筋トレメニューを腕に特化させて効果を上げる完全マニュアル
腕を太くするために筋トレに励むトレーニーは多いですが、腕を太くするのはなかなかに難しいです。
腕を太くするのが難しいのは、腕を構成する筋肉が小さいことと、トレーニング方法を間違えていることが原因です。
そこで、今回は腕を太くするための筋トレ方法とテクニックについて解説します。
腕を鍛えるための筋トレメニュー
腕の筋肉は大きく分けて上腕部と前腕に分かれます。上腕部はさらに上腕三頭筋、上腕二頭筋、上腕筋に分かれています。これらの腕を構成する筋肉をそれぞれバランスよく鍛える必要があります。
バランスの悪い鍛え方をすると、上腕二頭筋はよく発達しているのに、上腕三頭筋が見劣りするとか、あるいはその逆といったことになりかねません。
腕の筋トレメニューで行なうべき種目
腕の筋トレメニューを構成すべき種目は大別してフリーウエイト、ケーブル、マシンがあります。これらを組み合わせて腕のトレーニングをするわけですが、まずはフリーウエイトを基本にするのが効果的です。
基本種目が最優先
腕を太くする一番の近道は基本種目を最優先にすることです。上腕三頭筋でも上腕二頭筋でも基本種目を最初に行ないましょう。
基本種目としておすすめなのが、上腕三頭筋についてはライイングトライセップスエクステンション、上腕二頭筋についてはバーベルカールです。これらの種目はEZカールバーを使ってもストレートバーでもかまいません。自分に合ったバーを使いましょう。
EZカールバーは手首の負担がかからないように、バーに角度がついていますので、こちらの方が使いやすくなっていますが、ストレートバーの方が効きやすい人も少なくありません。自分にはどちらが合うか試してみましょう。
上腕三頭筋の鍛え方!太い腕を作るためのトレーニング!
ジムでトレーニングする場合
設備の良いジムでトレーニングするのであれば、バーベルやダンベルといった、フリーウエイト以外にマシンやケーブルが使えますので、腕のトレーニングをするのにバリエーションがかなり多くできて効果的です。
ジムでトレーニングする場合でも、まずは基本種目から始めるのが一番効果的です。マシンやケーブルに目が行ってしまいがちですが、まずはフリーウエイトの基本種目で高重量で追い込むのが一番効果的なのは、今も昔も変わりません。
しかし、ジムであれば、マシンやケーブルが使えますから、これらの器具を使うことで腕のトレーニングがより充実したものになることは間違いありません。問題はその使い方です。
マシンやケーブルは基本種目で追い込んだ後にやってこそ効果を発揮します。
自宅で腕のトレーニングをする場合
自宅でトレーニングする場合、ジムのようにケーブルやマシンを揃えるのは難しいですから、フリーウエイトであるバーベルやダンベルを活用することになります。バーベルとダンベルがあれば工夫次第でかなりの種目が行なえます。
自宅でトレーニングしている人であれば、パワーラック、ベンチプレスのベンチ、バーベル、ダンベルぐらいは持っていることが多いですから、これらの装備を前提として、自宅でできる腕のトレーニングの方法をご紹介します。
上腕三頭筋の鍛え方
上腕三頭筋の基本種目であるライイングトライセップスエクステンションの他、トライセップスエクステンションを立った状態で行なうのも効果的です。
トライセップスエクステンションをダンベルで行なう方法もあります。両手で行なう場合の他、片手でもできます。バーベルとダンベルだけでもかなりのバリエーションが考えられます。
手幅を狭くしたナロウグリップベンチプレスも上腕三頭筋に効果的です。パワーラックにディップスのためのバーがあれば、ジムでのトレーニングと遜色ないバリエーションにできます。
