筋トレのメニューを組むにあたって中学生が気をつけるべきこと

投稿日: 2017年11月15日

ガッツポーズの中学生男子

中学生時代は身長が最も伸びる時期ですから、そういう時期に成人と同じような本格的な筋トレを行なうとすると、多々問題があります。

一般的にはスポーツというのは開始年齢が早い方が有利ですが、筋トレの場合は事情が違います。中学生が無理なく行なえる筋トレメニューと注意点を解説します。

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中学生が本格的な筋トレをやることの問題点

中学生から成人と同じ本格的な筋トレを行なうことには問題点が少なくありません。

まずは、身長に関する問題があります。

軽い筋トレなら問題が少ないとしても、本格的な筋トレとなると、問題が多いです。身長を中心に中学生が本格的な筋トレをやることの問題点を考えてみましょう。

中学生は最も身長が伸びる時期

身長が伸びる様子

中学生は入学時が12歳、卒業時が15歳です。身長が人生で一番伸びる時期にあるのが中学生です。特に身長が伸びるのが1年生の時です。

1年生のうちに10センチから15センチも身長が伸びるのも珍しくありません。そういう成長期にスポーツを始めるのは、成長期と相まって運動神経も発達するので、一般的には効果的と言えますが、これが筋トレの場合は単純に良いとは言えません。

成長期は骨が変形しやすい

身長が伸びる時期というのは、骨が変形しやすい時期でもあります。骨格がまだ成長期で骨格が決まっていないわけですから、成人よりも骨が変形しやすいのです。

成長期に縦からの大きな負荷をかける筋トレを行なうと、側弯症のような病気になる危険すらあります。

筋トレで身長が伸びるのは少数派

成長期に筋トレを行なうと身長が伸びるとの説もありますが、現実を見ればそうなっている人はかなり少数派です。

成人で筋トレしている人だと、筋トレで身長が縮んだと言う人が少なくありません。

高校生の時に170センチあった身長が筋トレをやって167センチに縮んだ例を聞いたことがあります。3センチの縮み幅はかなり大きいですが、程度の差こそあれ、縮んだ人が少なくありません。

成人男子が筋トレで身長が縮む可能性が低くないということは、中学生で考えれば自ずと結論が出てきます。

中学生という成長期であれば、筋トレを行なっても完全に身長が止まることはないまでも、本来なら伸びたであろう身長までは到達しない可能性が高いです。

筋トレはスクワットでもベンチプレスでも、筋肉と共に骨格に対して大きな負荷がかかります。特にスクワットがそうです。

高重量のバーベルを担いで屈伸運動をするのがスクワットなわけですから、骨格にかかる負荷は最大クラスです。これについて、スクワットのように長軸に対して負荷をかける運動をすると身長が伸びるという説がありますが、あまり信用できません。

むしろ、本来なら175センチまで伸びたであろう身長が筋トレのせいで172センチで止まってしまった、なんていうことになる可能性が高いと思った方がいいです。

中学生、特に低学年から本格的な筋トレを行なうのは控えた方が無難です。

本格的な筋トレは身長が伸び切ってから

成長した男子高校生

ここまで見てきたように、中学生が成人のような本格的な筋トレを行なうことはメリットよりもデメリットの方が多いことがわかります。

本格的な筋トレを行なうのは高校生以降まで待ちましょう。ある程度本格的な筋トレを行なっていいのは、最低でも中学3年になってからです。

筋トレは開始年齢が早い方が有利なわけでもない

野球やサッカー、テニスといったプロスポーツで成功している選手や、柔道や水泳、体操などのオリンピック種目で活躍している選手たちの多くは小学生の頃にそのスポーツを開始していることが多いです。必ずしも小学生の時ではなくても、遅くても中学生の頃には開始している選手が圧倒的に多いです。

スポーツはこれらの例のように、スタートが早い方が一般的に有利だとされています。過去の実例を見ればかなりのところ正しいと言えるでしょうが、筋トレの場合は早い方が有利かと言えばそうでもありません。

ホルモン分泌の関係もあって、あまりに早くからスタートしても筋肉の発達自体がさほどないという問題もあります。中学生の場合、特に低学年の場合は劇的な効果はないと考えた方がいいです。

パワーリフティング部があるのは高校からである理由

近年、パワーリフティング部がある高校が増えています。高校生の全国大会まで開催されるようになっています。

かつては大学生から始める人が圧倒的に多かったパワーリフティング競技を高校生が行なっています。大学生が出していた記録を高校生が出すようになっていくでしょう。

これはひとつの進化ですが、パワーリフティング部が高校からはあっても中学にはない理由は、骨格が決まっていない中学生から本格的な筋トレであるパワーリフティングなどを行なうのは不適切だからです。

ボディビルのコンテストにしても高校生の全国大会が行なわれていて、かなりレベルが高くなっています。しかし、ボディビルについても、パワーリフティングと同様に高校選手権はあっても、中学生の大会はありません。

最高到達点は決まっている

自分の限界までトレーニングした男性の力こぶ

筋トレを早く始めたから有利なわけではないというのは、成長期や身長の問題以外にも、最高到達点が生まれつき決まっているからという点でも言えます。これは筋トレに限らず、他のスポーツでも、勉強でも、その人が持っている才能や素質は生まれつき決まっているので、筋トレだけの特殊事情というわけではありません。

