腓腹筋とヒラメ筋の役割の違いと綺麗なふくらはぎを作る鍛え方

投稿日: 2017年11月10日

腓腹筋のイラスト

腓腹筋は下半身のトレーニングの中で、太ももを構成する前面の大腿四頭筋と後面のハムストリングス(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋)、大殿筋と違い、じっくり取り組むのを忘れがちな筋肉です。

しかしスポーツ愛好者にとって、腓腹筋による地面の反発力の強さは、快適なランニングや跳躍を可能とします。女性にとっても腓腹筋は、むくんで太くなった足を鍛えることで、締まった美しい足を手に入れることができます。

スポンサーリンク

腓腹筋とは?

腓腹筋とヒラメ筋との違い

腓腹筋はヒラメ筋とともに下腿後面を構成する筋肉で、大腿骨(ふとももの骨)下部の裏側から踵までに位置しています。

主な動作は、爪先立ちなど足首を伸ばすことです。

ヒラメ筋は腓腹筋と同じ踵の骨(腓腹筋より上)についていますが、腓骨(脛の外側にある骨)の上部につき、効果的なトレーニング方法も違います。

ヒラメ筋

主な動作は腓腹筋と同じ足首を伸ばし爪先立ちなる他、立った状態を支持する役目もあります。

また、腓腹筋は短距離走や幅跳び、高飛びなど瞬発的な動きを得意とする速筋繊維からなり、ヒラメ筋は姿勢維持やマラソンなどの長距離走で反復・持続的な収縮に向く遅筋繊維からなる違いがあります。

強力なバネとしての腓腹筋

腓腹筋(とヒラメ筋)は、大殿筋やハムストリングなど強力なパワーを地面に伝える時に重要なバネの役割をします。

もし腓腹筋が弱ければ、どんなに強いパワーを作り出してもうまく地面に伝わらないばかりか、肉離れやアキレス腱断裂など負傷の原因に成りかねません。

女性は腓腹筋トレーニングが嫌い?

スカートの膝下で、たくましい腓腹筋はできるだけ敬遠したい女性は一般的です。しかし実際にトレーニングをするとアキレス腱は引き締まるので、腓腹筋を張りのある程度に鍛えれば細く見えます。

もしメリハリがあり、細く見える腓腹筋を望むなら、後述するバランスボールを使用したエクササイズをおすすめします。

筋肥大を目的にするカーフレイズの実践

カーフレイズとは?

腓腹筋の代表的なトレーニングで、マシンを使ったトレーニングやダンベル、バーベルを使用した方法から、自らの体重を利用した方法まで数多くあります。

共通する動作は、かかとを上げつま先立ちになることが特徴です。以下に代表的なカーフレイズを簡単にご紹介します。

フリーウェイト使用のカーフレイズ:バーベル、ダンベル

  1. スタンディング・カーフレイズ:バーベル使用
    両肩の上にバーベルをかついで行う。
  2. スタンディング・カーフレイズ:ダンベル使用
    両腕を下げ、両手にダンベルを持って行う。
  3. ワンレッグ・スタンディング・カーフレイズ:ダンベル使用
    両足ではなく片足で行う。トレーニングする方の手にダンベルを持ち、反対側の足を上げて行う。

スミスマシン使用のカーフレイズ

カーフレイズをする男性

スミスマシンは、メーカーによってデザインによる違いがありますが、共通するのはバーベルが両端2本の支柱に固定され、それに沿ってバーベルでのトレーニングが行えるのが特徴です。カーフレイズ以外のトレーニングでも使用できます。

  1. スタンディング・カーフレイズ
    スミスマシンには、足の位置に段差がありそこに前足で踏み、バーにはロックが付き、それを外し肩に担いでトレーニングする。
  2. ワンレッグ・スタンディング・カーフレイズ
    スミスマシンを使用したカーフレイズを片足で行う。

筋肥大にはどのくらい強度が必要か?

効果的なトレーニングをする目安として、最大反復回数があります。例えば20回反復してできる場合は、あまり筋肥大はしないが筋持久力を得ることができます。また、1、2回しか反復できない程の回数であれば、瞬発力は養成できても肥大に必要な運動量に達していません。

自らの体重の他、フリーウェイト(ダンベルやバーベル)や専用のトレーニングマシンを使用するならば、適切な負荷をゆっくりかけて最大反復回数が8~10回程度行えるようにすると、筋肥大が期待できます。

実践!美しいふくらはぎの作り方

自重によるカーフレイズの目的

カーフレイズは、バーベルやダンベル、スミスマシンを使用いたトレーニングの方がより効率的に負荷が加えやすいメリットがありますが、大きな負荷を利用するので落下や重さが耐えられないなどのデメリットがあります。

ここでは手軽に始められ、より安全に行うことを第一の目的とし、効果が実感できる二つのトレーニングを紹介します。

カーフレイズ・ジャンプ:エキセントリック収縮をつかう

エキセントリック収縮(筋肉が収縮し縮みながらも、引っ張られ伸ばされる力)を利用し、縄跳びなど連続してジャンプするような素早い切り返し動作を行うトレーニングです。

このトレーニングでは筋に微細な傷が出来、回復する時には以前より筋が大きく成る超回復が起きます。

カーフレイズ・ジャンプの実践

トレーニング回数と負荷:10回、30%位の力で5回、50%位の力で5回

  1. 開始前に、ウォーキングなど体が軽く温まる程度のアップを行います。
  2. 足を肩幅よりやや狭くして立ち、かかとをしっかり床に着けます。
  3. 膝を軽く曲げ、伸ばすのと同時に足首も伸ばしながら跳びます。
  4. 2.3.を規定の回数を連続して切り返しながら行います。

