筋トレにおける筋肉痛との正しいつき合い方を徹底解説
筋トレを本格的にやればやるほど筋肉痛とのつき合い方が重要になります。
筋肉痛が出るのは十分な強度のトレーニングをしたサインですが、筋肉痛が強過ぎても逆効果ですから、なかなかに難しいのが筋肉痛です。
筋肉痛との正しいつき合い方について解説いたします。
筋トレと一体不可分なのが筋肉痛
筋肉痛は筋トレで筋繊維を破壊して疲労物質が筋肉に溜まることで起きる現象です。
近年の研究によれば、筋膜の張りや硬さが関係しているという説もありますが、いずれにしても、筋トレで筋肉に強い負荷を与えたことで起きる現象であることは間違いありません。筋トレと筋肉痛は一体不可分の関係にあります。
筋肉痛は良いトレーニングのサイン
筋肉痛が出ることはしっかり筋トレで効かせられている証拠です。過度の筋肉痛ではかえって有害ですが、適度な筋肉痛はしっかりと筋肉が鍛えられているサインです。
筋肉痛が好きなら筋トレの才能あり
筋トレで起きる筋肉痛が心地良いと感じるならそれだけでも筋トレの才能があります。
筋肉痛が苦手で筋トレをやらないプロ野球の選手もいるぐらいですから、筋肉痛に対する好みには個人差があります。
毎回の筋肉痛が快感になるようなら長く筋トレを続けることができるでしょう。
筋肉痛以上にパンプアップを重視する
筋肉痛が起きることは良いトレーニングができた証拠ですが、筋肉痛が起きるかどうか以上にトレーニング中にしっかりと効かせてパンプアップさせることの方が重要です。
トレーニングでしっかり効かせられているのであれば、思ったほどの筋肉痛が出なくても問題ありません。
筋肉痛が出るまでの時間
筋トレで筋肉をハードに鍛えた後に出るのが筋肉痛ですが、トレーニングしてからどのぐらいの時間が経ってから筋肉痛が出るかはかなり個人差があります。
傾向としては若い人や回復が早い人ほど筋肉痛が早く出ます。トレーニングの翌日か、さらに早い人だと、トレーニングを終えて数時間後に出る人もいます。
逆に筋肉痛が出るまでにかなり時間がかかる人もいます。トレーニングの翌日にはまだ出ないで、2~3日後に出る人もいます。特に脚や背中などの大きな筋肉ほど筋肉痛が遅く出る傾向があります。
若い頃にはすぐに筋肉痛が出たものが年齢が上がるにつれて筋肉痛が遅く出るようになることもあります。
しかし、これはかなり個人差があり、高齢になってからも若い頃と変わらないという人も少なくありません。自分がどのタイプなのかを見極めることで状況に応じて対処が可能になります。
筋肉痛が抜けるまでの時間
筋肉痛が出るまでの時間に個人差があるのと同様に、一度出た筋肉痛が抜けるまでの時間にも個人差があります。
筋肉痛のマックスの状態から完全に抜けるまでの時間です。このマックスの筋肉痛から、完全に抜けるまでの時間が早い人ほど回復が早いと言えます。回復が早ければ早いほど多くのトレーニングがこなせることになります。
一番筋肉の回復が早いタイプの人は、筋肉痛が出るまでの時間が早く、かつ抜けるまでの時間が早い人です。
筋肉痛が出ないのではなく、最大限の筋肉痛が出るまでが早くて、かつ抜けるのも早い人のことです。年齢が若いほどそのタイプである傾向がありますが、これはかなり個人差があります。
筋肉の大きさと筋肉痛
筋肉が大きくなるほど筋肉痛が強くなって回復に時間がかかるようになる傾向がありますが、逆に筋肉が大きくなるほど回復が早くなる人もいます。
筋肉には適応力がありますから、ハードなトレーニングに対する適応力が高い人ほど回復が早いです。
日本人は欧米人に比べてかなり神経系が強いため、欧米人が驚くほどのトレーニングがこなせることが多いです。
筋肉痛が出やすい筋肉と出にくい筋肉
筋肉痛が出やすい筋肉と出にくい筋肉があります。筋肉に効かせる技術によっても差が出ますが、大きい筋肉ほど筋肉痛が強く出る傾向があります。脚や背中、胸といった大きな筋肉ほど筋肉痛が出やすいです。
一方、肩、腕、カーフ、腹筋といった小さな筋肉は普段継続にトレーニングしていればそれほど強い筋肉痛は出なくなります。
小さい筋肉でも普段トレーニングしていない人がいきなり全力で行なった場合や、長くトレーニングを休んだ後にトレーニングを再開した時などだと筋肉痛が強く出ますが、適応すればそれほどの筋肉痛は出なくなります。
しかし、筋肉痛が出ないからといって、2日続けて同じ筋肉をトレーニングするのはおすすめしません。最低でも48時間は間隔を置くようにしましょう。
強過ぎる筋肉痛は逆効果