プッシュアップバーを使って手幅を狭くしてプッシュアップをするのも上腕三頭筋をかなり強く刺激します。このように、バーベルとダンベルと簡単な器具があるだけで、かなり充実した自宅トレーニングができます。
[三頭筋]トライセプスエクステンションのやり方【筋トレ】
上腕二頭筋の鍛え方
上腕二頭筋を鍛える基本種目がバーベルカールであることはジムであっても自宅であっても同じです。自宅でのトレーニングでも、まずはバーベルカールから始めましょう。
スタンディングバーベルカール動画
問題はこの後の種目です。ジムであればケーブルやマシンが豊富に揃っていますが、自宅ではこれらの器具はありませんから、バーベル以外ではダンベルを使うことになります。
ダンベルがあれば上腕二頭筋でもかなりの種目をこなせます。まずは普通のダンベルカールです。立った状態でも、座った状態でもいいです。次に効果的なのが片手でのコンセントレーションカールです。
コンセントレーションカールで上腕二頭筋のピーク(高さ)を作るフォームについて解説
ベンチプレスの台に寝た状態でライイングダンベルカールを行なえば、上腕二頭筋がかなり強くストレッチできます。ベンチプレスの台が角度を調節できるものであるならば、インクラインカールも効果的です。
上腕筋の鍛え方
上腕筋は上腕二頭筋とセットで鍛えましょう。上腕筋を鍛えるための種目はハンマーカール1種目で十分です。
しかし、上腕筋は小さい筋肉ですから、必ずしも行なわなくてもいいでしょう。
前腕の鍛え方
前腕に関しては、バーベルかダンベルでのリストカール、リバースカールがあります。
レバレッジバーも持っていれば、前腕のトレーニングに関してはジムでトレーニングするのとほとんど変わらない内容でできます。
腕の鍛え方 | 前腕を太くするための筋トレをご紹介
腕のトレーニングの分割方法
腕を鍛えるについて、1回のトレーニングで腕全体を鍛えるメニューもありますが、分割した方が効率がいい場合もあります。効果的な分割方法をご紹介します。
プッシュプル法
上腕三頭筋を大胸筋と肩と組み合わせる方法です。押し系の筋肉である大胸筋、肩、上腕三頭筋をまとめてトレーニングするメニューを組む方法です。
押し系の筋肉をひとまとめにすることで、押し系の筋肉を集中的に鍛えることと、押し系の筋肉を分散させないことで、疲労回復に最大限の時間が確保できるメリットがあります。
同様に、上腕二頭筋を背中と組み合わせることで、引き系の筋肉をまとめる方法にすれば、やはり引き系の筋肉を集中的に鍛えるとともに、疲労回復の時間を確保できます。
プッシュプル法の難点
プッシュプル法は上記のように効果的な方法ですが、人によっては合わない場合があります。上腕三頭筋を大胸筋や肩の後に行なうことになるため、上腕三頭筋のトレーニングを始める時点ですでに疲労してしまっていて、力が出なくなる場合があるからです。
上腕二頭筋にしても、背中の後だとすでに疲労してしまっている場合はこのプッシュプル法は逆効果になる可能性があります。これはかなり個人差があります。
プッシュプル法が合わない場合の対処法
プッシュプル法が合わない人の場合は、腕を体幹部とは別の日に鍛えることになりますが、この際、大胸筋、背中、肩の次の日に腕を鍛えるのはいいですが、その逆はいけません。
たとえば、上腕三頭筋を鍛えた翌日に大胸筋や肩を鍛えるのはNGです。
上腕三頭筋が疲労した状態で大胸筋や肩のトレーニングするのでは、十分に力を発揮できませんし、ケガの原因にもなります。
上腕二頭筋を鍛えた翌日に大胸筋を鍛えることについては、引き系の筋肉の翌日に押し系の筋肉の組み合わせということで、大丈夫なようにも思えますが、大胸筋のトレーニングでも上腕二頭筋が補助筋として使われますので、やはり1日は置いた方が無難です。
腕を太くするための注意点
腕を太くするために効果的な注意点をいくつかご紹介します。
腕のトレーニングの頻度