脳科学の分野での研究でも、もともとの脳の才能はDNAであらかじめ決まっているので、幼児教育などはさほどの効果がないことが解明されています。

努力しても無駄なようで身も蓋もないような話にも聞こえますが、何の世界でも才能が成功のために必要なのは変わりないです。

どれぐらいの筋力まで伸ばせるか、どのぐらいの筋量になれるかといったことは生まれつき決まっています。

筋トレや努力でできることは、もともとある素質を引き出すことです。もともと決まっている素質をいかに引き出すかが筋トレの本質であることを考えれば、中学生から焦って本格的に行なう必要がないことがわかります。

筋トレほど長く続けられるスポーツは珍しい

筋トレに関して、中学生から焦って本格的に行なう必要がない理由として、筋トレというスポーツの寿命の長さがあります。

筋トレほど長く本格的にできるスポーツは他にありません。パワーリフティングでもボディビルでもそうですが、選手の寿命が他のスポーツと比べて格段に長いです。

野球でも柔道でも、早くに始めないと大成できないと考えられているのは、本格的に競技を行なえる選手寿命が短いからという事情があります。

プロ野球の選手で第一線で活躍できるのは、せいぜい40歳ぐらいのものです。柔道だと35歳ぐらいでしょうか。オリンピックに出る選手の年齢はもっと若いことが多いことを見ても決して選手寿命は長くありません。

これが陸上や水泳となるともっと短いです。ウサイン・ボルト選手が今年度の世界陸上をもって現役を引退しましたが、年齢的にはまだ30歳でした。年齢だけ見ればまだまだやれそうにも思えますが、100メートルで最高記録の9秒58を出したのは2009年の世界陸上でしたから、今からもう8年も前です。

筋トレの場合、全盛期と呼べる時期が他のスポーツよりもはるかに長いという特徴があります。本格的に開始できる年齢が遅いとしても、他のスポーツよりもはるかに長くできるという長所があります。

中学生が安全に行なえる筋トレメニュー

中学生が安全に行なえる筋トレメニューを考えてみましょう。

ここまでご紹介してきたように、中学生が成人が行なうような本格的な筋トレはおすすめしません。中学生の場合、特に低学年の場合は、軽い筋トレで抑えた方がいいです。

自重トレーニング

自重トレーニングがおすすめです。器具を使った本格的な筋トレに比べてかなり負荷が軽いので、体にかかる負担が少ないので、比較的無理がありません。

自重トレーニングは腕立て伏せや、ヒンズースクワットといったものが中心になりますが、効果が劇的ではないにせよ、筋トレの初歩段階としても有効です。

時間を制限する

筋トレの時間帯

時間を制限するのも、筋トレをやり過ぎないようにする上で有効です。

時間の上限を決めておけば、自ずと限界ができます。中学生の筋トレであれば30分から長くても1時間ぐらいに制限した方がいいでしょう。

限界まで追い込まない

自重トレーニングであれば、回数が増えていくだけですから、限界まで繰り返してもさほど問題ないですが、バーベルやダンベルなどの器具を使うのであれば、限界まで追い込むのはまだ早いです。

かなり余裕のあるところまでで止めるようにしましょう。20回ぐらいできる重量で10回ぐらいで止めるぐらいで十分です。

高重量に挑戦しない

中学生がバーベルでの筋トレを行なう場合に特に注意すべきは、決して高重量に挑戦しないことです。これはしかし、筋トレでは難しいところです。

バーベルを使えば高重量に挑戦したくなるのは人間の本能だからです。

中学生には自重トレーニングがおすすめなのは、自重トレーニングであれば、限界まで行なうとしても回数が増えるだけなので、実害が少ないからです。

低学年と高学年の違い

中学生とひと口で言っても、1年生から3年生までいますから範囲が広いです。

大人になってからの3年間はさほどの変化がありませんが、12歳から15歳の3年間は変化が非常に大きいです。

身長の伸びとか、骨の変形などといった、筋トレの危険を考えなくてはならないのは中学生の主に2年生あたりまでの話です。

3年生になれば14歳から15歳になっていますので、そこそこ本格的な筋トレに耐えられるようになっているでしょう。

1年生から2年生までは自重トレーニングにとどめておいて、3年生からバーベルやダンベルを少しづつ採り入れるようにすれば無理がないです。

個人差で判断する

上記は一般論としての話ですが、実際には中学生のうちからかなり本格的に筋トレを行なっても大丈夫な人もいます。体がすでに大人になっている人です。

特徴としては、中学生という年齢の割にがっしりしていて、筋肉質なタイプの人です。

まとめ

中学生にとっての筋トレについてご紹介しました。

筋トレというのは、普通のスポーツのように早く始めればより効果があるわけではありません。

身長に対する影響や、重いバーベルを使った筋トレによって骨が変形する危険などを考えても、中学生が成人のような本格的な筋トレを行なうのは危険があります。

そのため、先述のように、中学校低学年までは主に自重トレーニングにとどめておいて、3年生あたりから徐々に本格的な筋トレに移行するぐらいの展開がおすすめです。

中学生の筋トレは高校生以降に行なう本格的な筋トレの準備期間ぐらいの感覚で行なうのがよいでしょう。