリから脱却できません。
ガリガリを克服するためには大きな筋肉を中心にして、全身をしっかり鍛えるのが必要不可欠です。
基本種目以外の種目はあまり増やさない
基本種目以外はあまり種目を増やさないようにした方がいいです。
ガリガリの状態であれこれ種目を増やしてもすぐにオーバーワーク状態になってしまいます。脚ならスクワット、胸ならベンチプレスというように定番の基本種目があります。それぞれの筋肉部位につき、冒頭で基本種目を行なうようにします。
それ以外の種目は極力抑えるようにしましょう。あれこれ種目を増やしてもガリガリの状態ではあまり意味がありません。
種目を増やしてトレーニングのボリュームを増やすことで効果が出るのはある程度筋肉が大きくなってからです。
回復力を超えるボリュームの筋トレメニューでは筋トレの肝である超回復が起こせません。やり過ぎに注意しましょう。
使用重量を伸ばす
ガリガリを克服するためには筋力を伸ばすことが不可欠です。これはガリガリの人に限らず、筋トレで効果を出すためには必要不可欠ですが、ガリガリであればあるほど筋力を伸ばさないことには筋肉がつきません。
初めは低回数より中回数
1セットあたりの繰り返し回数は低回数よりも中回数から始めましょう。8回から10回を正確にできる重量がおすすめです。
高重量に挑戦するために低回数というやり方はある程度筋肉がついてからでないと体が反応しません。
全体のセット数を増やして、低回数から中回数を網羅するのは筋肉がある程度大きくしてからの方が効果的です。
ガリガリを脱却するための食事法
ガリガリの人は内臓が弱くて食べる量が少ないことが多いです。無理に食べても体が吸収できませんから、内臓も徐々に強くする必要があります。
筋トレで効果を上げる食事法としてよく推奨されているのが1日の食事を5回から6回に分ける方法ですが、ガリガリで内蔵が弱い人の場合は食事の間隔を詰め過ぎるとかえって内臓に負担がかかります。
内臓が弱いガリガリの場合は、食事の間隔を5時間から6時間空けた方がいいです。間にプロティンなどのサプリメントを摂るのは効果的です。
内臓を強くするには食事法だけでなく、体全体に負荷をかける筋トレと、腹筋運動で徐々に内蔵が強くなります。
筋トレの強度は徐々に強くしていく
筋トレで効果を上げるためには強度の高いトレーニングが必要ですが、ガリガリの人の場合、初心者のうちからいきなり強度が高いトレーニングにすると、体が耐えられない可能性が高いです。
無理にトレーニングで追い込むのではなく、徐々に強度を高めるようにしましょう。
フォームを崩さないようにする
使用重量を伸ばすのは重要ですが、あくまでも正しいフォームでできる範囲での話です。
初心者に限らず筋トレ愛好者がよくやってしまうミスがフォームを崩して使用重量を伸ばしてしまうことです。筋トレに熱心な人ほど使用重量にこだわりますが、使用重量にこだわるあまりフォームを崩してしまうのでは何の意味もありません。
ベンチプレスで言えば、お尻を浮かしてブリッジをしながら、さらに可動範囲を狭くしてしまう、なんていう崩れたフォームで行なっているトレーニーをよく見かけます。スクワットでも可動域がどんどん狭くなって、最悪、何の種目だかわからないようなレベルまで崩れてしまうことがあります。
筋トレ愛好者がフォームを崩しがちなのは、フォームが崩れている方が高重量が扱えるからです。しかし、フォームを崩して高重量で行なっても、効果はさほどありません。
フォームを崩すのが問題なのは効果がないからだけでなく、一度フォームを崩すとなかなか直せないからです。
いきなり上級者のマネをしない
ガリガリな人は体力的に弱いことが多いですから、筋トレメニューでいきなり上級者のマネをすると逆効果です。
上級者のトレーニングは初心者のトレーニングよりも強度がはるかに高く、ボリュームも多いですから、いきなりマネすると疲労するだけで効果がありません。
まとめ
ガリガリの人は筋トレで頑張ってもなかなか筋肉がつかないパターンが多いですから、こつこつ筋トレを続けるしかありません。ガリガリの人がマッチョになれずに終わる一番の理由は筋トレが続かないことです。ちょっとやってみて筋肉がつかないからとすぐに諦めてしまう人があまりにも多いのが世の中の現状です。
ガリガリの人に限ったことではないですが、ジムに入会して筋トレを始めた人の9割は3ヶ月以内にやめてしまいます。3ヶ月というのは、筋トレの効果がようやく目に見えて出てくるほんの初期段階です。そこに至るまでにやめてしまうのはあまりにも惜しいです。
ガリガリな人が筋トレでマッチョになるのはハンデがあるのは確かですが、諦めずに続ければ、よほど素質で劣っていない限り、それなりのマッチョになれるものです。
上記のように、プロのボディビルダーでも、もともとはガリガリだった人が少なくないのを見ても、マッチョを目指して筋トレを追求すれば、自分の予想以上のマッチョになれる可能性があります。継続は力なりと言われますが、ガリガリからマッチョを目指すにはまさに的を得た表現です。