口輪筋を鍛える!効果的な体操やペットボトルを使った鍛え方
年とともにたるんでくる口元。口元の筋肉がたるんでくると、口元だけでなく顔全体がたるんできます。そして、顔つきが老け込んでしまいます。
それだけでなく、はっきり話すこともできなくなります。
口元は見た目の年齢に関係してくるのです。
そこで口元の筋肉である口輪筋を鍛えましょう。口輪筋を鍛えることで、口元だけでなくお顔全体を若々しくすることができます。
口輪筋とは?
口輪筋は、人間の口の周囲にある筋肉で、筋肉が皮膚に停止するので皮筋の1種です。
口輪筋を使うと、口を閉じたりすぼめたり、口を前に尖らしたりすることができます。
実は口輪筋には、表情筋と呼ばれる顔のいろいろな動きを担う筋肉がたくさんついています。表情筋は、一つの筋肉ではなく、複数の筋肉の総称です。
口輪筋についている表情筋には、眼輪筋、大頬骨筋、頬筋、オトガイ筋、顎舌骨筋があります。
眼輪筋は、目の周りの筋肉で、ここがしっかりしていると目元がぱっちりします。
大頬骨筋は、目の下から頬にかけての顔つきをはっきりさせます。
頬筋は、頬を引き締める働きがあります。
オトガイ筋には、口の下である顎先を引き締め、たるまないようにする働きがあります。
顎舌骨筋は、顎の下側の筋肉で顎の下がたるまないように引き締めてくれます。
口輪筋のたるみは、これらの表情筋のたるみにつながります。その結果、口元だけでなく、お顔全体がたるんでしまい、老け込んだ顔つきになってしまうのです。
また、口をしっかり動かすこともできなくなるので、会話に際して、はっきりと発音することが難しくなります。その結果、相手に伝わりにくくなり、コミュニケーション能力に障害が現れます。
そして、口をしっかり閉じることができなくなることで、食べ物や飲み物がこぼれたりしやすくなるばかりか、唾液が蒸発しやすくなり口が乾燥するようになります。
唾液には抗菌作用のある成分や、細菌を洗い流す働きがあります。唾液が蒸発して量が減少してしまうことで、お口の中の細菌が増えてしまいます。そのために、口臭が引き起こされたり、むし歯菌や歯周病菌が増えて、むし歯や歯周病になりやすくなったりします。
それだけでなく顎舌骨筋がたるんでくると、舌を支える力が低下してしまいます。
すると、舌がたるみ、そして下方に下がってきます。その結果、舌根が沈下してしまい、気道を狭めてしまいます。
気道の狭窄は、寝ている間にいびきを生じさせるだけでなく、睡眠中の呼吸停止をもたらす睡眠時無呼吸症候群を引き起こすようになるのです。
顔つきだけでなく、人間にとって大切な社会生活や日常生活、ひいては人間の健康そのものにも影響が及んでくるのです。
ところが、口輪筋は、普段意識する筋肉ではないので、普通に生活しているだけですと、年とともに筋力が衰えてしまうのです。
口輪筋の衰えをチェックする方法
口輪筋が衰えているかどうかをチェックする簡単な方法があります。
まず、500ミリリットルのペットボトルを用意してください。
その中に100ミリリットルの水を入れましょう。
そして、歯でくわえないで、唇の力だけを使って100ミリリットルの水の入ったペットボトルをを下を向いて持ち上げてみてください。
その間10秒です。10秒間は少なくとも持ち上げましょう。
これができなければ、口輪筋が衰えてきていると考えられます。
そこで、10秒以上持ち上げられなかった人は、口輪筋を鍛えるようにしましょう。
口輪筋の鍛えるトレーニング法
口輪筋を鍛えるトレーニング法に、『あいうべ体操』があります。あいうべ体操は、みらいクリニックの今井一彰医師が開発したトレーニング法です。
あいうべ体操で口輪筋を鍛える方法
特別な道具も必要なく、年齢制限もありません。
誰でもどこでもすぐにできるトレーニング法です。
口輪筋を鍛えるだけでなく、花粉症やアトピー、喘息などのアレルギー性疾患にも効果があることがわかっています。
これは、口呼吸を改善させる効果があるからと言われています。
では、そのあいうべ体操の方法について説明します。
あいうべ体操のやり方