筋肉痛は強いほど良いものだと思いがちですが、強過ぎると逆効果です。指でつついただけで激痛がするようなら筋肉痛としては強過ぎます。
筋肉痛で仕事に身が入らないとか、体がぐったりして気分が悪いというのではやり過ぎです。
筋肉痛が完全に抜けるまで待つ
筋肉痛が残っている間はその筋肉をトレーニングしてはいけません。
筋肉痛がある段階ではまだ筋肉の回復が完了していませんので、そこでトレーニングしたのでは早過ぎます。
完全に筋肉痛が抜けて、さらに少し余裕があるぐらいで次のトレーニングをするのが丁度いいです。
長く休んだ後のトレーニングには要注意
長く筋トレを休んだ後に筋トレを再開するとか、風邪を引いたりしてしばらく筋トレを休んだ後に再開する時はいきなり全力でトレーニングするのではなく、一旦強度や重量、ボリュームを下げて徐々に体を慣らすようにしましょう。
いきなり全力でトレーニングすると、筋肉痛が強過ぎて筋肉が固まってしまうことすらあります。
ケガの原因にもなりますから、筋トレ再開後は体がトレーニングに適応するまで十分に時間をかけることが重要です。
メニューを変更する時にも筋肉痛に注意
筋トレメニューを新しく組み直したり、新しい種目を行なう際にも新しい刺激で過度の筋肉痛になる可能性があります。
大きく種目を組み替える場合は、いきなり新しいメニューで全力で行なうのではなく、最初は強度をやや抑えて、体が慣れるのを待つようにしましょう。
筋肉痛が強過ぎた時の対処法
筋肉痛が強過ぎて筋肉が固まってしまい、伸ばすのも苦しいような時は、少しずつストレッチしてほぐすようにします。
いきなりではなく、徐々に筋肉を伸ばしながら慣らすようにすると血流が良くなって、筋肉痛の抜けが早くなります。
お風呂でマッサージしたり、アイシングをするのも効果的です。
筋肉痛と超回復の関係
筋トレの効果を上げるために不可欠なのが超回復です。超回復なくして筋トレ効果はありません。
ただやみくもにトレーニングしているだけで、超回復現象を起こせないと、現状維持が精一杯です。
超回復の前に必ず回復が先行する
超回復が起きない限り筋トレの効果はありません。
筋トレで筋肉を追い込むと、筋繊維が破壊されます。その破壊された筋繊維が休養や食事などで回復させて、さらに回復を超えて超回復させることで初めて筋肉は強くなり、大きくなります。このプロセスなしに筋トレの効果はありません。
超回復の前に必ず回復が先行するということがポイントです。
ハードな筋トレで筋繊維が破壊された後はまず、筋肉の回復作用が起こり、その後に回復を超えて超回復現象が起きます。回復がなくて超回復だけが起きるということは理論的にあり得ません。
筋トレで筋肉を大きくできている人は超回復現象を上手く起こせている人です。
ただやみくもにハードトレーニングしているだけでは肝心の超回復が起きません。ここが筋トレの難しいところでもあります。
筋肉痛が強過ぎると超回復できない
筋肉痛が強過ぎると超回復の妨げになります。
超回復は筋肉の回復の後に起きる現象なわけですから、回復するまでに時間がかかり過ぎるようだと、超回復を起こすほどの余力が残っていないため、回復するまでが精一杯になってしまいます。
筋肉の疲労が強過ぎて筋肉痛が強過ぎる場合、超回復に至らないどころか、下手したら回復するまでにすら至りません。それが続くと筋肉が小さくなったり、筋力が弱くなったりします。
筋肉痛で超回復を判断する
理想的な超回復を起こすためにはどのぐらいの筋肉痛がいいのかの程度を自分で体感的に知っておく必要があります。これはかなりのところ、経験値がないとわかりません。
どのぐらいの筋肉痛だと理想的な超回復が起きるかがわかるようになると、筋肉痛の程度や抜け具合で超回復が判断できるようになります。
まとめ
本格的に筋トレするのであれば、筋肉痛は避けて通れません。
筋肉痛というのはトレーニング中のパンプアップと並んで筋トレの快感ではありますが、過度な筋肉痛は有害です。適度な筋肉痛こそが理想です。
適度な筋肉痛というのは、そこそこ痛みがあって、次回のトレーニングが楽しみだ、というぐらいの筋肉痛です。
どのぐらいの筋肉痛までは大丈夫なのかはしかし、かなりのところ個人差がありますし、自分で経験してみて、最適解を自分で探る必要があります。
熱心に筋トレに取り組む人ほど、筋肉痛ばかり追いかけてしまいがちですが、トレーニング中にしっかり効かせ切れていれば、筋肉痛がどれほどであるかはそれほど神経質になる必要はありません。