筋トレ前後に効果的な立ってできるストレッチメニュー徹底解説
皆さんは筋トレにストレッチを取り入れていますか?
筋トレに集中したいから、ストレッチなんて面倒臭くてやらない!という人は確実に損をしています。ストレッチも立派なトレーニングの一部です。
今回はストレッチのメリット、筋トレ前後で手軽に立って行うストレッチメニュー、ストレッチのポイントについて説明していきます。
ストレッチのメリット
体の柔軟性が向上し、ケガをしにくい体になる
ストレッチは筋肉の柔軟性を増やして伸びやすくします。その結果、関節の可動域が広がって、これまで曲げようとしても曲がらなかった部分が曲がるようになり、届かなかったところに届くようになります。筋トレにおいては、筋肉を隅々まで鍛えることができるなどのメリットが得られます。また、ダンベルやバーベルなどの重たい器具を扱う時にも、体が柔らかい方がケガをしにくくなります。
このように、体が動かせる範囲が広がることで、動作に余裕ができて動きがスムーズになります。その結果、関節や筋肉にかかる負担が減るので、ケガをしにくくなります。
疲労回復と栄養を運ぶ効果がある
筋肉は収縮と弛緩で血液を送るポンプ機能を持っています。ストレッチで筋肉がほぐされると、このポンプ機能が向上して血液の循環が良くなります。血液の循環が良くなると、疲労物質である乳酸が蓄積せずスムーズに排出されようになります。また、酸素や栄養素も全身に行き渡るようになります。
筋トレの後にストレッチをすると乳酸が溜まらないので、筋肉痛も軽く済みます。また、筋肉の成長に必要な栄養素が末端まで運ばれるようになるので、疲労回復だけでなく筋肉の生成も効率良く行えるようになります。
体だけでなく、心もほぐれる
ストレッチで筋肉をゆっくり伸ばすと、体をリラックスさせる副交感神経が優位になります。心拍数も低くなって、気持ちが落ち着くリラックスモードに切り替わります。
集中して筋トレした後は、交感神経が優位になって興奮状態です。ストレッチは、興奮状態をリラックスモードに切り替えるスイッチの役割をしています。ストレッチでオンとオフがはっきりと区別できるようになり、トレーニングにメリハリがでます。
筋トレ前の動的ストレッチ
筋トレ前には軽く勢いをつけて筋肉を伸ばす動的ストレッチを行います。動的ストレッチをすると血行が促進されるので、体を温める効果もあります。最近のスポーツのウォームアップは動的ストレッチが主流になっています。
今回は手軽に立ったまま行える動的ストレッチメニューを紹介します。
太もも裏側とお尻
ランジで前方に歩く動的ストレッチで、太ももの裏側とお尻の筋肉を伸ばします。
- 立った姿勢から右足を大きく前に踏み出して、左膝が床につくくらいまで腰を落とします。
- 次に左足を大きく前に踏み出し、右膝が床につくくらいまで腰を落とします。これを左右5回繰り返します。
太もも表側
左右のかかとにタッチする動作で、太もも表側の筋肉を伸ばします。
- 立った姿勢から右足を膝から後ろに曲げて、右手でかかとにタッチします。
- 左足も同様に行います。左右5回繰り返します。
リズミカルに繰り返しましょう。
股関節周り
足を付け根から内側と外側に大きく回して、股関節周りをほぐします。
- 立った姿勢から、右足を付け根から内回りに大きく回します。
左足も同様に行います。 - 次に右足を付け根から外回りに大きく回します。左足も同様に行います。
内回りと外回りを左右それぞれ5回ずつ行います。
胸周り
肘を後ろに引っ張る動作で胸の筋肉をほぐします。
- 胸を張って立った姿勢で、肘を胸の高さに上げます。前腕は水平にします。
- 軽く反動をつけながら、肘を背中側に引きます。10回繰り返します。
肩周り
腕の付け根から内側と外側に大きく回して、肩周辺をほぐします。
- 立った姿勢で、腕を伸ばしたまま体の前で交差させます。
- 腕を付け根から内回りに大きく回した後、外回りに大きく回します。
内回りと外回りをそれぞれ5回行います。
背中とお腹
前屈と後ろ反らしを交互に行います。前屈で背中を、後ろ反らしでお腹をほぐします。
- 立った姿勢から膝を少し曲げて、上体を前に倒します。
- 上体を起こして腰に手を当て、上体を後ろに反らします。
10回繰り返します。
動的ストレッチのポイント
反動をつけすぎない
トレーニング前は体が十分に温まっていないので、無理に反動をつけて行うとケガをします。軽く反動をつける程度にしましょう。
可動域全体を使う
動的ストレッチは筋肉を温めながら伸ばすことが目的です。しっかりと可動域全体が伸びるようにしましょう。
無理に伸ばさない
痛いところまで無理に伸ばすと、ケガをします。軽く体をほぐすイメージで、痛くないところで止めましょう。
動的ストレッチ参考動画
股関節・肩甲骨の動的ストレッチ/ コニカミノルタランニングプロジェクト
ケガを防ぐ!運動前に行ってほしい動的ストレッチ!