スタンディング・カーフレイズコンセントリック収縮をつかう

コンセントリック収縮(筋肉が短くなりながら力を出す)を利用し、さらに軽い負荷をゆっくり繰り返すトレーニングです。

これにより筋内部の血流が遮断され、日常では体験しない過酷な環境で乳酸などの代謝物質がたまります。そのストレスの回復過程で、筋肥大を促進させる成長ホルモンの分泌が期待できます。

スタンディング・カーフレイズの実践

トレーニング回数と負荷:5~10回、約3秒かけて上げ、約3秒かけて下ろす。

  1. 足を肩幅よりやや狭くして立ち、かかとをしっかり床に着けます。
  2. 1.の時、不安定になるため、事前に壁や椅子などにつかまります。
  3. 足首をゆっくり限界まで伸ばします。
  4. 続けて動作を止めずゆっくり下ろします。
  5. 下ろした時にかかとをギリギリのところで着けず力の抜けを防ぎます。
  6. 3.4.5.を規定の回数を連続してゆっくり行います。

1日あたりのトレーニング

今回紹介した二つのトレーニングは、それぞれ単独で行うこともできますが、合わせて1セットにすると効果的です。

最初にカーフレイズ・ジャンプで超回復に必要な筋に微細な傷を付け、次にスタンディング・カーフレイズで筋にストレスを与え、成長ホルモンの分泌を促し筋肥大しやすくする事ができます。このトレーニングを1日あたり3~5セット行うのが筋肥大には効果的です。

1週間のスケジュール

トレーニング スケジュール

週当たりの回数は、トレーニング後の微細な筋の傷が回復する過程を考え、2~3日空けて2~3回行う事が効果的です。もちろん、良質なたんぱく質(肉・大豆・卵など)の補給も忘れてはなりません。

例:火曜日、金曜日の週2回、3セット(所要時間約5分程度)

時間も努力もそれほど必要なく、個人差はありますがコツコツ行うことで、2ヶ月くらい後には効果が実感できます。

バランスボールを使用したカーフエクササイズ

バランスボールでカーフエクササイズの目的

手軽に入手できるボールを利用し、バランスや筋力(力の入りやすさ)の向上が目的です。

単に腓腹筋のトレーニングだけではなく、全身と腓腹筋の協調をボールという不安定な要素を取り入れることで可能とします。

大きな筋肥大を目的にせず、ふくらはぎを引き締めることの他、ゆるい足首、ケガのセルフ・リハビリにも利用できます。

バランス・ボールについて

バランスボール

ホームセンターで1000~2000円位で購入できるバランスボール(65センチサイズ)が最適です。他の筋トレにも利用できるので、身近に置いておくと便利です。

基本姿勢

肩幅に足を開き両足は平行(これができないと正しく負荷がかかりません)にします。

みぞおちのあたりにボールを当て体が60~70度ほど傾けた状態でボールを壁に体重を支える程度に押し付けます。この時、両手でボールを支え、体は足から頭までまっすぐにします。この姿勢が崩れると不安定になり、鍛えたい腓腹筋以外のところに無駄な負荷が加わります。

両足後面トレーニング

トレーニングの回数と負荷:20回位できる限りスムーズにリズミカルに行う。

  1. 基本姿勢を維持し、ふくらはぎが少しだけストレッチされるようにします。
  2. かかとを足首が伸びるところまで上げ、そこから下ろすのを1秒で行う。
  3. 2.の動作を膝が曲がらないように注意しながら規定の回数行う。

片足後面トレーニング

トレーニングの回数と負荷:20回位できる限りスムーズにリズミカルに行う。

①基本姿勢を維持し、膝を上げボールに付ける。膝から下は力を抜いて垂らす。
②かかとを足首が伸びるところまで上げ、そこから下ろすのを1秒で行う。
③②の動作を膝が曲がらないように注意しながら規定の回数行う。
④今度は反対の膝を挙げ、同じように行う。

腓腹筋レーニング後のケア

ストレッチ

一般的にトレーニング後のケアには、ゆっくり・じっくり伸ばすストレッチが有名ですが、やりすぎには注意が必要です。

もし、ストレッチを行うのであれば気持ちのいい範囲をこえないように注意しましょう。また、トレーニング前のストレッチは筋力が出しにくくなる場合があります。

バタ足

足をのばせるプールやジャグジー、自宅であれば下腿を浴槽に入れ、膝から下の力を抜いて軽くバタ足をすると、循環が良くなり筋肉痛の予防や回復に効果的です。この時に、膝から下は完全に力を抜くことで、筋をほぐしながらリンパや血液の流れを改善しやすくなります。

女性の方で足のむくみが気になる方は、トレーニングをしない日もこの方法を試してみてください。

注意点

  • 過去にアキレス腱断裂や肉離れをした方は、紹介したトレーニング方法より強度を落として少しずつ負荷を増していくようにしましょう。
  • 現在、腓腹筋に肉離れまたはアキレス腱に痛みがある場合は適切な治療を受けるなどをし、回復してから取り組んでください。

まとめ

たった一ヶ所のトレーニングでも、さまざまな方法があります。その中でも自身の目的に応じたメニューを組み、安全に目的を達成することが重要です。

腓腹筋は解説したようにハムストリングス(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋)や大殿筋の強力な力を地面に伝える筋肉です。そのため腓腹筋単独ではなく、下半身のトレーニングメニューの中に組み込むことをおすすめします。