腕の筋肉は比較的小さいこともあって、回復が早いです。そのため、大胸筋や脚などに比べて頻度を増やした方が効果的な場合もあります。
しかし、これは傾向であって、かなり個人差があります。多くても週3回程度までです。
パンプアップを重視する
筋トレには筋肉痛がつきものです。トレーニングの翌日に筋肉痛があるのは効いている証拠ですが、腕のトレーニングの場合、胸や背中、脚のように強い筋肉痛は残らないことが多いです。
筋トレを始めたばかりであれば、まだ体が筋トレに慣れていないこともあって、腕も筋肉痛が残りやすいですが、筋トレに慣れて経験を積むと、腕に関しては大きな筋肉痛が残らないことが多いです。
強い筋肉痛は残らないようでも、しっかり追い込んでいれば疲労していますから、しっかり鍛えたならば、筋肉痛があるかどうかはあまり気にする必要はありません。
むしろ重視すべきはトレーニング中にしっかりパンプアップさせているかどうかです。
マシンだけでは腕を太くできない
ジムに行けば腕を鍛えるためのマシンが豊富に揃っています。
マシンがいろいろと開発されていることは大変けっこうなことですが、マシンだけで腕を太くできるかと言えば、大して期待できません。
初心者が最初に鍛える分には多少の効果があるとしても、最初に多少太くなるぐらいですぐに頭打ちになります。
マシンよりもバーベルなどのフリーウエイトを優先しましょう。
できるだけ短時間で終わらせる
腕を太くするトレーニングのコツのひとつが、できるだけ短時間で終わらせることです。
基本種目に関してはある程度のインターバルが必要ですが、ケーブルやマシンに関しては極力インターバルを短くしましょう。
テンポよくトレーニングして短時間で究極のパンプアップをさせることが腕を太くするコツです。
前腕のトレーニングが必要ない人
前腕のトレーニングについては必ずしも直接的なトレーニングが必要とは限りません。
前腕は背中や上腕二頭筋のトレーニングで間接的に使っていますので、それだけで前腕に効いてしまう人はわざわざ前腕を直接鍛えなくても十分発達します。
腕のサイズは正確に計測する
上腕部や前腕が太くなっているかを見た目で判断するのもひとつの方法ですが、太くなっているかが一目瞭然にわかるのは実際に巻き尺で計測することです。
腕のサイズを巻き尺で計測する際に注意すべきは正確に計測することです。巻き尺を緩めに巻いたり、斜めに巻いたりするのは実際よりも数字が大きく出ますからNGです。
上腕部の測り方は腕を床に水平にして、そこから拳を握った状態で、前腕を上腕部と直角になるまで曲げて力こぶを作ります。
そして、上腕二頭筋のピークの位置に巻き尺を合わせて、そこから垂直になるように巻き尺を巻いて測ります。これが「上腕屈曲囲」です。
この上腕を屈曲した状態から静かに腕を伸ばして計測した数字が「上腕進展囲」です。普通、「上腕部○○センチ」という時は腕を曲げた状態で測った上腕屈曲囲であることが多いです。
前腕囲の測り方は、拳を握らず、腕を真っすぐに伸ばした状態で、前腕の一番太い部分を計測します。
前腕を測る時に腕を曲げて測る人がいますが、間違った測り方です。前腕を測る時は必ず前腕を伸ばした状態で測りましょう。
まとめ
腕は筋トレを行なっているトレーニーが最も熱心に鍛える部位のひとつです。それだけ腕というのは鍛える魅力がある部位だと言えます。しかし、腕だけを一生懸命トレーニングしても腕はあまり太くなりません。
腕だけを鍛えても腕が太くならないのは、腕を構成している筋肉が小さいため、腕のトレーニングでは、体全体にかかる負荷が小さいからです。
腕を太くするには腕を鍛えることは当然として、脚や大胸筋、背中といった大きな筋肉をしっかり鍛えないといけません。特に脚です。これらの大筋群をしっかりと鍛えた上で、腕を鍛えるのが最も効果的です。