筋トレ前ストレッチ!動的ストレッチで筋トレのパフォーマンスが上がります!
筋トレ後の静的ストレッチ
筋トレ後は筋肉が伸びるところで静止する静的ストレッチを行います。筋トレ後の呼吸を整える効果もあります。静的ストレッチにはリラックス効果もあるので、トレーニングの緊張がゆっくりとほぐれるのを感じて下さい。
今回は簡単に立って行える静的ストレッチメニューを紹介します。
太もも裏側とお尻、背中
- 立った姿勢から膝を軽く曲げて、上体を前に倒し前屈します。
- そのままの姿勢を30秒キープします。
太もも表側
- 立った姿勢で左手を壁につき、右足を膝から後ろに曲げて、かかとをお尻に近づけます。
- 右手で右足のつま先を掴んで上に引っ張り、30秒キープします。
反対側も同様に行います。
足の力は抜いて、太もも前側が伸びているのを意識しましょう。
股関節周り
- 腰に手を当てて、足を開いて立ちます。
- 右足は伸ばしたまま左膝を軽く曲げ、上体を右側に倒します。
- そのままの姿勢を30秒キープします。左側も同様に行います。
上体が前に倒れないように注意しましょう。
胸回り
- 立った姿勢で右腕を後ろに伸ばして、手のひらを壁につけます。
- 体を左側に捻り、30秒キープします。反対側も同様に行います。
肩回り
- 立った姿勢から右腕を曲げて、肘が天井に向くように上げます。
- 左手で右肘を持って後ろに引っ張り、30秒キープします。
反対側も同様に行います。
上体が前に倒れないように注意しましょう。
お腹
- 立った姿勢から、腰に手を当てて上体を反らします。
- 30秒キープします。
静的ストレッチのポイント
勢いをつけずにゆっくり行う
筋肉は勢いをつけると、反射的に伸びが制限される性質を持っています。ゆっくりと行うと伸びが制限されることがないので、狙ったポイントを効率よく伸ばすことができます。
無理に伸ばさない
筋肉の限界を超えて無理に伸ばそうとすると、ケガの原因になります。あせらず無理せず、痛気持ち良いところで止めましょう。
呼吸を止めない
呼吸が止まると筋肉は固くなって、伸びにくくなります。自然な呼吸ができていれば、筋肉は固くならずに伸びてくれます。
リラックスする
ストレッチをする時は、伸ばしている部分に意識を集中して、他の事は考えないようにしてリラックスしましょう。体の余分な力が抜けて、より効果的に筋肉を伸ばせるようになります。
1か所につき30秒程度行う
一般的に推奨されているのは1か所30秒です。30秒集中してストレッチしましょう。全身でも合計10分程度がストレッチに必要な時間になります。10分であれば、トレーニングにプラスしてもそれほど長時間にはなりませんので、ぜひ取り入れましょう。
静的ストレッチ参考動画
疲労軽減!運動後に行ってほしい静的ストレッチ!
足の静的ストレッチ
ストレッチ/筋トレ前後・ランニング前後(前は軽く、後は入念に)
まとめ
今回はストレッチのメリットと筋トレ前後で立ってできるストレッチメニュー、ストレッチを行う時のポイントについて説明しました。
ストレッチメリット
- 柔軟性が向上し、ケガをしにくくなる
- 疲労回復と不調改善の効果がある
- リラックス効果がある
筋トレ前の動的ストレッチ
- 軽く反動をつけてリズミカルに行う動的ストレッチを行う
- 反動をつけすぎない
- 可動域全体を使う
- 無理に伸ばさない
筋トレ後の静的ストレッチ
- 伸びたところで維持する静的ストレッチを行う
- 勢いをつけず、ゆっくり行う
- 無理に伸ばさない
- 呼吸を止めない
- リラックスする
- 1か所につき30秒程度行う
ストレッチもトレーニングの一部です。今回紹介したのは立ってできるストレッチメニューなので、手軽に取り組めます。トレーニング前後には必ずストレッチを行って、筋トレの効果を上げて下さい。