- 「あ~っ」と、大きくお口を開ける。
- 「い~っ」と、横方向にお口をいっぱい広げる。
- 「う~っ」と、お口を精いっぱい、前に突き出す。
- 「べ~っ」と、舌をお口から前に突き出して、下方向に伸ばす。
これだけです。とても簡単です。
『あいうべ体操』とは、その名前の通りだったのですね。
この1から4までが1セットとし、1日あたり30セットを目標にして毎日します。
あいうべ体操をする時の注意点
口輪筋を鍛えると同時に舌の筋肉も鍛えます。
口輪筋がたるんでいる人の場合、いきなりフルセットですると、舌を中心としてかなり疲れます。
痛みを感じることもあるほどです。
したがって、最初のうちは、『あいうべ体操』を一度に1日30セットするのではなく、例えば朝10セット、昼10セット、夜10セットと分けたほうがいいでしょう。
もし、仕事の関係などで、昼間にするのが難しい場合は、朝15セット、夜15セットという組み合わせもできます。
もちろん、30セット以上してはならないということでもありません。
また、顎関節症などで、お口を開けにくかったり、顎が痛くなったりする人は、無理にお口を大きく開ける必要はありません。
あくまでも無理のない範囲で大丈夫ですし、回数を減らしても構いません。
もしくは、『あいうべ体操』のうち、「あ」「べ」を省いても大丈夫です。「い」「う」だけなら、顎関節に負担をかけることもあまりないからです。
『あいうべ体操』は前述したように、口輪筋を鍛える効果だけではありません。
アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎などのアレルギー性疾患を改善させる効果もあります。
また、インフルエンザなどの呼吸器系の病気を予防する効果もあります。
うつ病などの心の病気を良くすることもできます。
こうした作用は、『あいうべ体操』に自律神経を整える作用があるからと考えられています。
フェイシャルフィットネス パオを使った口輪筋の鍛え方
出典:amazon
道具を使ったトレーニング法としては、『フェイシャルフィットネス パオ』を使う方法もあります。
『パオ』は、株式会社MTG社が発売している口元トレーニング用の道具です。
左右対称性のある細長いバーの中央部にあるマウスピースを口でくわえ、振ることで口輪筋を鍛えます。
バーの先端部には3種類の重さのバランスウェイトのいずれかを取り付けます。
バランスウェイトの重さで、トレーニング時の負荷の大きさを調整します。
口輪筋を鍛えるだけでなく、お顔全体の筋肉も鍛えることができます。いわゆるほうれい線対策にも有効なトレーニング法です。
バランスウェイトを選んで、口にくわえて振るだけなので、使い方は簡単なのですが、値段が1万円以上してしまいます。
ペットボトルを使った口輪筋の鍛え方
道具を使ったトレーニング法をしたいけれどもあまりお金をかけたくない場合は、ペットボトルを使うトレーニング法があります。
まず500ミリリットルのサイズのペットボトルを用意します。
中に100から200ミリリットルの水を入れましょう。蓋をしっかり閉め、漏れないようにします。
そして、上下の唇でペットボトルを挟みます。
この時、上下の前歯で噛んで持ち上げないようにしてください。歯で噛んで持ち上げると、口輪筋を鍛えることができません。
このままの状態で、少なくとも10秒間は持ち上げ続けましょう。10秒以上できるなら、してもらっても構いません。10秒は、あくまでも最低ラインに過ぎません。
これを3回行って、1セットとします。
1日あたり、少なくとも朝夕で2セットはするようにしてください。
まとめ
口輪筋を鍛えるというと、とても難しそうに聞こえます。しかし、今回紹介した3つの方法は、どれもそれほど難しい方法ではありません。
いずれの方法であっても、誰でも簡単に鍛えることができます。
早めにトレーニングに取り掛かれば、その分早く効果も得られます。
口輪筋を鍛えて、若々しい口元と、お顔を、そしてそれだけでなく心身の健康も手に入れましょう。